Kogarathさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

君だけが知らない(2021年製作の映画)

3.6

韓国産の良質なサスペンスであり、"記憶"にまつわるヒューマンドラマでもある。うまいこと両立してるなあという印象。
これはミスリード狙ってるんだろうな~という描写もちょこちょこあって、あれこれ真相を推測
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.2

何も知らずに観たら「センスある若い監督が撮ったんだろうなー」と思って疑わないような作品を、70歳で撮っちゃうジャック・オディアール監督。瑞々しさにビックリ。

ちょっと引いちゃうと同時に興味深く見てし
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真夜中のパリでヒャッハー!(2014年製作の映画)

3.8

想像通りのアホアホ映画でひたすら笑える。
やりたい放題なんだけど、最後はホッコリさせて、なんかいい映画観たな~的な後味にさせてくれるのがニクい。フランスにもこういう映画あるのね。
主人公が善人で共感し
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クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男(2021年製作の映画)

3.6

ジザメリ、マイブラ、プライマル、オアシスといった単語に反応してしまう人に向けた、アラン・マッギーの伝記映画。
ダニー・ボイルやアーヴィン・ウェルシュが関わってるだけあって、アッパーでグルーヴィでドラッ
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.3

ジブリ映画や「ミツバチのささやき」を思い出す、子どもを主役に据えた映画の傑作。

「燃ゆる女の肖像」のように作り込まれた絵画のような映像美を予想していたら、もっとナチュラルでさらっとした印象。短い上映
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.8

監督・脚本・主演を務めたアマリア・ウルマンの魅力をたっぷり味わえる作品。
貧乏暮らしの閉塞感をスタイリッシュに映すモノクロ映像が決まっている。会話シーンとか、ジャームッシュあたりの影響を感じたり。
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女は女である(1961年製作の映画)

3.9

ゴダールによるアンナ・カリーナ賛歌。
最初から最後までアンナが様々な髪型・衣装をまとって魅力的に映されている。
二人は当時新婚だったらしい。早く子供がほしい!っていうのも、ゴダールが実際に言われていた
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歌え!ロレッタ愛のために(1980年製作の映画)

3.8

先日90歳で亡くなったカントリー界のレジェンド、ロレッタ・リン。
そんな彼女のことを知るのに最適な伝記映画。

歌い始めるまでの前半がちょっと長く感じるけど、終わってみるとこれは彼女の音楽的自伝じゃな
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うなぎ(1997年製作の映画)

3.6

血飛沫が飛ぶバイオレンスに、穏やかで温かい人情物語、ハチャメチャでコミカルな大乱闘。なかなか振れ幅が大きいけど、しっかり一本筋が通っているように感じる。役所広司の演じる山下の、良くも悪くも真っ直ぐな性>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.4

容赦ないバイオレンスと、沖縄のゆるくて開放的な空気の、いびつな融合。いや全然融合してないか。
それでも終わってから「完璧やないかい」と呟きたくなってしまう。画面からにじみ出るノスタルジーと虚無感に、他
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ハートブルー(1991年製作の映画)

3.9

若きキアヌがびっくりするほどカッコイイ。
キアヌがサーフィンしたり銃を構えてアクションしてるだけで2時間余裕で画が持ってしまう。
夕陽が当たる波やサーフボードの美しさ、スカイダイビングの迫力、今観ても
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ときめきに死す(1984年製作の映画)

3.8

彼が何者なのか、何のためにここにいるのか、よく分からないまま物語が進む。でも"その日"が近づいているのがなんとなく分かる。
そんな不穏な緊張感の中で、海で泳いだりドライブしたりする変なユルさがなんとも
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

4.1

すごい。さっぱり分からん。
だけどクラクラするほどエレガントでミステリアスな映像が目を引き付けてやまない。
絶え間なくゆっくり動くカメラと、ストップ&ゴーを繰り返す人々。耳に残るパイプオルガンの音色。
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地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

4.0

本当に「死刑台のエレベーター」と同じ人が撮ったの?と驚くくらいカラフルでポップで可愛らしいドタバタコメディ。
ゴダールに続けと言わんばかりにジャンプカットをガンガン使って独特のテンポを生み、早送りも交
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街の灯(1931年製作の映画)

4.5

映画史に残る名作と呼ばれるのも納得。
これだけ娯楽が発達した現代に観ても思いっきり笑って泣けて、映画を観ることの原初のヨロコビを思い出させてくれる至高の作品。チャップリンすげえなあと改めて恐れ入る。特
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裏窓(1954年製作の映画)

3.7

部屋から出られない設定をうまく使ったサスペンス。
ストーリーにもうひと捻り欲しいところだけど、ワンシチュエーションでも飽きさせない展開はさすが。作り込まれた舞台セットも見ていて楽しい。
覗き見しまくる
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.2

ホラーと思いきや…!な作風が板に付いてきたジョーダン・ピール、今度はスペクタクルなSF×西部劇。
UFOが異星人の乗り物じゃなくてそれ自体が捕食者っていうパターンは初めて観たので新鮮だった。エヴァの使
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セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.6

サム・ロックウェルのイカれっぷりが最高。もはや主役。
他にもクリストファー・ウォーケンやウディ・ハレルソンといった名優たちが期待を裏切らない演技をしてくれるので観ていて楽しい。
ノリの割にテンポが良い
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.1

