ラグナロクの足音さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ラグナロクの足音

ラグナロクの足音

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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

1.3

題材もなにもかもが古すぎて監督の想像力の欠落に心配になった。10年前の話かこれ。仮想空間でフォローワー獲得する話なんてもはやサイファイでもなにものでもない。プロット構成も超王道のくせしてなんの捻りもな>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

3.9

友人同士の誕生会で結婚を報告したカップル、妻が妊娠中の男、一人フラフラしている男が彼女の家に行こうと言い出し、徐々に複雑な関係性が明らかになっていくというもの。関係性のスリルを追いリアリティは後回しに>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

ホフマンボーイもハイム一家もイタすぎて最高。通常運航のPPTによる淡いハリウッドの思い出シリーズ。話にはなんの意味もないシーンをどうしてこんなに重厚に撮れるのか不思議。別に当時のハリウッドを知っている>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.7

これはちょっと経験あることばかりだったのでズシンと来てしまった。齷齪しながらカメラマンという仕事に落ち着いた30代の独身女性が、まだ自分が何も成し遂げていないのに、子どもが欲しいと結婚を詰め寄る彼氏と>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.3

デリヘル嬢たちとそれを取り巻く人たちそれぞれの人生を描いた作品。それぞれは独立しているようで、繋がっているようで。「光」ではない「影」の世界のリアルや辛さが淡々と描かれている。影に人権はないのか?影に>>続きを読む

Autonomous 自律(2019年製作の映画)

2.5

自律っていうか自立やな。道中見つけた動物の死体を食いつなぎながら旅をするという。極めて実験的な映像。BBCはたまにこういう訳の分からない試みに金出すよなあ。

イントロダクション(2020年製作の映画)

-

いつもの意味ありげだけど中身のない空虚な台詞だけが映画館に残響していた(申し訳ないが身体の具合のせいか開始すぐに意識が飛んでしまい後半30分の記憶しかない)

千年女優(2001年製作の映画)

3.8

火の鳥やん。夢や幻想を描かせて彼の右に出るものは世界中どこを探してもいない。アニメとは思えない表情表現のの繊細さ。藤原千代子の女優人生と彼女自身の人生がリンクしながら物語が進む。場面が切り替わるごとに>>続きを読む

マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2014年製作の映画)

1.4

いきなりホドルフスキーでてきてビビったが、これもうダサい言い訳でしかないよ。オンリーゴッドの失敗はたまたまという弁明を監督自らが自らを密着ドキュメンタリー。プレッシャーや、資金の工面、家庭での様子が、>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.4

後半、学校内講堂での陪審員裁判編。不良大出俊次が殺したと証明する側の検事役に回された藤野涼子と弁護人役を買って出た死んだ柏木卓也の小学校同級生神原が次々に証人を呼び事件の本質に迫る展開。原作では表現さ>>続きを読む

ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.5

現代ではなく90年頃を舞台にしたのがかなり機能している。クラスメイトの男の子柏木が校庭で雪に埋もれたまま遺体で発見され、ある告発文によってすぐに容疑者が浮上するのだが、その真相を子供たち自身で解明して>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.7

コロナ中の100億円突破おめでとう。ストーリーだけ目でおったらチンカスみたいな内容に驚愕するであろう。しかし、この人が大画面に出てくるとどうしても興奮してまう。映画館の絶滅がまもなくと言われる状況の中>>続きを読む

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.0

ザ・お手本。あらゆるラブコメは本作を刷りなおしているだけにすぎない。元祖中の元祖であり、すべての要素が入っている。

蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.3

西川美和の初監督作品。ごく普通に見えて普通じゃない家族が壊れていくヒューマンドラマ。祖父の葬式をきっかけに離れていた家族が集まり、個々の抱える問題が明るみになって温度感が急変する流れが非常にリアル。し>>続きを読む

マルコム&マリー(2021年製作の映画)

3.2

ある一晩に起きた共依存な男女の口喧嘩を見させられているだけなのにその中に色気が見出せる。実際にマリーがヤク中だった頃、マルコムの作品を見ていないはずなのに想像できてしまう。しかしゼンデイヤってこういう>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.6

もうこれで二度と会わないかもしれないし、これをきっかけに昔のような関係になるかもしれない。それはこの映画の先にあることなので誰にもわからない。犬(ルーシー)がいてもいなくてもこの映画は成立するのだが、>>続きを読む

マインドホーン(2016年製作の映画)

1.5

なぜこれにケネスブラザーが出演してんのかわからん。かつてのテレビドラマ真実が見える刑事”マインドホーン”役で一発当たっただけの落ちぶれた俳優が、マインドホーン本人に会うために犯罪を繰り返す極悪人を誘き>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.5

ロードムービーすらさせてもらえない弱者のロードムービー。「犬がいなくなった」というシンプルなプロットで米国の貧困と格差を描き切れるのは見事。アメリカの現代社会で女性が抱える社会的危うさを浮き彫りにしつ>>続きを読む

