アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

底知れぬ愛の闇(2022年製作の映画)

3.3

殺人にまつわるサスペンス皆無だが、浮気相手も逃げようとする妻の荷物もムカつく隣人もまとめて水底にドーン!後は娘が歌ってハッピー!なオチが大変良かった。
終盤のチェイスで突然作家が三下セリフを吐きまくる
>>続きを読む

すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

2.8

こういう社会への青い反発モノはいかに若者の哀れさに乗れるが肝になると思うが、長門裕之の負傷の甥っ子って感じの川地民夫ではちょっとね。
ドライブシーンのカメラは良いと思います。

ハード・ウェイ(1991年製作の映画)

3.1

凸凹バディモノ…のわりにマイケル・J・フォックスがおとなしめなのがやや物足りない。
クライマックスの人形看板上での戦いは見もの。

海底から来た女(1959年製作の映画)

2.0

いかにも文芸映画な心理の野暮ったさで怪奇性ゼロ。

女子学園 悪い遊び(1970年製作の映画)

2.9

なんてことないシナリオでも精一杯画面でもたせようとする気概は買えるが、生真面目すぎてかえってチープさに拍車がかかってる節も…。
学校へのデモ中にろうそくを灯して合唱する女学生たちの多幸感が見所。

自分の穴の中で(1955年製作の映画)

4.0

前半はしょーもなくて陰鬱な感じがしんどいが、終盤崩壊した一家が豪雨によって無理くり閉じ込められたかのようになる密室劇のテンションの凄まじさに絶句。突然やってくる図々しさの塊のような利根はる恵が意味不明>>続きを読む

タイムアクセル12:01(1993年製作の映画)

4.0

サスペンス風味の恋はデジャブという趣きだが、面白さは遥かに上。
ループ3周目の起床時の決意から小気味良いミッションのこなし方が痛快。決死の4周目の勢いを挫くような5周目に爆笑するも、6周目の朝での捉え
>>続きを読む

アンビュランス/地獄の殺人救急車 狙われた金髪の美女(1990年製作の映画)

4.0

患者を誘拐する謎の救急車に追われる不条理サスペンス。傑作!
閉じられた女の叫び声に釣られて駆け寄ると向こうから救急車が突っ込んでくるショット!砕かれた扉から続いてパカパカと馬が現れる、なんという出鱈目
>>続きを読む

十六歳(1960年製作の映画)

3.5

胸くそ昭和の農村映画。
純真すぎて少し足りない浅丘ルリ子が翻弄されて地獄に落ちる悪辣さ。夕餉後の加須団欒パートの温かさが並ならぬだけに、家庭崩壊後の苛烈さが響く。飄々とした卑劣漢を演じる長門裕之が天晴
>>続きを読む

砂の上の植物群(1964年製作の映画)

2.1

性欲過多のキモいおっさんが女に触れて哲学的なことをウダウダ述べる映画なので勿論面白くない。『秋日和』的な志向なのかもしれないが、意味ありげな記号をばらまくだけなのは浅薄に思う。
姉妹丼かます直前のすっ
>>続きを読む

完全な遊戯(1958年製作の映画)

3.9

前半のケイパームービーの小気味よさから後半の湿度たっぷりな芦川いづみ劇場の落差がたまらない。
裏切りを知った失意の芦川いづみが帰宅して母の死体と対面する、凍るようなショットが最も素晴らしいと思うが、他
>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.1

いつものウェス・アンダーソンなおもちゃ箱空間を楽しむには充分ではある。[グランド・ブダペスト・ホテル』でもだが、様式を崩して普通の映画になる瞬間が好きだ。今回はギャグでしか使われなかったけど。

しか
>>続きを読む

ミッドナイト(1939年製作の映画)

3.4

ブダペストの作り話で相手の嘘を暴くネタ、アメリカでは鉄板なのかな。
どんどん入複雑になる人物関係とか離婚裁判で二人の仲を割かせないようにする判事など唸るような上手さのシナリオではあるが、映像的快楽を生
>>続きを読む

マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

3.6

ダコタ・ファニングが退場してから完全に別の映画になって驚く。デンゼル・ワシントンがボディガードとしての振る舞いをラダ・ミッチェルに問われるときの繊細な演出はどこに行ったのか!
車内でチンピラを拷問する
>>続きを読む

鶏の墳丘(2021年製作の映画)

2.5

一ミリも理解できないのはまあそういう映画だろうから良いとしても、ビジュアルにグッとくることがなかったので、うーん。
マジックミラーのくだりはなんか良かった。

死の十字路(1956年製作の映画)

3.5

山岡久乃が襲撃をかけるシーンが抜群の緊張感で見せきる。
筋の割に間延びしてる節はあるが、和製ノワールとしては格別に面白い。始末した死体とそっくりの男を今度はきっちり殺すことになる歪さも魅力的。

無頼 人斬り五郎(1968年製作の映画)

3.4

渡哲也と松原智恵子のロマンスがちょっと臭すぎるテイストで胃もたれしそうになるも、脇役がメインに据えられてくる後半がすこぶる良い。
南原宏治が線香の代わりにタバコを添えるくだりのしとやかな演出。
佐藤慶
>>続きを読む