タイトルとポスターからシュールなコメディを想像してたら全然違った。でも面白い。
負の連鎖が続く脚本に、センスを感じる編集。構図もやたらカッコイイ。コーエン兄弟の諸作を連想した。

バルバラやダミアンの
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

3.7

続編ながら8割以上新キャラで彼らの話がメインなので、前半は特についていくのが大変。聞き取りづらいセリフも多く、何度か止めてあらすじ整理しながら観た。
そんな訳で出番が少ない広能アニキだけど、いざ出てく
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

3.6

初めはちょっとキツいなあ点…と思いながら観てたけど、だんだん面白くなってくる。
主演の初々しい2人と、彼らに影響を与え合う魅力的な脇役たちに次々スポットが当たる展開が連ドラっぽい、というかむしろ連ドラ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

ヨアキム・トリアー監督は過去に「母の残像」で心震える素晴らしい放尿シーンを撮っているが、本作でも恋の始まりを印象付けるポイントとして排尿する場面が魅力的に描かれている。すごい。他にも脇の匂いを嗅いだり>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.3

2人が離れたりくっついたりするストーリーは正直どうでもいいし、特に感情移入もしない。
なのにスクリーンから一時も目が離せない。キャストはもちろん美術や衣装、小道具に至るまで、映るものが全部かっこいい。
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1

是枝監督らしい、社会の枠組みから外れてしまった者たちによる疑似家族の物語。
赤ちゃんポストという重くなりがちな題材ながら、軽やかで風通しの良い手触り。この辺はどうしようもないけど憎めないソン・ガンホお
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

3.9

他の方も挙げているように、ブラジルのスラム版「グッドフェローズ」「仁義なき戦い」といった感じ。
違うのは暴力を振るうのも振るわれるのも、子供が多く含まれること。これがほぼ実話っていうんだから恐ろしい。
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オブリビオン(2013年製作の映画)

3.8

「マーヴェリック」と同じジョセフ・コシンスキー監督×トム・クルーズ主演による、静かで格調高いSF作品。
ストーリーはほどよく起承転結があるし、登場人物も少なくてシンプルだから、SF苦手な人も受け入れや
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息子の部屋(2001年製作の映画)

3.4

ある家族の喪失と再生の物語を、淡々としつつも温かみのあるタッチで描く。
重いテーマの割に、驚くほどあっさりしている。後半、息子のガールフレンドが出てきて、そこから感動の展開を期待するこちらの手の隙間を
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犬王(2021年製作の映画)

3.9

アニメ「平家物語」に大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。
今年やたら平家が滅ぶなあと思いながら、タイムリーな題材のおかげでスッと入っていけた。

身体的な躍動感を過剰なまでに追求した映像と、ロック要素強めの
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.8

最高だった。こんな完璧な続編ある?

前作は数年前に1度観たくらいで「時代の映画だな~」くらいにしか思ってなかった。
それでも今回めちゃくちゃ楽しめたし、CGを使わない迫力ある映像に夢中になった。
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.8

ジュリア・デュクルノー監督の作品にも通じる身体的な痛々しさ。
夫がいかにもなゲスじゃなくて、パッと見は優しくて理解のあるイケメンみたいに描かれてるバランスが上手い。ネクタイに文句を言う場面とか絶妙にい
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悪魔の毒々モンスター東京へ行く(1988年製作の映画)

3.5

冒頭からダサさに溢れてて安心する。
前作より映像が洗練されている…と思ったのも束の間、車から次々と降りてくる変人バトル集団に爆笑。もうええわ!

舞台が東京に移ってからも、ひたすらこちらを笑わせようと
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都会のアリス(1973年製作の映画)

3.9

ヴェンダースのロードムービーの原点。
置かれた状況の切実さの割にどこか間延びした空気感が、モノクロの映像と相まって、なんとも味わい深い雰囲気を作り出している。
CANの音楽にやたら寂寥感があるのは、牧
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キャリー(1976年製作の映画)

4.1

不穏な空気をプンプン匂わせつつ、終盤までは真っ当な青春映画。
ドレスアップして垢抜けていくキャリーと、だんだん彼女に惹かれていくトミー。プロムに着いてから壇上に立つまで、スローモーションや回転カットの
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

緊張感のある雪原スリラー、美しきマテーラのロケーション、アストンマーチン無双、魅力的すぎるアナ・デ・アルマス…と最高な前半に比べて、後半の見どころが少なすぎる。ヴィランのラミ・マレックも悪くないんだけ>>続きを読む

悪魔の毒々モンスター(1984年製作の映画)

3.7

トロマ映画の代表作みたいなポジションなのでどんなもんかと観てみたら、思いのほか真っ当なヒーロー映画だった。
むしろこの低予算エログロスプラッタ系で王道モノを成立させていることに感動する。恋愛要素も、美
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悲しみよこんにちは(1957年製作の映画)

3.4

ジーン・セバーグが輝いている。これで人気出たのも納得。同じ髪型が大流行したらしい。
チャラいジュード・ロウみたいな遊び人パパもいいな。
青と緑が美しい南仏の風景に見惚れる。こんなバカンスがしてみたい。
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