Maoさんの映画レビュー・感想・評価

Mao

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

人間は見たいように見るし、聴きたいように聴く。自分が脳内で規定するように世界は存在する。

そもそもこの手のサスペンスにおける真実や真相なんてものは、ストーリーライターが介在しない限り生まれるものでは
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異人たち(2023年製作の映画)

4.3

個人的に最高の映画でした。個人的であり、かつ普遍的な価値もあった。

過去にトラウマを背負った男が自らの状況によって寂しさが深刻になり、更に孤独を深めていくが、親とハリーとの出会いによって救われていく
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.3

女子高生の個人に寄り添うミクロな物語と大きな未確認飛行物体との戦い(表現が適切かはわからないが)というマクロな物語。めちゃくちゃ面白い

個人的にはミクロな物語にこそ焦点を当てられるべきだと思うが、S
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

「悲しい話だと思いませんか?」

韓国とアメリカに軸を持つアンビバレントな女性の恋愛
主人公の失恋(↔︎恋愛)を受け止める旦那さん良い人だなと
100%の男女の出会いの話だが、うまくいかないことの方が
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.9

宗教は自然を侵略できないが、意図も容易く破壊する科学のおそろしさ

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

本当に気持ちよく見れる映画なんかじゃない。最初にプロメテウスに関する引用から始まるがそこから鳥肌が止まらない。そして最後に明かされるアインシュタインとの会話と、その時のオッペンハイマーの表情は映画史に>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

本当にずっと見てられる作品で、自らの弱さを認めた上で助け合いを訴えかける人間讃歌だった。人の暖かさに包まれていき、愛と人の繋がりを知ることができる。緩やかでなだらかな物語だけど、グッと拳を握りしめてし>>続きを読む

コットンテール(2022年製作の映画)

3.6

確かに感動はするし、ものすごく素敵な映画だと思う
壊れた家族の絆の再生を論理的に描いてるし、筋が通っているので胸を打つものはある
ただ、是枝監督が血縁による家族観の幻想と呪縛を壊そうと試みている時代に
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

良すぎてずっと興奮してる。泣かせる映画じゃないとは思うんだけど涙が出そうになった。

power(権力、暴力)と性暴力すら無かったことにされる男性中心社会に中指を立てる姿がカッコ良すぎる!!!「痛めつ
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.6

人生で1番泣いた
こういう映画はテーマに対して言動でわかりやすいコミットメントがあるからいいね
杉咲花すごすぎる

最後の大円団あんまいらんかも

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.5

大親友と言えるような人も大恋愛もしたことがない自分には共感できなかったので所謂not for me
好きと嫌いが交錯する感じで結局好きっていう感覚はわからなくもないなあ
物語の構成を軸として見てしまう
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.0

豊かな自然は見てて飽きないし最高
日焼けしないところだけ気になった

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

4.4

敬愛するボブ・ディランとブルース・スプリングスティーンがフィーチャーされてて嬉しい
マイケルのプロ意識高過ぎる

絶えず人間が殺され続けてるという最悪過ぎる世界情勢の中で、全員が団結できるような状況が
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ジワジワとした展開の広げ方、そして展開の閉じ方が美しすぎる。確かにこれは拍手したくなるレベル。怪物みたいな構成してるし、名作長編小説のような感覚がある。今年ダントツトップで更新される気配すらない。>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

子供の頃に多くの人が持つ「得体の知れないものへの興味」を最大限写した映画ということに文章を書いていてやっと気が付いた。

うっすらとした怖さがずっと漂っていたのがかなり気になった。姉が倒れて死んだふり
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

エンタメ性、メッセージ性の両方を余すことなく映画に詰め込んでいて高評価に納得

女性を馬鹿なままでいさせようとする男性、独占欲が強すぎる男性、特定の領域に縛りつけようとする男性などなど様々な害悪な男性
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

目に見えないはずの愛が顕現しているシーンの回想がずるすぎる!美しい「愛」を可能な限り視覚化した映画だと思う

愛を知ることが出来ない主人公の精神的な辛さを表した描写(赤ちゃんが泣いているシーン、普段の
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

