人生の主役になれない人というテーマ設定はこの上なく好みなんですが、結局パズル的な小気味良さが中心になってこぢんまりとしてしまった印象。もっともっと話を膨らませて欲しかった。69点。
作品の大半が樽川さんの独白で構成されており、あたかも我々が樽川さんの家の居間で話を聞き、取材しているかのような錯覚に陥る。これだけ特異で厳しい状況に置かれた方の生の声が聞けるというだけで、とても価値が>>続きを読む
異なる立場の人々を丁寧に描きつつ、そのどこにも属せないシェーンを対比させる。アクションの魅力のみならず、当時のアメリカ社会の亀裂、そしてヒーローの持つ暴力性の矛盾を説教臭くなく描いた快作。85点。
ダイハードと似ていて、一見するとB級感漂う設定にも関わらず、脚本や演出が非常に丁寧に作り込まれており、びっくりするくらいの良作に仕上がっている。
オタクの夢を徹底的に壊す冒頭から、夢が叶うラスト。本>>続きを読む
今作のちょっと弱気なインディが好きです。インディ以外の登場人物も魅力的で、無駄なく話にハマっている。ラストのオカルト感は唐突な気もするし、脚本の粗は色々あるけれど、ルーカスとスピルバーグが楽しく映画に>>続きを読む
コミュニケーション不全で金だけはある男の承認欲求。空虚な言葉と空気が痛々しいし、悲しい。3人がそれぞれどんな気持ちだったのか考えだすと、鑑賞後にじわじわーっと来る良い映画です。83点。
スクリーンの内と外で異なる時間経過のジリジリ感と音で観客を釘付けにしていく。映画というメディアの特性を生かした傑作。84点。
色々匂わせた末のブラピの正体、脚本の切れ味が見事。金髪のマデリーン・ストウが走ってくるところで笑ってしまった。「めまい」は必見でしょう。78点。
名画座で鑑賞。
頭に残る歌が何曲も出てくる時点でミュージカル映画として勝ち。登場するだけで劇場内から笑いが漏れる植木等という存在の偉大さを感じました。70点。
真実と正義のぶつかり合い。厳しい社会の現実を子供目線で描くので重苦しくなり過ぎず、南部の生活を生き生きと描いたホームドラマにも見えるのが良いところ。76点。
事前情報による期待と、ダメだった時用の心の予防線がせめぎ合いながら劇場に行った記憶がある。
結論としてその日は、良い場面もあったけどがっかりシーンの印象も色濃くて、「頑張ってるけどこの辺が限界か…」>>続きを読む
やっぱりショッピングモールのシーンが強烈。「体を張る」ことへの執念にも近いような、アクションへの情熱が画面全体から伝わってくる。74点。
めっちゃキリスト教。神なき世界へ一歩踏み出すラストは良いけれど、その前にトゥルーマンさんは、時計じかけのオレンジばりに実存的存在として大暴れすべきだったんじゃないか。
ちょっと小綺麗すぎな感じで、自分>>続きを読む
世界観の提示→立場の逆転→現実の直視という3部構成で、差別主義者デレク(エドワード・ノートン)の心境の移り変わりを鮮やかに示す。暴力に頼っては同じことの繰り返し。憎しみの連鎖を断ち切れるかは今を生きる>>続きを読む
プーチンの言葉「ソ連が恋しくない者は心がない、ソ連に戻りたい者は脳がない」を連想する作品。たとえ虚構だろうと愛してしまえ、愛して欲しい、との願いは滑稽なのだけど、そんな人を優しく見つめる視線がこの映画>>続きを読む