ディアオ・イーナン監督の前作「薄氷の殺人」は10年代のベスト3に入る傑作だと考えているのですが、それだけに本作は(これといった好評も聞かなかったこともあり)あまりテンションも高くないまま観ました。
が、期待を上回る傑作でした。前作同様、中国の片田舎を舞台にしたフィルムノワール。
基本的にこの監督、スタイリッシュな画作りが先行し、物語はやや薄いのが特徴かと思いますが、そこも含めて大好物。とにかくアジアのど田舎をこれだけカッコよく撮ってくれてありがとう!それだけで充分です!という気持ちでいっぱいです。
全体的に、過去作品からの引用・オマージュに満ちており、どちらかというとシネフィルとか評論家筋に受けるタイプの作家かと思います。
髪切りすぎたグイ・ルンメイ(台湾No.1美人女優)がときおり美川憲一に見えたことを除けば、文句の付けようがありません。