Takumaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

物ブツ交換(2018年製作の映画)

3.0

知らない国の知らない土地で、日本で生きる我々にとってはさして特別でもない日用品やシャボン玉などを、子供達が目を輝かせながら興味深げに観ていたのが印象的

生まれた場所と貧しさからくる諦念と漂う閉塞感が
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.3

主人公側が無双し過ぎて、敵となるマフィア側が気の毒に思えてくるちょっと珍しいタイプのハードボイルドアクション。
最終的に双方の被害を考えると相手が不憫でならない、、、、笑
しかし戦闘シーンが非常に泥臭
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

4.8

うだるような夏の暑さと、馬鹿げた仲間内の会話に甘酸っぱい青春模様
くだらない理由のタイムトラベル
愛しき要素が詰まりに詰まっていて素晴らしい。
いかにも「学生のノリ」といった感じの軽薄な一同が
全く時
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鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

4.7

笑って泣けて、ちょっぴり哀愁もある名作クライム?コメディ
桜井と山崎が、銭湯のロッカーの鍵がきっかけで立場が入れ替わるまでが、セリフがほとんど無く淡々と進んでるのに非常に状況がわかりやすい構成になって
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漫才ギャング(2010年製作の映画)

3.1

最初はあまりに漫才漫才しすぎてる日常の台詞回しが気になってついていけなかったんですが、
龍平くんは応援したくなる良アウトローだし
金井さんは一人だけ別次元でオモロいし
石原さとみの可愛さは渋滞してるし
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おくりびと(2008年製作の映画)

3.9

劇中で不当な差別や偏見の対象になっている
「忌むべき職業」納棺師に対する見方が、
リアルな演出と繊細な描写によって、
自分の中でもどんどん変わっていくのを感じた。
最終的には誇りと敬意を持って
「夫は
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野良犬(1949年製作の映画)

4.1

新米刑事から闇ルートのピストル屋によって奪われたコルトを握った男、遊佐は
終盤まで顔を出さず、捜査でその足取りを追っていく過程を見るのが大部分になっているのに、
犯人の悲哀みたいなものが痛切に伝わって
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.3

御年90歳の主人公の口から、真理をついたような心に響く名台詞が次から次へと飛び出す。
人生の終わりについて考えさせる名作です。
ただあまりに起伏が無いせいか、僕は途中で一度寝てしまいました。
そういう
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リオ・グランデの砦(1950年製作の映画)

4.0

主人公はジョンフォード作常連主役、ジョンウェイン演じるカービーか?
最終的に一番カッコいい役回りで武勲をあげたタイリーか?
はたまたコメディリリーフ、クインキャノン軍曹か?笑
ていうくらい、各々のキャ
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ダマカ:テロ独占生中継(2021年製作の映画)

3.8

キャリアのために報道を取るか、捜査に協力するか、主人公の葛藤に目が離せなかったし、
そこに奥さんの安否や大臣の謝罪、テロリズムへの加担、色んな利害がリアルタイムで絡んできて
物語の興味が掻き立てられる
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.7

当初はあくまでも義治のダメ人間っぷりが際立っているが、蔦枝がそれに輪をかけてダメなのが徐々に明らかになってゆき、どっちもどっちで女将や周囲に散々迷惑をかけていく。
女将サイドでも突然帰ってきた夫のくだ
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男たちの挽歌(1986年製作の映画)

4.8

男たちの闘い、友情、兄弟愛、人間模様
そして道を踏み外した闇社会の人生の悲哀、、、、素晴らしいです。
エンターテイメント性の高いアクションシーンもさることながら、人情味溢れる作風が粋で、
(そこまでそ
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王様になれ(2019年製作の映画)

3.5

オリジナルストーリー自体は普通。
この物語の感動は、三十周年という免罪符により偉大なるロックバンド、ピロウズの歴代の名曲たちを惜しげもなく贅沢なサントラとして使えたのが大きい。
当時初めて聴いた時の衝
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ガタカ(1997年製作の映画)

3.8

遺伝子の優劣を飛び越えた一人の人間の夢へと向かう物語が壮大で、美しかった。
ヴィンセントの姿を通して夢を見ていたというジェロームの立ち位置も、ちょっと奇妙な友情という感じがして好きだったし
「元々持っ
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.4

如何様にでもとれるカットや演出が多く
登場人物の言動の裏に流れる本心みたいなものが
非常に汲み取りつらかったので
「深そう」という浅い感想しか出てこないですが
男兄弟の間に流れる凄くややこしい愛を全面
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永い言い訳(2016年製作の映画)

3.9

突然の事故により妻を亡くすという、今の自分には想像もつかないような境遇に置かれた、ある種対照的な二人の夫による物語が興味深かった。
父母や息子娘が亡くなる、のと、配偶者を亡くすのではやっぱり同じ「家族
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鬼火(1963年製作の映画)

3.7

全てに心を閉ざしてしまった男の虚無と死までの道のりが、静謐に、ただ淡々とすすんでいくのが少し恐ろしく、どこか美しさもある。
時折流れるジムノペディが凄く良い

アランは誰も自分を愛さないと考えていたよ
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波止場(1954年製作の映画)

