ぴーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.3

どうしてもウクライナないし東欧諸国が頭にチラついてしまう設定の中で、「大きさと数が正義!」みたいなメッセージが見え隠れしていまい…開き直ったtoo much Americanな危うさを感じてしまった。>>続きを読む

バンバン!(2014年製作の映画)

3.6

全体的にテンポ悪くてちょっと眠かった。
いや、むしろこれぐらいが普通なんだけども。インド映画にしては。

リメイクというのもあって、インド映画的アクはあるがそこまで強くない。
もっと全力でこいよ!オラ
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

チャゼルは何かと人気な2作が全然好きじゃない(『ファーストマン』は未見)から不安はあったけど、中でも今作が一番わかりやすく面白かったのでは。
まあとはいえやっぱり音楽のセンスはない。エンドロールが終わ
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対峙(2021年製作の映画)

4.0

スクリーン内の世界と観衆が1分1秒を共有する密室会話劇。
カット数は多いし、何より内容が内容なので常に張り詰めた空気で気が抜けない。
鑑賞後に思いついたから恐らくとしか言えないけど、前半は1人だけを捉
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.9

予告に裏切られた(あれはあれで良かったけど)『グリーンナイト』に期待してたことを観せてくれた!
ミドルバジェット×ファンタジーアクション。シェイクスピア版GoTみたいな。
殺戮シーンをスローなドリーの
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

閉塞感の漂う島一つを別つ者同士、愛憎相半ばする関係性。ふっと糸が切れたら最後、応酬はどちらかの墓場まで止まらない。家を出ていく以外に逃げ場もないが、決定的なとどめも刺さない、一体いつ終わるのか、終わら>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.6

フィンチャーってだけで大期待してしまうので、だいぶ期待はずれ。キレがなくボヤーっとしてたなあ。
突然のレーザー光線戦艦バトルには笑ってしまった。マジで。スターウォーズかよ。

やっぱりフィクションだと
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.7

告発記事の公開というごく普通のゴール設定で、人伝いにヒントを集めていく中で事実が明らかになっていくという、記者モノで定番の展開から逸脱することもなければ、内容がセンシティブなだけに脚色しづらかったのか>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

3.8

エンニオモリコーネといえば『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』、セルジオレオネと仲良しのスパゲッティウエスタンの人。
…というイメージしかなかったけど、それら初期の作品群の対してアンビバレントな気持ちを
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アテナ(2022年製作の映画)

3.9

何の情報も入れずに観たので、冒頭でマジで度肝抜かれた。
舞台設定や人物関係の説明を不足なく写しとるカメラワーク…考えるのもリハもめっちゃ時間かかったんやろなあ。末恐ろしい。
ただ人物たちが動かなくなる
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.8

安藤サクラがすごいのは十分に伝わった。

新井浩文と安藤サクラ、それぞれのファイトシーンの撮り方に対比が効いていて上手い。

邦画にしてはユーモアセンスも悪くなくクスクス笑えたりもしたけど、劇伴が(使
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.1

荒川区の映画だった。
ボクシングや格闘技は、言わばヒップホップなんかと同じく、彼らが這い上がる手段。

持たざる者たちの戦いを、色んな切り口で色んな角度で写しまくる、ある意味で群像的ですらあるつくりに
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ある男(2022年製作の映画)

3.9

テーマも映像も明確に海外を意識したもので素晴らしい。いかにも小説原作って感じはあるものの、こういうのを邦画と呼びたいよね。

様々なモチーフが言葉で、映像でリンクして交錯していく気持ちの良さと気味の悪
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.7

自分にはイマイチよくわからんままふわっと終わってしまった…もちろん悪くは全くないんやけど。
今泉版『ドライブマイカー』なんかなとか思いつつ。

前作『かそけきサンカヨウ』に続いて、監督に個人的に求めて
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.0

A24が!?デヴィットロウリーが!?と驚いてしまうような、スペクタクルファンタジーを思わせる予告編の不安感・期待感から、観た後の「なるほどね」という腹落ち感。

内容は寓話的な伝説。
結局、見栄とか名
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.9

うん、良かった、偉い、すごい。
「久々にMCU映画を観た!」って感じ。
でも厳しいことを言うとそれ以上のものはないかな。

そしてちょっと長すぎ。
とは思いつつも、チャドウィックのことがあるので必要や
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.0

ゲイの男とゲイの女の違い、って着眼点の作品は確かに観たことなかったので新鮮だった。。
男は自由のために捨てなければならない(捨てることを許されなければならない)責任があまりにも多い…という内面化を強制
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容疑者、ホアキン・フェニックス(2010年製作の映画)

