たぬーさんの映画レビュー・感想・評価

たぬー

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愛と誠(2012年製作の映画)

1.0

梶原一騎原作の大ヒット漫画を下敷きにしたミュージカルコメディ。

原作の過剰さが今見るとギャグと感じるのはわかるが、これはひどい。あまりに原作へのリスペクトがない。三池崇史は梶原一騎に吊るされてしまえ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの伝記映画。
オッペンハイマーが原爆を作るタイムラインとオッペンハイマーが共産党のスパイと疑われるタイムラインとオッペンハイマーを敵視することストロースの視点のタイム
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

1.5

100エーカーの森に暮らすプーさんたちは実は半人半獣の化け物で大人になっても自分達を見捨てたクリストファーロビンへの恨みから人間を憎むようになる話。

スラッシャーホラーのキラーになったプーさんとピグ
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.5

フィンランドの伝説的兵士がナチスのクズな軍人を皆殺しにする話。

スラッシャー映画のキラーのような無口な不死身の殺人鬼がヒーロー的主人公というのは新鮮。低予算ながらルックも悪くないが、金があまりに偽物
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

3.7

音楽をエネルギーに変換する惑星から来た少女とのび太たちの話。

アバンタイトルの人類と音楽の歴史をなぞるような演出から気合いを感じる。最近のドラえもん映画は製作者がドラえもんという世界観の中でできるク
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.5

黒人の純文学作家が金のためにステレオタイプな黒人像の犯罪小説を書いたら大ヒットしてしまう話。

無自覚だったけど、エンタメに描かれる黒人描写って貧困と差別と犯罪があるのが当たり前と自分も思い込んでた。
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.3

自宅の屋根裏部屋から落下死した夫の殺人罪で容疑者となった妻の法廷劇。

演技と演出は素晴らしい。夫婦喧嘩シーンを聞かされる息子キツすぎる。犬の演技凄すぎ。
事件の真相は観客にも最後まで明かされない、裁
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.5

子供の友達ロボットが暴走する話。

ドラえもんでキレやすい女の子ロボットが出てくる回があったけど、あれにかなり近い。
のび太のことをひたすら肯定し続けるロボットにのび太が依存してこのままだとダメ人間に
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

何をやっても最悪のさらに上の事態になってしまう男の地獄めぐり。

試写会にて鑑賞。
4部構成になっていて第1部、第2部はひどい状況ながらポップな色使いやテンポの良い展開で楽しめたものの、3部の演劇的な
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

自殺した妊婦の胎児の脳を母親に移植し蘇生して生まれた女性の往きて帰りし物語。

薄気味悪い設定だがこれはバービーを想起させるようなフェミニズムをテーマにしたブラックコメディ。
映画が始まってすぐにウィ
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.3

奨学金でオックスフォードに入学したダサ男が実家が極太のイケメンに取り入って名家に入り込む話。

バリーキオガン無双。
ひどい話だけど痛快。
バスタブのシーンは映画史に残る。

フェリックスの家族は大金
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.6

プレステのグランツーリスモの大会優勝者が現実のレーサーになる話。

物語としては超王道な少年マンガのようなスポ根もの。恵まれた才能を持った主人公、代表者を決める選抜チーム内でのライバルたちとの戦い、厳
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.1

色々あって無一文になったポルノ男優が別れた妻の家に転がり込んでくる話。

主人公マイキーの清々しいまでのクズ男ぶり。元妻の家に無理やり転がり込んで色々な問題を感じとり、一般的なストーリーならここでクズ
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

4.2

メキシコで娘が誘拐ビジネスの犠牲となった母が全てを懸けて娘を取り戻そうとする話。

映画が始まって8分で最悪の状況がスタートする。全体的にとてもテンポ良く説明無しでストーリーや人間関係が把握できる演出
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シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)

3.3

シャザム軍団対神の三姉妹。

明るく楽しいお子様向けな荒唐無稽ヒーロームービー。
鉄橋の人命救助シーンなどCGIのクオリティはすごい。
シャザム軍団がボンクラなのはしょうがないけど、ヴィランの三姉妹も
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

ティーンエイジャーが90秒だけ霊を取り憑かせるという危険な降霊術にハマる話。

ジャンル映画として十分な面白さ。
HBOドラマ「UFORIA」を意識したような舞台設定でのホラー。スタイリッシュでテンポ
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終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

非常に現代的でリアルな『世界の終わり』
都市の喧騒から離れ貸別荘で休暇を過ごしていた家族のもとに別荘のオーナー夫妻が都市が大規模な停電に見舞われたという情報とともにやってきて徐々に恐ろしい事態にあるこ
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レイヤー・ケーキ(2004年製作の映画)

3.5

中間麻薬ディーラーが無理を言う元締めと馬鹿な取引相手とマフィアの揉め事に巻き込まれて七転八倒する話。

キック・アスやキングスマンの監督マシューボーンのデビュー作。
ポップミュージックの使い方やスタイ
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市子(2023年製作の映画)

