ぴーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

え、ガイリッチーってあのガイリッチーじゃないガイリッチーがいるの…?と思ってしまうレベル。良かった。
これまでのフィルモグラフィーは、こういう映画を撮るための修行として、それなりに興行的な成功を収めつ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

おもろ!パルムドールやのに普通におもろ!(語弊)
いや、個人的には割と毎年好きなんやけど。

サンプル数は大したことないけど、法廷劇フランス映画おもろいがち。
特に本作、普通なら裁判の途中で切られて「
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.9

タイカワイティティはアメリカンサモアじゃなくNZ出身だけど、彼のとにかくふざけ倒す作風は、少なからずこういう価値観が背景にあったんだなと。
自分が名作を作ることなんかより(もちろんできたらいいけど)、
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.1

4K版が劇場公開してるから(?)、オリジナル版を配信で観た。
やっぱりデカいスクリーンで観たかった気もするけど、リラックスして観れてちょうどよかった気もする!

こんなど真ん中のロードムービーは畑違い
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カラーパープル(1985年製作の映画)

3.8

公開中のミュージカル版(主にH.E.R)が観たくて、 どうせならこのタイミングで、と予習に。なるほどこりゃミュージカルにしたくもなるわ。ブロードウェイ版も観てみたい。
最後のバトルとも言える歌の掛け合
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.8

撮影賞でオスカーも撮ったみたいやけど、自分にはハマらず。
ローポジション、接写、POV!て感じで、例えば人物の周りをぐるぐる回ったりする、いかにもゲーム的なショットの連続。
焦点距離が短いからか、歪み
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.1

公開時見逃してたやつ〜めっちゃ良かった。
この誰しもが共有できるのに言葉にはできない感覚を表現するために、映画というのが存在するんだと。
大人になりたくなかった気もするし、子どもから逃れられて良かった
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.9

巧い…!
『ケイコ〜』が鮮烈だっただけに、綺麗すぎて正直あまり面白みはないくらい、とことん構造的な作品。
こういうキャスティングの、程よく説明的で、こんな良い映画がシネコンでかかる意味はデカそう。知ら
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ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年製作の映画)

3.9

これ138分もあったのか…一切失速しないせいで体感時間がバグる。
普通ならクライマックスか中盤の盛り上げとして持ってくるようなバカアクションを、大してフリを作ることもなくサラっと手を替え品を替え放出し
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

ラストのハグがあまりにも美しくって、そのほんの一瞬で涙が溢れてしまった。

全編を通して用意された時間的・空間的・言語的な余白こそ、90分間の映画という贅沢なアートフォームの醍醐味だ。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.1

正直、映像の楽しさ・美しさだけで十二分に満足、素晴らしかったし、加えて劇映画として3時間弱まったく飽きずに釘付けになれたのでもう言うことなし。
…だったのだけど、鑑賞後も抜け出せない余韻の中でじっくり
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よき仕事(2020年製作の映画)

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美術スタッフの映画だけあって、ちゃんと美術がかわいい。
不意打ちのおちんちん拭き拭き。

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.2

なんとなく敬遠してたけど、昨日観たPoor Thingsが最高やったから続けて観たら、これもめっちゃおもれー。なんじゃこれ。

筋書きはありきたりと言えばありきたりやけど、いやそれだけに、監督の手腕が
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

自分は男なのであまりあれこれ言うつもりはないけど、良かった。すごかった。

男と女、大人と子ども、そしてそれぞれ個人の、1人の人間としての葛藤。
アイロニーとユーモアとリビドー、ペシミズムとオプティミ
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.9

ただただウディアレンを応援する気持ちで観に行ったけど、予想外に好きだった。
らしさ全開で自省してるんだかしてないんだか分からないはぐらかしを堪能。
名作オマージュをあのクオリティで、なおかつあの脱力感
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.2

O-EASTでのミッドナイトプレビューにて。
もうこれ以上の鑑賞体験はないんじゃなかろうか。踊りまくり歌いまくり叫びまくりで、マジで普通にライブ観た気分。

前回観た時(たった数年前やけど)から世界も
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.7

そもそもモキュメンタリーという形式自体がそんなに好みでないので、その中では面白かった方かも。
これがベイビーわるきゅーれの成功に繋がってると考えると、十分に価値はある。

