スタイリッシュなオープニングから痺れまくり。
妙なアングル、長回し、ズームとロング、カメラの緩急、カット割。全てが盲目のヒロインの足取りの視覚化の為に効果的に使われている。
ポリティカリー・インコ>>続きを読む
単なる登場人物のお部屋紹介であり、着ているもの報告と言ってしまえばそれまでだけど、なんでこんなに面白いのだろう…ってそれはこの作品に限ったことじゃない?
なるほどこの頃から既にロメールにとって"賭け"とは重要なテーマだったのかと。
脚本とか全然切り返さない長回しとかモノクロながらカラー時代のロメールの原型はもう既にここにある……のだが、しかしこの人は>>続きを読む
予告編を観た時から傑作に違いないと確信していたが実際に傑作だった。
まずどのカットも1枚絵として成立する美しさがある。
堅実すぎて、良くも悪くも上手い人が撮る上手い映画(要するにマニア受けしそうな>>続きを読む
ショット1つ1つにもの凄い力を感じた。
自分の知るファスビンダーって、のたうち回る汚いものを汚く撮る作家というイメージで、そのテクニックが無駄になっているというか、長回しもロングも鏡を多用した演出も>>続きを読む
"精神を病める人々"という表札が掲げられた邸宅(=ということはこの映画の舞台はつまり…)で文学や聖書を引用しながら議論を戦わせていて、劇中に殺人、自殺、死体、神経症患者みたいなわかりやすい異常性の記号>>続きを読む
センスの塊の映画。弘法筆を選ばずで、上手い人は低予算でも凄いものを撮ってしまうということなのだろうか。
ガス・ヴァン・サントからリリカルなセンスを引いて、代わりにマイルドな狂気でブーストさせたとでも>>続きを読む
某映画評論家がヌーヴェルヴァーグとはパリの光ではなく闇(だったか夜?)を描いた映画なのだみたいなことを書いていたはずなのだが、まさにそんな感じの映画。
後年のロメール映画で愉快な場所として出てくるパ>>続きを読む
教室のドアが風でパタパタと開閉している冒頭から審美的なショット連発で痺れた。
タイトル通り、主人公の少年が友達の家へと向かって歩いているただそれだけの映画なのだが、とても美しく、どちらのファンも怒りそ>>続きを読む
別にそんなに前の映画ではないのだが、こういうB級感は懐かしいと思った。オブラートに包まずに言えば"古い"ということなのだが。
この映画、日本でも限定的な界隈で話題になったはずなのだが、変なキャラクタ>>続きを読む
夏、女、海そしてロメール。これで悪いはずがなく、『冬物語』も悪くはなかったが、若干ドライブ感を欠いているように感じられたのは気のせいではなかった。やはりこの人の作品には海とかプールが出てこないとね。>>続きを読む
一言で言えば"吐き気がするほどロマンチック"という感じで、好きか嫌いかで言えば正直好きではないが、凄いか凄くないかで言えば凄いと思う。
冒頭からとにかく凝りに凝ってはいるが、悪くいえばナルシシズムの>>続きを読む
話だけ取り出せばそんなに大層なことは起きてないはずなのに、主人公が地元でヤンキーとケンカをしていた序盤からは全く信じられないような遠い場所(もちろん地理的な意味ではない)へと連れていってくれる素晴らし>>続きを読む
画面や音楽のセンスは完全に今風なのに、決定的に何かが…いや何もかもがおかしいスコリモフスキの最新作。
冒頭のスマホ撮影から、犬(!)のPOVをはじめとした人を喰ったようなカメラ、ファニーな脚本、謎の>>続きを読む
上映時間が2時間半を超えているが、4時間でも90分でも良いと思う。
というのは、ストーリーは2時間半引っ張ってこれかぁ…という感じでいくらでも切り詰められるはずなのだが、(もちろん良い意味で)映像は>>続きを読む
残念ながらキェシロフスキの遺作となったトリコロール三部作の最終章。
ヒロインが盗聴をする孤独な元判事に衒いなく善意を説く場面があるのだが、それが全く嫌味にならないのが凄い、というかキェシロフスキの映>>続きを読む
映画を撮ることを題材にした『アマチュア』にしても、三部構成でその三部とも(ほぼ)同じカットで始まるこの作品にしても、(元々演劇もやっていたらしい)キェシロフスキは映画という形式に非常に自覚的だったのだ>>続きを読む
ポーランドで主に政治犯の弁護を手掛けていた弁護士の夫が死後、亡霊化するという設定はファンタジックだが、そのファンタジックな設定が極めて厳しい形而上への誘いであると一体誰が予想できるだろうか(観てない人>>続きを読む
あまりに残酷で悲しく、しかし美しい話。
そう感じられるのは間違いなくテクニックの問題で、普通の人が撮ったら、図式的で教訓的な話で終わってしまったかもしれない。
しかし(ストーリー紹介に既に書かれて>>続きを読む