sasaさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

sasa

sasa

映画(1000)
ドラマ(0)
アニメ(0)

地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)

3.8

園子温ワールド全開の映画讃歌!
ボードレールの『常に酔っていたまえ。全てはそこにある。』という言葉が頭をよぎる。どうせ死ぬなら、何かに狂ったまま死にたいものだ。

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.3

ワイパーの摩擦音、すすり泣く声、雨音、風の音……カメラは指令室から一歩も出ないまま、受話器のスピーカー越しに聞こえる音が、一瞬たりとも映らない緊迫した現場をありありと脳裡に映し出す。受話器越しの短い会>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

4.2

サイコーだ……走るゾンビ。昇るゾンビ。中年マッチョのゾンビスレイヤー。無駄死にビル・マーレイ(本人)。これ以上に面白いゾンビ映画に今後出会える気がしない……。

アルカディア(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

おそろしい何かに支配されている恐怖。全体的にクトゥルフみがあるので、ああいう「超自然的な存在による新秩序」みたいな世界観が好きな人にはかなり面白いだろうと思う。

怪しいカルト教団の話だと思いながら観
>>続きを読む

距ててて(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

世間とのへだたり、感覚のへだたり、世代のへだたり、社会とのへだたり、相手とのへだたり……古民家という狭い空間を舞台に、空間的・意識的なへだたりをシュールでオフビートなコメディ風に描く。気がつかなかった>>続きを読む

トルソ(2009年製作の映画)

4.3

化粧もせず合コンの誘いも無視、家に帰って夕飯をつくり、ワインを飲み、トルソを抱く。正気を失わないための過去のよすが。
"女を捨てた"姉と"男に遊ばれる"妹、性格も生き方も対照的でわだかまりさえある、そ
>>続きを読む

青い春(2001年製作の映画)

4.7

いわゆる"ヤンキー映画"に、これほど美学と芸術性をもって若者たちの抱える爆弾じみた空虚を描き上げた作品があったとは、まったく蒙が啓かれた思いである。

彼らは無秩序を求めるのではなく秩序の中にないもの
>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

3.6

あくまで「周囲で恐ろしいことが起こり続ける呪われた子」という設定ながら、時おり無邪気なダミアンの瞳にふっと悪魔が宿る瞬間のおぞましさ。幼い子役だがどうやって撮っているのだろう。

悪魔というモチーフは
>>続きを読む

キャリー(1976年製作の映画)

3.3

ホラーだと思って鑑賞したら(ホラーではあるけど)、半分くらいはキャリーの過酷な日々について描かれていたので少し驚いた。
シシー・スペイセクの演技力は圧巻。時代的にチープさが否めない中で、彼女の狂変ぶり
>>続きを読む

13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ホッケーマスクの怪人、出ないんだ……。

暗がりからチェーンソー!飛び出る血飛沫!ババーン!みたいな映画だと思っていたら、案外きっちり怖がらせようとしてくる感じだったので困惑してしまった。
一番ショッ
>>続きを読む

(1963年製作の映画)

3.8

鳥のぬいぐるみ感や電話ボックスの合成感は時代的に仕方ないとして、それでもヒッチコックはやはり凄い人だと思わざるをえない。

違う『鳥』を観ているのか?と不安になるような冒頭のロマンス映画感、そして理由
>>続きを読む

しあわせへのまわり道(2014年製作の映画)

3.8

邦題こそ"ちょっと説教臭いインド映画"っぽい印象ながら、魅力的なキャラクターととても綺麗なストーリーラインが素敵な作品。

ウェンディ演じるパトリシア・クラークソンがめちゃくちゃキュート。試験に緊張し
>>続きを読む

ナポレオン・ダイナマイト/バス男(2004年製作の映画)

4.3

クソダサ邦題でも有名な伝説の低予算コメディ。満を持して鑑賞。

やたらオシャレなオープニングクレジットのあとは、撫で肩にダサいTシャツのモジャモジャ頭、だらしなく開いた口、目も開いてるんだか開いてない
>>続きを読む

クリムゾン・リバー(2000年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

連続猟奇殺人が起こるまでは面白かったけれど、真相に迫っていく段階からエンディングまで、あんまりはっきり説明しないままどんどん進んでいくので混乱する、というか追うのが面倒になってしまう感じ。
せっかく(
>>続きを読む

さよなら、退屈なレオニー(2018年製作の映画)

3.8

原題『蛍はいなくなった』をふまえて観ると見え方はかなり変わるかも。父親への思慕の情と、父親に重ねたスティーブへの漠然とした好意。レオニーの大人びたファッションが素敵。

チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012年製作の映画)

4.5

心を開こうとしないセイディと容赦なく踏み込んでいくジェーン、2人の心の距離や関係性が台詞以外の部分にまで繊細に描かれており、陽だまりのような印象的な映像も相まって、心が静かに震える。

ラストシーンで
>>続きを読む

飢えたライオン(2017年製作の映画)

3.5

連続するぶつ切りのカットが印象的。
放り込まれた生肉に喰らいつく飢えたライオンのように少女を消費する。それは男性による性的搾取を意味するだけでなく、同級生、マスコミ、学校までもが、女子高生というカテゴ
>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

