ラグナロクの足音さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ラグナロクの足音

ラグナロクの足音

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move / 2020(2020年製作の映画)

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深田監督在宅短編。映画は瞬間の連続。なにも語らずとも表情だけで観る側は想像してしまうことを避けられない。という感じか。実験映像ですわ。

ディック・ジョンソンの死(2020年製作の映画)

3.3

カメラマンが認知症が始まった父親を題材に生前葬的なドキュメンタリーを撮る。死までもギャグにしてしまう心意気と親子の絆がうたく撮られている。美しい。アドベンチスト教派って初めて知った。

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

4.0

本気とはどのように発現されどのように他者に示せるのか。尺が長さが機能し話のヤバさがじわじわやってくる。ただ連続して見るよりぶつ切り(ドラマ版)のほうがよかったかな。無計画に他人と関わることの危なさ。ト>>続きを読む

ウエスト・エンド殺人事件(2022年製作の映画)

2.9

ロンドン中を駆け巡るシアーシャが可愛すぎるだけの映画。このメンツなのでウェスアンダーソン臭がぷんぷんするが内容はBBC制作レベルのクオリティで残念だった。1953年のロンドンを舞台にアガサクリスティー>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

思っていた以上にスピちゃんのエピゴーネンすぎて苦笑い。これまでの2作品同様に黒人の搾取されてきた歴史を直接的すぎるアプローチで描き出す。映画業界における差別という切り口から"見せもの"に対する普遍的な>>続きを読む

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.9

去年のアカデミー賞受賞作。生命の神秘をこれでもかと伝えてくるタコに恋した素潜りダイバーの話。1年の寿命でタコがどのような一生を送るのかをハリウッド映画の切り口で編集することで全く飽きさせない。というか>>続きを読む

THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

3.8

ギドク流救いようの無さ政治篇。思想犯にならないように目を瞑るってのは面白い。ボートの事故で国境を超えてしまった漁師は韓国政府にスパイを疑われた徹底的にリンチされるも証拠不十分で北朝鮮に返還されるが同様>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.1

どのカットも絵がヤサ美しい。シモン監督の断片的な幼少期の思い出の組み合わせ。母を亡くしたという事実を受け入れて初めて涙を流すまでを淡々と子供(自分)を見守る形で撮っている。時間を忘れるほどゆうがだ。ひ>>続きを読む

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.3

中盤以降に徐々に理解ができてくる初めての感覚。目には見えていないトラウマに苦み家出する女の心象風景がとてもリアルに描かれ、記憶の断片が徐々に重なり合ってラストに帰結する。この編集はえぐい。アルマリック>>続きを読む

ユキとニナ(2009年製作の映画)

4.0

即興演出らしいが至極自然な子供の演技に驚いた。両親不仲の家庭に生きるユキ。日本人の母親はフランス人の父親に愛想を尽かし日本に戻るという。ユキは親友アナと離れることを嫌がり父親の元に留まる。ある日森の中>>続きを読む

都会のアリス(1973年製作の映画)

4.1

たしかにアリスが撮った写真の反射は違う人の顔が写っているように見えるな。写真と現実のずれに悩む売れない写真家の子連れ放浪劇。都会に飲まれた自己喪失中の男が、アメリカという空虚な空間に身を投じてますます>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.4

うまくマスク時代の閉塞感を絡めてるなと感じた。怪我でダンサーを諦めた照生とタクシードライバーの葉。2人が過ごした6年間の内、照生の誕生日である7月26日を1年ごとに、ブルーバレンタインとかペパーミント>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.1

ボンジュールなズッコケ3人組。女っ気なしの×3倍。女ったらしの男が一目惚れの女に振られて新しい女に切り替える話であるし、自立できないマザコンの男が旅を通して一人立ちする話でもあるし、オタク気質で内気な>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

1.7

田舎で祖母と民宿を営んでいた二十歳の澪。祖母の入院をきっかけに父親の友人であった京介をたより上京。京介の経営する銭湯を手伝うことになる話。やっぱこの監督苦手。台詞がストレートすぎてあざとい。教育テレビ>>続きを読む

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.6

アイスランドにもファビアンがいる。また冴えない男の再生ものですわ。何千回と繰り返されるこのプロット。恋された側の女も実はいけてない鬱病患者って設定はちょっと捻りがあるか。結局人間は自分が一番辛い時に自>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.2

ビクトルエリセじゃないが、本当に子どもの視界の内側に吸い込まれる感覚を得た。先入観なしの素人少女を敢えて起用し、極力演技をさせずにただただ台詞を棒読みで喋らせて身体を動かす。いつのまにか会ったこともな>>続きを読む

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

4.3

演出、ショット、構成、脚本、何にしても秀逸すぎる。赤と緑の力に眩暈がした。これを30歳で撮るとは。プーチンの魔の手からなんとか逃れてほしいものだ。個人的には中盤の贖罪とも取れる壮絶な性交の描写と後半の>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

