ラグナロクの足音さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ラグナロクの足音

ラグナロクの足音

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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.1

アカデミー賞は彼女が獲るべきだったね。テーマは"関係性からの脱却"、"芸術家という生き方の限界"とでもいおうか。砂漠の女が(キリスト圏)最後に森(動物/東洋/アミニズム圏)に見守られて終わるのがよかっ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.0

なるほど確かに"エブリシング"系のベーグルは名前に反して真ん中は欠けてるね笑『マトリックス』から始まり『マインドゲーム』『銀河ヒッチハイクガイド』を通って『マグノリア』で終わる。アカデミー賞最多7冠お>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

やってることジョンヒューズやん。つまるところ、セスローゲンが天才スピルバーグを生んだということでよろし?大御所がここまで映画を撮ることを賛美せずに呪いとして撮ることの怖さを表現するのも珍しくグッときた>>続きを読む

エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

3.3

エブエブではなくエリエリ。イエス様(ケンジ様)の痛みが音の振動が歪みとなって現世まで伝播する。せっかくのシューゲイザーなのだからもっと鼓膜が耐えうるギリギリまで音量を上げてほしかったな映画館。内容は途>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

3.7

聞いてたとおりまじで話もテーマソングも北の国からやんな。監督自身の幼少期の実体験に基づく話。アメリカンドリームを夢見て韓国からアメリカにやってきた移民家族の厳しい生活を描く。韓国生まれながらアメリカに>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

2.2

オチを早めに伝えちゃうパータンね。エンターテイメントとして最後まで期待してたのにあまりにも呆気なかった。脚本のせいだと思うがイーサン・ホークの演技もどっちつかずでヴィランとしての魅力もゼロ。敢えて?夢>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

2.4

たしかに宮沢氷魚、鈴木亮平の演技は素晴らしい。ちょっとした仕草の細かさがプロ。阿川さんもかなり役柄にはまってた。しかし脚本が多少雑だったかなと。回想シーンやナレーションが不必要なのと、緊迫感がいまいち>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.4

アキ作品ってのは神の存在を一切感じないから日本人が見やすいのかね。あとは、地味な生き様とかね。偶然に翻弄される人間たちの滑稽さが心地よい。職を失った炭鉱労働者が父が遺したキャデラックで南に向かうも刑務>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.1

至極王道なんだけど音楽の使い方があざとい。なんだよそのwonderwallの流し方。発達障害の息子を抱えた母親の話。1:1のアスペクトは最近よく見るので特に新しくもなく退屈。ただ母ちゃん役の訛ったフラ>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

4.0

こりゃ怪作。時代もあるだろうけど実に生き生きしてんなあ。中学生の男女が大人の世界を垣間見せられ、欲求不満を爆発させる話。中学生というか二足歩行の動物だ。心身の急速な変化により情緒が不安定になる思春期と>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

2.0

90歳になったクリント・イーストウッドの監督50周年記念だそう。全盛期の作品と比べちゃいけないだろうけど、さすがに老いたというか無理があるよなあ。正直痛々しい。またもや若いころの栄光を持つ落ちぶれた孤>>続きを読む

ディヴァイン(2016年製作の映画)

3.8

不良少女の成り上がり物語などではなく、フランスという先進国における中東やアフリカなどからの難民まちのどん底の生活を、ドゥニアという少女の目を通して描いた作品。ストリートで育ちのドゥニアと、スーパーの警>>続きを読む

オンネリとアンネリのおうち(2014年製作の映画)

2.5

チャーリーとチョコレート工場みたいな街並み。ほとんど子供用の教育番組なんだが、世界観の表現に北欧ならではの雰囲気が溢れてる。まんまムーミン屋敷。話はまんま民話の銀の斧金の斧だね。北欧では冬の間は外に出>>続きを読む

ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.6

ドキュメンタリーなのにスリリングで劇的。本作を観た後では、アーカイブ映像や写真にナレーションをかぶせたり、関係者たちへのインタビューで構成したりといった定番のドキュメンタリー手法が古臭く退屈に感じられ>>続きを読む

珈琲時光(2003年製作の映画)

3.5

東京物語をシャオシェンが現代の東京で再現する。が、いまいち嵌りきってない。小津作品が何も起きない日常を主題としていると最大限に勘違いしてる気がする。いや、というより、東京の日常風景の方が腐り果てている>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.9

すれ違う男女関係を描くメロドラマ。アキ色がこれでもかと炸裂している。イロナは自由すぎる。そしてタバコ吸いすぎな。仲間の死で独立の夢を断たれたモテないごみ収集車の運転手がスーパーで出会った恋愛に失敗する>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

どうしようもない人間を音で世界を救いに人間界に降りてきた神様が愛想を尽かすまでの話。2人はヒットマンズレクイエム以来の共演すな。いや懐かしい。アイルランド内戦なんか知ったこっちゃないパブ通いの趣味もな>>続きを読む

シェイディー・グローヴ(1999年製作の映画)

