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昔、「贈与論」という理論をかじった。誰かから何か贈り物をもらうと、受け取った側は何かしらのお返しをして、貸し借りをゼロにしなければならないという、原始的な理論だ。
例えば、誕生日にプレゼントをもらえば>>続きを読む
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風景画しか描かない夫アイナーと人物画しか描かない妻ゲルダ。
女装を始めるとアイナーは絵を描かなくなる。対してゲルダは女体のアイナーの人物画を描くようになる。絵に郷愁や理想を描いたアイナーと、絵に幸せな>>続きを読む
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谷崎の原作を読んでいる身としては、足に対する理解が足りないように感じた。
原作には「僕は一人の男子として生きて居るよりも、こんな美しい踵となってお富美さんの足の裏に附く事が出来れば、其の方がどんなに幸>>続きを読む
作中に出てきたカッパのミイラは、佐賀の酒蔵に現存するカッパのミイラのはず。こだわりを感じた。
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アーレントはアイヒマン裁判を通して、ナチスの構造的な悪を指摘している。
ナチスが犯した悪で、最も大きな悪は大量虐殺であるのは誰もが知っている。では、その大量虐殺を実行したナチスの党員1人1人が悪であっ>>続きを読む
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ラストシーンはキリスト教の世界観を押さえておくと楽しめるかもしれない。
神の被造物である人間は、神に食べるなと言われた「知恵の実」を食べてしまう。これが人類が初めて犯した罪、いわゆる原罪だ。この原罪は>>続きを読む