オトギバナナさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.2

白昼夢のような美しいラブストーリー。シチリアの闇に抗う純粋な強さに、丘や湖や梟やライトの美しさ。

見守っていたのは、だれ?実在する誘拐事件をファンタジーに仕上げるなんて異例だが、圧倒的な説得力。
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.8

ジブリの真ん中と、少年ジャンプの真ん中をブレンドしたようなアニメーション。まさか、こんな映画が中国から出てくるとは。いや、異なる真ん中を無理なく同居させるのも中国ならではのセンスなのかも。

日本だっ
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ラブソングができるまで(2007年製作の映画)

3.8

ヒューグラントとドリューバリモアの安定感と破壊力!キュートで楽しくてニヤニヤしっぱなし。2人の魅力をフルに引き出すシンプルな造り。マネージャーも姉も管理人も優しいので、余計にホッコリする。

ヘイリー
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.8

序盤から漂う得体の知れない空気。緩やかなズームアップと音で恐怖をかりたてるだけでなく、日中の晴れやかな映像でも恐怖が深まる。すごい怖いのに、謎と展開に引き付けられ、映像美で叩きつけられる。まるで、悪夢>>続きを読む

七つの会議(2018年製作の映画)

3.9

会議、企業という地味な題材を補って余りある重厚な顔!顔!顔!もう真剣で斬り合っているようにしか見えない威圧感で、戦国時代劇にしか見えなかった。展開も伏線も軽やか。

出てくる人、みんな適役でインパクト
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LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘(2019年製作の映画)

3.8

心を操る女、峰不二子の厄介と強敵。いつになく戸惑い、いつになく真っ向勝負な不二子。それを見守るルパンと次元がまたクール。

シリーズ恒例の、JAZZYな音楽とハードボイルドなタッチに痺れる。風呂敷が包
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.8

独特な感情を醸し出す北欧文学。美しくも恐ろしくもある雪の景色。抑圧された者の抵抗をじわじわと描き、炎によって、より描写は立体的になる。子役が2人とも見事。あのときの笑顔、炎を引き起こす決断、「君は何者>>続きを読む

レゴ(R)ムービー2(2019年製作の映画)

3.8

1を観てないと分からない造りだが、1のファンを納得させる見事な出来。もうオープニングから嬉しい。テンポよく吐き出されるギャグ、完全レゴ仕様のアクション、なのにすっと胸に染み込むメッセージ。

子どもで
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.8

無機質で空虚な質感、ミステリアスで引き付ける女、パントマイム、存在するか分からない猫、井戸の記憶。文学的な空気を漂わせながら、物語は謎を点在させながら進む。

村上春樹作品はいくつか読んだ程度だが、無
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シャザム!(2019年製作の映画)

4.1

シャザァム!

ヒーロー映画もここまできたか、というより、しっかり青春映画だった。贅沢なアクションの使い方も良いし、コメディもしっかり。屋上からシャザムするシーンといい、ばっちりキマッてるシーンも随所
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ヒース・レジャーの恋のからさわぎ(1999年製作の映画)

3.9

男2✖女2の、王道のラブコメ。しかし、キャスティングが尋常じゃない。なにせヒースレジャーなのだ。なんだあのキラキラした瞳は。なんだあの心を読みきった優しさは。

若きジョセフゴードンもキュート。ボーン
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ブレンダンとケルズの秘密(2009年製作の映画)

3.8

神話のような物語だが、語り口が滑らかで、ぐんぐんと引き込まれる。リアルさや立体を追求するのではなく、2次元を遊んでいるというか、装飾としての美しさを追求している絵が、独特で圧巻。アニメーションの可能性>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.8

霧の森の中に潜んでいる、アレンデールとエルサの秘密。物語も霧に包まれたように、一歩先が見えない。次々と現れる森の神秘や、美しい映像。軽やかに揺れるメロディーも心地よい。

パワーアップしたエルサの能力
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

4.2

王道のようでいて、奇才。童話のような物語に、絵本のようなキャッチーな絵。パラパラとページをめくるような、独特な早いテンポに、次から次へと出てくる心地よいメロディ。

女声と女声のデゥエットに、姉妹とい
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パリの恋人(1957年製作の映画)

3.7

「VOGUE」などで活躍した人気カメラマンを素材にしたミュージカル。本人が美術で関わっているためか、ファッションがま~お洒落。そして中心にいるオードリーヘップバーンの美しいこと!そしてなんと音楽はガー>>続きを読む

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.4

お化け屋敷のようなビックリ箱ホラー 。怖いっ!ていうより、なんかジョジョみたいで不気味で楽しかった。恐怖を具現化するスタンドと戦う少年少女、みたいな。

ピエロが生まれた背景、歴史が見えたらもっと怖か
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

3.0

その後の進化しまくったシリーズとか、ベンジーのたまらない愛らしさを体験してしまってるので、それに比べると物足りなく感じる。先が読めるし、筋が粗いし、アップやスローモーションも違和感。せっかくアンソニー>>続きを読む

ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

3.0

荒れすさんだ街・コンプトンで抑圧された日々を過ごしていた若者が、街のリアルを暴力的なラップで訴えスターダムにのしあがり、社会現象になった話。繰り返す支配、反発、支配、反発。

