Angiiiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Angiii

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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

5.0

異星の民ドラーク族と彼らに愛玩動物として飼われるオム族(人間)。シュルレアリスムのような絵柄と毒々しい音楽が癖になる。

愛玩動物としてドラーク族に従属する人間が彼らより弱力な異星生物を使役していたり
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アルファベット(1968年製作の映画)

5.0

インターネットの誰も触れられない深部にこういうのいっぱい転がってそう。

デイヴィッド・リンチ作という情報のみが私を現世に繋げていてくれる。

ラバー・ジョニー(2005年製作の映画)

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トム&ジェリーを取り込もうとしてバグった宇宙人×テクノ (?)= これ(????)

Y◯uTu◯◯に”Area 51 night club”みたいなコメントがあったのが面白かった
パケ写は詐欺

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

4.8

"それがどうした、全ては聖寵だ。"


小説的な静逸が描き出すのは地獄、閉鎖な村に彷徨う悪意と諦念が病に苛まれる若い司祭を囚えていく。

かつては彼と同類だと言葉をかけた知己は死に、告解によって過去か
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異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

4.6

ママンがいなくなってからもムルソーの日々は過ぎていく、あの死を太陽が照らすまで。

カミュ原作『異邦人』がヴィスコンティの手によって美麗に映像化され、マルチェロ・マストロヤンニが情緒の霧に迷うムルソー
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.5

いつの日にか新文芸坐にて観賞。
人生に疲弊した男が日々の小さな温もりと過去の優しい痛みによって新しい一歩を踏み出そうとする過程を描く。我々は皆、自分達にとってとても大切なものを追憶のうちにこぼしてきて
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スチームボーイ STEAMBOY(2003年製作の映画)

5.0

『科学は何のためにあるのか?』

究極蒸気機関「スチームボール」をひとつの代表に人間と科学の関わり、そして科学に夢見る人々のエネルギーを克明に描き出した素晴らしい作品。

ロイド、エディ、オハラ軍団、
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粛清裁判(2018年製作の映画)

4.3

【群衆】2/3


スターリンによる見せしめ粛清裁判、本当の主役は教授陣たちや裁判官ではなく、デモで銃殺を願う市民や死刑判決のあとに歓声を挙げる観衆たちであるのは明らかであろう。これぞロズニツァによっ
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国葬(2019年製作の映画)

4.5

【群衆】1/3

スターリンの横たわる祭壇の前では号泣、賛辞、無感心のような一瞥、無邪気な嬌声が全て入り混じる。所謂共産圏で生活を一度でも営んだ者なら感じるであろう全市民による崇拝に近い個人への賛美は
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

5.0

戦闘シーンの登場しないこの映画は主に3組の男たちによって組み立てられている。これは、戦争の最中どこかで有り得た葛藤と迷い、愛と赦しの物語。


死を持って愛を結びつけたカネモトとでデ・ヨン
は彼を無残
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愛の渇き(1967年製作の映画)

5.0

愛の満たされぬ渇きは生ける地獄なのだろう。
空虚な心から血を流し、地獄の業火に文字通り手を焼けど、惚れた男に爪痕1つすら残すことができなかった女。その醜く美しい魂を浅丘ルリ子が怪演する。

彼女のぽつ
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.7

まさか同じ名前がずらっと並んでいるようなエンドロールを目にする日が来るとは…

圧倒的規模の迷宮の様な地底世界と変異する生命体、頭部のみ残っていても絶命しない人類、異文明や物語性を感じる廃墟が好きな人
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ビバリウム(2019年製作の映画)

4.2

ポスター(の雲)がルネ・マグリット『ゴルコンダ』を彷彿させたので気になり鑑賞。

非常に "オシャレ"なSFスリラーという新境地。私はびっくりするホラー映画がめちゃめちゃ苦手だがこれは非常に楽しめた。
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マジック・ランタン・サイクル(1980年製作の映画)

5.0

ホドロフスキーや寺山修司のように、隠された命題や暗示的な問いかけを少しでも解き明かさんと身構えてしまうと音と色彩の不穏な重なりにワンパンKOされる(されました。)

これは何?あれは誰?どうしてこうな
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ルシファー・ライジング(1972年製作の映画)

4.8

予備知識なし、ケネス・アンガーとは誰ぞや?レベルで鑑賞。とりあえずマリアンヌ・フェイスフルが出てきてあ!この人知ってる!って感じで安心した。進研ゼミかよ。

文脈や論理の藁を掴もうともがくも怒涛な色彩
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

ー生きることとはなにか。
そして愛とは、希望とは。

【ヱヴァンゲリヲン新劇場版】、もとい【新世紀 エヴァンゲリオン(Neon Genesis EVANGELION)】はこのシンプルかつ深淵なテーマを
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

