くろゆりさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

くろゆり

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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.8

「朱に交われば赤くなる」という句は悪い方に使われることが多いけれど、これは良い方をテーマにした映画。
モデルとなった方も、「子供番組が与える影響」というものと真摯に向き合った結果、ああいう人格が形成さ
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リード・マイ・リップス(2001年製作の映画)

3.7

弱みがある男女2人が主人公のピカレスクもの。完全なバディになるわけじゃなく どちらも半信半疑なところが良くて、次の展開が読めず楽しめた。
「リード・マイ・リップス」って題はちょっと変(原題も同じ)。マ
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

今までオムニバス形式の映画を観てあまり面白いと思えたことがなかったけど、初めて本当に楽しめた。
他のオムニバス映画は別な話を無理に関連付けさせようとして失敗しているものも多いけど、これは「変なタクシー
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.5

子役は大成しないとか、精神的に不安定になるというイメージがあるけど、後者を題材にした映画。
幼い時から大人の欲望のままに、おかしな型に はめられれば、そら歪んじゃうわなあ というのが分かりやすく示され
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利休(1989年製作の映画)

3.2

時代劇はネタバレ前提なので、その欠点をカバーするエンターテイメント性が必要だと思うのだけど、出演陣が豪華なだけで 脚本が地味に感じた。
既に知っている内容が描かれているばかりで、新しい発見は無かったか
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

4.0

田舎をテーマにした映画はたくさんあるけど、これ程 生活を直視したものは珍しいと思う(ドキュメンタリー寄り)。
自然が厳しいから、必要に迫られて人同士が頼るようになり、関係が深くなる。主人公のように程よ
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.7

単純な警察 対 麻薬カルテルという構図ではなく、FBI・国防総省・米墨双方の地元警察・検事など様々な組織・人が入り乱れて、それぞれ別の目的を持って動くので、ストーリーを追うのが大変。というか、私は鑑賞>>続きを読む

最初の晩餐(2019年製作の映画)

4.2

家族とは何か。多くの監督が、それぞれの角度で描くけれど、食卓に焦点を当てるものも多い気がする。
同じものを食べることで醸成される関係。舌から湧き上がる思い出。私もふと気づくと、もう食べられない味を求め
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ジャスティス(1979年製作の映画)

3.6

胸糞な展開が連続し、司法に対する強い怒りや絶望を感じる。でも司法を変えるには、逆に冷静に理詰めで事を進める必要も感じた。
翻って日本の司法は、最高裁判所裁判官国民審査は茶番だし、99.9%の有罪率を考
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テラビシアにかける橋(2007年製作の映画)

4.3

子供が観るなら、このままで4.5点。ファンタジー要素は無くても成立すると思うので、もしそうなっていれば4.5点。
初めてできた?女友達、女性教師への憧れ、怖い父への反発、いじめっ子、いつもそばにいる可
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ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

3.8

スラップスティック的なのかと思ってたけど、経営幹部の権威を否定して 成り上がりを応援するような思想が根底に感じられる映画だった。
この映画でコケにされてる無能な経営陣が、現実では大した批判もされずに
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生きたい(1999年製作の映画)

4.0

名優が揃い踏みで豪華。主題も「老人ホームは現代の姨捨山か?」みたいなことで、骨太。
テーマが重いだけに、ストレートに作ると暗いだけの映画になりそう。そこをコメディとエロを混ぜて観やすくしている。
三國
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ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

2.8

「黒人女性警官を主人公にする」というポリコレが表面上のテーマっぽいが、脚本がお粗末。
主人公と登場人物との関係の説明が雑。ピンチはほぼ運だけで乗り切る。結局 根本的な問題は放置されたまま、虚しく終了。
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教誨師(2018年製作の映画)

3.0

「相手が弱い立場にいることを利用して、布教活動を行う」という意味で、宗教教誨には賛同しにくい。受刑者が特に望んだ場合を除いて 一般教誨でいいのではという考えは、この映画を観ても変わらなかった。
法律を
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リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

3.7

プロモーション・ビデオかと思うくらい、橋本愛をひたすら追っかける映画なので、ちょっとでも苦手な人は無理だと思います。
私は好きな方なので、楽しめました。「あまちゃん」にも出てたし、岩手出身なのかと思い
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ショコラ(2000年製作の映画)

4.5

女優陣が私の どストライクで、観ていて気分がアガる。ジョニデもボヘミアン役がぴったり。
宗教や反動を否定して、虐げられてきた人々に光を照らすというのも好きなテーマ。
そしてチョコレートにも私は目がない
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アンドリューNDR114(1999年製作の映画)

4.2

昨今のAIの急発展を見るに、全然絵空事じゃない。私もAI開発をかじっているけど、学べば学ぶほど「人間とは何か? 人間とAIの違いは?」という答えの出ない沼に落ちていく。
この映画で描かれている通り A
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僕らはみんな生きている(1992年製作の映画)

3.5

芸達者の役者さんチームなので、そこが見どころかな。言葉は架空じゃなくて、ロケ地のタイ語らしい。
当時はまだバブルが弾けたばっかりで 予算も結構あったらしく、ジャングル横断シーンも結構本格的。
今だとミ
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.0

