バギオさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

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回想シーンはなく1シチュエーションだが、この日に至るまでの登場人物の背景が伝わってくる。
観終わってただ涙が出て憤るけど、何世代も続くこの負の連鎖に途方もなさを感じる。

シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

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全てをバカにしているコメディ。
全てがぐだぐだなのに最後のミュージカルが完成度高くて笑う。

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.1

95分という長さがまず良い。
題名通りのコカインベアが大暴れする内容で、思ったよりスプラッターだけど大笑いできた。
ドアとベルのショットの反復がリズミカルで良かった。

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.6

人はいるべき所にいるべきという大筋で、ご都合主義に鼻白らむことなく、興奮させられたし勇気づけられた。
シアトルから南極大陸に舞台が移ると、
主人公の目に光が戻る過程と、残された家族の捜索過程が並行して
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.5

まさしく2023年のニューヨーク映画。
グラフティやコミック感のあるアニメーションは、スパイダーバースとも共通しているが、10代のタートルズの面々がとてもチャーミングでよりポップな印象。
えぐい描写も
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.5

カルト集団のプロパガンダ映像という設定。
家の壁も家具もどんどん塗り替えられ、登場人物たちの姿や形もすぐに変容する。
目まぐるしい不穏さに圧倒された。

(2021年製作の映画)

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呪術的なものの表現としてはこれ以上ないくらい。

明日は日本晴れ(1948年製作の映画)

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バスの乗員達は戦後社会の縮図で、戦争のせいで離れ離れになった男女や、軍の元上官と兵士など関係が引き裂かれた者同士が乗り合う。
故障したバスを押すように、傷を抱えた人たちが前に進もうとする姿に胸を打たれ
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

ダンスはもちろんだけど、人の運動をしっかり撮っていて見応えがあった。
パリというより、主人公が再起を決意するブルターニュ地方がメインの舞台。

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

4.6

監督が主演する救いのないモキュメンタリー。
とにかく統制が厳しい国で、伝統や男尊女卑など様々な加害性を自分自身さえも含めて映す。
身動きが取れない中で監督は映画を撮ることを辞めない。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.6

もう作家性が知れ渡っているウェスアンダーソンだが、そこに安住しているつもりはないと宣言しているよう。
劇中劇という設定で50年代のアメリカを批評的な視点で舞台にしている。
その入り組んだ構造だからこそ
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沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

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奥行きを徹底的に意識していることで映画内の空間が広い。

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.8

くだらない男女の群像コメディだが、どのショットもことごとく鮮烈。
機械的なエレベーターの開閉に意味を持たせる。逆光や暗闇で顔は隠される。肩を並べて話す(車の運転席と助手席)シーンの反復。
90年代初頭
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博奕打ち 総長賭博(1968年製作の映画)

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任侠の悲哀。端正な画作りが、任侠道や渡世人の筋を通すことの空虚さを強調させる。

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.4

痛まない設定とはいえ、人体を傷つけることをこんなに官能的に見せるなんて、、
プロダクションデザインがやりすぎてて最高。

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

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4要素のアニメ表現がとっても鮮やか!
王道ロマコメだけど、現実社会の寓話であるのが見応えたっぷり。
触れたくても触れられないという設定を生かしきっていた。

俺たちニュースキャスター(2004年製作の映画)

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男社会への誇大風刺。
『バービー』とも共通性はあるが、こちらは時代もあるのかアイデンティティに関する問いはない。
しかし基本的に下品でしょうもないギャグの連発で笑える。

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.7

ドイツの第二次大戦後10年の変遷と共に、型にはまりそうではまらない女性主人公の生き様を描く。(「自立している」とも言えるし「夫に一途」とも言える)
主人公のスタイリングが最初から最後までかっこよい。
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トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

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地獄ヴァカンスだが、それを仕切っているのは旅行代理店のいい加減野郎という絶望。。
素晴らしい自然のショットと対比して旅のきつい場面を長いシーンにしていて意地が悪い。それが可笑しみを産んでいるのだが。。
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グラン・カジノ(1946年製作の映画)

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油田が舞台で、殺人までしてゆすってくる大企業に対抗する中小企業の人々という骨太な題材だが、あくまでミュージカル映画。
冒頭から脱獄があり、歌と踊りあり、取っ組み合いがあり、ロマンスがありとてんこもり。

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

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最後の長尺のダンスシーンを生かすためにそれまでのドラマ部分が存在しているみたい。

バービー(2023年製作の映画)

4.5

観客を力づけるコメディ映画であるし、統一されたデザインと音楽がそれを形作っている。
バービーランドはセットで撮っているようで好感。
しかし目が覚めるようなショットはない気がする。
『セックス・エデュケ
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車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

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ハチャメチャな脚本なのに、奇抜なカット割とローアングルのロングショット、クローズアップによって興奮度を上げて映画を成立させている。

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

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最後のアクション怒涛すぎ、、セットがまんまテーマパークのアトラクションみたい。

幸運を!(1935年製作の映画)

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実生活でも夫婦であった監督とミューズがとにかくいちゃいちゃするノロケ映画。
2人が離れると不幸になり隣にいれば幸運になるという設定で、幸せの絶頂で映画は終わるのでとにかく楽しく笑えるが、その続かなかっ
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夢を見ましょう(1936年製作の映画)

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とにかく喋って喋りまくる。喋りで映画をドライブさせるが、室内劇でも撮影がしっかりそれをブーストさせている。

明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

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最初のモブシーンから釘付け。
アクションはとにかく早くカットを割っているが、親密なシーンでは長回しにしているのが印象に残る。
鶴田浩二が電車から窓へダイブして大立ち回りするの、かっこよさもあるけど笑え
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

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近未来SFなのに、フィルムカメラの質感ががっつりあったり全体的なデザインが地味めだったりして、ノスタルジックなノワール感を出しているのがまず素晴らしい。
ストーリーがメインの映画だが、監督であるスピル
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メーヌ・オセアン 4Kレストア(1985年製作の映画)

4.5

人生最高の旅になるところがとぼとぼ日常に戻るロングショットが切な良かった。
最悪な出会いも、酒をあおりダンスをすれば打ち解けられるが、、観客や嫌なことした奴を気持ちよくさせない展開も良い。

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

4.6

法廷劇がメインであるが、作品の主題はその量刑や有罪無罪ではなく、母と娘の関係についてである。
支離滅裂ともとれる被告人の答弁や証人の心持ちがこぼれおちる発言で、傍聴席にいる主人公の過去と現在そして未来
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東から(1993年製作の映画)

4.7

ソ連だった国の風景と人を、撮影と編集のみで映画にしている。
台詞と脚本がないのに情報量が凄いのは、たくさんの人とその動きが映っているから?