miさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

彼女はひとり(2018年製作の映画)

3.5

現れるべくして現れた幽霊。差し伸べるべくして差し伸べられた手。
60分で起承転結がきっちりした上に、展開のタイミングも抜群な本の出来栄えは卒制のそれを凌駕していると思う。
ホラーホラーしすぎてないのも
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.7

原作未読。冒頭からの主人公の端的な紹介がくどくなくて良い。何か起きる予感が持続する。
圧倒的に支配する側だったところから絶対に敵わぬ純愛の前に狂う様が新鮮。(ここは原作の面白さだと思うが)
主演の軽薄
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静かな雨(2020年製作の映画)

3.0

謎立地にワンオペで屋台形式のたい焼き屋を経営してるのか、雇われてるのかの源田の嫁。原作未読だがこの時点でよくわからん。
餡子を啜るようにしてたい焼きを食う大賀はセクシー。学食残してまでたい焼きを食おう
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

2.0

最初のやり取りわらふぢなるおのネタかと思った。
孝太郎が進次郎かの如く中身スカスカの話してたのは興味深い。
色々引っかかったが、どうせ遊びでやってる食器屋。っていうのが一番腹立った。
成田凌が急に戦闘
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

企画がめちゃくちゃ秀逸。世界には面白いこと思いつく人がいるもんだなぁとアホみたいな感想。
追体験の内容が正解かどうかが肝心なのではなく、きっとこういうことなのだろう。と思わせるのが怖さの肝。生きている
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

2.5

原作未読。原作の構成知らんけど、ペパーミントキャンディーがやりたかったんかな。
とかく出来事の羅列に終始してしまった印象。人物の歴史までは見て取れても心情までは掬い上げれていない印象。
これが舞台が函
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斬る(1962年製作の映画)

3.7

1時間強でこの濃度は原液ドロドロよ。
容赦ない省略でサクサク進めていくところは進めて、見せたいところはじっくり見せるし反復もする。それで1時間強はほんまにすごい。

インディア・ソング(1974年製作の映画)

3.5

記憶の映像化?テキストと映像をわざと乖離させた趣があり、誰が誰で何がどうなってんのか、字幕読んでも最後まで一ミリもなんのこっちゃわからなかったのだが、映画館に来たつもりが実は美術館でした的な肩透かしを>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

全編通して人生においてありそうでなさそうな絶妙な距離感の偶然と想像に仕上がってることが素晴らしい。

一話目
マジで東京だと同じケース100件ぐらいありそうだな。
誰かの人生をお膳立てするために自分の
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泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

4.2

眠れないまま迎えた朝の、物音のリアリティ。妙に耳から入ってくる情報が多く焦燥感が募る感覚。
この映画に出てくる犬が全部柴犬なのポイント高いし、黒柴のフローリングを歩く時のチャカチャカいう音、あれも実家
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ブッチャー・ボーイ(1997年製作の映画)

3.5

子役のハイテンションな芝居は見どころたっぷりだし、やっちゃいけないことやり続けるのは嬉しい。ただ豚の扱いが中途半端なのはいただけない。
他の方のレビューで花言葉に言及されてるが、なるほどと腑に落ちた。
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サウザンド・ピーシズ・オブ・ゴールド(1990年製作の映画)

3.2

みな、さもありなんみたいな顔して時々の状況を平気で受け入れていく様に不自然さを感じた。
いつの時代どこの国にも起こりうる人種差別。
ラストの主人公の選択には少し納得いかない。

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.7

人生は呆気なく無情なもんでござる。
舗道でタバコ吸う一枚絵マジでキマリすぎ。
銃声に合わせたコマ落とし。

木靴の樹(1978年製作の映画)

4.0

こんなに小さなコミュニティでさえ、搾取する側とされる側の原理で生きていかないといけないの辛すぎるやろ。むしろコミュニティが小さいことでより可視化されるのかもしれないが。
全編通して壮大な隣人愛の考察と
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.2

話の段取りがあまりにキレイに出来てて、Aが落ち着いたらBが起きて、またAの続きに戻って。みたいな感じでチャプター分けされすぎてる予定調和な流れがどうも生々しさを感じない。
マスコミが腐敗してるのは重々
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コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

4.0

当初の思惑から脱線するもとんでもない事実にぶつかる構成は『イカロス』を想起させる。
フィクションよりイカツイ展開に声を失う。
ちょっと待てよ、完全に日本もおんなじじゃねーかと気づかされる。イカツイ展開
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アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

4.0

100歳越えてるから作れたのだという説得力。
コントラスト弱めの自然の風景美しすぎる。FIXの美学も垣間見える。総じて美しい。体脂肪が限りなくゼロに近い感覚。

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

4.0

不寛容な社会の構図を偏差値高めな構成で痛烈に批判しながら、「あまりに恐ろしくて不可視な現実」を真っ向から捉える度胸たるや。
とはいえ少し露悪的に思える描写(バナナとか)にゲンナリするところもあり、なか
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かぞくへ(2016年製作の映画)

