TnTさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

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キッスで殺せ!(1955年製作の映画)

3.6

なんかノワールだけど、ノワールと言い切れない変さがあった。流石カルト認定されてるだけある。男が女にめちゃくちゃモテながら、方や殺し屋をバンバン殴っていくという男の夢を詰め込んだ結果、アホみたいになった>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

3.8

暗くてもどかしい雰囲気。街の重い息づかいがもろに聞こえる感じがする。男二人と女一人、銃があり車があり、その先に金がある。そんな単純な、それこそB級映画みたいなストーリーだが、決して陳腐になっていない>>続きを読む

スティル・ナハト2 私たちはまだ結婚しているのか?(1992年製作の映画)

4.8

この耽美な世界観たまらない。クエイ兄弟が初めてMVを作った作品。曲はHis Name Is Aliveの「Are We Still Married?()私達はまだ結婚しているか?)」である。タイトル>>続きを読む

アッシャー家の末裔(1928年製作の映画)

3.7

ダークファンタジーぽい雰囲気のサイレント映画。Wikipediaで調べたら脚本にまさかのルイス・ブニュエルの名前が!最近みたブニュエル監督の「自由の幻想」にも棺桶から電話がかかってくる描写があって、>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.6

アンナ・カリーナが美しい。画面を占めるのはほぼ彼女の顔である。右から左から正面からとゴダールの彼女に対する目線は止まらない。しかしその目線はあくまでも男からのものであり、切れない性別による違いにとて>>続きを読む

田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

3.9

一度観ただけではその微細な演出やセリフを逃してしまう。映画というよりも文学であるのは、アンドレバザンの言うように彼の原作の翻訳の上手さにあるのかもしれない。

映画真っ先に始まった劇的な音楽がオープ
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英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.1

グリーナウェイだと思って期待しすぎてしまった部分もあるがテンポが好きじゃない。ワンカットが固定で長回しで、人物がそこ構図の中で動くわけでもない。ほとんど静止画の延長であるカットの連続なので助長的に感>>続きを読む

これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.7

最初は映像のモンタージュによる作品なのかなと思ったが、かなり散漫なイメージの羅列…。しかし、劇中に出てきた女性と他のカットのイメージがなんとなく結び付いていく。そこではっと気づく。ゴダールの「イメー>>続きを読む

イメージの本(2018年製作の映画)

4.7

常に映像の最先端を行く、そしてあくまでモンタージュにこだわり続けるゴダールの最新作。その通りの作品を今回も作っていた。そしてまた、ゴダールのノスタルジアの詰まった、いや映画とは個人史だと言わんばかり>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

2.8

なんだか雰囲気のみでおさまってしまった感がある。音楽もモノクロームも美しいが、それはかつてあったお洒落映画のノスタルジアを存分に詰め込んだだけであった。さらに非商業映画のいいとこを商業的に使っている>>続きを読む

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

4.7

まさにカオスを体現した映画だった。フェリーニ的でもあるが明るさはなく、タル・ベーラ的でもあるが崇高ではない。それでいて幻惑させるモノクロームと画面内の人物のせわしさとカメラのめくるめく動きに脳は破裂>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.8

自分の映画の好みというのは、所謂映画であることに対する表現の演出や形式のあるものだ。なのでこの映画を語るのは難しい。

「こわれゆく女」というタイトル通りある一家の妻が"こわれゆく"わけだ。自分はこ
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自由の幻想(1974年製作の映画)

4.4

やっぱり頭おかしいこの監督。
終始意味不明な癖に最後まで観てしまった悔しさ。最後まで観ても意味不明。本当のシュルレアリスムがここにあると感じた。

この映画の例えをあげよう。レオス・カラックス「ホー
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小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.5

ゴダールの長編二作目。

スパイ同士の恋の話で、全体的に政治的。モノクロームは前作もそうだったが、今回はノワールっぽくなっていた。スパイ同士の話なので銃や拷問も出てくる。ゴダール映画の銃や拷問は作り
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The Pearl(英題)(1929年製作の映画)

4.2

サイレント映画。

真珠を追う男と真珠を隠す女達の物語。この単純な設定から繰り広げられるシュールな世界がすごい!しかもこの翌年にあのダリとブニュエルの「アンダルシアの犬」が公開され、その翌年にはブニュ
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革命前夜(1964年製作の映画)

3.1

ゴダールを圧倒的意識するあまり、自身の制作の方向がぐらついたのでは?と思わざるを得ない作品だった。退屈はしなかったし、見てはいられたのだが。

まずは革命前夜というタイトルから政治的な話だと思うが
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

3.8

凝った美術とタキシードや華麗なドレスを着込む人々と、その見た目とは裏腹に繰り広げられる策略のギャップが面白い。終始人物の張りつめられた表情にクローズアップし、こちらの緊張感をぐっと煽る。
イタリア
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(1961年製作の映画)

3.6

イタリア映画は全体的に長く感じる。それは現実の時間(実時間)に寄せているからだ。映画と現実が違うのは現実の時間は際限なく続くが映画は高々1~2時間の物語であるということだ。だからロッセリーニの「戦火>>続きを読む

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

4.1

授業にて観賞。

実際の事件を実際に事件に関わった人間に演じてもらい、かと思えば本当の裁判記録の映像も使うという、わけわからんくなる映画。映像は、その中の真実を本当に伝えるものなのかという疑問を逆手に
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嘆きの天使(1930年製作の映画)

3.5

古い映画なんで、序盤退屈だった。というか前半1時間は笑うに笑えないコメディだった。ところが後半30分で人生がここまで堕ちるかという地獄みたいな展開がまっていた。
この映画のファムファタールであるマレ
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待つには遠すぎた初恋(2018年製作の映画)

3.5

外語祭にて観賞。
主人公の無表情に語らせる演出が多々あり、その説明せずとも伝わるものがよかった。翻訳者という中立した立場の微妙な人間との距離感に注目したのが外語大らしくて面白かった。ラストのセリフがこ
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