NORAさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

4.1

ロバート・A・ハインラインかと思ったらバクマンだったでござる(マジ)。往年のハヤカワSF文庫を思わせる、どことなくクラシカルな雰囲気が漂うが、設定や小道具の使い方を含め、実によく練られた佳作。85分と>>続きを読む

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

3.7

ほのぼの漂流教室(ブタメン付き・関谷抜き)。団地という空間それ自体を「過去」あるいは「墓標」と位置付け、少年少女たちの一種イニシエーションめいた冒険の舞台に仕立ててしまう着眼点は面白い。が、どうにも脚>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.9

あれっ意外と悪くない、てか何なら新シリーズで一番面白いぞこれ。話はいつも通りで、まあ人間がアホで社長は悪い人で恐竜がわっしょいわっしょいな感じ。しかしながら、初代と新シリーズの良いとこどりをしようとい>>続きを読む

ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

2.5

ファウンド・フッテージものの元祖(これより前に『食人族』とかあるけど、一般に広く知られたのは本作がきっかけと言っていいと思う)。ただまあ、べつに怖くない。映画の大部分は3人の登場人物が喧嘩してるだけだ>>続きを読む

HiGH&LOW THE WORST X(2022年製作の映画)

4.0

マスターいつもの。映画というか興行、安心の様式美。でも今回はキャラクターの配置やエピソード、構図など気の利いた対比構造が随所に見られ、意外にもというべきか、脚本は結構ちゃんとしている。話もシンプル明快>>続きを読む

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

2.6

タランティーノのようなテイストが話題をさらった傑作アニメの劇場版。登場人物それぞれがインタビュー形式で事件を語り直すという凝った構成だが、基本的には再編集版であり、新味はない。こんがらがった物語を時系>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.5

とあるレストランの多忙、もといデスマーチな一夜を、リアルタイム90分間のワンカットで描く。「やることが…やることが多い…」とばかりに映画開始と同時にあちらこちらで問題が噴出し始め、ふつふつとイライラが>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.1

開き直ったデタラメ日本描写、見ているだけで楽しいギラギラテカテカ美術デザイン、道化に徹するブラピ、意味もなく出てくるチャニング・テイタムなどアウトラインは上々。反面、中盤までは意外と地味な展開が続き、>>続きを読む

特「刀剣乱舞 花丸」雪⽉華 華ノ巻(2022年製作の映画)

3.4

バック・トゥ・ザ・フューチャー3と鉄腕DASHとインセプションを60分に無理やり詰め込んだ怪作。花丸のくせに(おい)ちゃんと一本筋の通ったシリアスなストーリーがあるのは新鮮だし、尺は最短ながらも「映画>>続きを読む

オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.6

イケメン霊能者(強)とかスーパーボランティア宇野祥平(強)とか霊体ミミズとか電波な美人とか終盤の倫理的にアレな展開とか、隅から隅まで白石晃士ワールド全開のやりたい放題ムービー。集大成的な作品なのでファ>>続きを読む

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

4.1

これゾンビ映画に入るんか?意識は保ったまま破壊欲とか性欲といった欲望のブレーキだけぶっ壊すという、いくらなんでも都合良すぎる最悪ウイルスで台湾大パニック。バリバリ生きてるし知能も正常なのでゾンビより遥>>続きを読む

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0

プーチンに殺されかけた男のドキュメンタリー。本人が割とおちゃらけた人(少々行動があぶなっかしい人でもある)なので退屈せずに観られる。内容はスパイ映画さながらで、暗殺未遂→ネットを駆使して実行犯を特定→>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.4

ビートたけしと、彼を育てた師匠の物語。柳楽優弥と大泉洋というキャストがこれ以上は考えられないほどキャラクターにマッチし、芸に生き、芸とともに死ぬ者の業と哀愁を見事に漂わせる。完全に「たけし」になり切っ>>続きを読む

デストイレ(2018年製作の映画)

1.0

50分しかない映画だが、途中で1分ほどトイレ休憩があって親切。できれば50分くらい取ってくれればよかったのに。

海がきこえる(1993年製作の映画)

3.8

ジブリ作品としては初めて、劇場公開でなくテレビ放映用として作られた異色作。内容も、奇を衒わないストレートな青春グラフィティであり、ファンタジー要素は一切ない。あられもなく90年代感全開な絵柄や世界観は>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

2.8

ステイサムvsサメ。こう書くと期待させるんだが、本編はその字面ほどは面白くない。いや、元水泳選手のステイサムをサメ映画に投入するという発想自体は「その手があったか」だし、ストーリーも潜水艇救出+追跡+>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.7

ブラックな話なのかなと思ったら切ない話でしたね(邦題は上手い)。セリフのない10分程度の短編アニメだが、上手くまとまっていて良い感じ。キャラクターの正面顔がところどころ浦沢直樹っぽかった。

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.4

韓国映画らしからぬ静的な会話劇はなるほど確かに是枝作品と思わせるが、それにしても淡白すぎる。『万引き家族』と『そして父になる』を足して2で割って、そこからさらに希釈してしまったような印象。観覧車の中の>>続きを読む

キャメラを止めるな!(2022年製作の映画)

2.7

真面目かつ忠実に作られたリメイク。原作の続編的な位置付けとして共通の日本人キャストを登場させ、入れ子構造を採用するなどチューニングにも余念がないし、作り手が誠実に取り組んだことに疑いの余地はない。
>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.9

