ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

ピートロ

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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.5

冒頭で「これは『殺人の追憶』的作品ですよ〜」という雰囲気をビンビンに放射してくるのでこちらもその気で観ていたら、どんどん話が迷走し混乱し暴走していく…。
警察官である主人公が謎の3人の言動に振り回され
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.1

今、ノッてる湯浅と上田がこの大人気原作をどう料理したのかが気になっていたが、はたして各々の特色をセーブしても原作の良さを損なわないことを最優先しており、そしてそれは大成功だと思った。
原作の読者が抱い
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.2

アニメならではのデフォルメ、狂気じみた躍動感のすばらしさ。
ルーが電車を伸ばした両手で追いかける仕草は、無邪気でとてもかわいらしいが、こういった机上では思いつけないような演出にグッとくる。
ルーパパや
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翔んだカップル オリジナル版(1982年製作の映画)

3.6

薬師丸ひろ子がこんなにかわいかったなんて知らなかった。
なにげないシーンにもなにかしらの活発な動きがあるのが、作品を元気づけていた(たとえばソファを飛び越したりとか)。
時代特有の熱気、思春期特有の空
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あん(2015年製作の映画)

3.7

雇われどら焼き屋店長と、餡作りが上手いお婆さんと、家庭に恵まれない女子中学生の3人が主要人物で、それぞれに影はあるものの、深くは突っ込まない距離感がよかった。
どら焼き食べたい。

お嬢さん(2016年製作の映画)

3.7

3人の主要人物で3部構成ときたら、こうくるだろうなと思っていたら肩透かしを食らった。
それほどサスペンスやミステリに力を入れているわけでもなく、かといってエロスもたいしたことはなく、グロもほぼない。中
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劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴ(2013年製作の映画)

3.7

TVアニメの続編(一年後)。
ところどころに粗さはあるけど、それほど気にならなかった。むしろストーリーがすっきりとしていてわかりやすくてよかった。
ただ、雑司が谷のあのシーンは非常に重要な出来事なので
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淵に立つ(2016年製作の映画)

4.2

淡々とした雰囲気の中に、ぽんと無造作に投げ込まれたかのような緊張がこわい。
不穏な空気と不可視のフレーム外は「なんだ猫か」なんだけど、このおかげでハラハラがとまらない。
一番の魅力は先がまったく予想で
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アリス(1988年製作の映画)

3.4

以前、松濤美術館のクエイ兄弟展に行った時、彼らが影響を受けた監督として紹介されており知った。
実写とストップモーション・アニメの融合作品。
話の流れ自体は原作に比較的忠実。
カクカクと動き回るパペット
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鬼火(1963年製作の映画)

3.5

アル中の太宰治みたいな主人公が、人生・生命・愛について悩み、嘆き、絶望する。
テーマ曲として、エリック・サティの『3つのジムノペディ』と『6つのグノシェンヌ』が使われていて、これは音楽に疎いぼくですら
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.9

いかにもな日本語タイトル、アウシュビッツがらみ、妻に先立たれた認知症の老人。
これだけ見ると、感動のヒューマンドラマっぽいが、あにはからんや、「老人版メメント」であり、本格ミステリであり、牛歩サスペン
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

ラストの邂逅シーンがすべて。
あんなのグッとくるに決まってる。
全体的にはトーンがまちまちでちぐはぐな印象。
ミュージカルシーンも引き絵と移動が多いせいか、ちんまりと感じる。

SING/シング(2016年製作の映画)

3.8

ピクサーと違って、やたらにビュンビュングリグリとカメラを動かす演出を多用するのがちょっと下品に感じたけど、これってイルミネーション・エンターテインメントの作風なのかしらん?(他の作品を観てないのでわか>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.9

あんなに輝いていたヒーローたちの没落した不遇な未来を描く。
展開は読めるので意外性は乏しいが、おっさんと小さい女の子のロードムービーが面白くないはずはない。
劇中では頻繁に『シェーン』が引用されてたけ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

4.4

ベビー・グルートの可愛さと、ヨンドゥの漢気に完全にやられた。
笑いも感動も前作以上だった。
好きなシーンは、OPの宇宙怪獣アビリスクとのバトルと、ロケットとヨンドゥの共闘脱出。
高密度のストーリーとし
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.7

iTunesでレンタルしAppleTVで観たのだが、なぜか字幕が表示されない。
調べてみると、今年6月から字幕と吹替音声がセットになった新形式の作品は、AppleTV第2,3世代では非対応とのこと。そ
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死霊館(2013年製作の映画)

3.9

霊が鏡やドアの陰に見えるか見えないかくらいの前半が怖い。
後半は、一転して動きのある悪魔退治になるが、主役夫婦のキャラもいいし、愛の力が鍵を握るラストバトルは感動すら覚えた。
続編の『エンフィールド事
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.3

展開が読めない物語もおもしろいが、本作のように着地点が明確に示されていて、いかにそこへ到達(収束)するかという物語には、パズルを完成させたときのような独自の快感・感動がある。
今回、登場するキャラはだ
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.9

