ラグナロクの足音さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ラグナロクの足音

ラグナロクの足音

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怪物(2023年製作の映画)

3.8

人物、心情、テーマを描くに羅生門な構成が活きた。人は主観でしか物事を見れない。時折耳にするが、日頃そこまで意識することのないこの言葉を強烈に突きつけられる。母親が学校の教師陣を問い詰めるシーンで、教師>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.9

厳しすぎる偏屈なボーディングスクールの非常勤講師が、親の都合で実家に帰られなくなった青年と息子を失くしたジェニターの黒人女性とクリスマスを寮で過ごすことになりギクシャクするが、徐々に打ち解け合い自らが>>続きを読む

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

2.5

見習い花火師か。石油会社の環境破壊に対して怒りの志を共有するZ世代たちがテキサスの荒野に敷かれたパイプラインを爆破するというストーリー。再現映像の域を越えず、いろいろとツッコミどころがありすぎて途中か>>続きを読む

小公女(2017年製作の映画)

3.3

なるほど欧米的な逃避行を韓国でやるとこうなるんだな。時代の変化や物価が高騰してもタバコとウィスキーだけはやめられない、社会不適合者の女たちが、社会の荒波に耐え苦しんでいる旧友たちを訪ねまわるロードムー>>続きを読む

ボヤージュ・オブ・タイム(2016年製作の映画)

2.0

即寝。なんだ神にでもなったつもりか。星雲のガスから星が誕生し衝突合体を繰り返し太陽系、地球誕生となる、生命の誕生と進化、巨大隕石による恐竜絶滅、人類の誕生と歴史などを淡々とつづった糞シネポエム。恥ずか>>続きを読む

リベリオン(2002年製作の映画)

2.3

ベイルがキレッキレ!!感情を持つことが政府によって禁止された世界で、体制側のエリートだった主人公に感情が芽生え、反乱を企てるようになる様を独特の格闘描写で描いた近未来SFアクション。設定に無理があるし>>続きを読む

ALOYS/アロイス(2016年製作の映画)

2.5

現実と空想を行ったり来たり。もう、すっかりやりつくされたこの系統にしては地味すぎたかな。日本が発祥だという「テレフォンウォーキング」なる精神療法を試すうちに徐々に現実と空想の境目を見失っていく男の物語>>続きを読む

冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

「楽して生きたいの」凍死体となって見つかった少女モネ。彼女はなぜ死んだのか、彼女と交流した者たちの証言を通して描かれる。キャンプといえば聞こえは良いがホームレス。男性証言者たちのように危険、哀れに感じ>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

スピードは無いが9年前のあのテンションを徐々に蘇ってくる感じが心地よかった。追われるという点でやってることは同じなのに話は信じられないほど丁寧。しかし台詞は限りなく少ない。眼力だけで魅せるアーニャちゃ>>続きを読む

スペアキー(2022年製作の映画)

3.7

ちょうどいい感じ。大家族の貧乏家庭で懸命に生きる十五才のフィフィは、盗んだスペアキーで入った旧友の家クツろいでいたところに鉢合わせた友人の兄であるステファンとの奇妙な関係が始まる。結局二人の間にはほと>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

まさに現代の写し鏡。アウシュヴィッツ収容所に隣接する邸宅という極めて象徴的な場所を使って、そこで何食わぬ顔で暮らす家族をまるで実験観察のように見つめるこのひととき。すぐ間近で起きているおびただしい人々>>続きを読む

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

3.6

真面目な脈絡なのに肝心な場面で流れるメロドラマのBGMが絶妙に揺さぶってくるあたり流石ドットヘインズ。コメディが過ぎて終始ニヤニヤが止まらなかった。内容的にも最近っぽい感じやな。メディアの投影がそのま>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

1.1

霊と交信できる呪われた手を使った若者たちが恐ろしい力を解き放ち、次々と奇怪な出来事に巻き込まれるホラー?1ミリもホラー要素が無いゴミ映画。話も支離滅裂でまったくついていけなかった。過剰に頼ったジャンプ>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

冒頭のタイトルからして完膚なきまでのゴダールへの弔辞(挑戦状)作品とんった。映画をシーンの連続として見る勿れ。物語を物語として、意味を意味として、メタファーをメタファーとして追いかけてしまえば、あっと>>続きを読む

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.7

噂で関係が拗れる脆い若者たちの様が自然に描かれてる。ゴーストの伝説が情緒を膨らます。夏の期間、親の都合で毎年訪れるファルコンレイクにて、親の友人の娘に惚れた少年が徐々に彼女との関係を深めていくも、予期>>続きを読む

タイピスト!(2012年製作の映画)

2.2

どストレートなスポ根もの。これぞベタ。、1950年代のフランスの再現はすごいんだろうが、主人公の成長過程や恋愛要素も、結局お決まりの展開に終始してしまい、意外性はまったくない。指一本で超高速にタイピン>>続きを読む

学歴の値段 集金マシーン化した米大学の真実(2014年製作の映画)

2.4

米国大学生の平均借金額が2000万円に達し大学の意味が問われている現代。ビジネスと教育の共存って本当に難しいんだなと。歯止めの効かない本末転倒な大学競争の現状に馬鹿馬鹿しくなった。いったい誰のための大>>続きを読む

ザ・ヒューマンズ(2021年製作の映画)