映画系の学校の卒制ってこんな
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

ケリーライカートは初めて観たけど、A24らしいかわいい映画…。
映像に集中して静かに観たかった。のに相変わらず映画館には鼻息くそジジイが蔓延っていて、心穏やかではなかった。お前らが朽ちて果ててくれ。
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.7

なんか主題も形式も変な映画やったなあ。割と楽しみにしてたのだけど、あまりハマれず。

公開近かったリドリースコット『ナポレオン』と共通する点も多くてつい比較してしまったけど、それは酷か。

芸術家(に
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市子(2023年製作の映画)

3.8

悪くない、悪くはないんだけども、なんだかな。期待しすぎたか。

特にテーマに向き合って掘り下げる訳でもなく、ただサスペンスとドラマだけを描くにしては不必要に長く重かった。
もっと踏み込んで何かを描けて
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Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.0

ビヨンセが登場した瞬間、気付いた時にはもう普通に泣いてた。それはもうごく自然に、スクリーンの中のオーディエンスとほとんど全く同じように。

マジでちょっと無理してでもDolby Atmos上映回を観に
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

初カウリスマキを劇場で観れたのは幸せだった。これから過去作を観ていくのが楽しみ。

正直、何も感想なんて生まれなかった。映画ってこれでいい、これがいい。
スクリーンの映像、その中で写されたモチーフの緩
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.8

さすがは西ドイツ、なんともまあすべてが独特だった。たぶん劇場で観てたら寝てた。
ドイツ人の自己認識ってこうなんかな?いるいる〜なおばちゃんなんかな。
ジャスミンがどんどん可愛く見えてきて困る。

冒頭
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

リドリースコット映画は何を観てもリドリースコットだなあ…となる。
やっぱりとんでもなくかっこいい。馬の撮り方が最高。
大抵の場合眠くなってしまう(というかちょっと寝る)けど、スクリーンで観てよかったな
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.1

ロッテントマトの評価が高かろうが全く観る気はなかったけど、誘われたので観た。
終わった後に如何にダメだったか、酒を飲みながらなんやかんやと言うのが楽しいクソ映画でした。
この監督がこういう極限まで邦画
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.8

なぜ今まで観ていなかったのかも、なぜ今観たのかもわからないけど、これは公開時に観ることに意味があったんだろうなと思わざるを得ない。同時代性が必要だった。

未だに映画を観ると「この映画は、何を考えどう
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.9

まあ人生で一回ぐらい観とくか〜の気持ちで観たけど、やっぱり名作と言われているだけある。

大衆娯楽ジャンル映画として本当に良くできてるし、今観ても大味と感じることもない、でもユーモアはたっぷりあって、
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.7

地味に初ホンサンス。
たまたま観た日のムードに合ってたから良かったけど、気分じゃないときに観たら全然集中できんかも。

言いたいことはわかるけど、うーん。おじさん監督がやるにはちょっと短絡的な気がする
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.8

公開当時ちょい話題になってたのも納得、なるほどこれはよく撮れてる類。
卒制とかで作ってたらめちゃくちゃすごいレベル。そうではないにしても初長編監督作としては上出来では。
ちゃんとした予算があればどんな
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

映画を観ているときの「あ、かっこいい」の瞬間だけで構成されてるような映画。
フィンチャーにファスベンダー、挙句はレズナー×ロスなんていう各分野の「かっこいい」代表たちがこんな映画作ったら、そらもう俺は
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

プレミアボックスシート童貞をこの作品に捧げて本当に良かった。
シネスコでスクリーンいっぱいに広がる至高の映像を、完璧なポジションで体験できて幸せです。

冒頭のサイレント映画風のモンタージュからカメラ
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.9

SFじゃなくて戦争映画として観た。
とにかく映像のルックが新鮮。ブリブリのVFXに目が慣れてしまった現代では、むしろ少し荒かったり暗すぎたりするくらいの映像の方が、自分たちの生きている世界と地続きな感
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.9

これは確かにイーストウッドが撮る他なかった事件だ…。

90分間で人間が映し出されるタイトなドラマ、演技で魅せるわけではないからこそ飽きさせないようなテンポの良さ。
短い時間に凝縮されたクライマックス
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台風クラブ(1985年製作の映画)

3.7

初、相米作品。だいぶ左翼っぽいなと思ったら高校生の頃からトロツキストだったらしい。すげえ時代だ。

カットの力があるので飽きずに観れる。これ以上長くなるとキツい。
自分のテイストではないけど、こういう
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