miさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

4.0

セックスのジャンプカット。首吊りの芸術点高すぎ。バスに向かって投げられるみかんの意味不明さ。裸で馬跳び。
箇条書きで展開されるような映画。好きな女は抱けない童貞映画。
ラストシーンに込められた衝動。

マイ・フレンド・フォーエバー(1995年製作の映画)

3.5

「友達を助けたくて、悪そうな大人たちから金を盗もうとしましたが、床で寝そべってる女の人がうつ伏せではありましたが、上半身裸だったので、ギンダチボンバーでした」


濱口竜介が人生で初めて映画を観て泣い
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

2.5

設定ガバガバすぎて笑う。京都で何しとんねん。
ただこういうモキュメンタリーにすることで幾分は見れた。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

2.0

ずっと変なテンションの小学生に付き合わされてる感覚でしんどい。
ギャップを出そうとすればするほど、オフビートにしようとすればするほどチープさが目立つだけな気がする。わざとチープにしたのではなく、チープ
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劇場版 おうちでキャノンボール2020(2022年製作の映画)

4.2

こんなに映画館で笑ったのはいつぶりだろう。
2013から観てきてる者にとっては懐かしさすら感じる。そして、撮影当時が2年前と聞いて時の流れの速さに驚く。
昨今賑わせてる映画界のハラスメント問題とはある
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M/OTHER(1999年製作の映画)

4.5

即興が故に直接的な説明なしで徐々に蓄積される関係性の変化。
闖入者であるはずの子どもの無邪気さにも圧倒される。
元の生活になんか戻れるはずもないのに、前を向いてるのか後ろ髪を引かれてるのか停滞してるの
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はりぼて(2020年製作の映画)

3.5

フリが効いてるからオチが輝く。笑いの構造をみな理解してるかのような不祥事の嵐。地方の方が大胆でザルなやり方は渾身のギャグ。
コメントすべきではないマン面白すぎる。
撮る側も撮られる側もパフォーマーに終
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.0

シンメトリーに捕らえられたFIXの画が全部決まってる。横移動も全部気持ち良すぎる。
「わいなにやってんねやろ」な表情がうますぎる主人公を見てると生きてる意味を見失いそうになって怖くなった。
涙なんか流
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

5.0

非常に上品なデカダンスの香りに終始興奮した。
冒頭からフレームイン・アウトの区別で完全にヤリにいってるが、観終わってから振り返るとめちゃくちゃ重要なシーンだと気づく。
ただし、あのシーケンスを堂々と冒
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パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

5.0

最高。こんな群像劇書けたらそこでキャリア終えていいんちゃうかレベル。
交わりそうで交わらない人々、それすなわち場所を描くことでもあり、どのストーリーも漏れなく魅力的。閉塞感を描くことに注力したわけでは
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.5

砂糖過剰摂取わがままボディのアケルマンを観察する映画。
ヤリ目で女の家に上がるヤリチンの如く堂々とした男前なアケルマン。
レスリングの如く絡み合う肉体の運動に本物のセックスをみた気分。

囚われの女(2000年製作の映画)

4.5

圧巻。圧巻。めちゃくちゃ面白い。
超絶メンヘラお坊ちゃんによる恋愛指南書。
どこまでも噛み合わない会話、身体のやり取り、価値観の不一致。
車が走っているロケーションが全部いい。
全てを知ろうとした彼が
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.5

疚しさや嘘・人間特有の業がどこにも存在せず、正義・優しさ・思いやりで綺麗に成り立つことに胸焼けすら感じる。
子どもたちのインタビューで出てくるセリフが本質突きすぎてて、人生との向き合い加減が自分とは段
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

「東京新宿区」と置き換えられなくもない気がしたが、簡単に割り切れない感情や関係の描き方には感銘を受けた。
自分が生きてきた今日という日は、誰かが生きてきた今日という日でもあるという当たり前のことに気付
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メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

3.0

ロードムービーとRPGの合いの子みたいな風情だが、理解しようとするとそれを拒むようなシーンの挿入に序盤で諦めた。
樹海と荒野の対比とともに、あそこで犬や白馬を放つ演出にはニコニコになるもののさすがに長
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.0

映画をテーマに扱いつつ、結局演劇がコアに位置しているので演劇で観たい。
スタッフや役者が若いことが青春との親和性を生んでいるとは思う。
キラキララブコメが一周してくる設定の面白さ憎めなさはさすがだが、
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チャルラータ(1964年製作の映画)

3.0

直接的な表現がないのがいいとも言えるし、物足りないとも言える。
そもそもが上流階級の話なのでそこまで肩入れできず。
最後急にクリスマルケルになってビビった。

大都会/ビッグ・シティ(1963年製作の映画)

3.5

今となっては歴史考証お勉強映画の側面が強すぎて楽しめない。夫が人格者すぎていい話になりすぎて楽しめないのは自分の性格の曲がり具合故だから仕方がない。
教師にだけはなりたくないと思ってたけど、その理由が
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ノロワ(1976年製作の映画)