3.4

マンションの一室だけで話が進む閉鎖系。高層建築の隙間から見上げる青空のオープニングが印象的。安アパートを舞台に、感謝祭に集まった家族の、認知症の祖母の介護や経済的・医療的困難など含むあれこれを描く、な>>続きを読む

世界でいちばん不運で幸せな私(2003年製作の映画)

2.4

くそみたいな邦題だな。ウブすぎるコッティアールのデビュー作ラブコメディ。空き缶を渡されたら挑戦を受けなくてはいけないという無茶振りな関係を続ける2人の男女がお互いの想いをストレートに伝えられずに年を経>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

1.5

耳が腐りそうになるので漫画でいいだろ。実写のボーイズラブは受け入れられん。が、山下監督らしい。多感な時期で心身ともに成長する思春期の中学生がヤクザに歌を教える中で成長する話。

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

2.2

様々なノーラン作品の系譜を知るうえで大切な初期作だが、映画としてはひどすぎた。理解を遅らせるだけで、パズルのようにプロットをバラバラにすることの効果が全く発揮できていない。

パリタクシー(2022年製作の映画)

2.8

フランス映画大丈夫かというくらいセオリー通りに話が進み退屈だった。金欠で免停寸前のタクシーに乗った客は、さっさと目的まで運んでしまいたい話し好きな老女。しぶしぶ老女の思い出巡りに車を走らせながら、その>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.8

デンマークの田舎のどかすぎんだろ。叔父さんしか身寄りがいない酪農家の娘。親の代わりに育ててくれた叔父への愛情と感謝から離れられないジレンマが表情だけで静かに綴られる。好意を寄せてきた男性とのデートにま>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.3

「Elvis has left the Building」東京国際映画祭でグランプリとったフランス映画。アマンダの演技素晴らしい。テロで母親を失ったアマンダが母親の弟の家に移り住み、母親と行く予定だっ>>続きを読む

マイ・ファースト・ミスター(2001年製作の映画)

1.7

かなりきちぃ。中年男性監督の欲望丸見えやな。ゴシック系こじらせ少女が唯一雇ってくれたスーツショップの中年店長に心寄せるも歳の差で断られ寿命が近づく彼の願望を叶えようとする話。テレスコープの比喩は面白か>>続きを読む

ファニー・ページ(2022年製作の映画)

3.6

ほんとマンガ好きなオタクって人相が万国共通で似てるよな。かなりA24っぽい幕切れ。師を亡くした漫画家志望の少年が夢を諦めきれず親の反対に逆らって家を飛び出し、バイト先でたまたま出会った元プロ作画家の狂>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.4

いわゆるボディホラーなので先端恐怖症の自分にとっては見るに耐えなかった。交通事故で脳にチタンを埋め込まれキャデラック(車)とセックスして妊娠した女が数々の殺人を犯し、自分と瓜二つの行方不明の少年になり>>続きを読む

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.0

お手本みたいな構成で参った。基本的にはボーイミーツガールだが、ペドフィリアから脱却しようとする青年の心の動きが凄く丁寧に描かれている。ベルムト監督らしく内容も相変わらず東京愛に溢れていたが、今回は小児>>続きを読む

GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

4.1

子連れの豚。片足の鶏。不揃いな牛。家畜の眼が物語る。段々と人間に見えてくる。得体の知れない罪悪が湧いてくる。ここまで動物眼線な作品は観たことがない。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

2.0

ふつーの初恋もの。青春時代に故郷の韓国で両想いだった幼馴染がfacebookを通じて連絡をかけてきた。ライターのユダヤ人と結婚してニューヨークに暮らしてる彼女はやがて彼と再会する。見切りをつける女と未>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

小難しい話をよくこんなに手際よくハイテンポで描けたもんだ。いかにジーザスは預言者たり得るか。その過程がポールと大衆との関係性で緻密に説明されている。正直、3時間弱でも物足りないくらい、圧倒的な映像美と>>続きを読む

夢見るシングルズ(1982年製作の映画)

3.5

29歳という設定にショックしたが調べたら本当に実年齢でびっくりした。ミシェル・ブランのファンになった作品。アパートの隣同士で暮らす、女房と離婚したばかりの冴えない中年医師と、恋人と別れて過食と絶食を繰>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

羅生門や最後の決闘裁判の更にもっと内側。なるほどそう来たかとゆう感じ。最後まで全員容疑者という可能性は残したまま絶妙に主観の交錯が組んである。近づけば近づくほど遠のく真理とそれに翻弄される愚かな人間た>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

いやー実写版風立ちぬですな。豪華絢爛、THE科学者オールスター大感謝祭。いろいろ説明端折りまくってたが数十人にものぼるマンハッタン計画の関係者それぞれの立ち位置と個性が明確に描かれポツダムまでの歴史認>>続きを読む

さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

3.4

そうそうこのカオスさですよ我々が欲しているのは。歌のシーンはほとんどビートルズ笑 幸せとは「夢を叶えることか?」と問う物語。売れない画家のお姉さんは絵で結果を残せず、彼と結婚し、北海道へ行く。お姉さん>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.4

画質くそキレイーーーーーーーそしてこの画の構成力、比類ない。ヨーロッパの中央の地にあって、周囲の大国<太陽>の影響下で激動の歴史を重ねてきたタル・ベーラの母国ハンガリーを地球の衛星<月>に見立てた、複>>続きを読む