4.2

画一性・均一性への抵抗、すなわち『シャイニング』的なシンメトリーへの恐怖あるいは違和感と、資本主義への風刺。スプラッタや所謂jumpscareが一切なく、ただ静かに不快感と居心地の悪さが立ち込める。>>続きを読む

マフィアは夏にしか殺らない(2013年製作の映画)

3.3

シチリアのマフィア事情がある程度わかる人であれば楽しめる類いの作品なのだろう……マフィアの抗争とアルトゥールの初恋が上手く絡んでいくとよかったのだが、後半は完全にマフィアに比重を取られてしまい、恋愛の>>続きを読む

殿、利息でござる!(2016年製作の映画)

3.6

ザ・中村義洋映画!
良い意味でクセがなく、生々しさを抑えて、穏やかな情緒的アップダウンでエンディングまで導く、日本のドラマ映画の王道を往く手法。俳優の味が出やすく、原作を汚さず、観ていて疲れることもな
>>続きを読む

エレベーター(2011年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

クソガキを理由に低評価を付けているレビューがあまりに多く、いやいや登場人物の好感度と作品の出来は別だろと思い鑑賞。

目に余るクソガキ!!
パニックと悲劇をもたらすためだけに意味不明な行動を取る人物を
>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

退屈で長ったらしい調停シーンから始まるリアリズム、BGMのない張りつめた緊張感、そしてジュリアンを演じたトマ・ジオリアの怯えながら家族を守ろうとする健気な少年の演技。ヒューマンサスペンスの空気感の質は>>続きを読む

苺のジャムとマーガリン(2021年製作の映画)

3.3

高校生の作品らしく拙さや粗はあるものの、題材の切り取り方、モノローグの言葉選び、当事者にしか出せない廊下や部室の息遣いの描き方に監督のセンスを感じた。

コップ・ベイビー(2017年製作の映画)

3.4

大胆にもフルCG一歳児。アクションコメディなのでこのぐらい無理やり進行してくれたほうがむしろ面白い。

ラスト・デイズ・オン・アース(2014年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

小惑星の衝突?宇宙人の侵略?どっち?何の話をしてるの?ノヴァクは何者?と思いながらなんとか観終える。最後に一応分かるのだが、時系列が複雑な割にストーリーが小粒であっさり畳まれてしまうため、はっきり言っ>>続きを読む

U-31(2016年製作の映画)

1.0

この映画を作った人間たち、サッカー全然好きじゃないんだろうなとしか思えない。観ていると恥ずかしさと怒りがこみ上げてくる。

社長直々にシーズン途中で戦力外とかいうハチャメチャさはともかく、一般的に"脂
>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

原作未読だが、マンガ世界ならハナから虚構として受け入れられる設定が、映画の場合は丸投げに思えてしまうのだなと思った。ここまで韓国ノワール世界をリアルに作り込んでおいて、実は超最強催眠術のせいでした~は>>続きを読む

トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

90分、低予算とは思えない面白さ! 設定、脚本どちらも作り込んであってレベルが高かった。途中でなんとなく察してしまうとはいえ、ネタバレ後も飽きずに最後まで見られる展開。エンディングも綺麗で良かった。>>続きを読む

LIVE AND DIE リヴ・アンド・ダイ(2013年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

汚職警官とマフィアの関係性やら強盗の目的やらそれぞれの思惑の描き込みが足りていないので、登場人物が多いわりに全体的に浅い。

裏ルートの情報(ありがち)から勝手に主犯を決めつけて、強盗は複数犯なのに"
>>続きを読む

ムーンライト・ドライブ(1998年製作の映画)

3.7

殺人鬼に気に入られてしまった青年の物語。シリアスな場面で陽気なカントリーが流れるなど、緊迫感があんまりないので独特のオフビート感がある。雰囲気そのまま、後味爽やかなラストも良い。何人も女性を惨殺してい>>続きを読む

ザ・ベイ(2012年製作の映画)

3.4

水で媒介される疫病に襲われた町に密着したモキュメンタリー/ファウンドフッテージ形式のパニックホラー。
色々ツッコミどころはあるとはいえ、よく分からない見えない何かが町全体を襲っているという状況は『クロ
>>続きを読む

人間まがい(2013年製作の映画)

2.9

「結局なんだったんだ……?」となるSFホラー。説明も伏線回収も一切ないので、実話ベースという謳い文句が逆にそれっぽい。斧やショットガンやチェーンソーで殺戮する所謂B級スプラッタだが、B級らしからぬ彩度>>続きを読む

リンカーン弁護士(2011年製作の映画)

4.0

ベストセラー小説が原作だけあって、プロットがしっかりしているので見応え十分。
そしてマシュー・マコノヒー演じる敏腕弁護士のセクシー&人たらしっぷり! 検察をやり込める裁判シーンもさることながら、ショー
>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.3

お話としてはちっとも面白くないが、洒落たタイトルバックに始まり、三原色やトリコロールの強調など、ゴダールの芸術性がこれでもかと詰め込まれている。時の流れを否定し過去に留まりたいフェルディナンと、時の流>>続きを読む