marutabatsuoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

4.0

両親と兄、小さな弟の4人が車で出かける。行き先も目的も子供の弟だけが知らない。観客はその子視点の情報しか与えられず、まったく先の読めない。
時にユーモアたっぷりに、時に家族が喧嘩、不安に襲われ、やがて
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春に散る(2023年製作の映画)

3.6

夢半ばであきらめた元ボクサーおじさんと最後の夢を託して弟子入りする若き青年。典型的な師弟物の系譜だが、リングアナや入場シーンまで本物を使い、過去最高クラスにボクシングのリアルさを追求している。

今回
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.8

POV形式のフェイクドキュメンタリーホラ-。
ゾンビが出てきそうなあの場所へ。インフルエンサーを狙う男女が都市伝説を訪ねるホラーに時空を飛び越えるパラレルワールドものがミックスされるはちゃめちゃ展開が
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.9

関東大震災直後に混乱の中で起こったある虐殺事件を映画化。
根深い差別意識と恐怖心の中で起きた集団ヒステリー。お国のための大きな物語、自分たちを守るための大義、小さな村の正義。

「鮮人だったら殺してえ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.0

疲れすぎて寝ちゃったので記録のみ。ウェス・アンダーソン今回も克服できず

バービー(2023年製作の映画)

3.7

ある種のフェミニズム映画だが、女が男に取って代わるに終わらず、ケンも含めてありのままの姿見せるのよバービーバージョンになってるのが良いね。

白人も黒人も大統領も肉体労働者もあらゆるバービーが活躍する
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アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

3.6

なんか映像に良く言えば重厚感、悪く言えば古臭さを感じるなと思ったら監督バリー・レビンソン!
アウシュビッツからの生還者でその後のボクサー人生と当時のトラウマを重ねながら見せるんだが、描き方がマフィアの
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.6

最高オブ最高。人生と歴史をもう一度やり直す映画だけの魔法。

観客だけが知る史実ゆえ、どうしても不穏な空気が漂っているのに余りあるほどに全編を包む多幸感。エグいバイオレンスなのに信じられないほど爽快で
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.2

人体の物理的変容と社会変化、エロス。相変わらずのぶっ飛びクローネンバーグ作品。
あんまハマらなかったが、クローネンバーグ好きなら見ざるを得ない

北のカナリアたち(2012年製作の映画)

3.5

関係者の視点を変えながら立体的に物語の輪郭を紡いでいくスタイルは湊かなえ原作の真骨頂。港かなえ臭がやや鼻に付きすぎるきらいはあるがまずは成功している。

殺人事件が鍵になっているが、ミステリー的には特
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.3

激ヤバ。クレイアニメの枠を遥かに飛び越えたまったく新しい悪夢の映像。
カルト施設から逃げ出した少女が隠れた家。そこで2匹の豚と暮らした生活を描いているのだが……。
とにかくこれまでにないぶっ飛び映像体
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ソウルに帰る(2022年製作の映画)

4.0

韓国人両親の元に生まれるが里子としてフランスで育ったフレディ。ふとしたきっかけで韓国に訪れるが、心は完全に仏人で言葉も話せない。両親を訪ねたり、アイデンティティに揺れる物語へ。
ユーモアとヒリヒリとし
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.6

モデルで女優で歌手。フランスのアイコンだった母と特別な存在感を見せる女優シャルロットのセルフドキュメンタリー。
母娘ならではの距離の近さと才能のある同士のわずかな心の壁。互いの本音を探り合う感じがなん
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.6

ファンとしては見ざるを得ないQTドキュメンタリー。過去作を振り返りながらマイケル・マドセン、ティム・ロスらが語るんだが、もう作品映像だけでニヤニヤ。

『パルプ』のトラボルタは最初はマドセンへのオファ
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エル(1952年製作の映画)

3.8

金も名誉も持つ紳士が見初めた女性をストーカーまがいで自らのものに。しかし、独占欲と嫉妬から徐々に精神崩壊してゆく。壊れていく男の様子をつぶさに追ったブニュエルの傑作。
シネマヴェーラ渋谷にて

17歳は止まらない(2023年製作の映画)

4.0

畜産家女子高生たちの青春物語。年上の先生に憧れ、言い寄る同年代男子には目もくれず。
よくある青春もの……と思いきや途中からぶっ飛び。なんだか映像も効果音もへんてこで大林宣彦映画見ているような気になって
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キングダム(1994年製作の映画)

3.6

1990年代にデンマークで大きな話題になったテレビドラマ。新作に合わせて4話を劇場公開ってことで鑑賞。

意外なまでにブラックコメディ色強い病院アンド幽霊ホラー。内部の人事や実験のような手術、医療過誤
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

4.0

コミュ障の中年女。突然の父の訃報に青森に向かうも、訳ありヒッチハイクに。しかしまともに同乗のお願いもできなければ、車内の会話も、お礼すらまともに言えず……。
様々な人に出会い、優しさに悪意にも触れ、少
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ナチスに仕掛けたチェスゲーム(2021年製作の映画)