ジェラシー(2013年製作の映画)

3.3

3人で公園をぐるぐる歩いていくシークエンスの他愛なくも贅沢な時間の切り取り方が素晴らしい。

The Sinking of the 'Lusitania'(原題)(1918年製作の映画)

3.7

映画の根源には嗜虐性が潜んでいることを再認識。
虫のようにパラパラと落ちていく人。アニメは"描かない”つもりならここまで無情に作れるか。

街は春風(1937年製作の映画)

3.5

脚本がプレストン・スタージェスだけあって言葉のぶつけ合いが面白い。円環構図で終わる洒落っ気よ。
会話だけでなく人が走って転がる勢いもある、お手本のように面白いスクリューボール。クライマックスのとにかく
>>続きを読む

地獄特急(1957年製作の映画)

3.6

男2女1構図の映画。若干恋愛模様が弱いので終盤の奮起も盛り上がりきれないのだが、面白い。
パトリック・マクグーハンのふてぶてしい悪漢ぶりも良き。取り巻きを使った嫌がらせの数々が巨大トラックを介した大掛
>>続きを読む

息子のまなざし(2002年製作の映画)

2.8

型にはまりすぎでは?運動への執着はあるが間延びがしんどい。

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)

2.3

数年前に見たが普通に下手だと思った。
最後のバイクでの去り方だけ最高。

リボルバー(1988年製作の映画)

3.0

ダラダラダラダラしてて独特の味はあると思うが、然程。
尾美としのりと柄本明がクライマックスで合流するとこまで呑気。

阿波おどり 鳴門の海賊(1957年製作の映画)

3.6

大友柳太朗と千原しのぶの再会シーンの湿度マシマシの情感。これがマキノだ日本映画だ。
メイン3人のキャスティングではリメイク元の足元に及ばないが、三バカの役回りや繋ぎのシーンのきめ細かさでこちらに軍配を
>>続きを読む

バスビー・バークリーの集まれ!仲間たち(1943年製作の映画)

3.3

画面に散らばる生首たちの合唱で〆られる異常映画。特に話に期待してたわけではないが、ここまで関心がない放り方をされるとビビる。
名高い果物帽子のレビューシーンは然程響かず。バークレーの幾何学模様の振り付
>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.4

自称700人殺しから逃げて部屋に駆け込んだときの焦燥など見事ではあるが、『リバー・オブ・グラス』の時にあった茶目っ気はもう見られないのか。

シチリアを征服したクマ王国の物語(2019年製作の映画)

3.7

伝説への敬意と潔さ。とても好みの題材とアプローチで良かった。真の最後を知るものは…!
戦争とサーカスのクロスカッティングが素晴らしかったので、ここはもう少し長尺でやってほしかったところ。幽霊とのダンス
>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

3.5

現代イラン映画って扉にこだわりがあるんだろうか。
コーランへの誓いを求められてからの人物の視線がサスペンスフル。

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島(2005年製作の映画)

3.3

ムチゴロウとナミが飲みながら島の真相が分かってくるパートが圧倒的にスリリング。
オナニーくさいのんべんだらりとした神作画の中で、ちゃんと少年漫画らしいケレン味を出してる松本憲生は偉い。
ルフィはウソッ
>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.5

真摯に丁寧に作られていて良い。無音になってからクレジット流すまでのリズ・アーメッドのアップが、厭らしさを感じさせず緩衝にひたらせるギリギリの長さで丁度よい。

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.6

なぜどいつもこいつもこんなにカメラを近くしてしまうのか(俳優に依存しているのか?)。折角の派手なカーアクションも台無し。
やはりマット・リーヴスはそんなに上手くないと思いつつ、ノワール志向な重さといい
>>続きを読む

グッバイ、ドン・グリーズ!(2022年製作の映画)

1.7

今年ワーストかもしれない。
特に電話ボックスから聞こえるベル音が荘厳なのがセンス死んでる。異化効果台無し。なまじ電話ボックスの見せ方が良いだけに演出が引っ張られている。
いまどき誰が泣くんだよこんなバ
>>続きを読む

リプレイスメント・キラー(1998年製作の映画)

3.0

マイケル・マンでいくかジョニー・トーでいくか迷ってる感じ。結局どれでもない独自路線を取っていけたから良かったね。
ゲーセンでの銃撃戦が一番楽しいのだが、駐車場で巻き添えくらい蜂の巣にされる女が、普通に
>>続きを読む

バットマン フォーエヴァー(1995年製作の映画)

2.6

完全にジム・キャリーのための映画。
トゥーフェイスもロビンもまるで興味がないまま作られているのが丸わかり。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.5

冒頭のグラスで一杯煽るショットから感じた期待値は超えなかった。
ダレるカットは一つもないし相当に上手いとは思う(ドライブ中の風景は少し手癖を感じるが)が、自己憐憫がすぎて興ざめしてしまう面もある。カサ
>>続きを読む