2.6

ウディ・アレンと法廷闘争になる前のミアファロー主演。珍しく理屈っぽくなくて映画の中の人に恋するだけの話。現実逃避の夢も必ず終わりがあるってか。ずっこけそうになった

ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.5

内容はさだまさし。4が3になるとバランスは崩れる。残された無軌道な三人の男たちを淡々とカメラが捉えるだけなのだが、それが延々観てられる。カサベテスの即興的な演出が映画そのものとも合致しているように感じ>>続きを読む

女っ気なし(2011年製作の映画)

4.0

前編(遭難者)で気色悪い男も違う角度で見ると悪気はない良いやつなんだよという言い訳話。いかにも日本人が好きそうな冴えないオタク男が童貞卒業に奮闘する。電車男もブラックのレンズで撮ればかくもお洒落になる>>続きを読む

遭難者(2009年製作の映画)

3.8

女っ気無しの前日談。このときはシルヴァンがただの気色悪い男にしかみえない。自転車好きだねブラックは。ツーリングをしていた男のロードバイクがパンクし、冴えない男に声を掛けられる→初めはそっけない態度で追>>続きを読む

2046(2004年製作の映画)

3.3

ひたすらキムタクが邪魔。ウォンカーウァイの空気を吸うならちょうど良い、しかし話はグダグダ。1967年の香港で「2046」という近未来小説を書く男の現在と彼が小説で描く近未来が次第に交錯し、小説の登場人>>続きを読む

アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

3.7

少なくとも101歳の人間が撮れる映画ではないことはたしか。なしてこんな子供の視線を保った映像撮れるのかわからん。いやキャスパーかて。カメラマンがたまたま不在だったために、彼は屋敷に呼ばれ若くして亡くな>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

1.3

題材もなにもかもが古すぎて監督の想像力の欠落に心配になった。10年前の話かこれ。仮想空間でフォローワー獲得する話なんてもはやサイファイでもなにものでもない。プロット構成も超王道のくせしてなんの捻りもな>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

3.9

友人同士の誕生会で結婚を報告したカップル、妻が妊娠中の男、一人フラフラしている男が彼女の家に行こうと言い出し、徐々に複雑な関係性が明らかになっていくというもの。関係性のスリルを追いリアリティは後回しに>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

ホフマンボーイもハイム一家もイタすぎて最高。通常運航のPPTによる淡いハリウッドの思い出シリーズ。話にはなんの意味もないシーンをどうしてこんなに重厚に撮れるのか不思議。別に当時のハリウッドを知っている>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.7

これはちょっと経験あることばかりだったのでズシンと来てしまった。齷齪しながらカメラマンという仕事に落ち着いた30代の独身女性が、まだ自分が何も成し遂げていないのに、子どもが欲しいと結婚を詰め寄る彼氏と>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.3

デリヘル嬢たちとそれを取り巻く人たちそれぞれの人生を描いた作品。それぞれは独立しているようで、繋がっているようで。「光」ではない「影」の世界のリアルや辛さが淡々と描かれている。影に人権はないのか?影に>>続きを読む

Autonomous 自律(2019年製作の映画)

2.5

自律っていうか自立やな。道中見つけた動物の死体を食いつなぎながら旅をするという。極めて実験的な映像。BBCはたまにこういう訳の分からない試みに金出すよなあ。

イントロダクション(2020年製作の映画)

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いつもの意味ありげだけど中身のない空虚な台詞だけが映画館に残響していた(申し訳ないが身体の具合のせいか開始すぐに意識が飛んでしまい後半30分の記憶しかない)

千年女優(2001年製作の映画)

3.8

火の鳥やん。夢や幻想を描かせて彼の右に出るものは世界中どこを探してもいない。アニメとは思えない表情表現のの繊細さ。藤原千代子の女優人生と彼女自身の人生がリンクしながら物語が進む。場面が切り替わるごとに>>続きを読む

マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2014年製作の映画)

1.4

いきなりホドルフスキーでてきてビビったが、これもうダサい言い訳でしかないよ。オンリーゴッドの失敗はたまたまという弁明を監督自らが自らを密着ドキュメンタリー。プレッシャーや、資金の工面、家庭での様子が、>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.4

後半、学校内講堂での陪審員裁判編。不良大出俊次が殺したと証明する側の検事役に回された藤野涼子と弁護人役を買って出た死んだ柏木卓也の小学校同級生神原が次々に証人を呼び事件の本質に迫る展開。原作では表現さ>>続きを読む

ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.5

現代ではなく90年頃を舞台にしたのがかなり機能している。クラスメイトの男の子柏木が校庭で雪に埋もれたまま遺体で発見され、ある告発文によってすぐに容疑者が浮上するのだが、その真相を子供たち自身で解明して>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.7

コロナ中の100億円突破おめでとう。ストーリーだけ目でおったらチンカスみたいな内容に驚愕するであろう。しかし、この人が大画面に出てくるとどうしても興奮してまう。映画館の絶滅がまもなくと言われる状況の中>>続きを読む