レインウォッチャーさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

アクアマン(2018年製作の映画)

4.0

「えーとねー、ぼくのねー、すきなえいがはねー、
 ロードオブザリングとー、
 スターウォーズとー、
 インディージョーンズとー、
 パシフィックリム!」

「そっか、『アクアマン』ね。」

というわけ
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Studio 666 スタジオ666(2022年製作の映画)

3.0

復刊DrCU(ドラムシネマティックユニバース)⑨

ドラムの悪魔と契約したことのある者であれば誰もが一度は夢見るであろう死に方…それが《シンバル死》。
まさかそれを叶える映画があるなんて、それも名ドラ
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ルビー・ギルマン、ティーンエイジ・クラーケン(2023年製作の映画)

2.5

日本ではしれっと配信スルーになっていた、DreamWorksの'23年新作。

海の魔物といわれるクラーケン一族(ピンとこない方は、ジャック・スパロウを呑みこんだヤツって言えば伝わるだろうか)であるこ
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失楽園(1997年製作の映画)

3.0

道ならぬ恋に溺れるふたり…という、いわゆる不倫映画である以上にたっぷり森田芳光映画だった。急な揺れやズーム、音響の遊び、差し色に赤、とか。ブリッジ感覚で挟まれる濡れ場はむしろ休憩時間、お茶でも淹れよう>>続きを読む

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

3.5

とある雪深い田舎町で、永遠にループする1日に閉じ込められた売れっ子お天気キャスター、フィル(B・マーレイ)。事態を察した彼が辿る変遷は、とても可笑しいと同時にキューブラー・ロスの《悲しみの5段階》みた>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

『枯れ葉』ときいてまず思い出すのは、シャンソン、そしてジャズのスタンダード曲として。超定番である故に、幾千もの歌手・演奏家が自分なりの『枯れ葉』を探求し、残してきた。
同じ題をもつこの映画もまた、驚く
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.5

かつての『敗者三部作』の4本目と言われても違和感ゼロというか、全部入り幕の内ドラスティック。
不幸不憫ジェンガ、表情を殺した演者、レストラン、音楽使い、窓から射す光、木枯し、そして犬。『浮き雲』からは
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ブルービートル(2023年製作の映画)

3.5

J・ガン新体制のDC、記念すべき第一号ヒーロー・ブルービートルことハイメ・レイエスを演じるのは、流れ星ちゅうえいをサルサソースに一年漬け込んでから4Kに解像度UPしたようなラテン・キュート・フェイス、>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

「 死ね !!!! 」

いやもう、この映画はこの一言に尽きます。続くもっと終盤で、主人公・水木が放つ別のパンチラインも痛で快ながら、やっぱりわたしはこちら。すこし時を戻して2023年ベスト映画内セリ
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.5

いや厳しすぎん…?
アキ・カウリスマキ監督『敗者三部作』ラストは、あまりにもフルボディ。今作の主人公に比べれば、石川啄木もパリピに見えるのではなかろうか。

不幸続きはこの三部作の看板だけれど、今回の
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

アキ・カウリスマキ監督『敗者三部作』二本目は、三作中最も「明るい」一本。
もちろん独特の静けさとユーモアの流儀、背景にある不況の影は引き継ぎながらも、キュートなラブストーリーといえる仕上がりだ。小粋な
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浮き雲(1996年製作の映画)

3.5

終始漂う鬱々とした空気、ドミノ倒しのような不幸の連続。泣きっ面に蜂、から逃げた先に熊。『敗者三部作』一作目とのこと。
しかし、そんな中でも抗い難く光るユーモア。「やっぱそうだよね」も「まさかそんな」も
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鬼龍院花子の生涯(1982年製作の映画)

4.0

『ゼルダの伝説』の主人公がゼルダとはいえないように、今作の主人公は鬼龍院花子ではない。むしろ花子は登場シーンも決して多くはなく、ついでに印象も良くなく、表面上はそこまで目立った役割を与えられていないよ>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

5.0

Q. 史上最高のラブコメ映画は何?
A. 『(500)日のサマー』。

Q. なるほど、じゃあ最悪なのは?
A. 『(500)日のサマー』。

というわけで、あらゆる恋愛映画を無に帰すと同時に還るべき
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.5

『ノセボ』=『プラセボ』の逆。主に投薬の影響について、いわゆる「思い込み」によって良い効果が出るのがプラセボ(偽薬効果)なら、逆に悪い事象が誘発されてしまうのがノセボだ。

ということでこのタイトルの
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フォー・ザ・バーズ(2000年製作の映画)

3.5

3分のfunnyの中に、異物を排斥しようとする行動とその結果までがすべて表現されてる。

ティン・トイ(1988年製作の映画)

3.0

これが不気味の谷というやつなのか…赤ちゃんの夢に出てきそう具合は教科書に例題として載せたいレベル。

テーマ、マインド的にはほぼ『トイストーリー』の原液といえる内容。子育てと独立について。

ルクソーJr.(1986年製作の映画)

