kikkiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ブレイブ ワン(2007年製作の映画)

3.2

私は別の結末を予想していたけれど、これで良かったんだと思う。1つの友情の物語として。
悪と正義の曖昧な境界。

白いブランケット(2022年製作の映画)

4.1

健気な少女の歌声、この先もずっと大切にするはずの小さな髪飾り。細々と精一杯生きている人たちの心細さの象徴のような一面の雪と、その中に見いだせた優しさの温もりを一転させてしまう白いブランケット。遠くに明>>続きを読む

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

リドリースコット作品を観ておかなくては、と鑑賞。"母親が全く出てこないんだな""サム・ロックウェル、ジワジワきてるな"等々とブツブツ言いながら全員を疑い構えていた。それは良くない鑑賞の仕方で、もっと素>>続きを読む

吉祥寺ゴーゴー(2020年製作の映画)

2.9

OSHOさんのレビューで知ったショートムービー。50年前の吉祥寺は知らないけれど、「東急百貨店、変わらない佇まいだ。」「ここ、ハモニカ横丁かな」なんて思いながらの18分間。もう少し長く観たかったな。『>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.2

「先生という職業は、未来に触れることができる」子どもたちは未来そのもので、陽光だと感じた。エンドクレジットは、みんなの笑顔が見えてくるよう。
*メモ* 鼻くそをほじってる子、可愛いな。

パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

3.7

映画を観ながら私は『11の物語』という短編集の、いつも不安と飢えを抱えた人達を思い出していた。パトリシア・ハイスミスそのものだったのだろうかと。晩年過ごした「トーチカ」での最期、「私の死を悼む涙はない>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.3

"私"が選択し、決断する。"私"を生きる。当然のことのようだけど、実は難しいと思う。
「自己定義」とは。そんなメッセージも感じた作品。
必然の出逢いがお互いを変化させる様は、流れる水のよう。ミステリア
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ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男(2016年製作の映画)

2.9

パトリシア・ハイスミスとの事で鑑賞。ヘイリーベネットの歌声、儚げに舞う雪、真っ赤なコート‥雰囲気にのまれて期待が大きく膨らみ過ぎてしまったのか、やや消化不良に終わった。本業そっちのけで小説のことしか考>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

4.0

あまりにも残酷な『宿命』に絶句する。組曲の演奏で語られる悲痛な過去。無知による無理解、差別や偏見が人を傷つけ苦しめることは勿論だが、私は本作品、謹厳実直であることが人を追い詰めるということの方が辛かっ>>続きを読む

地下室のメロディー(1963年製作の映画)

4.2

スタイリッシュというのはこういうものよ、と。アラン・ドロンの所作や表情にもイチイチ魅了される。そしてこのカッコ良いテーマ曲とラストの粋なことよ。
〜独り言〜いつも私は観た映画に満足すると、次の作品を観
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悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)

4.4

街灯、車のヘッドライト、懐中電灯‥光と闇が際立つモノクロームの魅力。広大な廃墟や燻るだけの火口は社会や心理そのもの。勧善懲悪なんてただの絵空事だと、思いもよらないラストに突きつけられる。見ることさえ出>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

3.1

『赤ちゃん』この子の事だったのね。baby、可愛くて賢い子。ノンストップのドタバタ、破茶滅茶は、心身のコリをほぐしてくれました。キャサリン・ヘップバーンの突き抜けた迷惑ぶりは無双の強さ。
【好きな個所
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.4

クールでエレガントでエキサイティング!なんて思いながら観ていたけれど、途中から集中が切れた私。果てしなく壮大なミッションかと思いきや、楽しそうに演じているケネスブラナーがあっけなく迎える結末に些か落胆>>続きを読む

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

3.4

何も聴きたくない。もう何も聞こえない。だからもう何も感じないでいられるの?忘れられないラストシーン。この作品は、私の胸の奥に刺さった鋭利な刃のようで、この先もずっとそのままで、時々思い出したように痛み>>続きを読む

レベッカ(1940年製作の映画)

3.9

皆が口にする名前と刺繍イニシャルのみという圧倒的存在感に支配されていく。映像も美しいはずなのに、まるで小説を読んでいるよう。maximの言う通り、あどけなさ(という訳が秀逸)は確かに消えてしまったのか>>続きを読む

黄色いロールス・ロイス(1964年製作の映画)

3.1

小粋なオムニバス。ゴージャスで美しく強い。ヒロイン達もロールスロイスも。spirit of ecstasyまたはflying ladyというマスコットを象徴するよう。惜しむらくはアラン・ドロンのチープ>>続きを読む

