mikanさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

雪山の山荘で視覚障がいを持つ息子が倒れている父親を発見…不審な点の多い彼の死に母親は疑いの目を向けられる。
裁判の進行から彼女達の関係、想いを息子も演奏するピアノの旋律ともに描き出す。
タイトル良…。
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黄金時代(1930年製作の映画)

3.8

確かエルンストが出ていたような…。
後の時代のブニュエル作品を彷彿させるようなお話だった気がする。

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.9

WW3後放射能に汚染されたパリ…滅亡の危機を脱すべく時間移動の実験台に選ばれた捕虜の男を描く。
ある出来事に到達するまでの円環構造…全編静止画の「フォトロマン」にある瞬間だけ動く映像が示唆的。
大塚明
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

常に日常の物事に不安を抱えるボーが怪死した母親の元に向かおうとするも数々の不可思議な出来事に巻き込まれる…。
信用できない語り手による夢か現実かわからない描写が◎描かれる事象に「事実」を垣間見る。

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

心理学を学ぶダニーは彼氏とその友達と共に90年に一度の祝祭が開かれる🇸🇪の村に向かう。
文化を明確に説明していないのに映像で良く伝わる。
登場人物の性格等の描写が丁寧で異常さが際立つ。
「共感」の村…
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ブニュエル 〜ソロモン王の秘宝〜(2001年製作の映画)

3.9

「2002年ブニュエル 、ダリ、ロルカの三人が過去現在未来を映すソロモン王のテーブルを探す冒険譚」をブニュエルが構想する劇中劇。
時空を越え夢現実が混在する入れ子構造的物語と映像が斬新!
ただこの映画
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カラスの飼育(1975年製作の映画)

4.0

すごく良かった。
母親、次いで父親をなくしたアナ…おばや祖母、姉妹達と暮らしながら母親の夢幻を見る少女を描く。
至る所に憂いと厭世、死、そしてスペイン内乱の影……。
『ミツバチのささやき』でも思ったけ
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.9

最終電車を乗り過ごしてしまった移民の清掃員…徒歩で家に帰る道中に出会う街、人々を描く。
まるで幽霊のようにひっそりと歩く彼女…台詞が殆どない定点カメラによる絵画のような映像が静かで美しく示唆的。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.9

映画制作中突然失踪した主演俳優…20年以上前の事件を追う番組に監督が出演する…自らの半生を追想しながら彼の行方を追う。
これまでのエリセ作品へのオマージュも。
履かない靴、悲しみの王、大事な日にはいつ
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.0

ある朝いなくなってしまったエストレリャの父…彼女は父の記憶やある秘密を回想していく。
人間関係や表情、態度の中に見え隠れする繊細で儚い感情…。
時の移ろいとスペイン内戦の傷跡が垣間見える。

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.9

エグすぎる…。
脱北者を支援する韓国の牧師とある家族の脱北までの道程(中国やベトナムを越えてタイまで…)を追うドキュメンタリー。
あまりにも壮絶で過酷。
彼らの境遇と脱北の理由に絶句…私は何も知らない
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

科学者により蘇生されたベラ…身の回りや世界に触れながら貪欲に多くのものを学んでいく。
自分がつくづく社会的規範や倫理の中で生きている事を気付かされる…。
世界観がレトロフューチャー的で良。

ヨルゴス
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(2023年製作の映画)

3.8

これまであまり見たことがなかった新しい本能寺の変!
「首」に執着する武士達が描かれる一方百姓や外国人等それを理解することのない人々が強烈に対照的に描かれる。
大将首、接吻する首、介錯、腐った首。
秀吉
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

3.9

じーんと来てしまった笑
『ウィッシュ』と同時上映の短編映画
ディズニー創立100周年記念にキャラクターが皆集まる!
セル画や3Dと実写を組み合わせて表現…!楽しい。
ウォルト…😭

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.8

ディズニー創立100周年記念作品!
魔法で国民の願いを守る王の元を17歳のアーシャが訪れる。
展開や物語は古典的でシンプル、希望に溢れる。
主人公を私達(鑑賞者)にしたかったのだと思う。

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.8

ファッションデザイナーとして活躍するクリスティーンがある出来事以降体調不良に…彼女の家族とその家政婦の顛末を描く。
荒木飛呂彦の短編のような映画…。
タイトルがこの映画の全てを包括している。

ペサックの薔薇の乙女79(1979年製作の映画)

3.8

『ぺサックの薔薇の乙女』同時上映…11年後の同行事を記録した映画。
多様な出自の人々が移住、人口が増えた背景が見え隠れし、少し行事が形式化した様子。
その中で変わらないものも捉えた良映画。

ペサックの薔薇の乙女(1968年製作の映画)

