kikkiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.1

"低音部の鍵盤をババーン"。
ライトが少しずつ消され、横顔のシルエットも闇の中へ。いつもの柔らかい笑顔は見えない。そんなラストシーンで良かった。私はそう思う。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8

"おかしくて楽しい、恋とはそういうもの""おかしくて楽しい"
不器用な2人が毎日イモを食べる幸せを願う。極力セリフや映像を削ぎ落としていながら、こんなに可笑しくて愛おしいストーリーが仕上がっている事に
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.8

過去の栄光、若さと美への執着、そして孤独が哀しい。でも、そう思うのは本人以外でしかなく、大女優は生涯女優なのだとその存在感に圧倒される。ラストシーンを"撮った"執事の愛情と依存を、尊厳という言葉に置き>>続きを読む

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

3.4

不器用で独りよがりな愛と、喪失が重い。試練はあるものの、ダニエルとバレリアの愛のある生活だけは"得たもの"と言えるだろうか。お金への執着と、手にするため犯す罪が当然のことのような有様が怖い。「アモーレ>>続きを読む

情婦(1957年製作の映画)

5.0

「傑作だー!」と人知れず夜空に向かって叫びたい気分。Nsプリムソルとウイルフリッド卿の"夫婦漫才"も善き哉。

海と毒薬(1986年製作の映画)

3.8

「罰って?世間の罰なんて、まずまずそんなもんや」"神"からの罰を受けたかったのではないのか戸田は。「良心なんて考え1つでどうにでも変わるもんや」勝呂に言い聞かせているのではなく、自分自身に言っているの>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

3.8

本作の面白さは、もう述べる必要もないから、ステラが好き、最後のショットは「両足」というところが良い、とだけ記しておきたい。

失われた週末(1945年製作の映画)

4.3

まるでオカルト。モノクロ故の闇が際立つ。悪意の輪、シーリングライトに浮かぶボトル‥センスの良い映像や洒落た演出に満足した。「椿姫」も効いている。
渇きを潤すのは、酒ではない。献身的ガールフレンド、知性
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知りすぎていた男(1956年製作の映画)

3.2

私が長年大切にしている懐中型のオルゴールの曲"ケ・セラ・セラ"。さりげなくも愛に満ちた良い曲だとあらためて知った。
クライマックスで、音声はオーケストラの演奏のみというところが洒落ている。要人暗殺計画
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

3.4

あぁぁっ、ライターがっ!メリーゴーランドがっ!と、ギャグスレスレ。何よりロバートウォーカーのいらやしいサイコぶりが終始冴え渡り見応えがあった。あちらこちらにヒッチコックのセンスが散りばめられていて、楽>>続きを読む

評決のとき(1996年製作の映画)

1.8

これで良いのか陪審員制度。随分感情に流されるんだな。報復を容認するのか?"目を閉じて"は違うよね?明らかに"物語"の主人公として晒された娘の気持ちはどうだろう。容疑者とは言え、その母親はどんな思いでい>>続きを読む

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007年製作の映画)

3.1

オカンはユーモラスで愛嬌があり、素朴で優しくて、とても魅力的な人だから、映画化するなら樹木希林氏しかいない。そう思っていたとおりオカンだった。1つだけ言わせていただけるなら、松たか子には途中退場して欲>>続きを読む

秋日和(1960年製作の映画)

3.0

「痒いところにはメンソレータムでも塗っておけ」
岡田茉莉子と友達になりたい。
原節子のネイルがずっと気になる。

男と女と魚料理(2022年製作の映画)

3.9

ドアはきっと開けられる。
こんな作品を多く観ていきたいなぁ。

渡り熊/Migrants(2020年製作の映画)

3.6

たったの8分間。そこに愛情とエゴイズム、破壊と保全を美しく可愛らしい映像を以って詰め込んでいるのが凄い。

向かい風(2022年製作の映画)

-

忘れがたい過去の風景や思い出、環境とエネルギーとそこに生きる人びとの暮らしと未来。それらを問うメッセージとしては弱々しく、微笑ましくも向こう見ずな老夫婦の刹那に過ぎない。

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.4

信仰は崇拝とは異なり、祈りだけでもない。教えであり、救いであり、赦しである。そして思想でもあると思った。アラビア語で「許し」と「自由」は同義語だと語るモー本人が屈託無い笑顔でボブディランを歌う姿は崇高>>続きを読む

