たぬーさんの映画レビュー・感想・評価

たぬー

たぬー

破墓/パミョ(2022年製作の映画)

3.5

4人組の悪霊祓いチームの話。

オープニング、カッコいい男女二人組がスタイリッシュにクライアントの不可解な事件を解決してゆくような話かなと思ったら、風水師と葬儀屋のおじさん二人が加わり4人組で先祖のお
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.0

エモいという概念を59分に詰め込んだような作品。

手書き感のある絵の豊かなアニメーション、これだけで涙腺が刺激される。二人の少女が手を取りあい成長してゆくのが描かれて、そこにピアノとストリングスのド
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

3.6

友達ができない犬がロボットを買う話。

擬人化した動物たちが暮らす世界。ビースターズやズートピアのような解像度でそれぞれの属性を深掘りするわけではなく、SINGよりもう少し粗い抽象度の高い世界観。
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トラップ(2024年製作の映画)

3.8

愛娘とポップスターのコンサートに来た父親は実はシリアルキラー。彼を捕えるためコンサート会場は厳重に警備されていた。

シャマラン演じるポップスターの叔父となぜたまたま出会うのか、レイブンはなぜ知らん男
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コマンドー(1985年製作の映画)

3.5

退役後愛する娘と幸せに二人暮らししていた最強軍人メイトリックスだが娘が独裁国家の元大統領一味に誘拐される。

テレビで何度か見たがボンヤリとしか憶えていなかった。
90分という尺に暴力と爆破がたっぷり
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

3.9

雪深い田舎町でのフィギュアスケートを軸にしたお話。

主演二人のスケート練習のシーンが素晴らしい。柔らかい日差しの下、幼さが色濃く残る美しい少年少女がスケートを練習したり遊んだりするだけのシーンがエモ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.6

姉からの長年の過干渉で神経を病んだ男が運命的な恋人に出会い生まれ変わる話。

PTAがラブコメ撮るとこうなるのか。
幕間に挟み込まれる美しい色彩とカッチリ作り込まれた画面はPTA節だが、非常に軽い作り
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プラットフォーム2(2024年製作の映画)

3.3

入る時に自分が頼んだメニュー以外食べないことで全員に食べ物が行き渡るというルールを守れば全員生き延びることができる!という管理主義が行き過ぎて、ルールを逸脱する者に厳罰を与える謎のリーダーが登場。
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死霊館(2013年製作の映画)

4.0

呪われた家にうっかり引っ越してきた家族と心霊研究家の悪魔祓い。

Jホラーと洋物ホラーのいいとこどり。
ゴア描写は無く、ギリギリ家族で見られるホラーエンタメ。
なんだか不穏な雰囲気は漂うものの、決定的
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.8

アメリカを二つに分ける内戦の最中に大統領に取材すべくワシントンに向かうジャーナリストたちの地獄めぐり。

ゾンビの出てこないゾンビ映画的ディストピア。
つい先だってもパレスチナ侵略に反対するプロテスト
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あんのこと(2023年製作の映画)

3.5

毒親すぎる母の元で荒んだ生活をしていた少女が親身になってくれる大人たちと出会い人生を取り戻すかと思いきや、不運と不幸が重なり最悪な結果に。

あんの為に体を張ってくれた唯一の大人であった佐藤二郎演じる
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あみこ(2017年製作の映画)

3.5

サッカー部のイケメンと恋に落ちた自意識爆発系女子あみこの物語。

ナミビアの砂漠の余韻が残っているうちに観たいと思い、ポレポレ東中野で鑑賞。満席。

荒削りな変な映画だけど、孤独な主人公の主観だけで突
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.0

社会と折り合いをつけられない21歳のカナの話。

だらしないし二股かけるしすぐ手が出るし、友達が真剣な話してるのに気が散って寄り添えないし、とても褒められた人物ではないカナ。
そんなカナも職場では淡々
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

温泉旅館で2分間のタイムリープコメディ。

タイムリープものは数あれど、タイムリープに巻き込まれた人々が基本的に全員タイムリープを認知するという設定は珍しい。そしてタイムリープの度に擬似もあるがワンカ
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

2.5

消えたスオミと5人の夫&元夫。

どうせ合わないだろうなと思いつつ、丁度いい時間の映画が他になくて観てきたけど、三谷幸喜の映画はとことん合わない。

舞台劇やテレビなら許容できるであろうオーバーアクト
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.2

ディズニーアトラクションの映画化シリーズ。
荒唐無稽で雑な脚本というか、現代の市中に幽霊屋敷が存在するって設定が無理難題。
子供もターゲットなので結果的に毒にも薬にもならないぬるい作品。子供と安心して
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.3

感謝祭のブラックフライデーセールでの暴徒と化した客による惨劇から一年後、当日現場にいた人々が次々と殺されてゆく話。

イーライロスが手癖でパパッと作った感じのカジュアルに楽しめるホラーコメディ。
70
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クライング・フィスト(2005年製作の映画)