4.0

主人公テリーが作品内での最終的な立ち回りとは裏腹の、ただのゴロツキであり、不完全で人間臭い人物像が随所にでていたのが好きだった
ただの英雄譚には終わらず、圧倒的な支配力を前にした時孤立無援であることの
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.4

決して派手なタイプのサスペンスではないが、
非常に薄気味悪い映画。
手に汗握るような展開で見る側の興味を引き立てる好奇心持続時間みたいなものはそこまで長くない。
例えば僕なんかは、この手の作品の醍醐味
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ソウ(2004年製作の映画)

3.6

ラストに向かうにつれて全ての伏線が回収されて繋がっていくのが割と気持ち良い。
後味悪いっちゃあ悪いけど、少なくとも1作目に関しては思ってたほどグロ要素は無かった
(思わず目を背けたシーンは数カ所ある)
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ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

4.6

フィルム・ノワールなんかにあるような銃を持つ男たちの哀愁が満ち満ちてる。
この監督のほかの作品、二日ほど前にも観てるんですが、こちらの想定する展開というか、セオリーを微妙に外してくる手法が面白いですね
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

レールを外れた元受刑者の、出所後の社会復帰の厳しさ。全ての人に居場所が用意されているような寛容で平穏な「すばらしき世界」ではない事が明示された上で
それでも地道で懸命に、真っ当に生きる姿勢を貫く姿をど
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セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

4.2

現実と脚本の構想が行き交う構成が少々複雑で
またテーマ性も難解なものを抱えていそうなのでクセの強い作品ではありましたが、
文字通り「サイコパス」な連中に囲まれた主人公が巻き込まれる騒動や、彼らから受け
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.1

5つのショートムービーを集めたオムニバス作品ですが、観終わった後の1本の映画としての充足感と一貫した独特の空気感が味わえてとても良いです。
元々ジム・ジャームッシュ監督のファンとして、これは最初に観る
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.2

色々とぶっ飛んでるB級リスペクト?映画。
とりあえず何より後半の立場逆転カーチェイスの流れが非常に痛快で、(乗ってるのは全員女性だけど)オトコノコ心をくすぐるワクワクがあってよかった。
一見何の関連性
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私は殺される(1948年製作の映画)

3.5

電話という舞台装置ひとつで、ここまでの恐怖と切迫感が演出できるのかと感心した。
ああいう着地点になるのもよく分かるし原題で終わるのも非常にスタイリッシュで素敵ですが
(邦題はもはや、最悪、の部類に入る
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THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

4.4

序盤からラストに至るまで、一人の男が抱える何やら只事じゃない重々しい苦悩がヒシヒシと伝わってくる非常にディープな一作。。。
緊急司令部で受け取ったエミリー達の事件の結末
(これらが全て司令部の通話だけ
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.8

物語としては非常に面白かったですし、プロの詐欺師のバディものに父と娘(?)のホームドラマ的要素もあり、見ていて退屈しない内容だったのは間違いないんですが、いかんせん終盤にかけての所謂
「どんでん返し」
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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

2.8

突然叫び散らしてブチ切れる暴力夫スタンも
お高くとまった情緒不安定なブランチも、ステラの夫を見限るタイミングも、とにかく不愉快なストレス要因が多く
登場人物の気持ちも読めなかったので、なかなか
感情移
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.4

仕事をこなしていくうちに歪んだ使命感によってどんどん危険度が増していくイカれた報道パパラッチ。。。
彼の追う事件を観ているのか、彼の狂気の成長を観ているのか、わからなくなってくる不思議な感覚がある。
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

4.0

タイトルだけでなんとなく観たけど想像以上に見応えのある濃密なサスペンスだった。。。
ナチによるユダヤ人の迫害がなぜ、どのように行われてたか、等、歴史の凄惨な出来事の一部始終を学ぶきっかけにもなるし、結
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フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

2.9

B級カルト映画の雰囲気が出過ぎてる笑笑
エロ・グロ・バイオレンスのオンパレード。
前半の王道クライムサスペンス然とした内容と後半の唐突なヴァンパイア展開の落差にはかなり驚かされた。。。何も知らずに観た
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.6

奇妙奇天烈な作品。
一言ツッコミを入れるとすれば、
「いやこれどういうタイプのフェティシズム???」
マルコヴィッチの脳に繋がる穴を見つけ、器としてのマルコヴィッチに目論見がバレて彼自身が自分の潜在意
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冷たい水(1994年製作の映画)

3.3

内容は、年端もいかない思春期の男女二人の青き逃避行、といった感じで、いかにも好きな筋書きなんですが。

セリフなしでその場の風景や様子を収めただけの、睡眠導入力の高い大胆な長尺ロングショットがあったり
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シャロウ・グレイブ(1994年製作の映画)

4.0

よくわからないくだりでバカ笑いしてたりその場のノリと勢いで動いたり、そんな典型的な若者が突然舞い込んだ大金を手にした心理がテンポ良くスタイリッシュに描かれてるサスペンス。
非常時の友情の脆さというのが
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.1

反骨精神の塊のような一人の男の生きざま、ここにありという感じ。
バックボーンや行動原理が明確に示される描写が無いので、最初のうちはルークの人物像を把握できずに困惑。
どちらかと言えば看守側の立場で、模
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