周りの人達が送り出した世界は、三上にとって向いていない世界だったという余りにも残酷な描写が辛い。

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.0

これがリアルなのか…?
聖書の説話を金日成に変えて伝えてるって余りにも稚拙すぎない?宗教性が露骨に出てて共産主義と矛盾しない?ただ、そのような金日成神話をを完全に信じさせることが可能になる壮絶さが恐怖
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ニューヨーク・オールド・アパートメント(2020年製作の映画)

3.5

移民へ強硬的な態度を取るような風潮は余りにもクソすぎる。
その人たちの多くは文字通り「生きるために」リスクを犯しているわけで、故郷へ送り返すことはその人たちの命や尊厳を奪うことになりかねない。
想像力
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市子(2023年製作の映画)

4.3

ストーリー、構成、役者、映るもの全てが凄い

ちょっと言葉にするにはある程度寝かせないといけない気がして、とにかく言えることとしては全員見て欲しいということだけ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

大人に向けた映画かと言われればそうでも無いし、子供に向けた映画かと言われればそうでも無いなと思った。もう少し複雑にした方が入り込めたけど、子供も見るかもしれないと思うと適度な作り込み具合なのかなとは思>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

口では言わないが、絵で全てが伝わる映画でした。撮る側もそうだけど、演じる側の努力や技量もなんだろうな。
基本的にゆったりしてるんだけど、途中からは緊張感もあって抱擁するシーンではめちゃくちゃ感動した。
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

純粋にめちゃくちゃ怖かった
ホラー苦手かもしれないと思ってしまった

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.7

一般的な北欧像からは排除されており、北欧人という枠組みから不可視化されている人々の「運命」を描いた作品で、お互いにとっての「100%の相手に出会うことについて」なんだろうな。監督はチャップリンを敬愛さ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.6

嘘と建前だらけで積み上げられている武士道、親方への忠義という構造のダサさ

空虚な武士道的な構造って性愛で補填されていたと解釈すればめちゃくちゃしっくりくる

戦国時代が好きって言う人とか、尊敬してる
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正欲(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

理解し合える大切な他者を待つ側、他者を理解しなかったせいで去られた側の対比の上での「いつまでも待ってます」という新垣結衣さんのセリフめちゃくちゃ刺さる!

もちろん新垣結衣さんと磯村勇斗さんの物語でも
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.8

記憶、記録

カーハートのジャケット、フォークソング

自然に溶け込む生活↔自然と人間の間にある境界が強い物質主義

生死

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

奴隷制度だけでなく全て差別に対する怒りが沸いてくる。

当時の常識や法律なんて関係なく、無自覚に差別してのうのうと生きて幸せに死んだ奴が居ることすら本当に許せないと思ってしまう。

相手の気持ちを理解
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

鏡としての水面の使い方が面白かった

カットとしての面白さとか、BGMの良さがめちゃくちゃ印象に残ってて、長い映画だったけど飽きなかった

人間の隠している部分を全てさらけ出すべきだなんて全くもって思
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見ようと思って見れてなかった

どんでん返し系の映画ってオススメする時めちゃくちゃ難しいよな

怒り(2016年製作の映画)

4.3

怒りが人から人へと伝染していく描写に衝撃を受けた。怒りはマイナスに働くこともあるけど、マイナスの状況を吐き出すために使うこともできて、人のための力に変えることも出来るはず。怒りといっても人それぞれで、>>続きを読む

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.1

権威やプライドを守るために、例えそれが正論であったとしても盾つこうとする者に対して強硬策を取ってしまう警察

権威を行使すること自体が終始目的となっている(安否確認することすらも目的じゃない気するする
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.5

過去の出来事だとしても、映し出されるスクリーンの上で起こっている事件に対して何も出来ない自分にひたすらに腹が立つ。

胸が苦しくなるし、表現とかではなく文字通りの意味で怒りによって体が熱くなった。
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