ゆきのすさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

クリスタル殺人事件(1980年製作の映画)

3.1

他のクリスティものと比べると地味な印象だが、補って余りある往年の豪華俳優陣。それを堪能する作品かもしれない。役を演じるというより、本人が本人を演じている不思議な感覚。

よく知りもしないくせに(2009年製作の映画)

2.8

等身大のその辺にいるダメ人間のたわいもない不倫劇に失敗談。狙っているのか技術不足なのか、撮影が絶妙な素人っぽさ。映画として全然面白くないが、この人間観察的視聴(覗き見感覚)は癖になるよ。

熟れたアモーレ(2015年製作の映画)

2.7

堕ちていく快感。抗えない背徳の衝動。刑事と平凡な主婦が事件を起こして逃走となるとかなり希少だけど、他人事と思えない生々しい感情は目は離せない。刑事がイケメン過ぎ!笑

戦争と人間 第一部 運命の序曲(1970年製作の映画)

3.9

戦場の再現には並々ならぬものが!飛び散る!!壮大な戦争叙事詩にして昭和メロドラマの集大成を堪能しつつ、左翼とか自虐だとか言われようが、決して無かった事にはできない日本軍の暴挙暴虐を学び直す。

ハウンター(2013年製作の映画)

2.9

超時空サイコホラー(かな)。お笑い要素なしの白石晃士もの笑 いろんなもの突っ込んでるが破綻してないのはお見事。邪悪なもを扱ってるのにどこか上品で健全な香り。そこが物足りなさの原因か。

バッド・バイオロジー 狂ったヤツラども(2008年製作の映画)

2.8

中学生男子が思いつくようなどこまでもバカバカしく下品なセックスと性器にまつわる愛と闘争劇。無邪気過ぎる変態性。笑えない程の破廉恥描写の連続でカルト作にも成りきれない。存分に呆れろ!

i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

3.9

個人を描いているようで日本の国会記者クラブが、検閲や統制のような役割を果たしている実態を暴く。もっとやれ!と応援したくなるが、声を上げない見ぬふりをする我々が体制側に加担している現実に嘆く。

クスクス粒の秘密(2007年製作の映画)

4.6

何もかもがスマートじゃない!そこがこの上なく愛おしい。隙だらけのようで全くもって隙がない。クスクスにありつけるのは誰だ! あらゆる期待を裏切る会話とその展開。人生の悲喜すれ違い、全てが詰まってる。完璧>>続きを読む

しあわせな孤独(2002年製作の映画)

4.0

幸せの模索探求には犠牲が伴うのだ。どこまで、何を捨てるか追いかけるか、それが人生なのかもしれない。道徳や倫理で縛られたものだけが正解ではないと、当事者になって初めて気がつく事なんだろう。

グレタ GRETA(2018年製作の映画)

3.3

イザベル・ユペールの怪演を見るのが癖に!笑 たまらん。平凡なB級サスペンスがなんか凄いものを見てる気になってくる不思議。役者力。

暗数殺人(2018年製作の映画)

3.2

派手さはないが、会話と穴掘りで十分緊迫緊張する。認知されてない凶悪犯罪が一体どのくらいあるのかと暗澹たる気持ちに。警察等の愚行を見るにつけ、怪物を産み出す要因が我々の中にある事に呆然。

ザ・スタンド 連続殺人犯の元カレと妄想症に悩む私(2018年製作の映画)

2.8

新感覚とか軽めの宣伝文句が見られるけど、ザ・王道サスペンス。美女がサイコキラーに!あああ!!というあれ。殺戮ショーの舞台となるカナダ?の24h営業スタンドの雰囲気が見どころ笑

空白(2021年製作の映画)

3.8

人と人は、空白で繋がっているのだ。埋める事の難しさ、埋まらない絶望感。古田新太がハマり過ぎていて、良くも悪くも映画(虚構)である事を気付かせる。迫真だった。松坂ののり弁場面に震える。

田園に死す(1974年製作の映画)

4.2

深く考える事を拒まらせる肉親への愛憎に真摯に向き合った作品と思う。そして、記憶や思い出を時間と共に変えてしまう人の傲慢と悲しみを訴える。寺山とガロとの関わりは知らないが、私が知る限り最もガロ的な映画だ>>続きを読む

ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)

2.1

1、2週間前に見たのに記憶消滅。カルト、ホラー、ゾンビ、クトゥルフ、そういったもののごった煮(だった気が)。元ネタを推察したり手作り特撮に思いを馳せたり(だったり)。キャビンのような楽しみはあっても新>>続きを読む

アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

3.2

ただのラブストーリー(しかもベタベタ)だけど全く違う何かを見てる気分になる。センスなのかなあ。さりげなくかっこよく、ほんのり優しく、妙なおかしみも。セリフと間の成せる妙技を見る。

赤い手帳(2011年製作の映画)

3.1

奇妙な雰囲気がほのぼのしみじみ方向にズレるツインピークス、といえば遠からず。不思議な味わいのあるサスペンス。雪景色にカリフォルニアドリーミングがなぜか馴染むのも摩訶不思議。

薔薇は死んだ(2015年製作の映画)

3.6

愛情が憎しみに変わる瞬間と、そうさせる魔性。愛ゆえに!愛のために!たった4日間の物語。明確に犯人は提示され、そうなる過程もしっかり描写されるが、真相をどう読み取るかは見る人次第。面白い。