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

4.1

カットの切れ味さすがっす。起承転結の承を延々とやってる感じも良い。脈絡の説明もないまま爆弾でダムを破壊した3人が、犠牲者に対する罪悪感に押しつぶされ、やがて仲間の告白でばれて村を追われるだけなのに、間>>続きを読む

真白の恋(2015年製作の映画)

3.3

真白役の子、かなり巧い。あと風景と題材の連携が見事。内容に新鮮味はない。目線だけで人となりが伝わってくることグッド。小さいころに誘拐されたことで親からの過保護をされつづけている軽度の精神障害の女が、東>>続きを読む

テンダー・マーシー(1983年製作の映画)

3.6

かつてはカントリー歌手として成功した主人公は、アル中で無一文となり妻と離婚。娘とも会えなくなり、落ちぶれた生活を送る。小さなモーテルで働き出し、女主人で未亡人のロザリーと出逢って12分で結婚し30分で>>続きを読む

エスケイプ・フロム・トゥモロー(2013年製作の映画)

3.3

度肝抜かれた。ディズニーランドを舞台にディズニー映画とは真逆のストーリーをディズニー的な撮り方で撮る。しかもゲリラで撮れるレベルのクオリティーでは毛頭ない。ディズニーランドでバカンス中に仕事を首になっ>>続きを読む

グレート・ビューティー/追憶のローマ(2013年製作の映画)

3.9

さすがにカメラワーク華麗すぎ。かつて作家として成功を収めた65歳の主人公は40年前に一発あてた小説で成功したセレブであり、ジャーナリストとして活動している現在も、毎晩セレブたちと乱痴気騒ぎのパーティー>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

4.1

撮影と音楽の使い方が巧妙すぎてパリがその時代性を超え、物語が普遍性をつかんで自立していた。やっぱこの監督天才やな。批判覚悟で言うがキェシロフスキより偶像劇の繋ぎは上手いと思う。セックスが人々の生活の中>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

1.8

大怪獣のあとしまつの世間の評判から何も学ばなかったのか。。歴代ウルトラマンファンとしてはかなり残念だった。シンゴジラ以上に盛大にやらかしていて冷や汗が止まらなかった。脚本いじりすぎ。いくら初心者に分か>>続きを読む

アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.3

これが伝説的神ショットシークエンスというやつか。劇場で観ることができてこの上ない喜び。各シーンの空間が徹底的に画面から解き放たれている。しかし終盤になって俯瞰してみると確実に点が線になるかのように1つ>>続きを読む

マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画(2015年製作の映画)

2.3

ロウイエの「ふたりの人魚」的なPOVドキュメンタリーと思わせてモキュメンタリー。視聴後に客がネタバレをググることを想定して作ったそうだが、この構造で表現したかったテーマがいまいち理解できなかった。マジ>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

1.0

あのラマンのマルグリットデュラスが上映中に激怒して退席したということで自分も挑戦してみた結果、見事撃沈した。3日間に渡り夫への愛を失った主婦が家事をする反復風景を、延々と映し撮る。正直、サタンタンゴよ>>続きを読む

二重生活(2012年製作の映画)

2.4

さすがにこの妻たちの行動は理解ができないな。浮気が発覚したのに怒りの矛先が夫にいかずに浮気相手に向かいすぎ。夫へも直接言わずに何日もかけて遠回りで悟らせようと努力したり。最後の幻影としての被害者の叫び>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

3.9

タイトルの皮肉が利いているね。妻の浮気を病的なまでに気にしている男が、被害妄想をますます拡大させていき、やがて妻がレズなのではないかと疑い出す。もはや現実なのか妄想なのか分からない次元まで妻への執着が>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.9

観客を胸糞な気持ちにさせることが得意なハネケ3作目。映画でここまでのメタをやってしまうってほんと勇気がいるよな。おなじみの唐突なオープニングタイトルは今も語り継がれるほどの美しさを秘めている。2人の男>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

台詞が怖いくらいきまってるな。主人公とサブキャラの掛け合いの仕方も絶妙。日本を生きる貴族女と庶民女それぞれのプロットが見事に混ざりあうことで、日本社会を生きる女性の根本的な葛藤が見事に炙り出ている。話>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.3

オムニバス形式で綴られるのは人間たちの情けなさ。
抱き合いながら空を飛んでいる男女。夫婦らしき中年の男女が、高台のベンチに座ってのどかな街の様子を眺めている。不意に女が「もう九月ね」と言う。男は「うん
>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.1

母を失くし彼女に出ていかれた男が、夫が精神病棟にいる妹の息子の看病を頼まれNYへ、自らのライフワークである子供達へのインタビューを介し、やがて二人の間に特別な関係が築かれお互いにトラウマを克服していく>>続きを読む