スクールカーストというミクロな描写を突き詰めることで、現実を生きる実存的不安という普遍的なテーマが浮き上がってくる。前田(神木隆之介)は桐島的な「階級制度」の底辺ではなく、むしろ制度に縛られない実存的>>続きを読む
結末はみんな知っていて、墜落までの猶予もごく僅か。下手な人ならアンビリバボーの再現ドラマになりかねない題材をこんだけまとまりの良いエンタメにできる監督の職人技。
直前の視点や場面設定の違いで、同じ墜>>続きを読む
デロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)が「音楽好き」で「マナーや信仰への素養」があり「型破り」な性格であること一発で示す冒頭の鮮やかさに舌を巻く。「異人種」が壁を解放し、音楽を通じて結びつく。まさにアメ>>続きを読む
劇的なサスペンスではなく、殺人鬼と人生をかけて戦い続けた男の話。家庭や仕事を失っていく様子をあまりドラマチックに描かないのがフィンチャー流?とんでもない話なのに淡々と進む雰囲気はベンジャミンバトンにも>>続きを読む
ヒメアノ〜ルで興味を持って鑑賞。ほのぼのからの急展開は吉田監督のパターン?中盤は完全にホラーに。
相手が自分の何を見て、それをどう受け止めているかなんて分からない。そもそも自分なんて眼中にないかもし>>続きを読む
普段の吉田作品よりもとがった演出が少なく、ストーリーも「在りし日の母を知り、母のように夢を追いかける」という王道。親孝行できなかったことへの後悔がテーマ。ベタで重くなりそうな所を不快感なく見せるのは監>>続きを読む
咲子(仲里依紗)がマジで可愛い。そこにコスプレ姿の素子(麻生久美子)とダメ親父役が似合う宮迫と。3人が織りなす、特に深くもない、何が起こるでもないストーリー。気軽に見られてちゃんと笑える家族もの。でも>>続きを読む
良い意味でジブリ的なセンスオブワンダーに頼らない地に足ついた大人のドラマ。アニメの気持ち良さと、実写のような繊細さが両立している。
美しいもの、好きなものを追い続ける狂気。それを分かってくれた妻・菜>>続きを読む
ファイトクラブと並んで映画に目覚めるきっかけとなってくれた、個人的に大切な一本。
泣けて、笑えて、ハラハラして、ダメ人間に向けたヒューマニズム的な優しい目線にあふれている。そんな最高のエンタメ作品で>>続きを読む
現実と非現実の区別をあえて付けていない映画。ボラット式のインタビューで一般のドイツ人が「どうせ撮影だし、芸人だし」と本音を覗かせるのが面白い。この場面の積み重ねが「国民が彼を選んだんだ」というメッセー>>続きを読む
生殖能力を失っても欲望へのエネルギーは消えない。他人は信じない。家族もあんまり信じない。そんなモンスターとアメリカ社会の取っ組み合いの大乱闘。
清貧の国が物質主義に呑まれていく20世紀初頭。資本主義>>続きを読む
東宝35周年記念作にふさわしい豪華大作。シン・ゴジラをきっかけに見てみたが、非常に面白かった。約20分間のアバンタイトルからのテーマ曲に鳥肌。前半は閣議、政府高官や関係省庁のやりとり、会議シーンが矢継>>続きを読む
歴史の再現を加害者が嬉々として演じるという設定が秀逸。倫理観を何度も揺さぶられる。
「どんな人にも善の意識はある」というメッセージにとどまらないのがいい。終始あっけらかんとしていた人(アディ)もいた>>続きを読む
「デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム」の記憶が呼び覚まされて、田舎の夏の景色も相まって、初見なのに思い出補正のかかった得点。
さりげなくも丁寧な日常描写の数々に、なるほど良いアニメだと思いつ>>続きを読む
サッコ・ヴァンゼッティ事件を描いた法廷もの。
主演の2人、特にサッコ役のリカルド・クッチョーラが良かった。刑務所に入って一度は精神を病むも、最後は子どもへ力強いメッセージを残す。静かなラストとエンドロ>>続きを読む
カメラを向けられると人は演技する。隠し撮りでもしない限り、この呪縛からは逃れられない。
この映画でも、奥崎謙三は明らかに過剰に語る。過剰を続けるうちに、自分自身もどこまでが演技か分からなくなっている>>続きを読む
2000年代作品の低空飛行感ゆえ、東宝の製作終了の報には落胆とともに「ゴジラもここまでか…」という諦めに近い感情を抱きました。そして、最終作と銘打ったファイナルウォーズの出来の粗さに愕然とし、ちょっぴ>>続きを読む
ニューシネマ的な重苦しい現実から解放される生理的、映画史的な感動。悪魔憑きのような恐怖とSF描写の独創性。オチに至るまでのドラマの盛り上げ。
「◯◯も見ないで映画語るな」といった言い方は好きではあり>>続きを読む
身が竦むような圧倒的現実に対し、どこまでも合理的に、前向きに、ユーモアを忘れずに戦い続ける男。Love Trainは人間賛歌のメッセージ。子供に見せたい映画。
Mars will come to f>>続きを読む
良いです。スピルバーグの狂った執着感というか、彼の作品が単なる大衆娯楽に成り下がらない力強さのルーツがよく見える。78点。
日常の些細な狂気をコメディ風の会話の嫌な間を使ってじわじわ描きながら、一気にノワール調に吹っ飛ぶと、あとはジェットコースターのようなスピード感。で、最後にちょっぴり切ない。
人物を掘り下げ過ぎない空>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
並のエンタメ作品とは格が違うという前提に立ちつつも、パーフェクトな大傑作とまでは…。鑑賞中にはっきり感じた不満点2つ。
警察バディものとしてのアクション不足(良かったのはネズミの街の追いかけっこくら>>続きを読む
他人に理解されない何かに打ち込む「青春」。そこには色んな可能性への後悔や、嫉妬や、執念が満ちている。若者が意地とプライドを懸けてぶつかり、先生も薄気味悪い指導で返していく。74点。
会話のヒリヒリ感は大いに楽しめたんですが、これをミステリーと言い切る宣伝には疑問。74点。