抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.9

ゴジラとかの怪獣映画好きとしては、こういろんな面倒な時間関係の云々を抜きにして数とサイズが正義な世界は非常に好感が持てる。どんなに強かろうカーンだろうと、デカい相手には仕方が無いのだ!大体デカい人間が>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.6

前半は修道院の中での禁忌とされる同性愛の物語なのだが、後半でそれを反転させて男性の嫌なところ、中世の嫌なところを全開にしてくる。無論それは転じて現代への視点だが。
と同時に神という存在の不可視さ、信仰
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ダーティハリー3(1976年製作の映画)

3.3

1.2と比較するとなんか金目当ての集団の犯行なのでハリーに伍する悪役はいなかった。
代わりに女性刑事、それも記録係でキャリア形成してきた人物が彼の新しいパートナーとして登場する。イーストウッドの横に新
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

100markごとに名監督。タイミングが被ったので、パク・チャヌクで行きましょう。
これまでの監督作と比較しても、とにかくエロとグロを排除して過激なことをしていない。それゆえに、ヒッチコックの『めまい
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オーファンズ・ブルース(2018年製作の映画)

4.1

幼馴染のヤンを探す旅路。
どこか香港映画とか、その辺の匂いのする無国籍感で大学の卒業制作なのにロケーションがすごくいい。景色も光も商業レベルと言っていいのでは。
ヤンを探すエマだが、ヤンの弟バン、その
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くじらの湯(2019年製作の映画)

3.2

銭湯。小さい子にとって、多くの人の裸を目にする銭湯っていうのは怖いものなのかもしれません。
担当スタッフの中には、山村浩二監督や矢野ほなみ監督がいて、確かになるほど!と思った

エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆(2022年製作の映画)

3.5

タコと恋愛した映画が長編ドキュメンタリー部門を制した後だと、インドゾウを保護して親子関係的に過ごしている話はすごく薄味に見えてしまう。 

マスク(1994年製作の映画)

3.7

ジム・キャリー劇場。思った以上にどうでもいいコメディみたいな感じになってる。
マスクを被るとなりたかった自分になれる!というのはある種のスーパーヒーローものだが、徹底的に責任を取ることから逃げ、面白お
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バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

2.5

いやー面白くなかった。
つまんねえというか、勝手にやってろというか。綺麗な映像、すごい撮影なのはわかる。分かるが、フェリーニの8 1/2的なご自身の話をされてるんだろうな、と思うんだけどフェリーニの方
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How Do You Measure a Year?(原題)(2021年製作の映画)

3.7

2歳から18歳まで、娘のエラに対して幾つかの質問を固定で投げる様子を記録したもの。何が人生で楽しい?夢は?1番怖いものは?お父さんとの関係はどう?
ある種のホームビデオではあるのだが、成長していく様子
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アイリッシュ・グッバイ(2022年製作の映画)

3.7

お母さんが死んだ。彼女の遺したやって欲しいことリストをやるアイルランドの兄弟のコメディ。
弟さんの顔がいいし、神父?牧師?のとぼけ感も結構好き。ただもういかんせん字幕生成が困るぐらいちゃんとアイリッシ
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The Red Suitcase(原題)(2022年製作の映画)

4.8

今まで見た短編の中で1番かもしれない。
ルクセンブルクの空港に降りたたったイスラム圏の少女。何故か彼女は外に出て行きたがらない。
外に待っているのは花束を手にした中年男性。彼女は買われたのだ。
空港の
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氷を売る親子(2022年製作の映画)

4.0

断崖に住まう親子。彼らは高所での生活の強みを活かし、水を凍らせてそれを麓の街に売って生活している。
高所における上からの視線、落下へのハラハラと断崖の危険性が序盤から心臓を痛めた上で、ちゃーんとそれが
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An Ostrich Told Me the World Is Fake and I Think I Believe It(原題)(2022年製作の映画)

4.7

ダチョウがこの世界は嘘だよ!と言ってくる、というタイトル通りの作品…だと思ったか!!
ストップモーションアニメでトースターを売るセールスマンの話なのだが、どうにもオフィスがおかしい。そこにエレベーター
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My Year of Dicks(原題)(2022年製作の映画)

3.5

ロストバージンについての話を5章立てにして、4章まではあと一歩だった的なものをテイストを変えてやっている。ホラーだったり、ジャパニーズアニメだったり。基本がロトスコープなのでそこの差異が分かりやすく、>>続きを読む

The Flying Sailor(原題)(2022年製作の映画)

3.5

船の爆破事故の爆風で吹っ飛ばされた男の人のお話。セリフなしで死の走馬灯のような瞬間を、ザ・たっちの幽体離脱を思い出させながら無限に広がる世界で描く。ああいう時はスローモーションで無音、みたいな演出は実>>続きを読む

Stranger at the Gate(原題)(2022年製作の映画)

4.5

アメリカ、インディアナ州のある街。
難民として逃げてきてムスリムのセンターが建てられているなど、おそらく一定のイスラム教コミュニティが成立している。
一方で、そこに学生時代に薬物に溺れ、人生を海兵隊で
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ルパン三世 ワルサーP38(1997年製作の映画)

3.8

やけにアニメーションがルパンのテレビスペシャ ルにしたらいいね、と思っていたら、演出水島精二!原画に今石さん!どおりで!と知ってる人がいたら途端に納得する浅薄な人間で。
話としてはルパンの中でもお気楽
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ナイアガラ(2014年製作の映画)

