NORAさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

NORA

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メインストリーム(2021年製作の映画)

1.3

インフルエンサーを主人公とするからには、実際に観客がそう思うかは別にして、少なくとも作品世界においてはその人物の行動や言動の「面白さ」に説得力を持たせる必要があるわけだが、終始クソほどつまらない支離滅>>続きを読む

トーク・レディオ(1988年製作の映画)

3.8

人間は、意識的にせよ無意識にせよ、「キャラ」を演じることを強いられる。温厚な人格者、皮肉屋、頼れる先輩、良妻賢母、界隈のご意見番、etc...誰もが当たり前にSNSで「もうひとりの自分」を持つようにな>>続きを読む

ロンドンゾンビ紀行(2012年製作の映画)

2.6

けっこう期待してたんですが、いまいち盛り上がらないまま終わっちゃいましたね。面白くなりそうな場面はそれなりにあるんだけど、毎度ブツ切りにされて笑いの連鎖が起きない感じ。テンポが悪いのと、やたら場面切り>>続きを読む

ワラライフ!!(2010年製作の映画)

1.4

なにげない日常の素晴らしさを描こうとしたのだろうが、クソくだらねえエピソードが何の脈絡もなく羅列されているだけなので、ぜんぜん知らない人の面白くもない家族アルバムを延々と見せつけられている気分になる。>>続きを読む

ニセ札(2009年製作の映画)

2.5

気の利いた題材(実際に起きた村ぐるみの紙幣偽造事件)を取り上げており、癖のある役者陣を揃え、なんか面白いもん作ってやろうみたいな気概は感じる。倍賞美津子の、佇まいひとつで場に説得力を持たせる演技など流>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.4

『ジェントルメン』に続いて、今年(2021年)はガイ・リッチー映画が2本も公開。手癖でさらっと作ったような前作に比べ、こちらはテンポの良い編集や笑いは形を潜め、最初から最後まで不穏なBGMが鳴り響くシ>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

作り手が単なる興味本位でなく、真摯にこの問題を取り上げようとしたのは分かる。美しい映像や音楽、抑えた演出もいい。しかし、あれもこれも盛り込もうとしたせいで、結果的にはピントがずれてしまった印象。ジョニ>>続きを読む

リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様(2020年製作の映画)

3.0

だいぶ身構えて行ったわりには意外とまともというか、ミュージカル用の脚本をそのまま映画に使ったかのようなアンバランスさとミスマッチ具合が可笑しいのであって、原作に比べるとむしろ話のトンデモ度自体は低い気>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.1

デートレイプという非常にセンシティブかつ現代的な問題を扱った作品。「普通」の人間たち(女性含む)の「普通」の暴力(言葉によるものを含む)が執拗に描写され、特に僕を含めて男性陣にはきわめて居心地が悪いこ>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.3

暴走機関車・鈴木亮平を止めなきゃヤバい話。要するにアンストッパブル(トニー・スコット)。前作と比べると突飛な展開やいたずらに情緒に流れる向きもあるが、軸となる人物を松坂桃李と鈴木亮平に絞り込んだうえで>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.8

いきなりウ◯コ食ってる場面から始まる豪快さで観客の心を鷲掴みにした話題作。アウトレイジの一人勝ちだったメジャー任侠映画へ懐かしの荒い画質の東映ロゴをひっさげて正面からカチコミを仕掛け、がっちりと固定フ>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.8

何が良いって、ガキ4人組が旅に出る理由が実にしょうもないということだ。死体を見つけようぜ、って。でもガキってそういうもの。幸せの青い鳥とか、離ればなれになった家族に会いにいくとかじゃない。あくまで卑近>>続きを読む

ニュースの天才(2003年製作の映画)

4.2


エアフォースワンの機内にも置かれる名門政治雑誌で起きた、若手スター記者による記事捏造事件の顛末を描く。
これはふたつの意味で倫理をめぐる物語である。ひとつは当然ジャーナリズムの倫理、もうひとつは上司
>>続きを読む

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

5.0

人生最高の映画は何か。考えるたびにさまざまな思いが頭をめぐるが、いまのところ、結局はこの作品に落ち着いている。それは必ずしも作品の出来そのものの良さを意味しない。若き役者たちの中には演技が拙い者もいる>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.2

酔いどれ映画だが、コメディではなく人間ドラマがメイン。ハングオーバーとかワールズ・エンドみたいに陽気な野郎どもが八面六臂の大暴れ!って感じでもなく、酔い潰れ描写も割とリアル寄り。酔っぱらいの楽しさと辛>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.0

前作(デヴィッド・エアー版)とか無かったことにするんでヨロシク!なオープングが潔すぎて笑ってしまった。金と手間をかけた壮大なバカバカしさが、ジェームズ・ガン監督らしい悪趣味な味付けで炸裂する。景気よく>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.9

「人が20人くらい死ぬあずまんが大王」との評があったが、どちらかというと「話があるキルミーベイベー」だな。基本的には緩いノリだがアクションは本格的で好印象。ときどき聞き取りづらい台詞があるが、主演ふた>>続きを読む

笑の大学(2004年製作の映画)

2.6

舞台を映画に置き換えることの難しさをひしひしと感じる作品。同じ三谷幸喜の『ラヂオの時間』でもそれはあるが、あちらはドタバタ要素が強いためスクリーンでも相応に楽しめる。対してこちらは2人芝居。舞台上の息>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

