新潟の映画野郎らりほうさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

新潟の映画野郎らりほう

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アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

2.2

【このMCU世界の片隅に】


ありがとう…

うちを見つけてくれて…




〈追記〉

アントマンもワスプも!小さ過ぎて見えなあい!

でしょう?

でも青いのを使えば…
(MCU)世界は変わる!
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未来のミライ(2018年製作の映画)

1.5

【ツリー “OFF” ライフ】


今 ここに存在する《わたし》とは、『父と母が結ばれた結果である』といった単純なものになく、祖母や 曾祖父や 更なる前の世代の人達の無数の哀楽・葛藤・願いの《その全て
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パシフィック・リム(2013年製作の映画)

2.0

【パァーンチ……チーン】


街々を破壊しつつ繰り広げられる巨躯同士の烈しい闘いに、単純明快な興奮と欣喜を覚える。

「これは面白い」-やってる事は幼少向けTV番組のそれであるが、それがハリウッド流ブ
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ハミングバード(2013年製作の映画)

3.5

【ハーモニーバラード】


復讐に依って共に人生を終熄させた男女の、然し復讐でしか露の命燃やせぬ哀歌な愛の歌。

裏社会/暴力/没落/厭世の渦中にセンシティブなロマンスをそっと添えてみせるのは「イース
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

2.9

【malignant neoplasm】


無限増殖する夢幻臓蝕。
豊満な乳房への固執(は同時に喪失する事への恐れと仄めかしか)。
遺伝子変異による制御されぬ増殖(臓蝕)集団。反語的な「完璧な遺伝子
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.6

【Bicameral Mind】


繰り返される微睡みと覚醒。催眠状態下の心的形象。冒頭 ホメーロス「オデュッセイア」引用等を鑑みるに、指令≒催眠(洗脳)と、そこ(底)からの自己の覚醒が最主題か。
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インサイド(2016年製作の映画)

2.2

【分娩表象】


雨粒/霤/曇り - 湿度高めの映像群と、溺没/ずぶ濡れ状態から狭小口よりの出現を鑑みると、やはり家屋からの脱出と母胎からの分娩を準えているか。

一見作劇上の御都合主義とも見られがち
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

2.2

【低懐疑】


矢鱈とスクリーンの左右に人物を配置し、それを真横から捉えたい様である。

背の低い浅利陽介の詰問に、高身長の長瀬智也が頭を下げる - 決まりの悪さが滲む葬祭時の横並びは別として、それ以
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.0

【原点機械原点回帰】


某モヴィルスーツだとか、シャイニーなホラーだとか、その他劇中の 雑糅渾淆膨大なクリシェは、“あるもの”を煌めかせる為に - 際立たせる為に - 唯存在し奉仕する。


黎明
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昼顔(2017年製作の映画)

4.1

【銀河鉄道の螢火】


蹌踉めき 靴脱ぎ落とし 躓き 水没し ずぶ濡れ 息切れ 地這い 脚引き摺り…、それでも前を向き歩んでゆく - 紗和(上戸彩)のそれら身体性が、彼女の立場・概況、そして心象を映し
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バーニング(1981年製作の映画)

3.3

【燃え萌ゆる夏】


夏が燃える…。


一瞥した限りでは描写が見当たらぬ酒・煙草・ドラッグ。加えて未熟な性行為が、彼等の「幼さ」を際立たせる。
賑やかな食事風景や、皆まだ寝入る黎明の微睡みに一人起き
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.3

【…に落ちて…】


執拗に繰り返される垂直降下。断崖で、城塞から、そして時計塔で。
それら落下表現過多に伴い その対となる高所登攀描写も当然 多岐多彩であるが、本来的に意思的行動であり主目的な筈の“
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アリスのままで(2014年製作の映画)

3.3

【あり(素)のままで~♪】


シンポジウムの場で壇上に立つアリス(ムーア)が、病の影響から困惑迷妄と隣り合わせになりながらも、尚見せる笑顔のスピーチが感動的だ。
そしてこう思う『ああ ここで映画は終
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フライト・ゲーム(2014年製作の映画)

4.0

【フラつく世論】


本当にこれで良かったのだろうか…。


携帯メールの文字情報や、監視モニター映像、TVニュース番組等、所謂ピクチャーインピクチャーの類は それらを見る(或いは見られる)人物リアク
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.0

【幸福な夢】


ワーアーアアアー!

夢見る少年期、パートナーと共に歩む青年期、そして受け継がれる次世代、と三段活用で変奏される歌曲 A Million Dreams の感慨。


ワーアーアアアー
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.8

【扉奥の双子】


駅構内を行く一人の男。キャメラは男の腕、脚、背負うリュックを大写しにするが その相貌を秘匿する。
男は主人公なのか 犯罪者なのか - この冒頭場面だけでは判断に躊躇う - 一体誰な
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ミッドナイト・バス(2017年製作の映画)

1.8

【Niigatan rhapsody】


この内容で160分の上映時間である事が 既に作品の不出来を宣言している。

開巻早々、シラトリ交通の“白鳥”がハクチョウとも読める事を わざわざ説明科白にし
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サランドラ(1977年製作の映画)

1.9

【虚空に消えたサランヘヨ】


…サランヘヨ… (愛しています)


闇夜の荒野を走るキャンピングカー(マイクロバス)に四方から謎の集団が襲い掛かる。バスは襲撃から逃れようと走るが、悪路にハマり止まっ
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一週間フレンズ。(2017年製作の映画)

