ひまさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

リトル・ガール(2020年製作の映画)

3.6

母親のいる場で話さず、ただ涙を流すようなことにこそもっと深い苦しみがあるんじゃないか。こんな幼い子に背負わせすぎだろう。
まあいろいろ思うとこはあるんだが父親の「見せ物にしたくない」の言葉に自省…
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

3.3

虫の羽を毟ったりアリの行列をわざわざ踏んで歩いたり、そんな子供の残虐性と節操のなさが閉じたコミュニティと極限状態によって加速していく。
映像が綺麗だしストーリーの過酷さやその後を想像させる余韻も良かっ
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.8

マイクロアグレッションを摩擦や空気抵抗と表現しているのが納得感あったし興味深かった。物理の問題なら小さくて無視していいかもしれないけど、現実ではそのせいで傷つくし進みにくくもなる。電車の広告ですらマイ>>続きを読む

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

4.2

現実と自分の中でのこうありたいという姿とのギャップに追い詰められる。後者は刷り込みとか環境とかによるものが大きいし普遍的。
御伽噺的な舞台と演出、元来胡散臭い雰囲気のある田中圭、もはや演技なのか分から
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劇場版 ほんとうにあった怖い話 事故物件芸人2(2021年製作の映画)

1.4

まったくこわくない
こがけんの歌の続きが返ってくるとこはめっちゃ笑った

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

ポリティカルサスペンスじゃなくてゴリゴリの恋愛映画だった
キム部長を主人公の女の子とした所のダメ男彼氏の大統領に言い寄る女のクァク室長+ダメ男被害者の会のパク部長。暴走する男を止める三角関係ものとして
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

4.0

サマラウィーヴィングしか勝たんのよ
クレイジーさと編集のテンポ感と安っぽさと脚本の雑さがめちゃめちゃちょうどいい。

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.6

信仰がひとつの大きなテーマだが、迷える子羊たる我々は救済に値するのか、権威と結びついた教会は本当に人々の為になっているのか、犯罪者が信仰と関わってはいけないのか、わちゃわちゃした問いがいっぱいだけど観>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ブラックジャックのピノコの凶暴版みたいな
序盤の王道ホラーと少しの違和感が後半スルスルっと回収されていくのとラストのモータルコンバットが爽快。アクアマン等アクションを経験した監督がそれを思いっきりホラ
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レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.3

オンライン試写にて
ヘアネットロック様で延々笑ってたし唐突なエド・シーランで笑い死ぬかと思った
荒唐無稽でケレン味マシマシ、ついでにグリーンバック感もマシマシ。久しぶりに頭カラにして笑ったなー
脚本も
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欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい(2021年製作の映画)

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恋愛において人のものになるってのは彼氏/彼女になることじゃなくて片思いしてる状態のことなんじゃないかな

Shari(2021年製作の映画)

4.2

圧倒的映像美と重厚かつ繊細な音響が素晴らしい。斜里で実際に暮らす人をドキュメンタリックに描く手法はクロエ・ジャオ監督に通じるものがある。しかしこの作品は紛れもなく吉開監督自身の映画でもあった。鹿の肉を>>続きを読む

扉を閉めた女教師(2021年製作の映画)

3.5

山岸逢花は特に知ってたわけじゃないけど映画が終わる頃には好きになってた。
密室のワンシチュエーションでの変化が丁寧だし、教師の方の背景とかその後とかの余白が想像を掻き立てる余韻を生んでいて豊か

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.8

ギルガメッシュからセナ、セナからセルシ、セルシからスプライトへ手を合わせるアクションの連鎖が涙腺を刺激する。
シャンチーに続いてMCUらしからぬ雰囲気だけどアクションとVFXはハイクオリティで素晴らし
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きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

3.4

ブラックすぎる風刺で「お前らいつまで戦時中と同じことやってんだ」って言われてるようだった。
楽隊の話だからもっと音楽の力が~みたいな展開に持っていくと思いきや、芸術の力では戦争は変わらないし人間の愚か
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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

3.8

「アカデミー賞ものの俳優かブラックパンサー党の信者だよ」助演男優賞取るのお前かよ、なダニエル・カルーヤの演説のすさまじさ。ラキース・スタンフィールドの追い詰められた表情も素晴らしかった
潜入する先が逆
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.5

燃える家を見つめるユン・ヨジョンってミナリでも見たぞ。
韓国のクライム映画にしてはグロい抑え目、血は出るし痛そうだけど。ストーリーもなかなか面白かったけどもうちょいケレン味に話振っても良かったのにな

