ふわもこベビーポンチョさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ふわもこベビーポンチョ

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袋小路(1965年製作の映画)

3.8

カメラワークが良い。
めちゃくちゃ胸糞なはずなのに妙な笑いがでちゃうのは、登場人物の誰にもイマイチ共感できないからかもしれない。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.4

彼女の生命線は短い。小さく瞬間的な箱庭が彼らの生きる全てだ。過去も未来もなく、空だけがどこまでもどこまでも高い、そんな極縦長の鮮やかなスクリーン。季節は一瞬で、あとには何も残さない。

イメージの本(2018年製作の映画)

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時間の取り去られた映画。断片的イマージュ。しかし画面の外の僕らは確かに抗いがたい時間に取り巻かれているわけで、永遠をすら想起するそのずれは僕を茫漠とした暗い海に突き落とされたような気持ちにさせる。画面>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.3

例えば3歳の少年少女に街の絵を描いてもらったとして、その空はやっぱり巨大な飛行体で埋めつくされているんだろうか。たくさんのクレヨンを使い、最もみずみずしい感性で飛行体を表現した1枚に金賞のリボンがくっ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

隣のおっさんがイカや納豆、その他各種キテレツな匂いを放ち続けていて嫌だった。

戦争そのものよりは、あくまでオッペンハイマーという人についての映画だ。個人にフォーカスをあてている分基本的には淡々と進行
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黒い家(1999年製作の映画)

4.1

怖さはさすがに原作とは比べものにならないけど、映画全体を通しての彩度がめちゃくちゃ良かった。腹痛のときの青空みたいな、軽快と鬱屈の奇妙に混合したアンビバレントな陽気さが感じられる。

蝋人形の館(2005年製作の映画)

3.8

B級のくせしてなかなかおしゃれに見せてくれる。『何がジェーンに起ったか?』を観たことがある人ならテンションがちょっとだけあがる。美術が良すぎた。

女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

POVの良さとイマイチさが戦っている。特に前半はカメラマンに実体が感じられず、つくりもの感が強調されてしまった印象。カメラマンは常にそこにいて、もっと目線を集めなければならない。

全体的に大味で、思
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.3

世界は死によって色彩を増す。死を決意した瞬間から、「それ」が「そこ」にあるという至極些細な事実の一切があまりにも輝かしく思えてくる。まるで世界が監督になって、自分を離さないためにできるだけ美しい映画を>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.5

天使から人間になることとは、物語の主人公になることであり、そして無数の囁き声をかき分けてただひとつの声がきこえるようになることだ。僕が他の誰でもない僕自身として生きることはどんなに驚きに満ちた奇跡なの>>続きを読む

主戦場(2018年製作の映画)

4.1

慰安婦問題に関する中立的なドキュメンタリー、というにはいささか韓国寄りの内容。右派のオピニオンリーダーとしてあの差別主義者(としての面を強調された人物)ばかりをピックアップしたのは適切だったのか疑問が>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

4.1

「変態を恥じるな!」
園子温の見事にそそり立った股間の十字架に磔にされたまま、僕らは太鼓腹を丸く縁どる毛むくじゃらの稜線越しに、それをうっとりとしごき続ける彼と見つめあう哀れな犠牲者となる。バカバカし
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真珠のボタン(2015年製作の映画)

4.0

文字の発明を以て人類史最大の転換点とするのなら、地球史のそれは海の誕生にあるだろう。あらゆる存在のきっかけとしての海。それは時間や空間の輪郭をすら曖昧にする。その無限の振幅は、やがてあるひとつのボタン>>続きを読む

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

3.6

自分より背の高い草花に囲まれて、花びらを透かして手の甲を色とりどりに染め上げる光が万華鏡みたいにちらちらひらめくのを見つめながら、花々の濃密な精液のような匂いで鼻をいっぱいにしたい。そんな命の聖域に身>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.0

サイレント、モノクロという技術的な制約にかかわらず、その優れた画面作りやカット割りにより古臭さを感じさせない秀作。レストアのため画質が異常にいいことも確かに大きく影響しているのだが、この作品が100年>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

4.1

キッチュなハートフル・ドラマだと勝手に思い込んでもったいない見方しちゃった。この作品の凄まじさに気づいた時には遅かった。
忘れた頃にもう一度見たい。

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.5

歩いても歩いても、いつもちょっと間に合わないんだ。アキレスは亀に追いつかない。さまよう指先は蝶々に届かない。

ムキになって何かにしがみついては取り返しのつかないものをいくつも取り逃す。変われない自分
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バラカ(1993年製作の映画)

4.3

旋回するスーフィーは宇宙だ。
幾層にも折り重なった祈りの襞をかき分けるように星が流れ朝がくる。
手を合わせる。私はどこか遠くへ行きたい。敬虔な口付けをほどこす。私は死の恐怖から逃れたい。体を投げ出す。
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.3

いい映画を観た。『ルナ・パパ』観たときと同じ類の奇妙な爽快感と絶望に包まれる。

滅びゆく祖国より醒めない夢との心中を選ぼう。未来というのは火柱を立てて回転し続ける車椅子のようなもので、うんざりするほ
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新宿泥棒日記(1969年製作の映画)

3.7

鮮烈なカット。新宿はいいところだ。
盗んで手に入れた言葉が一転して決して盗まれない尊厳の一部となる。生業として尊厳を敷衍するのが作家で、尊厳を変換するのが娼婦なのだとすれば、両者の本質はそう遠くない
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.9

原作で名前しか出てこなかった人や場所が出てくるのが嬉しい。しかもグリンデルバルドとかヌルメンガードとかいちいち厨二臭いのも良し。
そして↑のアートワーク文字いっぱいでクソほどダサいな

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

4.0

ハリーたちによる落書き入りの『幻の動物とその生息地』を齧り付くように眺めていた小学生だった。(ゴイルの似顔絵がお気に入り)
自由帳に描くくらい憧れた魔法生物のあれそれが大迫力で再び映像化されるなんてあ
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トト・ザ・ヒーロー(1991年製作の映画)

4.1

あの人の隣の「あいつ」になれなかったと嘆く自分もまた、誰かが死ぬほど憧れた「あいつ」なんだろうか。

ナポレオン(2023年製作の映画)

4.1

恋人のセクスは翻るトリコロールに似て眩しい。
身を焦がす恋:小さな大事件。
アウステルリッツ:大きな小事件。


ページをめくる度に活き活きと動き出すダヴィッドの図録を見ているようだった。

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.8

割れた瞳孔の一つ一つが断片的にうつし出すデペイズマン

ザ・ビートルズ&インディア/ビートルズとインド(2021年製作の映画)

3.6

ビートルズの曲もっと流して欲しかった。
ホワイトアルバムと一緒にインド生活追想するとかを期待してたんだけど。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.4

熱線放射シーン最高。映像も音も大迫力で楽しかった。ストーリー、展開は萎えまくり‎ᐡඉ́ ̫ ඉ̀ᐡ ‎
飛行機はかっこよすぎた。