masaccoさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

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元気で頑張ることを強要されること。ルールを破ったら即排除されること。当たり前のように舐められること。社会的弱者の女性たちが社会の理不尽さに憤る。中盤の溢れ出す感情の吐露、終盤の暴力の発露のシーンがよい>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

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コンテンツのために他人を搾取するあらゆる構造や手段が描かれていた。折り重なるやだ味。人間の尊厳の削り合い。痛い!匿名ゆえの暴力性、ありのままを撮られることへの恐怖。ムロツヨシの変化がスリリングだった。>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

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マンガ原作、タナダユキ監督作品。遺骨になったダチの幻影との黄泉の国ロードムービー。「まりがおか岬」の非現実感とマリコとの思い出や幻影が夢のように溶け合う。その反面、シイノの食欲が魅せるたくましい生命感>>続きを読む

特捜部Q 知りすぎたマルコ(2021年製作の映画)

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「特捜部Q」シリーズ映画化第五作目。キャスト変更でカールのお腹が出て独りごとを言い銃撃戦で出ては引っ込み(繰り返し笑った)、など親しみ安さアップ。ロマの少年、外交官失踪、慈善団体の関係が徐々に明らかに>>続きを読む

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

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シリア内線中のドキュメンタリー。爆撃音と死体と血の赤い色。奇跡的に蘇生する赤子。序盤は冗談を言いよく笑っていた女性が終盤は疲弊して涙を流す様子が痛ましい。逃げない抵抗にも限界はある。「死ねばいいのに首>>続きを読む

特捜部Q カルテ番号64(2018年製作の映画)

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「特捜部Q」シリーズ映画化第四作目。楽しげに始まったかと思いきや、やはり陰鬱でおぞましい話だった。孤島の女性収容所と“ヒヨス” と3体のミイラ。完成度が高すぎる劇場型犯罪。収容所で行われていた所業があ>>続きを読む

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

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「特捜部Q」シリーズ映画化第三作目。今までになく茫然自失なカール。原作小説中では色々あったんだろうな。こどもが酷い目にあう描写が容赦ない。宗教二世の苦悩の話でもあった。

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

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「特捜部Q」シリーズ映画化第二作目。森の中の名門寄宿舎学校と制服姿の美しい男女という艶めかしい設定が良い。特にキミーが美しく痛々しくもたくましくてかっこよかった。マスクとか動物の扱いとか気味悪かったわ>>続きを読む

特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

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「特捜部Q」シリーズ映画化第一作目。未解決事件を捜査する有能だが頑固で孤独な刑事カールと愛嬌のあるアラブ系の刑事アサドとのバディもの。設定とキャラ、北欧ミステリー特有の陰湿さが良い!捜査中の現在と事件>>続きを読む

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

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黒沢清監督作品。オールウズベキスタンロケ。常に小走りで交通量の多い道路を横切ったり路線バスに乗ったりあぜ道をくだったり生煮えのプロフ食わされたりぐるんぐるんされたりヤギを解放したり歌ったりかくれんぼし>>続きを読む

ヒポクラテスたち(1980年製作の映画)

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1980年大森一樹監督作品。臨床実習中の医学部生の情熱と葛藤。古尾谷雅人の長身ゆえの不安定さ、原田芳雄の存在感が印象的だった。手塚治虫も出てたな。冒頭のケガや救命措置の描写など、命と向き合う現場が淡々>>続きを読む

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

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1974年熊井啓監督作品。出稼ぎのため外国に渡航した女性の人生を描く。70年代当時のおサキさんの家屋の傷み具合が凄まじいし、悪びれもなく強姦しようとする男も衝撃的。田中絹代の立膝など姿勢の粗暴さに対し>>続きを読む

愛の記念に(1983年製作の映画)

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1983年の作品。15歳の少女が愛を求めてデートしまくる話。監督が父親役を演じてるらしい。一家のテンションの高さとすぐ手が出るさまはドタバタコメディ感すらある。臆面もない苛立ちの発散がもはや気持ちいい>>続きを読む

ブートレッガー 密売人(2021年製作の映画)

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カナダの先住民コミュニティにおける禁酒法とアルコールの密売問題に対する、先住民と白人、老人と若者との分断。「禁酒法は(白人の先住民に対する)同化の強要だ」と言い、どちらの話もちゃんと聞いて選挙で決めよ>>続きを読む

行く先/後世(2021年製作の映画)

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小説家志望の青年が恋をして見栄を張りお金に困ってふと我に返ってひと皮むける話。家賃1200ユーロ(17万円)をフードデリバリー5件で20ユーロ(3000円)って厳しいな。当たり屋のくだりには苦笑い。移>>続きを読む

私たち(2021年製作の映画)

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パリ郊外で暮らす人々と監督の家族のドキュメンタリー。若者や労働者階級のアフリカ系の人々と、教会に集い狩猟を楽しむ白人の老人たち、という対比がおもしろい。時おり挟まれる電車は分断の象徴のようにも見えた。

ジョーンについて(2022年製作の映画)

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キャリアを引退した女性が人生を振り返り、現状を見つめ直し、しがらみを清算し、新たに生き直そうとする話。オカルト的なイメージの飛躍、母の不貞からの「蛸と海女」のシーン、“記憶を失くした”ネズミが泳ぎ続け>>続きを読む

ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

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ガラスに描かれた油絵が鮮やかで力強い。監督の母と叔父がモデルだという。事実に基づくとあって、ドイツやロシアっぽい軍人だけではなく目出しガウンの民間人が凶行に及ぶのが恐ろしい。フィクション要素?の森の動>>続きを読む

マグネティック・ビート(2021年製作の映画)

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軍向けラジオ局でのDJプレイがスリリングだった!ハウリングからのループ(レコードの上にカップ置いて制御してた)、チョップ&フリップの足使い!カセットテープ伸び〜、からの“Teenage Kicks”。>>続きを読む

揺れるとき(2021年製作の映画)

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10歳の多感な少年と周囲の大人たちとのコミュニケーションがはらむ危うさ。「お気に入り」だと知ったアンサーとして自らを差し出すシーンのサスペンスフルなこと!過去に虐待を受けていた可能性までも仄めかす。一>>続きを読む

波の間に(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

舞台俳優になるためパリに来て、友達になった陽気な女性とオーディション受けたら友達の方が受かって、悔しいけど彼女の才能を認めて代役に徹してたところ友達が病気になって..っていう話。病人に見えん。夢を共有>>続きを読む

ブラッド・オレンジ(2021年製作の映画)

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若い女が強え映画は良い!奔放さやリベンジの行き過ぎた暴力性は、多くの被害者が妄想こそすれ到底実行できないファンタジーで、それを映像化してくれたことはお見事。踊りサイコー。年長の男や権威ある職の男が偏見>>続きを読む

そんなの気にしない(2021年製作の映画)

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LCC客室乗務員のお仕事の世知辛さを垣間見た。いけずな上司とパワハラ客にネチネチやられたら備品のウォッカあおりたくもなるよね。人工的な照明がプライベートビデオっぽくもあった。そしてエミレーツ航空はLC>>続きを読む

ファブリック(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「未体験ゾーンの映画たち2021」上映作品。エログロホラーコメディ。悪魔のデパートのSALE会場が黒ミサのよう。生贄のマネキンで自慰するジジイとか、破いたカタログをあの穴に隠したり、暴れ洗濯機とか、ヘ>>続きを読む

ウルフズ・コール(2019年製作の映画)

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潜水艦が味方同士でわちゃわちゃする話。やらない勇気!監督いわく「友情と自己犠牲」がテーマだそう。フランス海軍には実際に「黄金の耳」と呼ばれる役職があり、アメリカ海軍がデータ主義なのに対し、人間の感性を>>続きを読む

スイング・ステート(2020年製作の映画)

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アメリカの選挙システムを皮肉ったコメディ。スティーブ・カレルが出ているだけでおもしろい。シュトロイゼルっていうお菓子やプーティンっていうポテト料理がやたらうまそうだった。

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

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原題は「Never Rarely Sometimes Always」はアンケートの4択での常套句。「母になる準備ができていないから」中絶を望む少女の話。バイト先のキモい店長は過酷な日常の象徴だ。力によ>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

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“man’s world”からの女性の解放を描く。
“birds of prey”は“猛禽類”っていう意味。女を食い物にする男たちのことかな?それとも籠の鳥だった女性たちのチーム名?ハーレクインのポッ
>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

5.0

青年兵士トミーの視点で爆撃に怯えたり救護船に乗ろうとしたり水中でもがいたり仲間をかばったりしつつ、果たして故郷へ帰れるのか?サスペンスのライド映画。民間船のストーリーも熱かったし本物の戦闘機の迫力も凄>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

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タイムリミットサスペンス、アクションとしてもおもしろいが、登場人物それぞれの「正しさ」をかけた人間ドラマとしても見応えがあった。艶かしく美しい夜のNYのストリートやコンドミニアムや食肉工場での銃撃戦、>>続きを読む

モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

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事実に基づく。青年カーワが戸惑いながらもSWAT部隊に加わり“ダーイッシュ”との死闘を繰り返すうちに、残忍なまでの戦士にめきめきと成長する話。彼の表情の変化も素晴らしいが、隊長がよい。ゴミ拾いがさ〜。>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

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原作は日本の原作。ペ・ソンウの頼りない三島由紀夫のような顔が印象的。時系列が交錯するわりに、ヴィトンのバッグとか写真とかタトゥーとか小道具が印象的なので見やすかった。復讐する女性、諦めない女性、たくま>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

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ジム・ジャームッシュ監督2003年の短編集。コーヒー、タバコ、チェック柄と、「インディ500」「テスラ」など会話の断片が、統一感を醸し出す。会話の間(ま)の妙、その気まずさが良い。おしゃれなショートコ>>続きを読む

AK-47 最強の銃 誕生の秘密(2020年製作の映画)

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銃に無知だが「カラシニコフ」という名前は知っている。世界一使われた軍用銃「AK-47」の発明者の伝記ドラマ。教育を受けてないとか、後に妻となる女性が設計を手伝ったとか事実らしい。モチベーションとか求心>>続きを読む

百円の恋(2014年製作の映画)

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32歳の女性がボクシングを通じて成長し人間関係を再構築する話。安藤サクラが良い!肉体改造とボクシング習熟度、ファイトシーンの息が上がりテンパった様子もリアル。他、コンビニ定員の坂田聡も気持ち悪くて良い>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

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アイスランド映画。特殊効果エンジニアの監督が「ビジュアルで語る映画にしたかった」というので考察し過ぎるのは野暮かな。アダちゃんかわいい。羊、クリスマス、マリア、といった宗教的な暗喩が散りばめている罪を>>続きを読む