ipさんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(2015年製作の映画)

4.0

本作で登場する実験は本当に電撃を与えているのかと思ってしまっていた。恥ずかしながら歴史に無知で…

被験者たちはそのスイッチが本物と思い込みながらも、服従し、残酷な行動を取っていく。
最後には実験のネ
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スプリング、ハズ、カム(2015年製作の映画)

4.5

自分が大学に受かり、一人暮らしに臨むときのことを思い出した。
親を放っておけないのは、父を独りにして東京に出てきている、この歳の自分にも重なるところがある。
まさか石井杏奈に自分を重ねる無礼な見方をす
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At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

4.0

原作舞台を見てみたい。

割とシリアスな雰囲気のため時折差し込まれる笑いの要素に、笑っていいのか劇場内も迷っているようだった。

元が舞台とあって、本当にテラスでの場面しか映らない。「12人の優しい日
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牝猫たち(2016年製作の映画)

3.5

劇場スケジュールの関連で、個人的にはこの作品でリブート作品をコンプリート。

この手のお店で働く女性たちの表と裏ってこんな感じなのかなと。映画や漫画でしか触れない世界なので想像はたらかせた。
罪は罪な
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恋妻家宮本(2017年製作の映画)

5.0

何をやらせても主導権を握る完璧な奥さん役は天海祐希さんしかいない! そんな人に決断に自信を持てずにいるところを見せられるのはもはや反則。

全体的にそこまでコミカルに笑いを取りにいっていないのに、待合
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レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮(2015年製作の映画)

3.5

美術には無知なので、ダ・ヴィンチの人となりや作品の解説を見られたのは良かった。自分にとっては面白かった。

現代人の我々は完成したのが絵画しか目にしないので、周囲にいた人たちとの関係や、ダ・ヴィンチに
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ホワイトリリー(2016年製作の映画)

3.5

どんな辱しめにあっても、愛する人を実を呈して守り、そして自ら身を引いて関係を切る。
飛鳥凛演じる若い女性の強さが印象に残る。

要領よく外面は良いダメ中年女性を演じた山口香緒里さんも見事でした。

ジムノペディに乱れる(2016年製作の映画)

3.0

あるのは過去の名声のみ。能力もない、金もない、覇気もない。映画論を問われれば解りにくい例えばなしでごまかし自分を大物に装おうとするおっさんになぜこんな若い女性たちが寄ってくるのか。
(それがロマンポル
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風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.0

若くて容姿が良ければ男は自分の思い通りになると思っている女は、若くなくなったとき無価値であることを早くに気づかないと落ちていくだけ。

中谷仁美演じる助手は健気だった。終わり方があれで良いのかと思った
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ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)

3.5

そんなに好きというわけでもないけど、園子温さんがロマンポルノを撮ったというので見に行った。

先生とマネージャーが立場入れ替わる展開は面白いと思ったけど、実はそれが映像作品の撮影でしたという劇中劇設定
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傷だらけの悪魔(2017年製作の映画)

4.0

いじめることも仕返しすることも人として誉められたものではないが、いじめとか陰湿なことが嫌いな自分は、巧妙な仕返しを気持ちよく見られた。
いじめる役の加弥乃さんの「お前が悪いからいじめられてたんじゃなか
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天使にショパンの歌声を(2015年製作の映画)

3.0

映像や音楽は星5つけたいほど美しかった。
しかしながら、経営難に立ち向かう話なのか、問題児が改心して成長する話なのか、コンクールへ向けて一致団結する話なのか、修道女たちの苦悩を描いた話なのか、よくわか
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未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.5

女性が参政権を得るために、命を捨ててまで現代なら考えられない行動に出ないと世間の議題には上らない。
正直そこまでするかとか、逆効果じゃないかとか思ったけど、そうまでしないと変わらなかった時代。逮捕上等
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山の郵便配達(1999年製作の映画)

4.5

地味だけど良い話だった。
息子に仕事を継がせたいのは公務員だからは建前で、本音は大切なものを他の人に渡したくなかったんじゃないかな。

この映画を見たひと月後、うちの父もリタイアした。
仕事は継いでい
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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(2015年製作の映画)

3.5

アイヒマンを捜し出す検察vs逃亡者みたいな中身を想像していたけど、検事長の伝記だった。原題はそんな感じでしたね。
内容を誤解させる邦題には疑問だが、金を出させるコピーやタイトルを考えるのが提供者の仕事
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.5

普通なら周りに嫌われそうな偏屈じいさんが、おおらかな隣人たちに囲まれ、打ち解けたり、親友との関係を修復したりしている。
じいさんも頑なではなく心を開いたからだと思うが、開かせたのは隣人たちの人のよさか
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.0

実話に基づく話らしいが、現実的には見ない方がいいかも。
本当の優しさなら本人を傷つけても現実をわからせるものだろうから。中途半端に同調するのは一番無責任なこと。
ところが、ヒュー・グラント演じる夫はと
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初恋のきた道(1999年製作の映画)

4.5

大学の中国語の授業で見た作品が上映されているというので行ってきた。

亡き父と、遺された母との出会いを息子が語り手となり紹介する。出会いと別れ、そして再会を信じる母の姿だけで映画一本。
その後のどのよ
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海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