4.1

腕の紋章でガブリエルを召喚するシーンかっこよすぎて5回巻き戻して観た

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

5.0

宇宙音楽師、サン・ラーは地球で抑圧されているブラザー達をどうにかして救おうとしている。
彼は宇宙的跫音とも呼べる激烈な音の重なりに精神と音楽の本質を説き、"真に黒人"である兄弟たちに救いの手を差し伸べ
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ラッシュアワー(1998年製作の映画)

4.4

ジャッキー・チェンとクリス・タッカーの凹凸コンビ最高。ゲラゲラ笑える場面と手に汗握るシーンの塩梅もいい感じ。クリス・タッカーの車が欲しいなってずっと考えてた。

手触りの軽い映画ってやっぱりとてもいい
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スパルタンX(1984年製作の映画)

4.5

ジャッキー・チェンとユン・ピョウのピッチピチな溌剌さ齧りつけば果汁溢れる瑞々しさに終始激萌えしていた。ストーリーとかは巷によくあるようなものだけどふたりの愛らしさとカンフーの猛々しさのギャップと同じ種>>続きを読む

ストックホルムでワルツを(2013年製作の映画)

4.7

ああ、いとしのモニカ!!!

彼女を過去の茫海から拾いだしてきたときの愛おしさ。インターネットの波は邂逅の漂流である。彼女がビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」にのせて口ずさむ姿は本当
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モンキー・ビジネス(1952年製作の映画)

5.0

全く色褪せないコメディってこういうことなんだ。

笑いの脚本というのはかなり繊細で、何かが足りなくても行き過ぎても興醒めの元にしかならないがこの映画はその繊細なラインをピシッと打っていてとても気持ちよ
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

4.3

カルト集団っぽくて少し引いたけどめっちゃ笑えた。ジム・キャリーの表情筋、圧倒的な雄弁性。
あれだけの感情を機微に表現できるんだったら人生がもっと繊細に色付くんだろうなぁ…

ヨコハマメリー(2005年製作の映画)

5.0

ヨコハマはジャズの街ブルースの道、
そしてメリーさんが暮らした地。

なぜメリーさんがメリーさんとして居続けたのか、その記録手法は都市伝説に誘われる我々の好奇心を猫のように導きながら謎を紐解いていく。
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WILD HOGS/団塊ボーイズ(2007年製作の映画)

4.3

徹頭徹尾の"おバカ"映画(褒)。キツすぎる下ネタも特になし(多分)、しかもものすごく笑えて、頭を空っぽにして観るには丁度よい。

ハーレーダビットソンのことをよく知らなくても、エンジンの力強い唸りにレ
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華麗なる賭け(1968年製作の映画)

3.5

五輪真弓「ジョーカー」という曲には以下のような歌詞がある。

『ねぇ あなたの好きな あの映画の話ししてよ
「華麗なる賭け」は ハッピーエンドで終わらせていたわね』

多分この作品のことではなかろうか
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ザ・コール(2020年製作の映画)

4.6

韓国映画は独特のエグ味がある、との評を幾度も聞いていたので鑑賞を戸惑っていたが、勇気を振り絞って観てみた。

…めっちゃくちゃおもしろかったです。

ホラーテイストを存分に孕んだ不穏な幕開けにゾワリと
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ザ・プロム(2020年製作の映画)

4.1

ニコール・キッドマンやメリル・ストリープ、そして新星ジョー・エレン・ペルマンの魅力と歌唱力に甚だ感服。

底抜けに明るい映画は"模範解答"の色が濃すぎてあまり得意ではないのだが、観てみると真っ当に胸を
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燈台(1959年製作の映画)

3.5

久保明が好きな人にとってはサービスタイムだが、そうでもない人にとってはこの映画は間延びしていて、終わりが唐突としている。

しかし殺人が起きたわけでもない単なるホテルの一室が、手に汗握るような緊張感に
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ウィッカーマン final cut(2013年製作の映画)

3.9

宗教はどんな教義を持ちえど、信仰そのものは純粋である。

男根信仰と性行為の異常なまでの儀式化、封鎖された異教の悍ましさがハウイー巡査を襲う。

しかし一度考えてみてほしいのは、この信仰の"異端さ"は
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天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

5.0

この作品を観終わった後、私はたった一つの想いで満たされていた。

"これぞ不朽の名作だ"と。

バチストとガランスの愛を中心に取り巻く様々な人間模様の渦。秘密に燃える嫉妬や終わりのない慕情の追随、そし
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黒蜥蜴(1968年製作の映画)

4.7

美輪明宏の美。

あらゆる宝石や礼装が自ら進んでその体躯の上で絢爛に輝こうとするその美。古代ギリシアの彫刻が血肉を得たような美。神の創造は、気まぐれである。

この戯曲により、私の中で"女賊"という言
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