3.5

「こっちみんなw」でお馴染み、オープニングの電気スタンドちゃんのオリジン。
たった3分足らずでも《萌ゑ》はつくれる、そう、PIXARならね。

もちろん今の目で観ればCGの見てくれは時代感もあるけれど
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

この年の瀬も迫る最中、Amazonから届いたおぞましい(make my fucking blood run cold)贈り物。シメに一発、きっつい食後酒的なものが欲しい皆様、朗報です。

これはブリテ
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地獄(1960年製作の映画)

3.0

■RWと48の地獄㊽【終】
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
というわけで、ラスボスは地獄「な」映画というより
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エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

4.0

A24×ティルダ・スウィントン様×(ほぼ)一人芝居=ご褒美。

ごくミニマムな演者と舞台の中、怪奇の霧が濃くなっていく先で、晴れたのちには優しさがある。これは怪談であり、家族のドラマであり、映画(物語
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

《手》練《手》管が凝らされた、偏差値高めホラー。

若者の間でバズっている、降霊会動画。手の形をした不気味な石膏像を握り、"Talk to Me."と唱えれば、その身に霊が憑く。絶対厳守のタイムリミッ
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てなもんやコネクション(1990年製作の映画)

4.0

カオス、自由、奇天烈、コメディ、エネルギッシュ。
今作を形容しようと試みて散る言葉は色々あるだろうけれど、わたしは《踊り念仏》ではないかと思うのだ。香港返還前夜というひとつの世紀末、止まれば可能性と不
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

3.5

ケリー・ライカートと、はじめてのともだち。

過去のライカート映画の中だと『Certain Women』の延長にあるような《波ともいえない波》の話でありながら、これまでで最も軽やかな後味すら残す。酸味
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

4.0

『サスペリア』こそが真のクリスマス映画である、と提唱してから早いもので三年目となるわけだけれど(※1)、満を持して『PART2』を観ていく。

するとなんということでしょう、まさかのまさかで本当に(本
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

ケリー・ライカート監督は、さまざまな角度から「どこにも行けない」人々を通して語り続ける。

舞台は19世紀のアメリカ西部開拓時代、近い時代背景の作品としては過去にも傑作『ミークス・カットオフ』があるけ
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蒸気船ウィリー(1928年製作の映画)

4.0

一部の人にとっては親の顔より見たことであろう「この」ミッキーが、来年2024年からついにパブリックドメイン化する。

D社の長い戦い(aka悪あがき)の果て、あくまでこのバージョンのミッキーのみが、と
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ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

3.5

タルコフスキーをカレーに入れた鍋を裏庭にシュート!した感じの映画。

都会の片隅で忘れられた、緑に囲まれた廃工場のような建物で、思い立ったように自給自足の隠遁生活を始めるクミ(太田久美子)。徐々に訪れ
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ガンドレス(1999年製作の映画)

2.0

■RWと48の地獄㊼ あと1本!!
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
映画が好きになると、リアルタイムで体験し
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ブギーマン(2023年製作の映画)

3.0

《喪失》は、残された人を孤独にさせ苛むものであると同時に、誰かとの絆をより強く結び直すきっかけにもなり得る、ということかしら。

愛する母を亡くしたばかりの家族を襲う化物=ブギーマンは、クローゼットの
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

4.0

この集合写真の中に、誰もが知ってるキャラクター、好きなキャラクターを一人は見つけられるんじゃあないだろうか。

世代を超えて顔を寄せ合って、指させる。久しぶり、と手を振ってみる。これだけで途方もない価
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

2.5

わぁ~~、とっても《今のディズニー様らしい》、ステキな100周年のお祝いだったなぁ~。

ん?なになに?でもあんまり評判は良くないらしい…?
も~~ッ!みんな全っ然わかってないんだから!今日はこの才能
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ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)

3.5

ゴブリンの魔王ジャレスにさらわれた幼い弟を助けるため、ありふれた少女(※1)が邪悪なセサミストリートみたいな世界を冒険する。
ここまでなら、所謂『不思議の国のアリス』的ジュブナイルファンタジーといった
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.5

全血流がチョコレートと化して繚乱、ハートはもう甘っ甘。すこし踵が浮いたような帰り道、ああこれがホバー・チョコの味なのね。

今年のベスト・キュン死案件はどう考えても『マイ・エレメント』。と確信していた
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.5

ウィリー・ウォンカ=J・デップ、のイメージがみごと確立された作品だけれど、原作や'71年の『夢チョコ』と比べると、そのキャラ像はかなり大きくアレンジされている。そして、その設計思想は実にティム・バート>>続きを読む

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.5

『チャリチョコ』も良いけど『夢チョコ』もね。

ロアルド・ダールの児童小説を映画化、今となっては'05年のティム・バートン版がすっかりメジャーだけれど、こちらもなかなかどうして負けていない。

ウィリ
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