バルカン超特急(1938年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽には自信があるんじゃなかったの⁉︎
でも、いいの。ハッピーだから。緊迫感はあるものの、少し緩くてコミカル。ウサギちゃんの可愛さに悶絶。Missフロイが驚きの俊足。コードナンバーを持っていたりするの
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

3.8

COVID-19によるパンデミック前の作品であることに驚愕する。私たちは恐怖や経験から本当に学んだだろうか。忘れてはならない事もたくさんあるし、あらためて思い知った事もある。終わってはいない、繰り返し>>続きを読む

第十七捕虜収容所(1953年製作の映画)

3.9

アニマルとハリーのコミカルな無邪気さあってこその作品。捕虜達一人一人役割や個性を見せ、ドイツの軍人たちも何処か間が抜けているため、スマートな孤高のアウトロー、セフトンの渋味も効いてくる。"音楽とダンス>>続きを読む

深夜の告白(1944年製作の映画)

3.7

敏腕キーズがシブい。友情が熱い。ラストシーンも台詞も粋。レイモンドチャンドラー×ビリーワイルダーに痺れる2時間。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.7

この作品から受け取ったもの、感じたこと。観た人それぞれの思い。それは財産であり、未来に繋がる希望のカケラだと言わせて欲しい。

ある脅迫(1960年製作の映画)

3.2

西村晃と金子信雄、2人の表情だけでもドラマチック。たったの65分間とはいえ、途切れない緊張感。そしてあっけなく終わり、人の浅はかさを表しているよう。

三十九夜(1935年製作の映画)

3.5

スリルとユーモアのバランスがとても良いサスペンス。ロマンスの薫りを残すラストも心地良い。マーガレットのことも忘れないでね。私が気に入っているところは、ホテルの奥さんが「あんた!」と登場するタイミング。

旅立ちの時(1988年製作の映画)

3.7

透明な水の中。酸素が足りない。苦しい!
私にはそんな映画だった。
美しく繊細で、苦悩の中でも輝いているリヴァー・フェニックスのメモワールのよう。
"また会おう、きっと"
辛く重いはずなのに、風のような
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

3.3

野心、権力と利益への執着、孤独、そして破滅。
屈辱の報復には屈辱を。怒りには死を。
救いようのない人間の醜さに絶望する。
富だけを手に入れて潰れている憐れな男。
本当は愛もあったはずだと信じたい。
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.2

相当乗り遅れて鑑賞。皆さまの胸熱感動は当然。前作の方はアイドル映画みたいに感じてしまったけれど、36年後の本作を以って『トップガン』が完成したように思った。"僕はパイロットだ。それは職業じゃない。僕そ>>続きを読む

都会のアリス(1973年製作の映画)

5.0

迷いの中の悟りというの?不安の中の安心なんて表現はおかしいかな。探している筈なのに答えが見つからなくても構わないような不思議な心地良さ。少し粗いモノクロの映像と、それにマッチした音楽もとても良い。終わ>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

3.0

「贖い」。死が迫って漸く到達するものなのか。私の中の悪魔は言う。"何を今更"。
性の伝道師マッキーは、愛を知らない者の象徴なのか?そもそも愛なんて、時に独りよがり。愛情を言葉にすることも大切だけど、相
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劇場版 ねこ物件(2022年製作の映画)

3.1

私は猫から学び、猫に従い、猫に憧れて猫と生活している。癒される一方で、崇高さを纏っていながらも、やり場のない寂しさや哀しみを時々感じる。本作による「猫は人生の師匠」ってことかもな。それにしても可愛すぎ>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

3.4

誰が勝つのか「ハードエイト」。手に入れたのは賞金だけではない。洒落た音楽と抑え気味でもセンスが光るカメラワーク。償いでなく、老いた男の愛情の形をハードボイルドタッチで綴る。
そしてキャストの魅力。
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グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

3.4

遠くがとても近くに見える、若い時には。それが未来。全てがとても遠い、歳をとると。それは過去。だけど、若者や子供たちの"望遠鏡"で覗いてみたら良いではないか。ラグジュアリーな時を過ごしても、美しい自然に>>続きを読む

ロープ(1948年製作の映画)

3.5

ジリジリと迫り来るような緊張感を作り出したヒッチコックの技法に、感動さえ覚える。被害者の関係者を招待してのパーティなどサイコパスのなす事であると思いながらも、終始ハラハラして観ている自分もまた、その感>>続きを読む