miさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.5

起承転結の配分完璧やないか。
80年に入るときの強烈さと、一瞬にして流れていく時間の残酷さ。
スターがスターでい続けるのは難しく、栄枯盛衰・諸行無常に翻弄され続け、それでも帰る場所があることが何よりの
>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

3.7

現代ではスマホで撮った写真を指で画面をグイッてやるだけで引き伸ばされてしまうから、全然映画にならねーよな。とか考えてしまった。
自分が撮るものと撮りたいものは別物。撮りたいものが撮れたのかどうか煙に巻
>>続きを読む

狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.0

アルパチーノのための映画。
段取りグダグダの強盗シーンが良すぎる。これがどの現場でもリアルなんじゃないかと思わせる生々しさ。
共犯関係に陥る銀行員たちとの関係性の変異は早すぎる気もしたけど、そこが本筋
>>続きを読む

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

4.0

おもろい。カットのつなぎ方が良すぎる。編集うますぎる。
冷め切った愛の逃避行とでも言うべきか。それでも一連托生、離れられない男女の物語。
ただ一番よかったのは特殊ジャンルなNTRを展開する車中でのリブ
>>続きを読む

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

4.2

泥んこおっぱいがあるからこそ、リングでの輝きは一際目立つ。
リノでの決戦での入場シーンの長さに痺れるし、あそこの溜めで完全に高揚させられる。
ピーターフォークの漢気と、カリフォルニアドールズたちの奮闘
>>続きを読む

アフリカ物語(1980年製作の映画)

3.0

支度部屋で本読んでト書きを理解したうえでカメラ前で演技してるんちゃうかと思わせるチンパンジー。人間よりよっぽど演技うまい。
風景及び動物の描写が素敵すぎるけど、話がめちゃくちゃおもろない。
じいさんが
>>続きを読む

東京の恋人(2019年製作の映画)

2.0

事情と心情と人物紹介をセリフ・モノローグ・ビデオレター・ラジオ番組に落とし込んでとにかく喋りまくるのは冷める。お笑い芸人がネタ終わりでボケを口頭で説明するかのような小っ恥ずかしさを内包している映画好き>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.0

移動だけでここまで描ききってしまうことにただただ驚く。最小単位のコミュニティでの分断と選択。委ねるために、任せるというある種無責任な感情ではなく、明らかに手繰り寄せよう勝ち取ろうとする姿勢を見せる主人>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.2

決まり事、規範、モラル。そんなことわかってんだよ、耳が痛い。その枠組みからはみ出た者には優しくない世界線。それが社会ってもんだとするとこんなに辛いことはない。保健所のケージの中の犬=ウェンディともとれ>>続きを読む

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.5

閉塞感より諦念のような寂しさが強く感じられる。
窓ガラス越しの関係の断絶。
どこにも行けなくても生きていくのは幸せなことなのだろうか。
犬は可愛い。馬は神々しい。

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

3.5

出来事(爆破シーン)を描かないところがいい。現象になどハナから興味ないスタンスで黙々と人物を描くのみなの潔すぎる。
世の中に正義なんて存在しない。だから彼らが間違ったことをしたとも思えない。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

うまく言えないけど本質が映ってた。
話がどうとか撮り方がどうとかそんなフィクショナルな要素よりもっと高次元に本質のみを語るかのような饒舌ぶりとでも言うか。
3日を3時間に圧縮しつつも彼女の人生と孤独感
>>続きを読む

東京クルド(2021年製作の映画)

4.5

入国を管理する立場にある人間がその最大目的を放棄する以上彼らに希望が与えられないことをまざまざと見せつけられとてつもなく苦い気分になった。そもそも人が人の上に立ってはならないのであって、人権は等しく持>>続きを読む

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.0

死の恐怖すら感じる遊具でぐるぐる回される日本の元トップアイドル。ボディダブルではなく本人で全部やったとしたら関係者の誰かクビになってないか不安でなりませんでした。
無機質な音の中、警備員に見張られそれ
>>続きを読む

曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

-

分かんないんだよねー。と言いつつも、あがったもの見たときに「すげー」って思わされれば、現場では監督が一番優位に立てる。きっと何か考えてるだろうしついていけばいいと思わせてくれるから。言葉ではわからない>>続きを読む

Seventh Code(2013年製作の映画)

3.0

MVの概念崩壊。
ロシアの街中をひたすら走らされ、ダイナマイトが積まれたボロ車の荷台に乗せられる元トップアイドル。
果てしない一本道での贅沢な長回し。
建築物が悉くいいけど、話はそんなに。

予兆 散歩する侵略者 劇場版(2017年製作の映画)

3.5

スピンオフの方が断然面白いんだけど、ちょっと長い。終盤の染谷将太のしんどそうな演技はさすがに生身だけでは説得力が足りない気がした(目に見える身体的な変化とかあればよかったか)
東出昌大のフィジカル特に
>>続きを読む

贖罪(2012年製作の映画)

3.7

15年後の方がグレーディングでトーン落としてるのギョッとした。辛い過去より絶望的な現在を示唆しているようで。

1話目
サイコパスと変態の間を彷徨う森山未來。
こんな結婚相手は嫌だ。の大喜利での回答だ
>>続きを読む

DOOR III(1996年製作の映画)

3.0

説明台詞が多いので話がそんなに面白いとは思わないが、寄生虫の造形とか長回しとか相変わらず不穏な演出に富んでる。
狙いとかどうとかではなく圧倒的に光量が足りてないのが勿体無い。
あと劇伴で煽りすぎるきら
>>続きを読む