3.8

ユスターシュの生誕地であるペサックの村で昔から行われている「薔薇の乙女」の推薦、選出、式典までを淡々と記録した映画。
言葉の節々に少し古典的な行事の内容と当時の時代背景が見え隠れする。

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.5

記録漏れ。
切なかったような…。
この二人の関係、少しだけFF10-2のティーダとユウナを思い出す。

影武者(1980年製作の映画)

3.8

武田信玄の影武者となった男の顛末を描く。凝った映像に仲代達矢の演技が凄い。
勝新太郎版も見てみたかった…。

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.7

アニメと同じノリで楽しかった!
子供向けの演出もあり、家族で楽しめるのではないかな。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

西部開拓時代が迫る🇺🇸オレゴン・カントリー…親類も頼れる人もいない男二人が村に初めてやってきた牛の乳を使いドーナッツを作り一攫千金を狙うが…。
終始静かで美しい映像が切なさと無情を強調させる。そわっと
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.7

熊谷守一の晩年のどこかの1日をフィクションとして描く。コミカルで楽しい。
実際に彼を撮影した写真家に取材して描かれているため、比較的忠実に彼が描写されていると思われる。

アダン(2005年製作の映画)

3.9

田中一村が奄美大島行きを決めてからその生活、最期までを描く。
恐らくモデルは加藤栄三かと思われる友人の生き方を対照的に描き、絵を描くとはどういう事なのか、何のために絵を描くのかを考えさせるお話。奄美大
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火だるま槐多よ(2023年製作の映画)

3.6

明治・大正期の夭逝の画家村山槐多に魅せられている女と、彼の声を聞き自らを槐多と名乗る男が出会い…。
タイトルは高村光太郎の詩からの引用。
特に「尿する裸僧」に注目し、まるで画面全体が彼のガランスのよう
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

良かった。
労働階級の二人の男女の恋愛模様を描く。
映画によってはドラマチックになりそうなベタなメロドラマ的ストーリーラインを親しみやすく可笑しさ、優しさを交えて表現するこの映画に脱帽。
監督の映画へ
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.9

監督が作り溜めた11作品のオムニバス。
コーヒー(時々紅茶)と煙草を持ちシュールでビターな会話を展開。
イギー・ポップにトム・ウェイツ、ザ・ホワイト・ストライプスら多くのミュージシャンも出演!
「いと
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屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

クリスマスイブ、出産を間近に控えた妊婦さんが突然見覚えのない女に家の中で襲われる。
残虐で不合理、グロテスクな場面ばかりなのにどこか叙情的で、切なさと美しさがある(ちょっとサイレント・ヒルっぽいかも)
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タンジェリン(2015年製作の映画)

3.8

舞台はロサンゼルス・クリスマスイブ、服役中に浮気されたと知ったトランスジェンダーのシンディが相手をとっちめに行く。
タクシーに吊るされるタンジェリンのムエット。
展開が早くて楽しい!ハリウッドの下町感
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

東京で公共トイレ清掃の仕事をする男の日々を描く。
重なった時の影の色、最後の表情…無口で無骨、日々を大切に生きているような彼の少し露わになった感情に心打たれる。
物語途中でタカシが仕事すっぽかした時に
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.9

俗悪、醜悪、グロテスク…何だこの映画は。
名門大に入学したものの周りと馴染めない主人公が男女共に魅了する蠱惑的な貴族の同級生に惹かれていくが…。
狂気に満ちた悍ましい展開に戦慄…何だこの映画は(2回目
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

3.8

ロックな映画!
「しょうがない」が口癖の佐和子…父親が倒れた事をきっかけに恋人とその連れ子と帰郷、しじみ工業を継ぐ事に。
川底の様な状況で力強く生きる佐和子が光る…コメディタッチなのも良。
満島ひかり
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

3.7

心を読む女性の殺人事件…第一発見者となった主人公はその謎に迫る。
邦題はPART2だけど『サスペリア』とは全然関係ない(むしろこちらが先)。
美麗で残虐、ビビットな映像にゴブリンの音楽が良良良!

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

3.9

トリコロール三部作の内赤の作品。
女性が盗聴癖のある気難しい元判事に出会う。
赤は博愛を指す…シックな画面を赤が彩る
人間不信の元判事…他人を信じる、相互理解の先にある博愛を描く。

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

3.9

トリコロール三部作の内白の作品。
性的不能を理由に離婚した男が故郷に戻り実業家として成功し…。
白は平等を指す…冬や思い出の白が侘しさを強調。
死と性が物語の求心力となり愛の平等を問う。

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

3.8

トリコロール三部作の内青の作品。
事故で音楽家の夫と娘を失った女性の苦しみと再生を描く。
青は自由を指す…壁やモビール、プール等にも青の強調。
時折思い起こすように暗闇と音楽が挟まる。