3.0

終わった後数名のシネフィルが拍手してたけどマイク渡して解説してほしかった。
正直何見せられてるのかわからなすぎて試合放棄。
圧倒的なロケーションときれいなおべべを着た人間がいるのであれば、違う表現が見
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デュエル(1976年製作の映画)

3.5

顔と名前一致しない民には辛い展開も、実写でここまで表現できるのかという驚きは健在。
照明の演出が白眉。
途中から、誰も"スタンド"を使わないジョジョみたいな話やなぁ。と思うとなんか納得できた気分。
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ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.2

お伽噺と言えばお伽噺なのだろうけれど、緻密な設定・緻密に計算しすぎたのか、随分真面目だと感じた。
この世界観を真面目に描けること、決して異世界の話にしないことは実力の証なのだろうがスパイスが足りひんの
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.2

カニバリズムの設定頼りでキャラが立ってない。
主人公が入れ替わるのは「ほほぅ」となったが、家族の話としても中途半端だし、ピークの持って行き方も微妙。エンジンがかかるのが遅い。
そういう意味で2作目は今
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.2

役者魂という言葉では済まされない俳優部の肉体的負担は気になるものの、やばい奴は理由なんかどうでも良くなるぐらいただただやばい。を持続させたことに謎の感動を覚えてしまった。
久々にぐいぐい引っ張られて没
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アネット(2021年製作の映画)

3.5

凄いもんを見た感覚と、めちゃくちゃ退屈だった感覚とないまぜになりつつも、やはりレオスカラックスにしか撮れない独創性は確実に存在していた。
簡単に人を殺せそうなアダムドライバー。俳優ではなく一つの生き物
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.2

真実の章に映し出された男性の暴力と女性の涙が物語る歴史。
反復と差異の構成の仕方、省略の仕方がやはり職人というべきか。
この手のテーマを扱うにあたっては淡白な気もしたが、その分ハッキリと意図が汲み取れ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

この終わり方ならこの構成なのはめちゃくちゃ理解できる。
時を遡りがちな伊藤沙莉だけど、二人の関係性にフォーカスし続けることで脇も生きてくるし、あざとすぎて恥ずかしいところもあるにはあったけど、総じてよ
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殺すな(2021年製作の映画)

3.0

リアル夫婦の共演が強すぎて話があまり頭に入ってこないデメリット。

東京自転車節(2021年製作の映画)

3.2

27歳になるまで何してたのかが気になる行き当たりばったりの暮らしぶり。
この状況に追い込まれたというよりかは、これまた行き当たりばったりでUberを始め、ついでに記録的にとりあえず撮ったものを時勢柄映
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ひいくんのあるく町(2017年製作の映画)

3.5

単に故郷の過去と現在を描くのではなく、ひいくんを軸に置くことで見える街の人のリアルな息遣いと監督自身の街に対する思いがオリジナリティ濃く映される。
寂れた街の過去と現在を歩き続けるひいくんの足跡が短時
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さがす(2022年製作の映画)

3.0

構成はよくできてるかもしれんが、中身は社会派にも悪趣味にもなれない中途半端さ。
イメージだけで築き上げられた西成の描写にも腹立つし、結局探して見つけてってだけやんけ。って憤りが先行。
展開and手段あ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.7

ハッピーバースデー歌うくだりで、笑い飯のM-1での伝説のネタがフラッシュバックして笑ってたのボクです。
自分でもヒクぐらい泣いといて言うのもあれやけど、最終盤の蛇足&テンプレ感満載の展開にそこまでの涙
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扉を閉めた女教師(2021年製作の映画)

3.7

誰か来るかもしれない⇄誰もきやしない。の見事なスイッチング。
たまたま取れた果物→禁断の果実。汁気が多いのもポイント。
ちゃんと小声で「臭い」って言ってるのも良い。

欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだい(2021年製作の映画)

3.5

結構悲惨な話なのに暗さがどこにもないのが良い。
欲しがり奈々ちゃんと乳首弄り倒す店長。
俺も結婚できないなら店長のような生き方という選択肢もあるのだと見出させてくれた首藤さんに感謝します。

空白(2021年製作の映画)

1.5

フィクションに対してこんなこと言うの野暮だけど、マスコミの描き方があまりにも露悪的で、その時点で離脱。
報道の現場で働いたことのある人間からすると、さすがにバカにしすぎだろと思うし、作品に没入して胸糞
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スーパーミキンコリニスタ(2019年製作の映画)

1.5

これ劇場で観てたらと思うとゾッとする。
厳しい。すみません。
表面的なのにずっと滑っててずっと恥ずかしい。

春原さんのうた(2021年製作の映画)

3.5

正直一度観たぐらいでは自分の中に物語を精製できず困惑に似た感情が勝っている。極限まで説明を排除しているにも関わらず、決して突き放されてるような不親切な感覚はなく、むしろ寄り添うようにカットが紡がれてい>>続きを読む