3.0

【1/24フレームの果てに】


筆走らせ、頁を捲り、頁を閉じる。傍歩み寄り、手を差し出す、幾度も〃も。渡す、受け取る。走り出す。そして、繋ぐ。
非映画的なスマホの類いは悉く物語から排除され、直接的行
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.0

【彼岸と此岸の狭間】


海枯れ果て どこまでも曖昧と化す彼岸と此岸の狭間逝く 蒼白な漂泊者に、喚起される芥川龍之介「蜘蛛の糸」の如き啓示 -黙示録- 。




《劇場鑑賞》

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

【掲示板炎上】


事の善し悪しは別として、何らの躊躇逡巡もせず 俊敏且つ簡潔な〈行動〉を繰り広げる各登場人物の姿には羨望混じりの清々しさすら覚える。
それら一見すると無考察な行動群は、作品にスピーデ
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デトロイト(2017年製作の映画)

4.0

【各々に棲む悪魔】


強い権力を与えられた者と力持たぬ者が 狭小空間を共にした時、理性 -そして個性- は亡失され 人はどこまでも暴走する - 役割・地位・状況・場面・雰囲気にただ"流されるまま"の
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嘘を愛する女(2018年製作の映画)

1.5

【カノジョは嘘を愛しすぎてる INFINITY】


パンプス、スニーカー、そして裸足…。
あの日 傷付く事無く安心して踏み出せた一歩は、庇護を失った今、歩みも困難な深い痛みに襲われている。
そして識
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.5

【蒼ざめた冥闇】


歓楽街-蒼の街路電飾が 漆黒の車両流動曲線上を流れて逝く-。
夜と車両と街路の闇黒に映り込むそれら不穏な“蒼光”は、表徴だろうか -蒼ざめた死の-。


海の蒼に始まり海の蒼に終
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メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

2.5

【自我中心性社会不安症】


隔世世代間交歓に依り気付く忘失していた自身の素養/出自。血の継承。幾度も登場し 都度意味合いを変える鏡が映し出す 卑下でも虚栄でもなく ありのままの自分を顧見つめる自己対
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.4

【Self-dialogue】


正邪の分身関係(同一性)の如く 硝子衝立で鏡像化する三隅/重盛の相貌。
そこで虚実不明な言説を繰り返す三隅(役所)に鬱積を募らせた重盛(福山)が叫ぶ-『本当の事を教
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スクランブル(2017年製作の映画)

1.6

【フォード'72年式グラントリノスポーツ】


高架上の仁王立ちから、高架下通過車両上への降下と獅噛みつき ~ 開巻早々の「ダーティーハリー(シーゲル)」引用からも既に予想出来る様に、その後も「対弟比
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

3.2

【至白なる世界へ】


その白皙な相貌に笑顔を湛え 浜辺三波が校舎屋上の階段を昇ってゆく。
彼女の背の校舎白壁は陽光を受け その白をより白く輝かせ、彼女を 永遠に光芒の彼方へ連れ去ってしまいそうだ。
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東京喰種 トーキョーグール(2017年製作の映画)

2.2

【君の膵臓を喰べたい】


公園、高架鉄橋下、路地裏、駐車場と思しき造営施設、河川敷-。
喰種と対喰種駆逐機関との烈しい戦闘が上記で行われる訳だが、それが目撃者なり野次馬なり 市井の人々の眼に晒される
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ひゃくはち(2008年製作の映画)

4.4

【ステロに曇らぬヘプトミノ】


極度の純潔/清廉性を求められる“アイドル”は『彼氏無し』『ゲップも排便もしない』- そんな嘲弄も出る程の強固ステロイメージで見られている。良くも悪くも虚像/偶像だ。
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中学生円山(2013年製作の映画)

4.3

【君の名は…円山】


新海誠「君の名は」観賞時、真っ先に思い浮かんだのがこれ。
詳細は省くが、自慰に依る解離性と 夢想(非現実世界)への往来等、根幹部共通項を多数確認出来る。


ストーリーは『自身
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.5

【私の名は】


三葉の胸を揉み拉く瀧。胸を揉む手は男として揉んでいた筈だが、では揉まれていた胸はどうだったか- 女として男の愛撫を受けていなかったか-。
宮藤官九郎「中学生円山」に於いて、自身の陰茎
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無限の住人(2017年製作の映画)

4.3

【夢幻回り廻るかざぐるま】


手房落ち、血反吐し、悶絶す-。
不死との触れ込みに相反する如く、主人公万次(木村拓哉)に執拗に纏わり憑く死の表象。

亡き妹の生き写し。小雨が水面に無数の波紋生む河原は
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ピーチガール(2017年製作の映画)

1.8

【愛の磔】


終盤の、母(菊池桃子)の説諭を待つ迄も無く、本作主人公(山本美月)は徹底して受動的であり客体的だ。

海岸線に於ける伊野尾慧に手を掴まれ 牽引されるさま。
病室に於ける真剣佑に片腕把捉
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.7

【不器用なキャッチボール】


路傍に棄て置かれた漂白な球。それを不意に拾い上げ、捨てる様に -地に叩きつける様に- 投げるリー(アフレック)。その取り辛いボールを、追い戻り なんとか拾い上げるパトリ
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のぞきめ(2016年製作の映画)

1.5

【ひかえめ】


板野友美がパートナーの彼と共に訪れる小高い丘の山頂やり取り - 男が先行して立ち止まり、板野を呼び止め、振り返る板野のショット後景に フレーム見切れ気味に人影が映るカットバック -
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