1.6

雑な少女漫画かよ。中途半端なラブコメ風で拍子抜け。部屋の壁に貼ってある森の写真に引き込まれるあたりビデオドロームかと思ったよ。失恋したストーカーOLが無作為に当てずっぽうな電話番号にどれだけ辛いかを話>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

2.2

ゴス姉さんは今日も眉なし顔面怖すぎる。老婆の演技に至っては夢に出てくるレベルでトラウマ。話としては定番中の定番すぎてクソつまらなかったが。許可を貰ってポルノ撮影をしにきた若者グループが、そこに住む若さ>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.7

ひたすらけなげ。会話全くないのに悲壮感が伝わってくるのがすごい。ナイトライフもとこおん地味だなフィンランドは。不細工な容姿が理由で男から中々目をかけられない女性が、裕福な中年男性と関係を持ち妊娠するも>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.7

流石のバズラーマン。編集が頗る新しい。時代錯誤なヒップホップ調の劇中歌や、過剰演出とも言えるシーンの連続は、今までの伝記映画とは明らかに一戦を画している。子供の頃の黒人音楽との出会いから始まり、デビュ>>続きを読む

夏時間(2019年製作の映画)

4.1

30歳でこれ撮れちゃうのはさすがにすごい。少年と少女の姉弟と父が、夏の間、祖父の家に居候することになる。頑固な祖父とそりの合わない思春期の姉は恋人がいるが、なかなか会えない。さらに家に叔母も転がり込ん>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.8

久しぶりにじっくり観てジャンヌ・モローの繊細な表情に改めて感心。モロクロ映像からは雨の匂いが漂ってくる気がする。インドシナ戦争、アルジェリア戦争と、フランス領の植民地戦争の激動にあった50年代フランス>>続きを読む

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.9

あの夏の思い出。音の使い方がいい。ベルリンに暮らすロレンスが、恋人のサシャの急死をきっかけに彼女の妹ゾエと出会い、その後の二人のそれぞれの3年間の夏を描いた作品。愛する誰かが突然死んでしまった大きな喪>>続きを読む

トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.6

R.I.P 坂本龍一。村上春樹の短編小説をイッセー尾形が演じ、教授が奏でる。ふつうにおもしろい。全編ナレーションで話が進み、所々役者が演技をしながらナレーションに介入。シーンの切り替えは横にスライドす>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.3

嫌になって出ていっても戻らざるおえない寝台部屋の引力は抗えない人と人との関係のメタファー。アケルマン程とは言わないが、列車全体が宇宙みたいに表現されていて心に沁みた。人間同士が通じ合えるのはいつも部分>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

1.0

さすがに下品すぎる。デミアンチャゼルはQアノンの才能があるかもしれない。アンダーザシルバーレイクなんかと同じで、こんなん評価のしようがないじゃないか。ここまで空前絶後の予算かけておいてこの内容でいける>>続きを読む

やすらぎの森(2019年製作の映画)

3.6

うん良い雰囲気。社会に疲れ森の中で隠遁生活を送る老人たちの何種類かの余生を描くもの。後期高齢者同士のセックスってなかなか見られない。こう見るとケベックって天国みたいだな。彼らを追い込む山火事がいい感じ>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.4

いきすぎたシュール。パレスチナ問題をめぐる当事者と部外者の認識のズレがシュールコメディという形式によって鮮明に炙り出されている。政治的コノテーションが一切気にならない。ガルシアベルナルわろw スレイマ>>続きを読む

ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

1.9

序盤、キャスト、スタッフの名前を音読するとか、奇を衒った演出がとてもあざとい。視覚障害者の愛憎劇といったところか。恋は盲目ってね。幼い頃に交通事故により視力を失い「いつか視力が回復する」と言われ続けて>>続きを読む

アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

2.8

クストリッツァが描く空飛ぶアメリカンドリーム。彼らしからぬ少数の出演者にも関わらず内容は破茶滅茶で悪いところだけど残滓として表彰してしまったかな。ジョニーの演技はこの頃から鼻につくなあ。ビンセントギャ>>続きを読む

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.3

これまた随分と説教くせえ話だ。コロナだったりファシズムだっだり現代の大衆問題を80年代の反大量生産社会小説に入れ込んできた。ホワイトノイズつまり雑音=死への恐怖。群集心理の専門家が化学事故で逆に集団の>>続きを読む

イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

3.5

アサイヤス版のアメリカの夜と言った感じ。マギーチャンを本人として扱うという奇手が面白い。かつてヌーベルバーグの旗手として鳴らした名監督が次回作として選んだのは女泥棒が活躍するサイレント映画時代の古典の>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

1.5

インド3回も行ってるから分かるが、これがリアルなんだよなあ。たださすがにひでぇ映画だ、だけどこれが映画か。ここ30年のハリウッド映画10万本くらいの要素を3時間に無理やりぶち込み、そりゃ辻褄合わないよ>>続きを読む