すごくドキュメンタリーぽい撮り方だなと思ったら、メインキャストの2人以外は本物のノマドワーカーの方らしい。違和感なく演技する素人ズも大したものだが、それ以上に完全に溶け込んでいるフランシス・マクドーマ>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

3.4

ババア映画。なんか是枝裕和ぽいな〜と思ったせいで、おばあちゃんの演技すべてが樹木希林で脳内変換されるという怪現象に見舞われました。丁寧に作られた良い映画なんだけど新味は無い。韓国系移民という題材もそれ>>続きを読む

アクアスラッシュ(2019年製作の映画)

2.0

ポスター詐欺ではなく、この場面は確かに出てくるんだ。映画開始50分後に。ってこの映画71分しかねえじゃねえか!どうするんだよ!とにかくテンポが異常に悪いよ!あと治安も頭も悪そうなバカ女しか出てこねえぞ>>続きを読む

白頭山大噴火(2019年製作の映画)

3.3

情けないハ・ジョンウ、暴れない(!)マ・ドンソクと、役者の使い方が面白い作品。パニック映画かと思ったら結構政治・軍事色強めで驚いた。韓国の置かれた地政学的状況とそれへの不満がストレートに表現されていて>>続きを読む

風の歌を聴け(1981年製作の映画)

3.8

原作通りかと聞かれればそんなことはないのだが、意外とこれはこれで悪くないんじゃないかと思える映画。カラッと無国籍風な原作と比べて何やらジメッとしていて汚らしいが、監督が神戸出身(村上春樹のリアル後輩)>>続きを読む

映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

4.7

なるほど、これは確かに上質な本格ミステリだ!伏線の張り方の緻密さ、ミスディレクションの周到さが尋常でなく、常に観客の予想の上を行く展開が心地良くて仕方ない。「そうは言っても子供向けのクレしん映画でしょ>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.6

ストーリーの断片だけが矢継ぎ早に散りばめられ、全体の4分の3を過ぎたあたりでようやく事件の輪郭が描かれ始めるという、やや変速的な構成のミステリ。加えて「信用できない語り手」であることが明白(なにしろ演>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

4.4

異常な速度で加齢が進むビーチに閉じ込められた人々の運命を描く。相変わらず突拍子もない設定のスリラーだが、実のところ本作は、その見た目の奇怪さとは裏腹に、『シックス・センス』以来、もっとも「腑に落ちる」>>続きを読む

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

4.6

名作『12人の怒れる男』の舞台を日本に置き換えたらどうなるか?という作品。陪審員全員が「よくわかんないから無罪でいいよね?」と同意してしまうところから始まる、なんとも曖昧でぼんやりした雰囲気全コミット>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.7

ライアン・レイノルズが笑っちゃうほどディズニー顔すぎて脚本・演出そのまんまでアニメ化できそうな作品。『トゥルーマン・ショー』の現代版といった感じ(テレビ番組がオンラインゲームになったところに自体を感じ>>続きを読む

ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

4.1

そつなく、良く出来たアドベンチャー映画。基本的に明るく能天気なノリなので、家族連れでも安心して観られる。話のテンポも良く、特に序盤などは船に乗るまでのくだりにも多くのアクション的な見せ場を盛り込んでお>>続きを読む

レインマン(1988年製作の映画)

4.3

感涙必至のヒューマンドラマみたいな扱いを受けることが多いが、実は結構コメディ寄りであり、そのへんのバランス感覚がこの映画の良いところ。ダスティン・ホフマンとトム・クルーズのやりとりが軽妙なボケとツッコ>>続きを読む

127時間(2010年製作の映画)

4.4

かくもシンプルで地味、かつシリアスな題材をスタイリッシュに仕上げてしまうダニー・ボイルの作家性が炸裂した一作。岩に挟まった人が127時間後に救出される、それだけの話なのに、キレの良い脚本で観る者を飽き>>続きを読む

マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

3.5

ぽわーんとしたソフトフォーカスの画面で繰り広げられる、輪郭のない、ぼんやりした恋物語。オシャレな背景、美男美女、ゆったりとした音楽、独特の浮遊感。以上。それらがすべてであり、それらを超えるものはない。>>続きを読む

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

3.6

一言で総括すれば、スクールアイドルものの皮を被ったエヴァンゲリオン。「スタァライト」「再生産」「キラめき」といった幾多のマクガフィンを散りばめながら、時系列操作や幻惑的な演出を多用し、観る者を煙に巻い>>続きを読む

少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 再生産総集編 ロンド・ロンド・ロンド(2020年製作の映画)

2.6

よくあるスクールアイドルものかと油断した視聴者を明後日の方向に振り落とす怪コンテンツ、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(TVシリーズ)の再編集版。エヴァのシト新生と同じく、ストーリーをざっとまとめ>>続きを読む

みんな死んだ(2020年製作の映画)

4.0

おどろおどろしいタイトル・サムネとは裏腹に、中身は小気味良いドタバタブラックコメディ。酒!セックス!ドラッグ!とウェイしてたパリピどもがドミノ倒しのようにバタバタ死んでいく、ただそれだけの作品。偉そう>>続きを読む

真夏の方程式(2013年製作の映画)

4.0

おねショタならぬ、ましゃ(福山雅治)ショタという新ジャンルを開拓した快作。
『容疑者Xの献身』の続編であり、基本的に似たような話ではあるのだが、的確な演出と美しい画作りによって、邦画らしからぬ見応えの
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