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

3.3

何が何だか分からないまま主人公と共にストーリーに巻き込まれていく面白さ。ユーモアもあり見所満載。荒野のセスナ機、ラシュモア山のアクション等スケールが大きい。個人的には、もう一度ママに電話して欲しかった>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.0

夢の階層をリンクさせ、複雑でスリリングな展開を魅せるスペックの高さは衝撃的。更に哀しみと愛情の深さを巧みに滲ませる。そして、赦しと救いを施すようなマイケルケインの存在感。
トーテムが止まるのか回り続け
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嘆きのテレーズ(1952年製作の映画)

3.5

やはり作品を鑑賞する前には一切情報を得ないことは鉄則。観終わってから邦題に頷く。夫や姑のキャラ設定も優れていて、「青春は銃弾の嵐だった」「戦争も役に立つんだな」等々、セリフに哀しみを滲ませつつ、元水兵>>続きを読む

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.6

夢の断片を思い出し繋ぐように、揺れる気持ちを綴る。想像か記憶かが曖昧で、オルガンが奏でる不協和音は、迷いと不安の極致。ベルの音が響き、決断の時を知らせる。「さぁ、今や私はあなたのものよ」。シンプルで気>>続きを読む

白い恐怖(1945年製作の映画)

3.4

知的で美しい女性医師。サラリとセクハラをかわし、仕事も恋も主導的。そんなイングリッドバーグマンがチャーミングだった。開いていくドア、飲み干したミルク、夢の世界、刃の光、銃口からの暗転。モノクロが粋に効>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

4.0

奪い、失う。分かち合えた日は遠い。音楽が綴るノスタルジア。思い出はいつだって優しい。
パッツィーがケーキを食べてしまうシーンがとても愛おしい。

吠えるのをやめた犬(2021年製作の映画)

-

辛くて見ていられない、ハッピーエンドだろうと思いながらも。スコアを付けられませんでした。

希望の灯り(2018年製作の映画)

3.2

深夜のバス停や冷蔵庫の灯り‥仄暗いけれど暗闇ではない。寂しい時もあるけれど、孤独ではない。同じようで変化している細やかな毎日の中に何が見えるか、何を感じるか、静かに問いかけているよう。

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.6

少しずつ変化する感情が緻密に描かれていて、意外な方向へと導かれていく。包帯に巻かれた狭い視野から曲げたストローがこちらを向くのが見えるところ、いいな。ママ・ディクソンと息子ロビーそれぞれの元へ帰ろう、>>続きを読む

スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.4

とことん、最期まで狂ったオレ様の圧倒的パワー。虚勢とお金への執着は欲望を空回りさせているだけで、満たされない怒りから解放されることのない哀しさ。白い粉塗れ、血塗れの悪趣味な豪邸。チェーンソー、ヘリ処刑>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.2

「嘘が底を尽きると、そこにあるのはお前を見つめる神の顔だ」教示に従わず、エノクの眼差しから逃れることはできない事に堕ちて気付く憐れな男ブラッドリー・クーパー。演技の幅広さを証明したように思うけれど(何>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

5.0

天国と地獄、善と悪。白と黒。大傑作に痺れた。

タカナクイ(2015年製作の映画)

2.6

真正面から、全てを解き放って、老いも若きも、タカナクイ🎄だってクリスマスだもの🎉トースターがゴングなの可笑しい。

百万粒の涙(2015年製作の映画)

3.4

父と娘はどこかぎこちなく、上手に伝えられない思いを持っている、でもきっとお互いに分かっていると私は信じていて、不器用なりの愛のかたちだと思う。悲しみと後悔が降り注いでも、繋がりを感じられたらそれで良い>>続きを読む

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.6

なんて素敵。バイブルのよう。私はこの作品を時々思い出し、生涯忘れないでいたい。

グレムリン(1984年製作の映画)

2.7

今更の初鑑賞。レンジで爆破、ミンサーへぶち込む等なかなか過激なママへ功労賞をあげる🏆こんなクリスマスは嫌だ。

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.8

幼稚で孤独な天才億万長者。ストーリーが展開していくスピードはSNSそのものを示しているよう。止めようとする者を許さない、止めることは誰にも出来ない。自分にさえも。常に最先端を求め続けようとする彼に安ら>>続きを読む

プレステージ(2006年製作の映画)

3.1

観客は騙されていたいのだ。
常に半分の人生と復讐に駆られた人生、そして双方が払った犠牲‥トリックと科学は違う。後味は良くないけれど、スコアの半分をデヴィッド・ボウイに捧げたい。