仮想空間さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

夢のシネマ 東京の夢(1995年製作の映画)

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ガブリエル・ヴェールが抱いていた東京の夢はシネマトグラフでは実現し得なかった。映画黎明期において被写体と撮影者の権力構造を看破していたヴェールの才覚にハッとした。
吉田喜重自身の語りと何度も交差する列
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秋津温泉(1962年製作の映画)

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冒頭20分間のテンポ、空間、その他すべてが完璧に描かれていて涙出そうになったが、後半秋津に行っては帰り…を情報量薄めに繰り返していたので退屈だった
ラスト10分は圧巻。それがすべて。
林光の劇伴がモリ
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日本春歌考(1967年製作の映画)

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「政治映画と青春映画のバランスが取れた作品である」(黒沢清)
どこがやねん。
春歌について、どこかで聞いたことあるなと思ったら、青山真治『チンピラ』歌われていたか。

大江戸性盗伝 女斬り(1973年製作の映画)

3.7

脚本・桂千穂、助監督・長谷川和彦という布陣のため絶対まともでない作品だろうなぁと思ったら案の定。宮下順子と男性カップルの話かと思えば人斬り般若の話になるしいきなり五條博と小川節子の不倫の話になるしで観>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.8

面白いというより不思議。稲垣吾郎と玉城ティナがラブホテルの円形ベッドでトランプするというスペクタクル。
小説や写真にすると自分の見つめてきた対象が過去化される。でもほとぼりが冷めてみると、それって案外
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

衝撃的過ぎた。
たしかに音を「見る」映画だったかもしれないが、はたして煩雑だったかといえは全くそうでは無い。
三宅監督の過去作「コックピット」や溝口健二「名刀美女丸」を思い起こさせるなど。岸井ゆきのの
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彼岸花(1958年製作の映画)

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何も共感する要素が無かったが、面白くないわけでは無いのでサクサク観れた
詩吟を歌う笠智衆から歌がどんどん聴いている仲間に広がってゆくシーンは孤独だった彼らをつないでいく役割を果たしていて印象的
つい最
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(秘)極楽紅弁天(1973年製作の映画)

3.8

序盤は大いに笑わせてもらったが後半の集団暴力っぷりに思わずドン引き。
ヒッピー、アンモニアという西洋語(現代語)から製作当時の背景と二重写しにして観ざるを得なかったがあまりにも政治に対する冷徹な群像を
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.0

生死のはざまで必死にもがく抑圧者と被抑圧者たちの決死のやりとりが群衆のもつ強烈な圧の中で繰り広げられる。ラストのTAKESHIが放つメリークリスマス、ミスターローレンスの悲哀が胸を打つ。
坂本龍一とデ
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マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)

4.0

おもっくそブラックユーモアに振れまくってて笑い尽くしました。
家庭が異物の挿入で破壊されていくドラマツルギーを施した作品は数あれどこれは抜群の出来。みんな真面目なメロドラマの表情でチンパンジーの話をす
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(秘)女郎残酷色地獄(1973年製作の映画)

3.2

白鳥信一作品を上手いと思ったことはあるものの面白いと思ったことがない。ただこれは普通に楽しめた。
中川梨絵の転落ストーリーにとどまらない映像の豊かさがそこにある。エキストラの使い方は一見の価値あり。

小さな冒険旅行(1963年製作の映画)

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映画とは無関係に「日本映画で意地悪いオジンを演じるのは渡辺文雄が一番だよなぁ」と考えていたら本当に出演していた。大島組キャスト総出演の文明批判映画。『少年』の主人公役の子役が出演していた。

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

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あらゆる災害と危機を経たわたしたちとこの物語との唯一の相違点は、欠落したものが感覚か概念かの違いでしかないのだろう

名刀美女丸(1945年製作の映画)

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まさかの山田五十鈴シャウト&オーバーラップ。話は単調ながら鎚を打つシーンに熱気がこもる
溝口作品の中でも低評価とされているが言うほど…? というのが正直なところ。

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.0

ダニエル・ラドクリフはどうしてこの作品のオファーを受けたのか

かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.8

個人的には『すずめの戸締まり』を超えていた。
とても演出がオーソドックス。老舗のA-1が手掛けているということもあって安心して見れた。
生きづらさに寄り添うという命題を貫徹しながら、感動ポルノ的ないや
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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レビューすると悪口しか出てこないので今日はここまで!

情炎お七恋唄(1972年製作の映画)

3.5

小原宏裕監督デビュー作。
序盤はやや性急なストーリーテリングの感があったが、伏線として映画を張っていくモチーフを設定しきっちり後半の畳み掛けまで持っていく方法は上手い。森勝撮影がそうした演出を汲み取り
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ダーククリスタル(1982年製作の映画)

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ここに記すべきことでは全くないのだが、ハイクオリティなアナログ特撮の映像を30分テレビシリーズで作り上げた円谷プロって本当にすごいと思った。

あのこと(2021年製作の映画)

3.6

きっつ〜〜〜〜〜って思いながらものすごく惹きつけられている自分がいた
ストーリーはわりかし一直線で面白みは感じられないが、これがほんの5,60年前にあった出来事なのだという事実を突きつけることでグイグ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

映画を作る映画と言い切れない不思議な作品。どちらかというと人種問題を取り上げているので社会派。35ミリフィルム撮影による絵作りが丁寧で贅沢。
ジョン・フォード役があまりにも貫禄ありすぎるだろと思ったら
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.1

いろいろ論点がブレブレで感情移入に至らない。方法論や強引な映像の審美性に初期相米慎二を感じるなど。

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.4

いちいち面白いし、少しほろっときてしまった。黒沢清『ニンゲン合格』のような無機的でありながらハートウォーミングな映画の硬さがめちゃくちゃ良かった
普通であれば平易なはずの日本語をネチネチさせて発するム
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