lingmudayanさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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危険な関係(1959年製作の映画)

4.0

ジェラール・フィリップがジャンヌ・ヴァレリーを落とす場面での椅子越しの画など工夫のあるショットが多くて良かった。ジェラール・フィリップの死は暖炉の火越しに描かれ、その後ジャンヌ・モローも業火に焼かれる>>続きを読む

人間の約束(1986年製作の映画)

3.0

閉塞感を表現する屋内のフレーム内フレーム。アン・ルイスの「六本木心中」さえ巧みに取り入れているのには感心させられてしまう。水鏡、浴槽、大雨と水の連想で繋がっていくのも良い。

秋津温泉(1962年製作の映画)

4.0

シネマヴェーラにて舩橋淳監督と岡田茉莉子さんのトークショー付きで観た。

トークショーでも触れられていたが、長門裕之が東京に引っ越すことが決まり、2人で終電を逃して一晩を過ごし、汽車で別れるまでのシー
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おさな妻の告白 衝撃 ショック(1973年製作の映画)

3.5

タイトル全然関係ないがこれは良作。山科ゆりは全てを持っており、中村良二を嗤う動きが印象的。だが中村と片桐夕子の愛は嗤うことができない。

暗闇の秘密(1949年製作の映画)

3.5

やはり冒頭の屋敷にズームインしてヴィヴェカ・リンドフォースがレーガンと出逢うまでを長回しで収めた最初のカットが印象的。リンドフォースはレーガンと一緒にいるときの幸せな表情から、ラストの彼と運命を共にし>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

1.5

きつかった。冒頭のハリス・ディキンソンとチャールビ・ディーンの議論は良いにしても、沈みかける船の中で左翼の船長とロシア人の富豪が政治談義をするところなんて退屈。ゴダールくらい真剣に吹っ切れてればついて>>続きを読む

THE COCKPIT(2014年製作の映画)

3.0

冒頭からOMSBがPCに向かっている様子をフィックスで撮っているが、突然彼の隣にいる人物の顔にカメラが切り替わったかと思うと、その人物の目が話題になるというニクい作り。音楽というよりそれが作られていく>>続きを読む

肉体の悪魔(1947年製作の映画)

2.5

原作を読んでいないので何とも言えないが、ラディゲらしい危うい若さをジェラール・フィリップはよく演じていたのではないかと思う。

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

2.5

黒人がアリエルを演じるということで公開前から物議を呼んでいたが、個人的にさほど違和感はなかった。とはいえ水中のシーンは全体的に暗いのでハリー・ベイリーの肌色が画として映えてはいないと思う。一方で陸に上>>続きを読む

思ひ出(1927年製作の映画)

3.5

新宿東口映画祭にて、弁士(澤登翠氏)と生演奏付きで鑑賞。ラモン・ノヴァロがノーマ・シアラーの家を初めて訪れる場面、シアラーがノヴァロに説明しながらウロウロと歩く動きを長回しで捉えたショットが彼女のテン>>続きを読む

潮騒(1975年製作の映画)

3.0

牧歌的な島のはずなのにBGMが70年代丸出しのディスコ調なので序盤から面食らう。荒天日に山の頂上で逢引するシークエンスではまず土砂降りの中で出掛ける三浦友和が可笑しいし、三浦が寝ているときに駆けつけた>>続きを読む

猟銃(1961年製作の映画)

2.5

佐分利信が山本富士子を誘惑する山のシーンでの色彩や、佐分利が妻の岡田茉莉子に猟銃を向けるシーンは良かったが、後半は山本の家の中で話が進んでいくので動きに乏しく退屈に感じた。

モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.5

ジェラール・フィリップがアヌーク・エーメを家に送り届ける途上で雨が降り始め、それに気持ち良さそうに打たれるシーンが良かった。ラストの幻想的な靄のシーンも勿論良いのだが、ジェラール・フィリップが倒れる前>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.5

第1章はホラー的な演出で進んでいくのが良かった(黒川想矢が髪を切るシーンや、安藤サクラが柊木陽太の家を初めて訪れるシーンなど)。第2章で羅生門形式は食傷気味だなあと多少うんざりしていたが、第3章の是枝>>続きを読む

東京ラプソディ(1936年製作の映画)

3.0

『白薔薇は咲けど』が素晴らしかった伏水修監督。冒頭の高低差を活かしたクリーニング屋での動き、その屋上でのデートシーン、ラストで藤山が「東京中の人に向けて歌ってやりますよ!」とか言って窓を開けて「東京ラ>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.0

冒頭の貴英が有鉄の家を訪れる場面、有鉄の姉が彼と貴英をくっつければ後の家族の縁談も決まると語り、カメラが動いて彼がロバの世話をしながらその話を聞いていることが示される。他にも有鉄が夜中起きて家の外で作>>続きを読む

お葬式(1984年製作の映画)

3.0

何も前情報を入れずに観に行ったので高瀬春奈との青姦シーンは衝撃的だった。宮本信子のブランコのショットが挿入されることで不穏な感じも出ているし、死と生(性欲、食欲)の対比という点でも良いと思う。

浜田省吾 『A PLACE IN THE SUN at渚園 Summer of 1988』(2023年製作の映画)

3.5

冒頭の開場、観客たちが駆け足で各々のブロックに向かっていくところからもう良い。広角で収められたステージと観客席から、若者たちのエネルギーと渚園の夕暮れが醸し出す圧倒的な多幸感が35年の時を超えて伝わっ>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

面白かった。サムが高校でユダヤ嫌いのジョックに倒される構図がクロエ・イーストの部屋で彼女に押し倒される場面で反復されるなどさりげない工夫もある。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

2.5

サイコパス体制を脅かす敵が登場し、主人公たちがそれと戦い、その敵を取り込もうとするサイコパスに常守が説教するという様式が確立してしまっている。

世界中大荒れだけど日本だけはサイコパスのおかげで平和だ
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ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.5

序盤の車で出発する場面での銃撃シーンや超長回しの車列、農家とブルジョワ娘の喧嘩、電話ボックスで歌う男から車をパクろうとするシーン、エミリー・ブロンテとの形而上学的な会話や2人のメタ発言と、途中までは本>>続きを読む

智恵子抄(1967年製作の映画)

3.0

岩下志麻が自分の覚悟を示すために犬吠埼にいる丹波哲郎のもとを訪れる場面、自分を捨てた女が忘れられず海に向かって鑵を叩き続ける「犬吠埼の太郎」が登場する。その夜2人は風呂場で壁を隔てて桶を叩き合い、互い>>続きを読む

ウィリーが凱旋するとき(1950年製作の映画)

3.0

田舎町に住む青年ウィリーは真珠湾攻撃の報を受けて軍に志願し、地元の人々は盛大にこれを祝う。彼はすぐ戦地で功績を挙げるかと思いきや、1944年になっても出兵の指示は出ず、地元近くの基地で新兵の訓練に従事>>続きを読む

マルサの女(1987年製作の映画)

3.0

マル査が山崎努の家でガサ入れを行う場面、津川雅彦が自分と山崎が話している間に山崎の視線に注目するよう宮本信子に指示する。すると山崎はそれまで顔を合わせて何らかの関係を築いてきたはずの宮本の目を見れなく>>続きを読む