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

3.3

近代ロシア文学をまんま映像にしたみたいな冗長さと1人喋りと暗さ。
「何を見せられているんだ?」な序盤から演技だかなんだかよく分かんない描写がバンバン出てきて不安になる。だってあれほんとにやってんじゃん
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劇場版 ほんとうにあった怖い話 事故物件芸人(2021年製作の映画)

3.3

みちおの得体の知れない怖さをホラーに昇華した作品
ジャンプスケアっぽいけど音での脅かしが弱いのと接触してくる幽霊は怖くない(持論)ので微妙な出来。芸人を前面に押し出してるのに笑いの要素が少ないのも勿体
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.9

ブレブレ画面なのに構図とかカメラワークめっちゃすごい
アクションやバイオレンスという非日常が日常のグラデーションの上にあるってことのリアリティがあって説得力が半端ない。ベイビーわるきゅーれの2人もそう
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恋する遊園地(2020年製作の映画)

3.4

燃ゆる女の肖像といいノエミ・メルランの恋路は障害が多いな
機械を愛するのが理解できないとか言うけど人間同士の恋愛だって理解できないことばっかだよ。みんな違ってみんな変。それを受け入れるのが大事だと思い
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メインストリーム(2021年製作の映画)

3.0

ポンポン話が飛ぶからついていけん。
言ってることは一理あるんだがお前が言うなよってのが最初に出ちゃうんだなー

ひらいて(2021年製作の映画)

4.3

今年の偏愛映画枠にぶち当たりました。すき
幸の薄そうな顔でお馴染みの山田杏奈だけど実は無表情だと怖いよねーを上手く生かしていた。
美雪の部屋での会話の違和感から大胆な行動に出るあのシーンがまあ怖いこと
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

3.7

幽きのタイトル通りの小さな小さな変化を丁寧に描く。大きなイベントはなく人間関係の微妙な変化を丁寧に見せるだけなんだけどその感情の掬い取るのが上手いこと。さすがの今泉力哉。
みんな優しいし温かい。

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.3

至るところに配置された鏡映りの存在や対称的な関係が見事。長尺を出来事によってではなく、視点の入れ換えによる驚きとヒリつきで引っ張っていく脚本も素晴らしい
テレビ局は学校を悪者にしようとし、由宇子の父は
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.8

IMAXレーザーGTにて
クレイグ版のみ観てる状態で鑑賞
カジノ・ロワイヤル大好き人間なので序盤のあの展開とフィリックスが沈んでくのがヴェスパーと重なってもうダメだった
パロマもっと出して欲しかったけ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

IMAXレーザーGTにて
原作に食われないドゥニ・ヴィルヌーヴの作家性さすが。壮大な自然と重低音、そして親(とくに母親)の物語としてDUNEと自身の強みの重なった部分を上手く抽出していたと思う。
ベネ
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007 スペクター(2015年製作の映画)

3.7

慰めの報酬で決着付けたとはいえやっぱりヴェスパーは心残りあったんだろうなとは見てて思ったし、それだけに最後は「ようやく前に進めるのかボンド」みたいな感慨があった。レア・セドゥのキャラが薄く感じたから若>>続きを読む

007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.7

茶色基調の室内のレイフ・ファインズのブルーのシャツとか、寒空にはためくユニオンジャックとか、色彩感覚と画面構成がお見事。さすがのロジャー・ディーキンスといったところか。
物語としては世代交代を描きつつ
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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.2

前作からの流れとしてはまあいいんだがアクションが見づらい。やってる動き自体はなかなかいいけどカメラの動きが激しすぎて位置関係とか分からんし、オペラとの交互のカットバックとかも面白いけど見せ方が上手くな>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.9

タイトルと予告編からは想像できない展開に面食らいつつ、結局のところステイサムが無双するのは読めてた。だがそれでいいそれがいい。
時間軸こんなにいじる必要あるかな?とは思ったけど動機の意外性を上手く出せ
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黄龍の村(2021年製作の映画)

4.0

阪元祐吾監督またしてもめちゃくちゃおもしろい映画を作ってくれた!
この人にアクション撮らせたら全部間違いない。監督の若者の「キラキラしてる人」と「キラキラしてない人」に対する解像度が高いので設定や展開
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.7

安定と信頼の死霊館
今作は序盤から見せ場の悪魔祓いでちょっとしたミステリー要素もありつつ、やっぱり怖い。
これまでのウォーレン夫妻のイメージだと精神的にキツいロレインをエドが支える感じだったけど、今作
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