映画を作る映画ってありそうだけど、あんまり観たこと無い気がする。(「カメラを止めるな!」「蒲田行進曲」ぐらいかな)
プロデューサーの仕事には監督のタイムマネジメントも含まれるだろうから、気づかないのは
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デンジャラス・ビューティー(2001年製作の映画)

2.8

サンドラ・ブロックのビフォーアフターがあまり映えない。
捜査に比べて ミスコン比重が大き過ぎて、興味のない私にはつまらない。
ストーリーが平板で、予想が当たっちゃう。
レビュー平均を見て 観る映画を決
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赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

3.3

まったりとした時間の流れ、小難しい小説に入れ込んじゃう病など、青春の空気感がうまく出ていたように思う。1日/1万数千日のうっすい日々を送る私から見ると、1日/5000-6000日ぐらいの彼らの濃い日々>>続きを読む

ホワイトナイツ/白夜(1985年製作の映画)

3.0

ダンスにあまり興味のない私には、バレエとタップがメインで、ストーリーは付け足しといった風に思えてしまった。
最後の展開だけは面白かったけど、それまでが長尺過ぎて・・・
主演のミハイル・バリシニコフは本
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.2

ストーリーそのものに そこまで引き込まれないので、日本アニメの要素を引用した借り物アニメ感がやっぱり気になる。猫描写はカワイイけど魔女の宅急便っぽいし、変身もドラゴンボールの孫悟空っぽい。丁寧な説明が>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.8

ヤバっ。怖すぎ・・・。
「最低限の説明で、長く引きずる恐怖を」というテーマに、最も適したスキルを持ってる監督が作っちゃったって印象。説明されていない部分に思いを巡らすと、冷たい金属でずっと心臓を撫でら
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劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族(2021年製作の映画)

3.0

BS放送との違いがよく分からない。ストーリーも深いものじゃないし、劇場公開にする必要ある?
個人的には 大画面で でっかい猫を観るより、家庭用TVサイズの方がしっくりくると思う。録画しておいて「癒やさ
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東京物語(1953年製作の映画)

3.5

実の親子は関係に遠慮がない。結婚による義理の親子は大人同士の関係から始まるから、礼儀を土台にした上で 関係性がうまく醸成されると、前者を超える場合もあるということかなあと。
そうは言っても、杉村春子が
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メカニック(2011年製作の映画)

3.0

どこまでもアクション映画のテンプレ。どこかで見たような筋の組み合わせで、新鮮さ はない。主人公はスーパーマンで敵はどんどん死んでいってくれる。
1972年のリメイク元は未見だけど、あらすじを読む限り
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ダークマン(1990年製作の映画)

3.0

シンドラーのリストでブレイクする3年前のリーアム・ニーソンが観られる。本当は「バットマン」がやりたかったサム・ライミ監督が、しょうがないから自分で書いた共同脚本らしい。アメコミっぽいというか、細かいス>>続きを読む

ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.5

第二次大戦中イギリスは空爆は受けたものの 上陸はされなかったという理解だったので、フランスに近い小島が占領されていたとは初めて知りました。日本で言えば、県外の人と沖縄県民に対応するのかな、などと考えな>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.0

ヒトラーのコメディ映画として様々な意義があるように思う。1. どんな形でもいいから、取り上げること。忘れるのが一番怖い。2. どういう面が大衆を捕らえ、国を間違った方向に導いたかを改めて描く。3. ネ>>続きを読む

ファイナル・デスティネーション(2000年製作の映画)

3.3

「それまでのホラーには殺人鬼などの明確な敵がいたのが、この映画では見えない存在にしたのが斬新」っていう解説があった。確かに「分かりやすい敵を作る」って枠から抜ける発想は 簡単じゃないかも。
B級臭がす
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ラ・ブーム(1980年製作の映画)

3.0

当時13歳のソフィー・マルソーを拝めるというだけの映画。日本含め世界中が虜になったというのが分かる輝き。理解あるスーパーおばあちゃんが印象的だけど、ストーリー自体はそれほど深くはない。
恋愛って生モノ
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.7

ところどころ ストーリーのツメが甘いなと思えるところもあるけど、ありえなくもない未来を素晴らしい映像技術で描いたという点で、興味深く観られました。
人間をプールに浮かべてってのは ちょっと非現実的だけ
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

2.8

小説未読、TVアニメ未視聴である私には、序盤はちょっと説明不足に思えた。映画が何本も作られる長編シリーズなら別だが、この規模なら もうちょっと初見に優しく してくれても良いかも。
架空の国の話で、スト
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ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

3.8

1950年代黒人差別の実話モノ。
白人男性である夫が美化されていないのがリアル。というより、こういう映画にしては結構悪めに描かれている印象。
黒人女性である妻を演じたルース・ネッガはドラマ『エージェン
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サラの鍵(2010年製作の映画)

3.0

題材は重いけど、ストーリーはそれほどでもない。核心部分があまりに重いので、周囲をなぞっている感じ。
数多あるホロコースト関係の映画を観ていつも思うのは、逆の立場になってしまっているパレスチナ問題を扱っ
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