3.6

頭の中で思考を張り巡らすことだけが心を保つぎりぎりの支え。究極の状態に置かれた男のそんな姿を追体験するような映像に参った。
ナチスに監禁され繰り返される拷問。そんな日々を支えたのが、ひそかに手に入れた
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.3

これはべらぼうに面白い。大友克洋オマージュであろう少年少女のサイキックスリラー。

自閉症の姉に疎ましささえ覚えていた妹と新しい遊び仲間。たわいない遊びが猫へのある行動あたりから狂気へと変わるにつれて
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星くずの片隅で(2022年製作の映画)

3.6

典型的なメロドラマだが演出が丁寧で良いですね。心優しくなれる。
真面目に清掃屋を営む中年男の元に若いシングルマザーが職を求めてやってくる。貧困ゆえ手癖が悪いが、徐々に心を通わせ、仕事とともに人生を取り
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.3

びっくりするほど古典的な悪魔払いホラーだった。実在のエクソシストの回顧録がベースで時代も1980年代後半というのがすごいが、中身は完全に典型的なB級ホラー。
もうちょいやりようあっただろうになあ。『ベ
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神回(2023年製作の映画)

3.2

教室に男女二人きり。何度も繰り返す5分間。青春ものの気配がムンムンなのだが……。

SFではないタイムリープ作品というアイデアは拍手。しかしド級の珍作。構図に気づいた瞬間に美しい純愛と思えるか、童貞●
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

4.0

どうせふわふわした女の子映画でしょくらいに舐めて観たらめちゃくちゃかっこいい。なにこれ。
「これは映画ではない」で始まりもしやゴダール系? と思いきやむしろウォンカーウァイ的。でもあっちがウエットで熱
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.7

今の時代を象徴するような自走しはじめるAIの兵器化を巡るスパイアクション。AIなのに奪い合うのは物理的な鍵ってのがちょいダサ&古臭さだけど、トム・クルーズが走りまくって飛びまくってぜんぶOK!
後編は
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

千と千尋派ともののけ派があるなら自分は圧倒的にもののけ派。
世界がバランスを失っていて、それを選ばれた人物、主に子どもが、途中大スペクタルの冒険活劇を交えながら、その無垢、純粋ゆえの能力で取り戻してゆ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.9

これは良いぞ。前作『X』よりずっと良い。
オープニングからテクニカラー時代の作品そのままの色彩。ミュージカルスターを夢見る女の子のポップな話かと思えば、すぐに裏切られてあのフォントのタイトルどかん!
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.4

ガキの頃どれだけこのシリーズに興奮したか。ワクワクが詰まっていてもうほんとに寝られないほど楽しかった。
今考えればけっこうトンでも映画なんだけどそんなことどうでもよかったのだ。

で、最新回はおじいち
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.2

大切な友だち。なのに周りにはやし立てられてわずかな距離を作ってしまう。環境も変わり新しい友人ができ、心とは違う態度を取ってしまい……。
中学や高校入学時に誰もが経験したであろうあの感覚を繊細にみずみず
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小説家の映画(2022年製作の映画)

4.0

スランプの女性小説家が偶然から映画を撮ろうとする過程の会話劇。大きなことは何も起こらない。なのにホン・サンス作品はなんでこんなに面白いのだろうか。
いたたまれない空気に、何度も繰り返されるリアル過ぎる
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GONIN(1995年製作の映画)

3.2

ヨーロッパのノワール感のある映像、激しいバイオレンスは今見るとなんだか不思議な感覚。これをケレン味というならそうなのかもだが、ちょっと見ている方が恥ずかしくなるし好きかどうかと言われると微妙なライン。>>続きを読む

告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

3.5

見ている間は面白い。さっきまで見ていた事実がぐるりと二転三転してゆく展開に興奮もする。でも、明らかに無理のある強引すぎるプロット、終わってしまえばトンでも作品。嫌いにはなれないが。

タンジェリン(2015年製作の映画)

4.3

史上最もロマンチックじゃないクリスマス映画。ロスのニューハーフの男娼たちの1日は泣きたくなるほど酷くって、最高に面白い。

LA下町の雑踏と全編iPhone撮影ならではの異常なまでのリアルさ。浮気した
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先生!口裂け女です!(2023年製作の映画)

1.0

なんだこれ。最初から最後まで一ミリも面白いところがなかった。狙ったB級というよりそこのレベルに達していない感じ。あちこちとっちらかるしすごく退屈。
予告編だけは良かった。ほんとに徹頭徹尾つまらん。騙さ
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.3

なんかわからんけとジャズ感のある変わった映画だなと思ってたら、最後の最後に「この映画は即興で撮りました」。
ちょっと実験的過ぎてそんなに好きではないけどエネルギーが映っている