4.5

若い頃から晩年まで、すべてを岡田くん一人が好演。

高価な服を着て油まみれの社員たちと抱き合って労う場面。第一線で働く社員たちと同じように働こうとし「わしも仲間に入れんか」っていうシーンが好き。

聖の青春(2016年製作の映画)

4.0

映画としては面白かったけど、将棋がよくわからない人にもどういう感覚が彼らに走っているのか、伝わってはこなかった。「村山すげえぇぇ!」っていうあのシーンがどうすごいのか知りたいので付け焼き刃的に将棋をち>>続きを読む

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気(2015年製作の映画)

4.0

主人公が同性愛者というだけで、特にLGBTに特化した話ではない。不当な扱いに立ち向かい一般の人と同じ権利を得ようとする話。

多くの人の心を動かした様が表現されていたと思う。
「俺はしばらく部屋に籠る
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92歳のパリジェンヌ(2015年製作の映画)

4.0

死なないでほしいと願う子や孫たちよりも、迷惑をかけながら生きる前に死を迎えたいというおばあさんの方に共感してしまった。

自分にも父や祖母がいるが、その時が近づいてきたときにどういう思いを持つだろう。
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メン・イン・キャット(2016年製作の映画)

4.5

人の意思を持ったねこだから人のように動く様子をCGながらも映像で表現されていた。
当然ねこの行動を理解できるので、まるでねこと意志疎通がとれたみたいで癒された。

家族の大切さだけではなく、いかに自分
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続・深夜食堂(2016年製作の映画)

4.5

原作もドラマ版も知らなかったが、前作が良かったのでまた見に行ってきた。

今作でも訳ありのお客さんと常連さんたちのあたたかい交流が見られ期待以上。

映画を2本見ただけの自分を、原作ファンの方やドラマ
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奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

3.5

数学者の人生をたどったもので、特に数学の知識に長けていないとということは全くない。
個人的には数学全開の映画とかも見てみたいけど。

能力ではなく偏見や先入観に負けるのは悔しいことだが、報われる終わり
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

文句なしに2016年のベストワン。

主演ののんさんよりも上手くて、表現力高くて、ついでにギャラも安い声優さんは無名なのも入れてたぶんいくらでもいると思うが、それでもこの役はのんさん以外考えられない。
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オケ老人!(2016年製作の映画)

4.5

定番のお話がズバッと決まっている。

まぁ話はこんな簡単には進まないけど、映画として楽しむには十分。
もちろん本人たちではなくプロの演奏だろうけど、音楽でも楽しめる。
OK老人!

SCOOP!(2016年製作の映画)

3.5

昔はすごかったが今や落ちぶれたさえない中年にしたかったんだろうけど、結局福山がやるとかっこよく決まってしまう。

出演者の演技力が高くてカバーされてたけど、報道を扱う映画としては中身は手垢。

愛∞コンタクト(2016年製作の映画)

3.5

渡辺あい監督が舞台挨拶に登壇されるというので行ってきた。

加藤夏希演じる女優が出ていた作中の映画が安っぽかったが、女優としてひとつの殻を破る瞬間を見せたのはさすが加藤夏希。

グッドモーニングショー(2016年製作の映画)

3.5

君塚脚本なので、踊る大捜査線のような展開を期待したところ、進行も結末も挟み込まれる小ネタも物足りない感じがした。

濱田岳のDQN演技っぷりが良かった。

PK(2014年製作の映画)

5.0

2時間半の長さを感じさせない面白さ。
どこぞの宗教はその辺で見つけた不思議な物体を神のもたらしたものと信者に信じさせてるぞ、っていうメッセージではないことを一応冒頭で説明してある(笑)。

時間が長い
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バースデーカード(2016年製作の映画)

1.5

ストーリー自体はよくぞ生み出してくれたって思えるほど感動の要素が強いのだけど、なにぶんその他に萎える要素が多すぎた。

制作局の番宣なんかが不自然でない程度にさりげなく入るのは承知だが、この作品は朝日
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淵に立つ(2016年製作の映画)

3.5

家族の崩壊というか、筒井真理子さんの壊れ行く様に引き込まれていった。

崩壊した家庭に育った者としては、元々壊れる予兆があったのではないかと。
幸せな問題のない家庭が外的要因で壊れた感じはしなかった。
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.5

共産主義者への差別というのは一要素ではあるが重要ではない。
逆境に立ち向かい、偽名を使い人を騙してでも名作を世に送り出したトランボさんの自伝。

結局人間は人の能力をひがみ、引きずり下ろすことで自分の
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.0

なんだかものすごく重要そうなメッセージが隠されていそうなんだけど、日本人にはピンとこないのか自分が無知すぎるのか、十分には受け取りきれなかった気がする。

ヒトラーが現代にタイムスリップしてきたらとい
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ニュースの真相(2016年製作の映画)

3.5

鵜呑みにするのも頭の悪さを際立たせるだけだが、何でもかんでも反発して通ぶるのもどうかしてる。
「どうせテレビのいうことなんて」ぐらいの感覚でいるのが適切。

事実を揉み消せる権力を得た人を、僕は悪く思
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