3.5

顛末というかカラクリを知った上で観ても、実は半分くらいは本気だったんじゃないか?と思ってしまう。
作品の構造もさることながら、俳優からラッパーへの転身というモチーフ自体も批評性が高くて(しかも“ホアキ
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.1

ワンアイデアの短編をうすーーーーーーく引き延ばした感じ。
常におっさんが部屋で電話してるだけなので、めっちゃ普通に飽きた。
感想、無。

RRR(2022年製作の映画)

4.5

気付けばボロボロ涙が溢れていた。多分3時間中計1時間は泣いてた。
ダンスシーンで泣いたのは初めてかもしれない。
マジやばい。インド映画史上堂々の第1位です。

ここまで政治的なイシューを真正面から真っ
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.8

アルモドバル〜新作が映画館で観れるだけでありがたい。撮れるうちは撮れるだけ撮ってくれ。目が幸せです。
出産のシーンとかめちゃくちゃ良かったなあ。

母同士の対比と交流、あらゆる関係性が当然のように存在
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

ヴィルヌーヴ感がビンビンの映像とテーマ。
役者も揃っていい。

ミステリー好きには堪らんのやろけど、なんかちゃんと謎解き解決しちゃってちょっと残念。
実は全部何の意味もなかった、とかでもっとテーマにフ
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

3.7

ファスベンダー好きなのでずっと観たかったやつ。これスティーブマックィーンだったのか。

思ってたより弱めの依存症だった。節度はあるし、普通に社会生活送れてるし。そこがメインのポイントじゃないのかな、と
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.5

普段なら絶対に観ない漫画原作の東宝映画、軒並み高評価どったのでなんかすごいミラクルが起こってるのかもと思って観たけど、まあこんなもんですよね。
やっぱり演出がいちいち邦画で無理だった。

人は変わる。
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.7

これでもかというくらい豪華な俳優陣を眺めてるだけで楽しいのは否めない。
それでもさすがに顔面のあおりカットばかりの会話ばかり延々と2時間超続くのには退屈してしまう。

それに耐え得るほど本が良いわけで
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クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男(2021年製作の映画)

3.9

パンクのDIY精神を思い出させられる。
そう、大事なのはいつでもこれだった。

Creation Storiesというタイトルはシンプルだけど素晴らしくって、単にレーベルの物語というだけじゃない意味合
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

3.8

アルモドバルのビビッドな色彩の世界にティルダスウィントンが存在してるだけでありがたみがある。神々しい。

元の戯曲を知らないから何とも言えないけど、セットとスタジオまで写すメタ描写が的確で好き。

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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.8

単にニュース映像を織り交ぜるだけじゃなく、ハメ込んじゃうの面白い。
トランプとのカットバックはさすがにじわる。
併せて手持ちのズームイン/アウトが多用されるドキュメンタリー的なカメラがこれまた面白い。
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

3.9

基本的には思ってたよりエンタメ色が強くて観やすい。
割とくすくす笑いながら〜
とか思ってたらラストの追い込みがすごい。

噂には聞いてたけど、この眼差しはインパクトあるなあ。

母なる証明(2009年製作の映画)

3.8

いかにも韓国映画〜なじめっとした感じ。
ホンギョンピョの撮影はこの頃からピカイチ。編集が微妙。

一見やばそうな奴は実際やばいみたいな結論になってない?それでいいのか?
とか思ってたらもう一段階展開が
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.2

基本的に調査とか取材しまくるってだけの地味な映像のはずなに、撮影と編集のセンスでこれでもかというくらいエキサイティングに仕上がっている。何回も鳥肌立ったし脈が上がった。
これこそが映画だよなと言いたく
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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

3.9

中年男女のラブロマンス。
まあ不貞であることは確かなので嫌な人は嫌だろうし、観るタイミングによってもかなり変わりそう。
フェミニズムでもありマスキュリズム。
エイジズムに囚われてはいないか?と自分に問
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

3.8

わざわざ今観んでもというタイミングではあるが、あえて色々な意味を込めて。

申し訳程度のラブロマンスに、なんならナチすらどうでもよさそうな扱い。
とにかく戦車が、戦車だけが撮りたいんだ!!という熱い想
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バイス(2018年製作の映画)

3.9

ラストのメタな語りかけからの、ダメ押しで差し込まれる聞き取り調査の様子。
アダムマッケイの怒りはとことん民衆に向いてるのねえ。
『ドントルックアップ』はちょっと寓話的すぎて自分にはハマらなかったけど、
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