3.7

借金を抱えた中年の元ボクサーと少年院に入れられてボクシングと出会う不良少年のワンスアゲインの物語。

完全にクズとしか言えないような過去を抱えた負け犬二人がボクシングに真剣に向き合い拳を交わし、戦いを
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.0

思春期の脳内の感情擬人化。

個人的にはピクサー最高傑作だった前作の続編。新たな感情の不安、嫉妬、羞恥心で喜怒哀楽をストレートに表現するのを避けるようになるのは思春期あるあるで共感できる。
不安が暴走
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.7

マレーシアの高校のタレンタイム(発表会)出場者の青春群像劇。

よくある青春群像劇という建て付けながら複雑な歴史を持つ多民族国家であるマレーシアならではのマレー人、イギリス人の血の入ったマレー人(家政
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Lie Lie Lie(1997年製作の映画)

3.7

写植技師と同級生の詐欺師のケイパー&バディもの。

90年代的な退廃感。妙に凝ったカメラワーク。
豊川悦司演じる詐欺師のペラペラな感じが良い。なんだかんだで佐藤浩市とバディ関係になって、鈴木保奈美と3
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.9

全寮制男子校の冬休み、家庭の事情で帰省出来ない生徒と宿直担当の融通の効かない歴史教師と戦争で息子を失った給食のおばさんの話。

1971年を舞台に当時の映画のスタイル、空気感を忠実にトレースしたルック
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.5

テニスプレイヤーの男2人と女1人の不思議な三角関係の話。

2人の男の試合が始まり、その2人とゼンデイヤ演じるファムファタル的な女との因縁が描かれる。

3人の出会いのシーンで3人でキスするシーンが最
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.0

殺し屋、テロリスト、破綻した銀行マン、強盗という追われる身の4人の男が流れ着いた南米の独裁国家で危険な任務を請け負う話。

1977年に巨費を投じて作られたものの興行的には失敗に終わった作品をフリード
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

3.0

不安神経症的な少年が暗闇を擬人化した存在と友人になって恐怖を克服する話。

チャーリーカウフマンファンなので観た。
チャーリーカウフマン作品に共通するテーマは、「個人が認知する世界はそれがいかに歪なも
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冷飯とおさんとちゃん(1965年製作の映画)

3.7

萬屋錦之介主演の山本周五郎原作江戸の人情もの3本立てオムニバス。
1本目「冷飯」は武家の次男坊という立場で嫁が貰えないことを気に病む古文書好きの男の話。
2本目「おさん」は大工の職人が妻の性癖に悩んで
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ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

3.5

スラッシャーホラー×不適切にも程がある!

現代の16歳の女の子がマイケルマイヤーズ的な謎の殺人鬼による連続殺人を防ぐためタイムマシンで1987年にGO! 
価値観のギャップ、現代でのおじさん、おばさ
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.5

池袋のIMAXで2回目観てきた。
いわゆるフルサイズのIMAX画角ではないので、池袋だと天地が余る。なので、普通のIMAXシアターでもOK。

改めてアクションシーンが本当に素晴らしい。前作ももちろん
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関心領域(2023年製作の映画)

5.0

アウシュビッツ収容所の所長一家が収容所の隣で豊かに暮らす日々。

見えないからこそ目を凝らし、耳を澄ませる。
登場人物の背景、そこで何が起きているのか、登場人物の目的は何か、何もかも具体的な説明はなく
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

戦後復興期の日本にゴジラが襲ってきて元軍人たちで撃退する話。

特撮がほんと凄い。ハリウッド超大作と比べても全く見劣りしない。オスカー受賞は伊達じゃない。
お話は非常にシンプルながら手堅い作り。
起こ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

地方の自然豊かな町で娘と二人暮らしする謎の男の話。

濱口監督作品は一筋縄ではいかない。
森を下から映した長い長いカットで始まるオープニング。何も起こらないが石橋英子の劇版が不穏な空気を醸し出す。
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愛と誠(2012年製作の映画)

1.0

梶原一騎原作の大ヒット漫画を下敷きにしたミュージカルコメディ。

原作の過剰さが今見るとギャグと感じるのはわかるが、これはひどい。あまりに原作へのリスペクトがない。三池崇史は梶原一騎に吊るされてしまえ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの伝記映画。
オッペンハイマーが原爆を作るタイムラインとオッペンハイマーが共産党のスパイと疑われるタイムラインとオッペンハイマーを敵視することストロースの視点のタイム
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

1.5

100エーカーの森に暮らすプーさんたちは実は半人半獣の化け物で大人になっても自分達を見捨てたクリストファーロビンへの恨みから人間を憎むようになる話。

スラッシャーホラーのキラーになったプーさんとピグ
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.5

フィンランドの伝説的兵士がナチスのクズな軍人を皆殺しにする話。

スラッシャー映画のキラーのような無口な不死身の殺人鬼がヒーロー的主人公というのは新鮮。低予算ながらルックも悪くないが、金があまりに偽物
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

3.7

音楽をエネルギーに変換する惑星から来た少女とのび太たちの話。

アバンタイトルの人類と音楽の歴史をなぞるような演出から気合いを感じる。最近のドラえもん映画は製作者がドラえもんという世界観の中でできるク
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