ソマリア内戦に遭遇し連絡手段を絶たれた韓国と北朝鮮の大使館が、協力して脱出を目指すという実話ベースの政治サスペンス。話自体もかなりアツい展開で面白いのだが、食卓を囲むシーンの役者たちの細やかな所作、後>>続きを読む

アルマゲドン(1998年製作の映画)

4.7

さあみんな、マイケル・ベイ謹製のデタラメ宇宙を堪能しよう。真空でも音と炎をあげて爆発するし、隕石には火薬が満載だ。宇宙船や小惑星には地球と変わらない重力があり、イカれたロシア人がぶっ叩けば精密機械だっ>>続きを読む

アンダルシア 女神の報復(2011年製作の映画)

4.0

前作『アマルフィ』よりもスケールは落ちているにもかかわらず、見違えるほど洗練された出来栄えとなったプチ良作。話自体はありきたり、かつ小粒ではあるが、細かい演出の妙、リッチさを残しながらも上品に抑制され>>続きを読む

ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

2.6

新・恐竜歌舞伎第2弾。感想も前回と同じ。大画面で恐竜ちゃんが観られれば満足と言ってしまえばそれまで、それ以上でも以下でもない。とはいえ、1作目および前作はテーマパークを舞台とした箱庭感、安全であるはず>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

3.3

田舎の警察署内で繰り広げられるシチュエーションスリラー。ガンアクションが売りだが限定された空間での会話劇にも多くの尺が割かれ、舞台劇っぽいところもある。王道ジャンル映画にひと捻り加えようとするその心意>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

4.3

気持ちの置き場に困るホラー映画、もといババア映画。漫☆画太郎原作と言われても違和感がない。俺はあのベッドシーンをどんな表情で見ればええねん。導入はやや長めだが、オープニングカットを皮切りに演出や画作り>>続きを読む

特「刀剣乱舞 花丸」雪⽉華 ⽉ノ巻(2022年製作の映画)

3.4

最初から最後まで大量のイケメンと大量のショタがひたすら遊んでるだけなので前作以上に無内容なのだが、観客はそれをこそ観に来ているのだからこれで正解といえよう。変にシリアスな茶番で間を持たせるよりはいい。>>続きを読む

ピラニア リターンズ(2012年製作の映画)

2.3

なんだかなあ(´・ω・`)な続編。前作(ピラニア3D)もふざけた映画だったけど、あれは真面目にふざけた作品にしようと取り組んでいたのであって、決して半笑いで作っていたわけじゃないのよね。こちらはあんま>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.3

おっぱいぷるんぷるん映画。山本直樹原作、ついでに出演(先生なにしてんすか)。起きてる事態はのっぴきならねぇのに、全編に漂うまったりムードが狂気と可笑しみをチャージし続ける。そして山本直樹といえばこれ、>>続きを読む

ピンポン(2002年製作の映画)

4.5

漫画原作ものの先駆的成功例のひとつ。窪塚洋介をはじめ役者たちの「素材の味を活かした」ハマりっぷりも素晴らしいが、何より映像、演出、音楽、小道具にいたるまで徹底された原作の世界観の再現が見事である。原作>>続きを読む

名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)(1998年製作の映画)

3.8

劇場版2作目。登場人物を絞ったシンプルな構成の1作目から様変わり、何人もの被害者&容疑者が連なる、込み入った本格ミステリに仕上がっている。この映画のためだけに目暮警部や白鳥警部の下の名前が決定してしま>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

2.4

なんか不自然に豪華なキャストだなと思ったら案の定である(予想はしてたけど)。サンドラもテイタムもラドクリフもブラピも楽しそうなのは良い。しかし薄い!平板!マジで盛り上がらない2時間。気付いたら映画が終>>続きを読む

ミスト(2007年製作の映画)

4.9

ラストが超有名な一作。ネタバレ非推奨。無論、初見時のインパクトも相当なものだが、むしろオチを知ったうえで2度目に鑑賞したときこそ、あなたは本当の地獄を体感することになる。なぜなら、本作は「選択」をめぐ>>続きを読む

私の優しくない先輩(2010年製作の映画)

3.1

監督名を見た瞬間どうしても身構えてしまうが、意外と言うべきか、それなりに好感の持てる作品。演出が巧みとか演技が達者というわけではないのだが、ヒロインをきちんと可愛く撮れているという一点において、アイド>>続きを読む

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

5.0

この世のものとは思えぬレスリー・チャンの美しさに酔いしれる3時間。もちろんお顔自体もめちゃくちゃ綺麗なんだが、何よりも表情から手付きにいたるまで、仕草ひとつひとつが魅惑的で色っぽい、艶めかしいことこの>>続きを読む

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.7

ジュラシック・パークって水戸黄門だと思うんですよね。すなわち、愛すべきワンパターン。人間はアホ、警備はザル、曖昧な陰謀が張り巡らされ、結果恐竜大暴れでワー!キャー!コワーイ!別に重厚な物語とか人間ドラ>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.8

今年No.1胸糞映画。ふつふつと湧き上がる憎悪と憤怒、そして軽蔑の感情に精神を掻き乱されながら、同時に心底いたたまれなくなる、最高最悪に居心地の悪い100分。主演2人もその他の登場人物も、あるいはモブ>>続きを読む