キャラクター(2021年製作の映画)

2.1

刑事も犯人も漫画家も、それこそキャラクターがステレオタイプが過ぎて溜息が出る程の既視感。凝りまくった設定はシリーズ向きではないか?サイコスリラー入門にはよいかな。

トッチ 終わりなき絶望(2012年製作の映画)

2.8

雪だるま式に不幸が!因果応報な面もあるが息が詰まる。結末をどう解釈するかは、見る人の善悪感に委ねられる。鹿は救いなのか更なる絶望なのか。希望と取る程世界は優しくないよなあ。

ナイチンゲール(2019年製作の映画)

3.3

過酷な状況を生きる主人公もまた侵略する側に近い人間である事が物語を重層化していく。アポリジニーの内部でもその構造は散見される。ああ、人の業の深さ!浄化されたら私たちは何になるのだろう。

ご挨拶(1991年製作の映画)

4.0

スコアは第2話「佳世さん」。市川準作品。短編ながら驚くべき完成度。人間を描くというのは、丹念な息遣いのスケッチに他ならない事を改めて実感する。

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.8

数あるゴッホ映画の中でも秀逸と感じるのは、物語よりもゴッホの見た世界や宇宙がどうだったのかの模索が見られた点。この世の美にこそ狂気を感じ、魅せられて落ちていったのかもね。

冬の小鳥(2009年製作の映画)

2.8

最後の集合写真時の笑顔があまりに残酷。彼女の境遇や運命より、大人や世間にまみれていく事流されていく事受け入れていく事の悲しさつらさやるせなさ。それは自分を殺す事(埋める事)。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.2

人は死ぬ、そして生きる。生きている間、生活する。社会に、世界に、這いつくばってでも生きていく事。人に寄り掛かりたい気持ちが染みてきて溢れ出る。冷たく渇いた寂しい作風なのに何もかもあったかい。毎日イモだ>>続きを読む

ジェームス・コバーンの クロスオーバー・光と影(1983年製作の映画)

3.3

自閉世界への道程を丹念に描いた労作。ギラーミン✖︎コバーンでこんな作品が!という驚き。コバーンがたどり着いた世界は、社会から隔絶された場所だが、満面の笑顔にそこが悲しむべき場所かどうかは分からなくなる>>続きを読む

アンドリューNDR114(1999年製作の映画)

2.9

ロボットが人の心を持つことより、人が人の心を持ち続ける事の方が困難かもしれないね。彼らは更に進化して人間を越えていく事が示唆されている。もっと落ち着いた作品だと記憶していたが、いいのか悪いのか超娯楽大>>続きを読む

散歩する惑星(2000年製作の映画)

4.2

2021年最終。映画ではない別な芸術を見るこの感覚は唯一無二。人間の根源的な愚かさ。宗教や資本主義の傲慢を徹底的に嗤う。無常で無情なのは人間の業。世紀末は今もずーっと続いているね。

愛・アマチュア(1994年製作の映画)

3.3

ベタなラブロマンスでもあり、ありきたりのサスペンスでもあるのだが、独特のユーモアとセリフ回しが癖になる。何より役に没入させる演出がよいのではないか。また面白い監督を見つけた。

鬼畜大宴会(1997年製作の映画)

3.1

キラキラしたものが一切ないビューティフルドリーマーと感じる。歯止めの効かない悪夢の連鎖。血染めのアグネスチャン、内ゲバ、オタサーの姫、主人公?の不在。人体破壊の衝撃度は他の追随を許さない。

ラビッド(1977年製作の映画)

3.5

のちの彼の作品の萌芽が随所に見られるパニックホラー。脇の下に謎の亀裂ができて怪しい器官が生えてくる!B級というのが全くもってふさわしい作風とニューシネマ感たっぷりのフィナーレに唸る。

ブライトバーン/恐怖の拡散者(2019年製作の映画)

3.4

凄まじくよくできたあの映画のパロディ。人体破壊描写!痛いよ!!子供はこういう邪悪な心を持つ時期があるのだ。通常は無力さを知り社会化していくのだろうが。人の善性や愛を潔く否定していく情け容赦ない姿勢に感>>続きを読む

リバースダイアリー(2017年製作の映画)

3.2

シナリオの事についてばかり評価されそうな作品ですが、出てくる役者さん達が素晴らしい。舞台やってる方々だろうか。引き込まれた。カメラのフォーカスを最大限活用した演出が面白い。

空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜(1990年製作の映画)

3.0

永井豪先生のサービス精神と遊び心に感服。忍者走りとかね!オーケンもいいのだが(独特の動作!)、彼のスタントの人が凄い。このようなZ級怪作珍作がひそかに量産されてた時代を偲ぶ。

YAWARA!(1989年製作の映画)

2.1

柔道シーンの迫力の無さ!!爆笑 キャスティングありきのアイドル映画ですが、80年代の雰囲気を堪能しましょう。菅原文太の贅沢極まりない使い方には度肝を抜かれます。そして小林桂樹の役者魂。

メモリーズ 追憶の剣(2015年製作の映画)

2.5

個人的に今最も気にる二人の女優さんの競演作。それだけ見てればいいのにね。スローモーション多過ぎ!ワイヤーアクションやり過ぎ!見ていて疲れ果てましたー笑