クマヒロさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

トイレのピエタ(2015年製作の映画)

2.8

生きること、死ぬことに向き合う作品。トイレという舞台設定がリアリティを感じさせますが、全体的に新鮮な画を感じられませんでした。

野田洋次郎さんは映画で観ると、映像映えする存在ではなく、脇を固める豪華
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

4.3

『ヘンゼル&グレーテル』しかり、子供に親しみのある世界をバイオレントに再解釈したトミー・ウィルコラ監督の作品。『ヘンゼル&グレーテル』の時より手腕もグッと上がっており、多彩なアクションやバイオレンス描>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.5

豪華絢爛、酒池肉林という言葉がここまでバシッとハマる作品は初めてで、うんざりすると思うようなこともありつつ、鑑賞後はすっかり好きな作品になっていました。

映画とは何かに迫り続け、綺麗事だけでないなが
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ヘンゼル&グレーテル(2013年製作の映画)

3.5

家でぼーっと観るのにちょうど良い作品。恋愛に走りすぎず、ワンパターンではあるものの、破裂し続けるアクションが面白かったです。

ポールWSアンダーソン作品的な、ゲーム原作的な雰囲気が漂う、とても面白い
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.6

「アトロク映画祭」で鑑賞しました。前後のトークで場内を温め、かつ映画好きが集まる空間で皆が計5時間最高の環境で映画を観続ける素晴らしい時間でした。

ドルビーシネマで初めて観た本作はほぼ全画面が黒、黒
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セッション(2014年製作の映画)

4.8

『フルメタルジャケット』の前半を想起するほどに過酷な音楽指導。ともすれば鑑賞中ものすごく気分が悪くなりそうなものですが、主人公ニーマンの描き方も素晴らしく、対等な一対一の戦いがワクワクしました。

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セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.8

アイデア0の脚本家が、山ほどあるような『七人の侍』を模した7人のサイコパスを集める作品を構想、メタ的な構造で作品がゴロゴロ転がっていって見応えがありました。

起きてることは笑えないくらい悲惨なんだけ
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.4

主要キャラクターの全員が生きていて皆を応援したくなったし、とにかく心から熱くなれる、この映画自体の労力も見えてくる見応えのある作品でした。

吉野耕平監督の前作『水曜日が消えた』よりも遥かに面白く、キ
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.7

AIロボットの見た景色を映像にする発想が面白く、記憶と密接に繋がる映画というメディア自体にとてもマッチした作りになっていました。

静かな作品で時間の流れも意図的に崩されていくような作品で、コゴナダ監
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ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

3.3

偶然にもコロナ禍に重なった作品ということで、話題性の割には小さく、でも見応えのある作品でした。

ピンククラウドは詰まるところ現代社会を、中でも嫌な部分を浮き彫りにするための、の仕掛けだと思いました。
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

2.7

桶狭間の戦いにて、ブレーンとして濃姫がいたというところが楽しかったです。

ただ群像劇として他のキャラクターの掘り下げがほとんどないのが退屈に感じてしまい、ストーリーに乗ることができませんでした。
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.3

岡田准一さんの成り上がり潜入捜査モノはやはりめちゃくちゃ面白く、向かうところ敵なしのキャラクターがフィクショナルな作品をよりフィクショナルにしていて、ずっとワクワクしました。

岡田准一さん以外にも役
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水曜日が消えた(2020年製作の映画)

3.0

アイデアは面白く、火曜日中心に語らせることにより突飛に見えがちな多重人格ものがミニマルで見やすい作品になっていました。

しかしその分物足りなさもあったり、人同士の関係性が希薄に感じました。
象徴的な
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

傑作『ア・ゴースト・ストーリー』で上がりすぎたハードルは越えられなかったけど、しっかりデヴィッドロウリー節のある作品でした。

ヘタレ主人公はあまりにも辛気臭いですが、実際の私たちにかなり寄り添った近
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.8

インド映画が変わりゆく時代を切り取った作品であり、映画について考えさせられる作品でした。
光と影の芸術である映画をまさにその仕組みから理解しようとし、映画に魅せられた少年の成長譚に胸踊りました。

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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.3

左右対称な画作りや戦争を訓練から描くことによる一歩引いた俯瞰した視点を感じました。

キューブリック作品らしく、「それ自体」というよりは「それが生み出される理由」が事細かに描かれています。特に前半の訓
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.2

顔の同じ男たちが本当に気味悪く、主人公ハーパーが一切それに触れないことが新鮮で、でもそれにより非常に豊かな作品になっていると思いました。
どの男性も自身の置かれている優位性や暴力性に無自覚であることを
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

#MeToo運動について本作で経緯から学ぶことができることはとても大きいことでしたし、実際に自分の行動についても省みたり考えたりするきっかけになる作品でした。

ドラマ『エルピス』同様に巨大な権力に小
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.8

ロイ・アンダーソンを思わせるような非常に美しく「観る」ことに徹したカメラが印象的でした。撮影監督はアキカウリスマキと長くタッグを組んでいるようでアキカウリスマキ監督作品は初めて観るものの、完成された世>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

とても想像力を掻き立てるホラー映画ではあるものの、「アダちゃん」のキモ可愛い造形が終始和ませてくれる不思議な作品でした。

親子と自然の話で、内容自体は薄味なものの北欧の作品らしい霧がかった美しい自然
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