3.5

3年付き合った女性にプロポーズしたら翌日失踪されてしまった謎を追う話。

ミステリーとしてものすごく良くできた構成。貧困、DV、難病といった問題を絡め杉咲花の圧倒的演技力と手持ちカメラによるドキュメン
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(2023年製作の映画)

3.5

本能寺の変における信長と明智光秀と秀吉を中心にした時代劇コメディ。

景気良く首が切られ、豪華キャストが血まみれ、振り切ったギャグ、男性同士のラブシーン多数という楽しい映画。

皆方言で話す世界観の中
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アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦時アラブの民を率いて活躍したイギリス人将校の話。

異界であるアラビアで高いコミュニケーション力でいがみ合うアラブの諸部族をまとめ上げ英雄的な活躍をするロレンス。アラブ人に寄り添い、生ま
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シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

3.8

太平洋戦争中に爆撃機に乗り込んだ女性兵士がセクハラと零戦と謎の怪物と戦う話。

たった83分の低予算作品ながらフェミニズム的テーマとアクションサスペンスを融合した傑作。
前半は機銃室での男たちとの会話
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雲の上団五郎一座(1962年製作の映画)

3.5

舞台劇として大ヒットしたドサ回りの芝居一座の話。

時代劇、浪曲、ウエスタンなど様々なジャンルの劇中劇が見られるのが楽しい。
昭和の喜劇役者は存在感ある。
のり平、八波むと志のコンビは流石。
フランキ
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私は貝になりたい(1959年製作の映画)

4.0

戦時中上官の命令により捕虜を殺した罪で戦犯として裁かれる男の話。

中居くん版のリメイクは観ていたのでストーリーは知っていたが、コメディアンであるフランキー堺が演じることで物悲しさが凄まじい。希望を持
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幻の湖(1982年製作の映画)

-

犬と一緒に走るのが趣味の雄琴でお勤めの風俗嬢が犬を殺されて復讐する話。

名脚本家橋本忍が原作脚本監督を務めた東宝50周年記念超大作。
伝説的珍作という評判は聞いていたが、これは聞きしに勝る大珍品。ち
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

凄腕の殺し屋が仕事を失敗した報復で恋人を襲われて復讐する話。

スタイリッシュシリアスバイオレンスコメディ。
フィンチャーらしいスタイリッシュでテンポの良い作劇。用意周到で几帳面なプロっぽい描写も楽し
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すべての美しい馬(2000年製作の映画)

3.3

戦争は終わり、テキサスではカウボーイは時代遅れになってしまった1940年代後半。天才的カウボーイ青年が親友と共にメキシコに行ってあらゆる体験をして帰ってくる話。

典型的な神話的構造の往て還し物語。
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

「X」の殺人BBAのオリジン。

毒親に育てられた可哀想なパールに感情移入でき、殺し方も痛快な感じなのでさほど罪のない人たちが次々に殺されるのもあまり気にならない。
ミアゴスの演技が凄過ぎる。長回しの
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正欲(2023年製作の映画)

3.3

世間一般の多数派に共有される「正しさ」の中で生きられない人と「正しさ」に縛られる人の話。

ガッキーと磯村くんは性癖という問題ではなくアセクシャルであることで生きづらさを感じているわけで、水フェチとい
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(2023年製作の映画)

4.5

2016年の津久井やまゆり園での大量殺傷事件をモデルにした話。

手を汚さず綺麗事を言ってないか?社会にどんな問題があるのか知ってて気づかないフリをしていないか?
色んな映画を観てきたけども、こんなに
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.5

過去改変で色々ごちゃごちゃになる話。

過去改変の理屈やマルチバース世界のご都合主義を気にし始めると集中できなくなるのだが、そこに目を瞑れば明るく楽しくド派手なアクションが楽しめる。
マイケルキートン
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.3

動物が買い物にやってくる百貨店のコンシェルジュの話。

ムービーウォッチメンの課題映画になったので、何の予備知識もなく、アニメーションということすら知らずに鑑賞。
鑑賞後に原作コミックも少し読んでみた
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

-

ロボットを絶滅させたいアメリカvsロボットと人間が共存する世界を作りたいアジア。

久々にハチャメチャに荒唐無稽な映画を観てしまった。。。
感動したという方は読まないでほしい。

ブレードランナー的な
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

アメリカ先住民のオイルマネーの収奪のために謀略を繰り広げる白人たちの話。

アメリカ大陸に渡ったヨーロッパ人による先住民への非人道的な行為については人類史においてもナチスに匹敵するものであり、その題材
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.5

伝説的ボクサーの実話を元にした嫉妬深いDV男の話。

スコセッシ映画の主人公はほとんどが暴力性を抱えた危うい男だが、本作でデニーロが演じるジェイク・ラモッタはボクシング以外は本当にダメなクズ男として演
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X エックス(2022年製作の映画)

3.7

田舎×エロ×高齢者ホラー。

1979年を舞台にした田舎の薄気味悪いジジイとババアの暮らす家の離れをポルノ映画撮影用に借りた撮影隊の惨劇。
調子こいた若者たちが田舎でコミュニケーションが成立しない連中
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