3.7

PLAN75の早川監督、流石というかPFFの他の作品よりも結構映像として決まってる感じがある。
祖父が両親を殺して拘置所にいる、という状況の孫の話なのだが、撮影すること、録音すること、記録することに対
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あんたの家(2010年製作の映画)

3.1

ストーマ、いわゆる人工肛門をつけることになった老人とその妻の話。介護の辛さをドキュメンタリックに掬い取っているようでいて、夫婦という関係性において私の家ではなくあんたの家、自分の生涯が誰かの世話で搾取>>続きを読む

からっぽ(2018年製作の映画)

4.0

いくつものバイトを掛け持つまちさん。ふとした会話から絵描きと同棲し始めるが、彼女は職場ごとに仮面を掛け替えている。そんな彼女をモデルに彼は絵を描く。その中で彼女は別の男性と会うようになり、本当の自分、>>続きを読む

Infiesto/インフィエスト(2023年製作の映画)

3.5

女性の監禁事件が発覚、それを調べていく過程でどんどん他にも誘拐された女性がいることがわかり、更にその裏にでてくる別の目的が分かるラスト。このラストでこの映画がコロナ禍の緊急事態宣言下であることの意味を>>続きを読む

ガメラ対深海怪獣ジグラ(1971年製作の映画)

3.0

大映が本当にお金がなくなり、配給はダイニチに。おまけに鴨川シーワールドの大協力というか、大広告と共にお届けする。おかげで東京でマグニチュード12だかの地震を起こされても鴨川シーワールドは無傷なのだ!そ>>続きを読む

オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016年製作の映画)

3.4

ボクシングの世界戦を控えて、恋に目覚めたボクサーの物語。本当に世界で1番幸せな日ってチャンピオンになる日なの?という問いを投げかけるモノクロの映像がどこか懐かしさを漂わせた。
ただねえ、私最近あしたの
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ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

4.3

『Flee』や『FUNAN』を思い出すタイプの凄絶すぎる状況だけどアニメーションにすることでフィクションのエンタメとして楽しめる面があるタイプの作品。lifeboatみたいなまんま映しちゃうことで強度>>続きを読む

ガメラ対大魔獣ジャイガー(1970年製作の映画)

2.6

前回は大車輪で東京オリンピックに乗っかったから今回は万博だ!とはなるが万博感は無かった。
ギロンは個性的すぎて気にならなかったが、ジャイガーは個性がない上での着ぐるみ感が強すぎてしんどい。個性が死んで
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ガメラ対大悪獣ギロン(1969年製作の映画)

3.1

いよいよ子どもが宇宙船に乗って宇宙に行ってしまいました。あっさりとやられる宇宙ギャオスが可哀想ではあるが、もう見た目が独特すぎるギロンの格を上げるには仕方のないこと。バラバラになるギャオス。ギロンはこ>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

いきなり猫の目線になる有村架純、ブランコを立ち漕ぎする有村架純、ホームレスを風呂に入れる有村架純でこれまでの有村架純とは違う姿を見せたいのだろう、と受け取ることが出来る本作。
不登校の子、鍵っ子、失明
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花様年華(2000年製作の映画)

3.2

ずっと知らんわ、って思ってた。うーん、いい歳こいて隣同士での不倫になったけど清らかにプラトニックだったわ、あの時ああしておけば…なんていうのは碌なもんじゃないと思う。こういう綺麗事が見たけりゃ高校生の>>続きを読む

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.9

安楽死とは明確に線を引いた尊厳死、というものをしっかりと描いた。自分の体が自分の思い通りにいかなくてその現実を受け入れられないおじいちゃんが尊厳死を決意し、それをどう受け入れるか悩む娘たちの話なのだが>>続きを読む

マーサ・ミッチェル -誰も信じなかった告発-(2022年製作の映画)

3.7

ニクソン政権で司法長官長官だったミッチェルの妻マーサ。割と思い切りのいい言動で人気だったために放任されていたがウォーターゲート事件を経て彼女の言論は封殺され、彼女の人格を疑わせることで言論の信憑性を失>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

コリン・ファレルの困り眉とブレンダン・グリーソンの秘めたる狂気がアイルランドの島が世界そのものに見えてくる。大事なのはどちらの方が正しいのかを見ることでもなく、他人の退屈を奪わないことではなかろうか。>>続きを読む

ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968年製作の映画)

2.6

露骨!露骨にフッテージを使う!ガメラ攻略のためにコイツが何をやってきた見てみよう、じゃねえよ。
と同時に子どもの味方としてのガメラというのも大きく打ち出し、大人もガメラに対して恐怖心を抱いてない。結果
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大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス(1967年製作の映画)

3.5

ガメラが正義か悪なのかまだ絶妙に緩い状況の中現れたギャオスに相対する人間と、その出現場所の農村が高速道路の用地買収で揉めてる話とがうまーく混ざりそうで全く混ざらない。
とはいえ回転ホテルを使った怪獣対
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Haulout(原題)(2022年製作の映画)

4.0

男が極北で暮らす。何やら冊子を読んでいる。
映画の時間にして6分。扉を開けるとそこには想像もし得ない世界が広がっていた…。

是非、ご自身の目で確かめていただきたい。YouTubeで公開されている。
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.1

生まれた時に老人の姿で、歳をとるほど体は若返っていく。
そのワンアイデア一本勝負で、はっきり言えばそれ単体では決してネタとしては十分ではなかったように思えた。年齢が逆行していくことに対しての医学的な説
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