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

3.0

現実と虚構に関する話?やりたいこと詰め込んだ感はあるものの、正直よくわからん。
恥がどうのこうの言ってる映像に恥ずかしさを感じる。
風の演出はこの頃から健在。

勝手にしやがれ!! 英雄計画(1996年製作の映画)

4.5

勝手にしやがれ 英雄計画と書いてターニングポイントと読む。
確実にここから何かが変わる、もしくは変えるという意思が画面から伝わってくる。
長回し+行進+ロケにディストピア感のある設定に歓喜せざるを得な
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 成金計画(1996年製作の映画)

4.0

とにかくカメラの運動量がすごい。
登場人物のキャラが濃いというよりもはや知能レベルが下がってるように感じられるのが少し残念。
ありえない場所にある段ボールの山は面白い。マット置くよりマシだろ。ぐらいの
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 逆転計画(1996年製作の映画)

3.0

"逆転"に囚われすぎたのか勢いが失速。とともに都合と説明臭さが目立つように感じられた。
いくら競馬狂でも1000万BETは無茶苦茶。
にしても全ツッパした馬の名がコ、コ、コ、コロナハリケーンだと...
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 黄金計画(1996年製作の映画)

4.2

荒唐無稽さに拍車がかかり、劇中の登場人物が楽しそうに遊びまくってる。
冒頭の天本英世の扱いに爆笑。
『蜘蛛の瞳』への直接的な因果はわからないが多少なりともやろうとしてることの片鱗はみてとれる気がする。
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年製作の映画)

4.0

自分で決断するしかない→クライマックスでの決断。はアツいものがあるものの、射殺された人間がいるのに「ったく、世話が焼けるぜ」なテンションなのは解さないばかりかもはや面白くもある。
木村くんが異次元のヤ
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年製作の映画)

3.5

登場人物が動的で物語の進行も早く、かなりスタンダードな印象をうける。ただ低予算を感じさせないロケーションの数々。
コメディタッチなのでトラブルに怖さを感じないのは仕方ないところか。
まだ、Vシネ然とせ
>>続きを読む

ニンゲン合格(1999年製作の映画)

4.2

省略でテンポを生むことで、長回しが活きてくる。「台北ストーリー」のオマージュがあからさまかつあまり効いてない気はしたが、自分で決めろって藤崎さんも言ってたしな。
何もなかった土地に10年分の空白を埋め
>>続きを読む

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

4.5

すげーすげー。自由そのもの。ミクスチャー映画。
脈絡のなさに笑っていいものかどうか一瞬逡巡するもダンカンの挙動含め笑えるシーン多々。
なんと言っても1カットで見せることの面白さ。サンルーフから頭出して
>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

4.5

すげーすげー。恐怖が全部人間の内部に持ち合わせるものからくるのが何とも言えなく良い。
1カットに収められる人間の動きに対する位置が凄いと思ったら田村正毅さんでした。人間が怖いと感じる"遠さ"をピンポイ
>>続きを読む

復讐 THE REVENGE 消えない傷痕(1997年製作の映画)

3.7

採寸の際にチラッと見える結婚指輪!
相変わらず突如ロングで起こる銃撃戦はたまらんが、割と起こるべくして起こってるので無機質さより事情を感じる。
和気藹々とした組の雰囲気も一筋縄ではいかない急な殺しにわ
>>続きを読む

復讐 THE REVENGE 運命の訪問者(1997年製作の映画)

4.0

長回しで突如起こる無機質な暴力に痺れる。
ファーストシーンでいきなり誰が何をしてるかわからない時点でジャンルの規定がなされてる気がする。とにかく不穏。拳銃の見せ方のお手本としての模範回答。徐々にカメラ
>>続きを読む

カポネ大いに泣く(1985年製作の映画)

3.7

倒錯し続けることへの度胸の据わり方が尋常ではない。出鱈目も行きつく先は芸術に変わるということか。モチーフとして多用される遊園地に何の意味があるのか全くわからないが、メリーゴーランドの前で披露される浪花>>続きを読む

暴力金脈(1975年製作の映画)

3.5

総会屋がなんぞやを知らない世代には少々厳しい話ではあるが、とにかくトラブルの温床で一歩歩けばトラブルに当たるのが面白い。
クライマックスの総会が甲子園バリに用意された舞台で松方の一人語りに謎のカタルシ
>>続きを読む

安藤組外伝 人斬り舎弟(1974年製作の映画)

3.5

何にもしない安藤昇をよそに暴れ狂う男たち。
爽快感すら感じるバイオレンス描写にスローモーションも畳みかける。
終わり方があまりにも斬新でギャグかと思った。
終始ぬるそうなビールが逆にシズってる。
グラ
>>続きを読む

海辺の金魚(2021年製作の映画)

3.0

こうでなければならない。という説得力のあるシーケンスが不在してるように思える。
子どもはとにかくよく撮れてるだけに、もう少し人物を深掘りして出来事が欲しかった。
金魚って海水ダメなんじゃ...

ときめきに死す(1984年製作の映画)

2.0

はっきりと全然好きじゃない。
不明瞭が一人歩きし、スタイリッシュというより白々しいったらありゃしない。
ただ運転中の車外をグルッと回るカメラワークだけはどうやってやってんだ。って話で、これだけは絶対に
>>続きを読む