Takumaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.1

反骨精神の塊のような一人の男の生きざま、ここにありという感じ。
バックボーンや行動原理が明確に示される描写が無いので、最初のうちはルークの人物像を把握できずに困惑。
どちらかと言えば看守側の立場で、模
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.5

心暖まる穏やかなヒューマンドラマだと思って観たので、アメリカンニューシネマ時代以上にブチ切れる熟年アルパチーノのまだまだ有り余る迫力に度肝を抜かれたし、
頑固で面倒臭い破天荒な盲目退役軍人を見事に演じ
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ポケットいっぱいの涙(1993年製作の映画)

3.1

内容がかなりヘビィ。
舞台となるアフリカ系アメリカ人コミュニティは暴力とヤクが渦巻く無法地帯
主人公たちの生い立ちや環境が犯罪、死の危険と隣り合わせの世界なので、序盤からの殺人事件も予期せずいともかん
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7年間(2016年製作の映画)

3.7

会社の共同出資者である重役四人の中から一人罪を被る犠牲を選ぶ
恐ろしいミーティングの模様。
観てるこっちも息が詰まりそうな密室の中で炙り出される人間の心理が生々しくて、終始気まずい空気感。
「7年間」
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狼よさらば(1974年製作の映画)

3.2

復讐に燃えるブチ切れた男を観るのは好きなんですが、これは最早怒りとかそういうのとは別次元のモチベーション。。。
自警主義に取り憑かれ徐々に思想が歪んでいってしまってるのは理解できたが、にしてもポールの
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ハートストーン(2016年製作の映画)

3.5

少年時代に経験するような、つまらない見栄やプライド、その他諸々の青い感情が拠り所を奪っていく恐ろしさや気恥ずかしさ
そんな思春期の副産物を追体験できる映画だと思った。一つ一つの言動に共感を得た。
前半
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落穂拾い(2000年製作の映画)

3.8

かの有名なミレーの「落穂拾い」の人々の姿を現代にみるドキュメンタリー。
農作物以外にも、ゴミ漁りや廃品回収、牡蠣の養殖や市場の余り物など幅広い「もの拾い」を取り扱っています。
また映像におさめられた人
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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

3.9

ストーリーや盗聴シーンも大きな魅力ですが、
何より主人公ハリーのキャラが良かった。
盗聴屋としての徹底したプロ意識と、一方で
過去に起きてしまった殺人に間接的に関わってしまったという罪の意識、敬虔なク
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泥の河(1981年製作の映画)

4.3

とある一家との、切ない出会いと別れ。
出てくる人たちに悪いひとが一人もいないのが余計やるせない。
戦後間もなくの底辺で生きる人々の暮らしにスポットが当てられた、社会派であり人情味漂う日本だからこそ作れ
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激突!(1971年製作の映画)

3.6

頭カラッポにして観ても楽しめる良作。
何せ内容はザックリ言うと、「ひたすらトラックに煽り運転され続ける」だけの映画だから。
もうこれだけに徹した1時間半なので、非常に潔いです!
車両間の争いが中心でず
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.8

無尽蔵に金を生み出す商業主義の欲望に踊らされた、哀れな人間の末路
タイトル通り9人の翻訳家が出てくるので一見人間模様は複雑そうですが、炙り出されてくる真相や構図自体はディープでありながらシンプルになっ
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許されざる者(1992年製作の映画)

4.2

燻し銀の伝説的俳優兼監督が手がけた、一人の男の静かな熱さが光る西部劇。
主人公ウィルは、元々冷酷な殺人鬼で、時が経て足を洗い丸くなってもなお内に秘めた獰猛性が顔を出すのが良かった。
丸腰の部外者や保安
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用心棒(1961年製作の映画)

4.0

何十年も前の時代劇とは思えぬほどワクワクする娯楽性に満ちており、色褪せない。
凄腕の浪人が、ふと立ち寄った宿場における二大勢力の抗争を、敢えて衝突させることで街の平静を取り戻そうと暗躍するプロットの面
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.5

めちゃ怖かったしシンプルに面白かった。
前半は不気味な仮面で恐怖を引き立てながら、
「仮面の中の犯人は誰か」に焦点が当てられ、
後半では地獄の無限ループからどうやって抜け出せるか、にシフトするので
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どですかでん(1970年製作の映画)

3.7

スラムのような貧しい地域で暮らす人々の生活と人生模様。複数のエピソードが直接的な繋がりを持たず同時進行で繰り広げられてゆく、オムニバスに近い内容。
主人公はいわば地域・場所そのもので、
冒頭から登場し
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

3.9

内容は全然違うけど
「狂い咲きサンダーロード」の男達同様、
「ツッパリ通す」男達の物語だと感じた。
ここには、法廷も登場する関係で一応正義と悪という対立構造が存在してはいますが根底に流れているものは自
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マーダー・ミステリー(2018年製作の映画)

4.0

こんなに完成度の高いエキサイティングなコメディがNetflix限定なのは実に勿体無い。
万人受けする娯楽作だと思う。
事件の真相を追うのが、たまたま巻き込まれただけの自称刑事(笑)の巡査とミステリー好
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ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