タマフルのトム・クルーズ総選挙1位だったのに未見だったのでチェック。
主役はジェイミー・フォックス演じるタクシー運転手で、トムはサイコパスで冷酷な殺し屋役。
途中まではストックホルム症候群的バディもの
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.9

ふたをあけてみればロマンス要素皆無の冒険アクション。
マッドマックスFRな海賊や、巨神兵、巨大生物とのバトルは迫力があり、海を操ったり、変身能力を使うなど、いろいろ「いいとこどり」感がある。
一番、す
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ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

4.0

主役の4人の性格と末路、ショッピングモールでの籠城、ゾンビの特性など、設定がかなり練りこまれており完成度が高い。
だからこそこれほどまでに膨大なパロディやオマージュが量産されたのだと納得。
血圧0ギャ
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.5

主役の少女のアクションシーンは最高。
ちゃんと怪我をしてる様子もいい。
オクジャが空中で何度かもんどりうつがそのひねり具合がかわいい。
ストーリーはあらかじめ想像していた範疇から一歩も逸脱しないのが残
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世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

3.7

ラブストーリーではあるが、メインテーマは尊厳死。
ウィルは手足が動かず回復の見込みはないものの、家は超裕福で両親や恋人もやさしく、金銭的にも愛情的にも、生きていくこと自体にはなんら問題ないという絶妙な
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.9

歌と踊りと銃撃とカーチェイス。
出演者も豪華で枚挙にいとまがないほど(ミュージシャン以外ではスピルバーグとかツィッギーとか)。
軸となるストーリーはあるが、展開は無茶苦茶でシュール。
大仰なアバンタイ
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ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

3.9

『オペラ座の怪人』をベースにいろんな古典をごちゃまぜにしたわずか94分間を、ツッコミどころ満載の展開とキャッチーな音楽に乗せて、ハイテンションで疾走する。
登場する個性的なバンドのパフォーマンスが非常
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BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)

3.4

近未来ディストピアSF。
終始、薄暗い世界で画変わりに乏しい。
また、敵の種類も少なく、攻撃方法も銃がメインで、バリエーションが少ない。
全体的に単調なのが残念。
冒頭、仲間を失った時の嘆きがなく、違
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エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)

4.0

通常版より17分長いけど、サービス精神旺盛のアクション展開でまったく飽きない。
全編がゲームのようで、最初の突入はFPS、次がタワー・オブ・ディフェンス、最後はもうゲームじゃないけど、ランボーでありパ
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セールスマン(2016年製作の映画)

3.8

サスペンスと報復要素が加わっただけで、テーマや構成は『別離』。
相手が望むこと、自分がしたいことの乖離。
壁に走る亀裂。首実検のようなガラス越しの部屋。
文字通り演じ続ける夫婦。
夫や妻の行動のそれぞ
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.8

久しぶりに観直したが、記憶よりもずっと暗く淡々としてた。
もやもやしたまま進み、カタルシスなく終わるが、オチは結構好き。
シリアスなシチュエーションでも、よくツッコミどころをもうけるシャマランは、格闘
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スプリット(2017年製作の映画)

4.3

観に行くのが遅くなってしまったが、事前情報を極力ブロックしていた甲斐があった。
ポスター、設定、惹句などなど、そのすべてが伏線なので、お釈迦様の掌上の悟空状態。
最後のオチは本当に最高で脳汁が出まくっ
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エアベンダー(2010年製作の映画)

3.3

原作アニメを知らないが、キャラの掘り下げがまったくないのがつらい。
カンフーと火水土気のエレメントを合わせた戦闘エフェクトは楽しかった。
全然、ストーリーの背景や深みを描ききれていないのに、103分と
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カフカ 田舎医者(2007年製作の映画)

3.4

奇抜な演出や不気味な作画などテクニカルな主張が強く、また21分と短いので、そこだけしか印象に残らないが、そういう意図だと思うので、そんな雰囲気を味わう映像作品。ぐわんぐわん、ぐにゃぐにゃ。

つみきのいえ(2008年製作の映画)

3.5

水面が上昇するため最上階を増築→日本の木造家屋では腐るし浮く→レンガの家→舞台は外国
みたいな発想だったのだろうか?
いずれにせよ外国の絵本のようなタッチのやさしい味わいがいい。

次郎長三国志 第一部(1963年製作の映画)

4.0

やくざになった清水の次郎長のもとに、彼の人望に魅せられた男たち(個性的)が、子分にしてくれと徐々に集まってくるのは、単純にわくわくするし楽しい。
いい大人の男どもがキャッキャウフフしてる様子はなんとも
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ハプニング(2008年製作の映画)

3.7

見えない敵+ディザスターもの。
地味だけど全然悪くないと思う。
舞台がどんどん狭くなっていく(街→田舎→家)ので、ダイナミックな展開はないが、この展開にはちゃんと理由があるのがうまい。
過剰な期待をせ
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フロント・ページ(1974年製作の映画)

3.9

ブンヤを辞めたいジャック・レモンと、彼の才能を惜しみなんとか引き留めようとするウォルター・マッソーのやりとりが最高。
監督も役者も好きすぎて、過剰な期待を抱いてしまったせいか、多少ものたりなく感じてし
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