新潟の映画野郎らりほうさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

新潟の映画野郎らりほう

新潟の映画野郎らりほう

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ジェーン・エア(2011年製作の映画)

4.1

【荒れ地に木霊す 私呼ぶ声】


門扉を開け 逆光に照らされたジェーン(ワシコウスカ)が庭園を駆けてゆく。ブレたキャメラで捉えられた彼女の後景には、儚げな花がたどたどしく咲き、寂しげに彼女を見送ってい
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路上のソリスト(2009年製作の映画)

3.0

【善意の衣を纏ったミーイズム】


唯我独尊、傲慢、驕り、余計なお世話の押し付け善意。

なんだか、民主化支援と称して 強引にイラクに介入した挙げ句 失敗したアメリカみたいに思えた。




《劇場
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この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)

4.5

【言霊】


ヘ(^o^)/らりほう~!!
松雪泰子、高嶋兄貴、大林監督それぞれに握手してもらった!
(*^O^*)ヤッタ!

松雪さんは美しい☆指の先迄美しい!
あの大きい瞳を、然し 若干細める様な
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恐怖分子(1986年製作の映画)

5.0

【生まれ来る我が子】


窓硝子。ドア。部屋間開口部。階段手すりの無数のボーダー。原稿用紙のマス目。受賞会見報ずる幾台ものテレビジョン。タイル。窓拭き作業のビルディング外観に連なる十字格子。写真…。
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シルク(2007年製作の映画)

4.1

【無象幻影】


[日本への旅]を一義的に捉えてしまってはこの映画はつまらないだろう

それは心の旅 -真のエレーヌ(ナイトレイ)へ辿り着く為の- 。


無色透明なマイケルピット、一切台詞を発しな
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ラスト・ナイツ(2015年製作の映画)

1.9

【絵空の英雄】


明け透けCG然であった前二作とは一転、今回CGパートはかなり抑制された印象だ。
然し、平坦な画面設計と色調。各登場人物の顔面偏重主義は相変わらずである。
構図や照明、人物の位置関係
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劇場版 MOZU(2015年製作の映画)

3.1

【光りへ】


ドラマ未見、原作未読。観賞券当選に依る 予備知識無し/いきなりの劇場版観賞。
結論からいくと「コレ単体で全然大丈夫」だった。以下感想。


バーで目覚めた倉木(西島)の背後に、逆光煌め
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エベレスト3D(2015年製作の映画)

4.0

【皮肉なパノラマ】


言わずと知れた[′96 エベレスト大量遭難]。
皮肉な事に、北海道トムラウシ山遭難事故と並び[危機管理及び緊急事態時に於ける集団/社会心理考察]の優良なモデルケースである。
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俺物語!!(2015年製作の映画)

1.6

【すれ違い続ける想い】


鈴木亮平の顔芸を見つめ続けて105分が虚しく過ぎ去ってゆく…。

猛男(鈴木)が恋慕う少女-凛子(永野)。ヒロインの証である特権的接写に依って彼女は捉えられるが、その大事な
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

5.0

【神、秘なる川】


追走虚しく路上ホッケーのボールが排水溝に呑み込まれてゆく… 地下監禁を暗示する様に…。
その少年の悲痛な慟哭を[窓辺の影]のワンショットに留める尋常ならざる抑制に、言葉無く立ち尽
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スペース カウボーイ(2000年製作の映画)

5.0

【Fly me to the moon(In other words)】


私を月へ連れて行って
星々達と遊ばせて
木星や火星の
春はどんなだろうか
それはつまり 手をつないで欲しいって事
それはつ
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許されざる者(2013年製作の映画)

3.0

【主題履き違えた音声解説版】


『人を斬って、斬って斬って、最後には誰かに斬られて死ぬ。唯それだけの人生だと思っていた』-十兵衛(渡辺)

『勝って生き残った者が正義で負けて死んだ者が悪。歴史っての
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ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)

3.5

【一心同体不可分な答え】


とにかく飛翔シーンが素晴らしく「巨大感・高所感・遠近感」に加え、フリーフォール時に於ける「身体安定性喪失による蒼白的焦燥感」も私は体感する事が出来た(^o^)

登場する
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

5.0

【貫穿し刻印される恐怖】


『この女優は大丈夫なのか? これ以上撮影を続けてはおかしくなってしまうのではないか??』~フィクションを見てそう想ってしまう事自体「異様」だ。 女の恐怖はそれ程[真]に迫
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.1

【ゼロの過去現在未来】


前半ほぼ丸々を費やし描かれるバーでの会話場面。その会話旨趣は回想映像の形で相当数提示されるが、併行提示されるバーでの実会話「来店話者(サラ スヌーク)とバーテンダー(イーサ
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スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

3.0

【マン オブ スティーブ-鋼鉄の男】


映画云々というより、純粋に「スティーブジョブズの人物伝」として見た。
とても興味深かった。

自分に厳しく 人にも厳しい。鋼鉄の意志と心を持つ人だなと。
部下
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マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

3.0

【民意を汲まず暴走するパワー】


冒頭、スーパーマン故郷の星の3D -近遠景/高低- 表現が素晴らしい。

スーパーマンの超絶的能力を捕捉する為、バトルシーンでは「スローが大々的に使用されるだろうな
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マイティ・ソー ダーク・ワールド(2013年製作の映画)