2.8

日本で生活してるとあまり馴染みのない一般車道でも平然と行われるチンピラたちのカーレース(暴走族とかに近いのか?)や、そこに全てを懸けるスピード狂の男たちにイマイチ感情移入できなかったり、ゴリゴリのDQ>>続きを読む

狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.2

どうやら実話を基にしているらしい。
銀行強盗が人質数名と立て篭もる、しんどい一日の一部始終を描いている。
アメリカンニューシネマの名優アルパチーノ演じるソニーたちの動機よりも、行動の結果、周囲の人間と
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ロックンローラ(2008年製作の映画)

3.6

血湧き肉躍るような、心の底からカッコいいオープニングを撮らせたらガイリッチーの右に出る監督はいない、と言えるほどナイスな開幕。
内容は、まさに「ロックストック〜」「スナッチ」に見られるお得意の群像劇系
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アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.7

そんなのアリ??!的なその衝撃の結末には賛否両論ありそうだなと感じながらも、僕は割とアリ派です
そもそも全体を通しての雰囲気からしてミステリーなんですが、きっとそれがミスリードになっていて本質とかけ離
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スティング(1973年製作の映画)

4.5

これは、観終わった後に見事「やられた!!!」
と唸りました。
実に鮮やか。爽快感が半端じゃない。
「後味の悪い・胸糞が悪い」映画の対極にあるような存在。

詐欺師が暗黒街の大物をカモる話ですが、少々複
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いぬ(1963年製作の映画)

4.3

間違いなくフィルム・ノワールの傑作。
いちいち男たちが格好良いのは言うまでもなく
敢えて断片的なカットと情報しか流さない事で、
「密告者(いぬ)」が誰なのかというスリルをモーリスと同じように体感する事
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.8

再び銀幕の世界に舞い戻る事を夢見る往年の大女優ノーマが、表舞台への渇望のあまり我を失い、ギリスとの悲恋を受けて、
狂気と共に歪んだ表情を見せる怪演は圧巻。
死んだ主人公のモノローグから始まるのも新鮮で
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

ブラックユーモアが効いてて、かつストーリーも
半地下の家族による成り上がり根性的な、大胆不敵で荒唐無稽な計画が痛快で楽しい。
家族一人一人を好きになれる
だからこそ残酷な映画だとも思いました。
これほ
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彷徨える河(2015年製作の映画)

3.4

舞台が秘境アマゾンの奥地である事や原住民たちの信仰や文化、生活に濃密に触れている事から、非常に神秘的な作品。
何と言っても、白黒にも関わらず十二分に伝わる
人工的な演出や華美な装飾など入る余地の無い、
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.5

国会中継やガチガチの討論番組のような、
イデオロギーが色濃く反映されたドロドロの激しい政治的討論になるかと思いきや
どう生きるか、を前提においた普遍性を持つもっと大きなテーマだったような
ある部分では
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

2.9

疑問点を数えあげればキリが無いが、
舞台設定は非常に面白い。
この映画のいう「伝言」とはなんぞや

閉鎖的階層社会と極限状態に追い込まれた人間たち、行き届かない食糧によって浮き彫りになる格差
こういっ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.0

一言で片付けると不気味、、、
こんな狂気に満ち溢れた気色の悪い映画を観るのは生涯で一度きりでいい笑

ただ、「観なきゃよかった」ていう後悔も無いです。なかなか他では味わえない刺激と、サイケなトリップ感
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鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

3.2

話のすじ自体は極めてシンプルで、1時間半というコンパクトな尺に、登場人物も終始家族四人しか出てこない。(場所も、視点は別荘周辺から動かず)
「娘カリーンの精神病の再発」という物語を覆う一つの大きな闇を
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.7

これはおもろい。
男の血が滾る、とでも言いましょうか
だいたい常軌を逸した不良刑事の映画に外れなし。社会や法、倫理のルールから離れた場所で躊躇なく、禍々しくも清々しく展開される捜査の一部始終から、我々
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ゴジラ(1954年製作の映画)

3.7

ついに鑑賞。
初ゴジラがシンゴジラだったのですが、
あちらがリアリティ重視だったのに対し、
こちらは想像以上に人間ドラマが濃い内容だった。
例えば、ゴジラの被害による犠牲者やその遺族にスポットが当たる
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.4

ボヘミアンラプソディは紛れも無く人類史上最高の名曲で、
クイーンがもしこの一曲しか生み出せなかったとしても世界一偉大なバンドの一つになっていたと思う

そんな圧倒的な音楽を、観客の一人となって良い音と
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.0

本当にとんでもなく長くて疲れる一日を体感した。。。
かの有名なポツダム宣言受諾の玉音放送に至るまでの、史実に基づく重厚なノンフィクション映画。終戦に際した人々の情動が見て取れた
度重なる会議や軍部内の
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.1

男たちが良からぬ事を入念に計画し、実行に移す過程が好き。
そしてある犯罪をダシにして儲けようと企むもう一つの悪事によって思わぬ事態に、、、的展開も好物の私にとって、最後までウキウキして観れる作品でした
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すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

2.4

ちょい役の吉永小百合かわいい

内容は、和製ヌーヴェルヴァーグ的文脈で考えるとどうしても直近で観た「ろくでなし」と比べてしまうしそちらに軍配があがるかなぁ〜個人的に。
この情報量だと尺が足りないのか、
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