NWA、アイスキューブと
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ナイト ミュージアム エジプト王の秘密(2014年製作の映画)

3.3

安定のファミリームービー。子どもがこれ見たら、もう普通の博物館じゃ満足できんね。あんなプラネタリウムあったら、行ってみたい。

「笑顔になれ」。ロビンウィリアムズが愛しい。エイミーアダムスの後のマドン
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LOVE【3D】(2015年製作の映画)

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こびりつくような「赤」、点滅のような暗転が独特。これだけ美しい色彩、構図、音楽の感覚を持っていながら、人間の醜い内面を描きたいという強い衝動も感じる、いびつな作品。

滝の流れる公園、歩く2人をひたす
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アダムス・ファミリー2(1993年製作の映画)

4.0

妖艶さの増したウェンズデーが、最高にクール。出番も増した、というかもう主役級の扱い。ラストカットがまた最高にイカす。

前作よりコメディ寄り。でもブラックさはそのままで、ディズニー、サマーキャンプ、ス
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

悲劇と喜劇は紙一重。孤独であること、自分を偽ることが不幸とするならば、ジョーカーにとっては最高のハッピーエンド。神がかったカメラ、脳にこびりつく色彩、靴音のようなリズム、軋むバイオリンに痺れる。

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2番目のキス(2005年製作の映画)

3.9

ジミーファロンとドリューバリモアがなんともチャーミング!ローラーガールズダイアリーでも再共演した2人のベストカップルぶりが微笑ましくて、ほっこり幸せな気分になる。応援姿がまた可愛らしい。

展開には捻
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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

3.6

フェルメールやレンブラントの絵画のような光、影、空気に、チューリップバブル時代のオランダを背景に描く幾人かの女の群像劇。

愛に生きるというより、自ら翻弄されにいってる妻・ソフィア。そこを中心には置い
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センセイ君主(2018年製作の映画)

3.7

数学メガネ教師の竹内涼真と、恋愛空回りJK浜辺美波のラブコメ。ラブはあっさりで、コメディがしっかり効いてるので楽しい!今の若者はジュディマリを知らないと聞いてショックだったり、逆に得した気分だったり。>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

3.8

ゾンビでポップなロードムービー。配役がすごく良いな、それに尽きる。

なよっとしたジェシーがキュート、なんかニノに似てる。ウッディハレルソンもエマストーンもナイスな安定感、この2人ならアドリブでもっと
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50回目のファーストキス(2018年製作の映画)

3.3

オリジナルに忠実。オリジナルが大好きなだけに、またアダムサンドラーとドリューバリモアで観たいなぁと、ふつふつと思いながら観てました。

ムロ、二郎の抑えたかんじも良かったし、福田組初参戦の太賀が良かっ
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アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

4.2

「Are you unhappy?」「Yes♥」

あ~、もうたのしい!大好き!不幸を好む風変わりなアダムス家の、至福の災難。強いていえばミュージカルコメディなんかな、もう音楽が最高。全力で楽しそうな
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

4.1

アクションが凄えっ!本、犬、ナイフ、馬、、なんでも使うバリエーション豊かなアクションに、バイクのカーチェイスもド迫力。アイデア豊かというより、危険過ぎて誰も挑戦しなかったんだろうなという撮影、スタント>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

4.3

とある高校の教室でおこる、LGBTをテーマにした物語。これをテーマにした、他のどの映画よりも、すっと伝わる。この終わり方でいい。40分で綺麗にまとまっているが、授業で取り上げられやすいよう意識してるん>>続きを読む

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.8

オープニングがお洒落でスタイリッシュ!どの曲もどの服もお洒落、髪をあげての白スーツがたまらん。センスで襲ってくる映画かと思ったら、展開も面白いし、ラストもすっきり。構成にもセンスを感じる。

聴き馴染
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アクアマン(2018年製作の映画)

3.3

空からダイビング!砂漠から落ちる!わざわざ海上に上がってバトル!…いやこれアクアマンだよね、もっと水使って!途中もう船で移動してるやん!て思いつつ、インディージョーンズのような、特撮ヒーローのような、>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.7

「せかいは音楽で溢れている」。あの天才ピアニスト・栄伝亜夜を松岡茉優が演じる…とあって、いてもたっても居られず初日に鑑賞。いや~、すごかった。

演奏が、音楽が、すごい。松岡茉優、やっぱり天才、もう鳥
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.2

テイストは随分違うが、ホアキン版「レオン」といったところか。物語も映像も、ぐっと視界を狭くしてるもんだから、否応なしに鮮烈な音楽が耳につく。そしてホアキンの怪演が鮮烈。

寝そべって一緒に歌うシーンが
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

3.6

「きみは、彼らの物語に飛び入り参加してる」

いまなお、my「この小説はすごい」ランキング上位に君臨している今作。映画化の価値としては、まずは伊坂作品で欠かせないパーツになった濱田岳をキャスティングし
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メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

3.6

最高級の歌のお兄さんとお姉さん。特殊効果は色褪せても、旋律と歌声は今でもうつくしいまま。口ずさんだことのある歌ばかりで、どれも渾身のステージ。当時見てたらすごかったろうな。

メリーポピンズがお美しく
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