4.5

泣いた泣いた。
実際の経験をベースにした本の強固さを再認識。
自分が幸せなとき、周りの人が幸せとは限らず、またその逆も然りなのは現実世界においては当然の事象ではあるが、その自己と他者の微妙なズレを物語
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ピクニック(1936年製作の映画)

3.5

ブランコ!!フランス映画って大体男と女のスケベな話だろ。って上司が言ってたけど、あらかた間違いではないとの認識に思い至る。

黒猫・白猫(1998年製作の映画)

3.0

ちょっと煩すぎる気がして、多幸感にたどり着く前に生理的な拒否反応が起きてしまう。
それは登場人物の7割方が歯並びがガチャガチャしてるのも少なからず個人的にはうっとくるポイントだったり。
動物の演出がバ
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血みどろの入江(1970年製作の映画)

4.0

登場人物が多くて誰が誰を殺したかよくわからない展開でも、描写が毎度秀逸でノリきれる。
一刺しで二人イクアイデアは◎
それにしても全部めんどくさくなったのか、唖然とするラストにはグッとくる。

呪いの館(1966年製作の映画)

4.0

螺旋階段の階ごとに違うライティングが施されてるのキメキメすぎて困惑するレベル。あの螺旋階段が館の迷宮感不穏感を象徴している気がする。
幽霊という非科学的なものに対して必ずといっていいほど現れる医者とい
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ブラック・サバス/恐怖!三つの顔(1963年製作の映画)

3.7

2話目のロマンス的要素はウォーキングデッドとかで出てくるようなことなんでしょうね。見たことないので知らんけど。
その元祖の位置付けとも言えるだろうし、逡巡する男の眼差しが人間味があって良い。
3話目の
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知りすぎた少女(1963年製作の映画)

3.7

「こんなローマの休日は嫌だ」の決定版。
息つく間もなく訪れる不幸のラッシュ。
最初に蒔いた種が最後に発芽する仕掛けがオシャレすぎる。

血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

4.0

顔の陰影をくっきりさせる照明、長回しと随所でズームすることでメリハリがついた撮影、顔面の形態変化など、いずれも見所ととれる画の数々。モノクロの良さが全面に出てる。
窓がないのに風がビュービュー吹いてる
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天国の日々(1978年製作の映画)

4.2

天国にいる。という確信めいた画の連続。
アルメンドロスが捉える自然や動物の美しいこと。麦畑って色味とか含めて画になりますよね。

ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)

3.0

登場する女性が強いかどうかより、男が時代を超えて悉くクソすぎるって話。そんな不運なガチャをひくことあるんかい。
昔滑舌の悪いナレーターが、ナレーションブースでカフが上がってること知らずに、ひたすらペネ
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なれない二人(2018年製作の映画)

2.0

終盤の警官役が全く警官に見えないので、そこに拘れてない時点でどう考えてもよくない。

正しいバスの見分けかた(2015年製作の映画)

2.5

中条あやみの関西弁は無双してるし、キャストが贅沢ではあるもののストーリーが絶望的。
甘酸っぱい青春=苺味の示唆?がサブイ。

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)

4.0

序盤はマジでロマンティックが止まらないなわけで、とりわけムカつくアイツぶっ××てきたぜ!服取り返してきたぜ!に、ひゃだ。ってなるシーン。あーなるほど、そういう返し方あるのね。と何故か感心した。
ただデ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

圧倒的レベチすぎて明日もっかいみにいく。
自身の演出メソッドをそのまま劇中に投影する、演出の入れ子構造とでも言うのか、とにかくよっぽど自信がないとできない上に失敗したらめちゃくちゃ恥ずかしいことをじっ
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フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

3.5

RPGゲームよろしくキチガイ男の装備がグレードアップしていく様は面白い。男の中のルールにのとって狂気が暴発していくのも良い。
社会の理不尽(あるあるネタ)にキレ散らかすのもスカッとする。
ただ、主人公
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.5

因果応報。世間と警察を舐めすぎてるので仕方なし。ニコルじゃない方のC.Wが意外と死なない。兄嫁が真のクズで小さな組織のスパイスとして効いてるが、本当にウザい。
ラストの高速カットバック→銃撃はやりすぎ
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ダイナー(1982年製作の映画)

3.5

ったく男ってのは幾つになっても...。を体現した群像劇。それぞれに悩みや喜びはあれど、大きな出来事を起こさず淡々と。男が必ず馬鹿やって女が許す。みたいな流れが淡白にも冗長にも感じられる部分は致し方なし>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

4.0

秘めたる暴力性の発露が、序盤は自己嫌悪によるものだったのが、中盤以降は恋の力によるものだったのがワクワクさせられる。エネルギーの源が可視化されたようで嬉しい。
冒頭の一連がハテナではあるものの、無駄を
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