3.0

【さらば浅野忠信】


第一作対比で楽しめた。
話としては『サイヤ人地球襲来の危機に、悟空とピッコロが夢のタッグ』ってところか。燃えるシチュエーションだ。

浅野忠信登場用法が『これを機に今後 本シリ
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嗤う分身(2013年製作の映画)

4.3

【蘇る残滓】


ひた走る列車とは 何故斯くも心捕らえて離さないのだろう。

流れ逝く車窓外と、対象的に静止した侭の車内とに想起される[内外世界乖離性]。窓硝子に鏡映する[半透明の自己像]。そして窓外
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龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

3.6

【チーン】


人物の配置や それを捉える構図、そしてその切り返しが相変わらず巧くてやっぱり見惚れてしまう。
商店街アーケードでの老いたヤクザ達と今のチンピラ達をサイドから捉えるその人物配置。
一瞬「
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余命1ヶ月の花嫁(2009年製作の映画)

1.9

【余計じゃなく普通こそ特別な事】


例えば 健康に何の不安も持たなかった時と、余命を意識する程の大病に在る時とでは、当然変わる筈だろう-世界の見え方-感じ方が-。
今まで気にも留めなかった事柄が 特
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複製された男(2013年製作の映画)

4.3

【蜘蛛の巣-world wide web】


「映画野郎」を公言している事もあり、映画についての感想と解説を求められる事が少なからずある。
その時に決まって耳にする - 「答えが解らなかったから」。
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.6

【デジタルの走馬燈】


微笑む亡き妻の携帯動画を見遣り 崩れ落ちてゆくジョン(リーヴス)の顔貌に、そのスマホバックライトが照射される - まるで〈デジタルの走馬“灯”〉を映す様に…。

アラームクロ
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るろうに剣心(2012年製作の映画)

3.6

【男スイッチ ON】


原作コミックに関する知識は 全く有さず、大好きな香川照之と蒼井優目当てに観賞したのだが コレがかなりの面白さ。

殺陣とマーシャルアーツを融合した国内屈指のハイスピードアクシ
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フェア・ゲーム(2010年製作の映画)

4.0

【複眼の聡明】


911を受け 対テロ・イラク戦争に突き進む米政府と、リテラシーを忘失し同調賛同する大衆が歩む[全体主義]及び一側面(単眼)思考の恐ろしさ。 その中で異を謂うマイノリティの勇気と葛藤
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

5.0

【Lovely Morning】


大切な作品。


真夜中であるにも拘わらず『もう0時を廻ったから朝だ』『おはよう』『Lovely morning♪』と 欣喜雀躍するケリー、レイノルズ、オコーナー
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.0

【和のせせらぎ】


さらさらと穏やかに流れる小川の様で、それはそれで確かに心地良く安心ではあるのだけれど、こうも全てが緩やかで良いのかといった鬱積もまた残る。


隔世世代間雲泥隔絶が齎すであろう衝
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ビッグ・ガン(1972年製作の映画)

3.4

【血讐】


霧、霞、靄、自動車排気、黒煙、吐き出される吐息、紫煙、湯気、望遠に依る近景シャローフォーカス等、全編に揺蕩う〈朧〉なイマージュ。その中で寡黙に佇むドロンが醸し出す無上の哀感に痺れる。
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エイリアン(1979年製作の映画)

5.0

【マチズモとフェミニズムの相剋】


ウーマンリブ(女性解放運動 = 第二波フェミニズム)の潮流を受け[女子差別撤廃条約]が 国連に於いて採択されるのが〈1979年〉。
差別は撤廃されたのである-表面
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悪の法則(2013年製作の映画)

4.0

【PROMETHEUS : THE SEQUEL】


愚かな行動選択の結果 危急陥り 散々右往左往し 徒労の果て待つ無惨な末路。
随所のフィロソフィなイメージの醸成と 露悪趣味。
弱肉強食-全ては自
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

2.5

【残響し続ける無意志的記憶】


否定し続け卑下蔑ろにしていた〈自己〉を 強く真摯に顧見つめる事が、今迄見えなかった 否、見ようとしてこなかった〈他者 -家族- 〉を浮かび上がらせてゆく…。

催眠と
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

4.5

【想い出のバーニー】


空間移動/部屋間移動映画。

建物から建物へ、部屋から部屋へ、また幾度も〃も階段を上下し、時に見上げ 時に見下ろし、窓硝子越しに覗き込み、門扉-扉を開け、或いは閉め、といった
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斬る(1962年製作の映画)

4.8

【無情】



- 血拭いし懐紙風舞う様に 無情の念唯揺蕩う -





《DVD観賞》

湖のランスロ(1974年製作の映画)

4.5

【無情】


ブレッソンなだけにこれも相変わらず緊い映像体験となるが、これまたブレッソン印である過剰な迄の省略が抜群の効果を上げており“活劇”として十分“楽しめる”。

冒頭、甲冑の男達がいきなり頭か
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.3

【絶望下、絶望のみ見れば絶望だけ】


厭世、絶望、自棄の、惨憺たる映像体験。

若者の自殺報じる新聞映すファーストショット。然し他殺可能性高いとするのセカンドショット。冒頭僅か2カットで示される〈死
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.5

【脳内御花畑の勧め】


アニエス ヴァルダの「バカ映画」。

ドライで異様な妙趣漂う劇伴が鳴り響く中、ある家族が平原を進んでゆく。ズンズンと進むその“行軍”に、幾度も〃〈花〉のカットが挿し込まれる-
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