チョンドヨン! お伽噺のような怒涛の純愛ドラマですが、実話が元との事。彼の猪突猛進純情一途さにわくわくしつつ、彼女の心の移ろいに心打たれる。ベタベタ展開にほろ酔う。
オリーブは完璧。セットの破壊シーンが豪快(ドリフのコント的な意味で)。アニメ忠実再現ものの元祖なのかも。トホホとはならないが全然笑えない。アルトマンはどんな認識で監督したのだろうか。
洞窟内の鬼気迫るリアリティと裁判所の茶番劇との対比に眩暈がする。生きる事と命は同義なのか。人間ではなくなる境界線はあるのか、見えるのか。問いかけるものは多い。
サスペンスというより情愛ドラマ。冬の中国地方都市。閉塞感に凍え佇む人生に行き詰まった男と女。観覧車シーンが泣かせる。どこまでも真っ直ぐスケートですいすい。印象に残るシーン多。
泥だらけの混沌とした美しさと政治的な暗喩。無邪気にチャルパンチュルパン〜という訳にはいかない。原題は童謡「紙の兵隊」から。ロシアの行く末よ!随所に不思議不可思議おかしなシーンをぶっこむ謎センスにハマる>>続きを読む
インテリにして苦労人。悪い人には見えないし誠実で人間味も感じる。しかし、何を話して何を話さないかを念頭に置くと真相は程遠い。個人的には巨匠が性的に倒錯してようが驚きはしませんよ。全部話して楽になってく>>続きを読む
あの濡れタオルはマスクを連想させる。とある宗教の話ではあるが、思想国籍民族に置き換えて考えてみると、様々な問題が見えてくる。「ここにいるのは自分の意志とは関係ない」。ラストシーンの解釈は分かれるだろう>>続きを読む
エミリーワトソン最高。あのシーンで笑うのか!泣き出す悦びの表現もあれば微笑みで表現もできるのだ。彼女でなければできない。
何もかもが虚しく痛々しい。過去を克服して現代に生きているかというとそうではない。たくさんの罪を今も犯し続け、背負い続ける。忘れるのも忘れたふりをする事も罪なのだ。
80年代のサスペンスとして十分面白い。トリック解明過程のスピード感溢れる演出は心にくい。痛快アクション方向に上振れもあり。今作でも盲目のヒロインが虎の心音に涙する姿が神々しい。
オールスターサスペンスアクションパニック&パンデミック!あっぱれ超大作。劇中と制作の70年代の空気も面白すぎる。30年以上だが大興奮して見られた。群像劇として破綻しない見事な脚本。
風景とモノローグがことのほか美しい。やさぐれユペールのへの字口がたまらん。おそらく母娘共に精神的障害を抱えている。そこを読み取らないとご都合主義の逃避行にしか見えないと思う。
家族の解体は、絶望ではなくて希望かも。死に至る病(主にエゴイズム)と共存する事を選択して今に至る一家。厳粛な死(家族や社会からの解放)における右往左往は、そんな人類のハッピーエンドに見えたよ。
写真に映るチョンドヨンが幸せそうに見え過ぎるのがいけなかった。三人とも倫理道徳世間と折り合いつけてうまくやろうと、見て見ぬ振りして誤魔化して幸せを演じようとしたのだけれど。多くの人がそうしているように>>続きを読む
何よりも、氏の人となりがこれでもかと伺えるところが最大の見どころ。タバコを吸う、ラーメンを啜る、そしてタバコを吸う、火がつかない。天才が奇人変人ばかりかと思うと大間違い。圧倒的好人物。大好きだ。
ダメ主人公と奇妙な生き物の組合わせは藤子不二雄漫画的。ゆるいけどシニカルで飄々とした作風は谷啓の成せる技。七変化酒井和歌子さんが眩しい。「ふかし過ぎの肉まん」って呼ばれてもよい!
フリークにはサービス満点にして至福の一本。見どころしかない。初見さんや普通のファンには焦点不明の総集編にしか見えない危惧はあるが。見れば見るほど作中での情報の出し方隠し方を存分に味わえる奇跡のコンテン>>続きを読む
善人と呼ばれる人々の果てしない苦悩苦渋苦闘。善性に囚われることなく狂気恐怖や支配に身を委ねる事もまた人間。「鬼になっても生き抜いてやる」境地は、人間の地平なのか荒野なのか。
続編というよりは純粋に後編。エンタメ要素爆盛りで、ニューシネマ的物語なのに悲壮感は少なめ。パットの扱いが物足りないのは、描きすぎるとペキンパー版と酷似するからか。エミリオのキッドは変わらず最高最強。
人や愛に溺れるというのはこういう事か。ショーケンだけは「自分しか愛せない男」。己に泥酔。理屈で語れない事が案外普遍的な男と女のありよう。数度ある電車の中の美津子さんの表情が目に焼き付けられたまま。雪上>>続きを読む
久々に大山ドラを。あああ、これこそ本当の夢オチ。あえてトリホーの正体を明かさない暗黒藤子F脚本(まるで藤子Aのような)。なかなか恐ろしいです。そして、隙あらば武田!
掘出し物!と叫びたくなる変映画。しかしテーマは深い。「国がなくなっても私は私だ!」裸多めでもブレる事なく個人の自立自由を訴える。女性蔑視が極まってた時代に唯我独尊爆走暴走。主人公の赤毛のアン的な魅力が>>続きを読む
団地妻さんの素朴な可愛らしさに萌え。昼ドラ風味の映像は、この恋の安さみたいなものを強調してるのかも。二人が団地の階段で再会した場面にはときめいたよ。ドロドロ不倫ドラマだけど背徳感より哀愁と刹那さ。ロマ>>続きを読む
誰にも共感できないとか気持ち悪いという感想を持つのが常識的なのだろうが、「誰かを幸せにする方法なんて分からない」私は彼等の方の世界の人間です。石の裏で蠢く虫みたいなもんです。
「大丈夫、埋めよ♪」すぐ埋める笑 なかなかの超展開の連続。もう何歩かでシザーハンズなんだけどなあ。主役カップルの語る普通の幸せとかあったかい家庭というパワーワード!
病院での妻の暴言シーンが素晴らしかった。が、スッとしするのはそこだけかも。とにかく身につまされる。現代社会と文明、資本主義の名の下に構築してきた世界の到達点がここなのだと強烈なパンチ。
宗教団体が総力を結集して作った割には思想宗旨にそれ程偏らず道元の足跡がメイン。具体的な説明より、もっと日本中国の風景で禅世界を表現できればなあと思いつつ見る。北条頼時の大熱演には苦笑!
「人を愛さないで生きるのは面白くない」伝統芸とも言える仏ティーンズ映画だが、今作の主役は監督自ら演じる父親かも。実直堅実な父が不意に出奔。その不在がもたらす家族同士の取っ組み合い。奔放に生きる事につい>>続きを読む
「さすらい」と双璧なすヴェンダース作品となった。自然音、フィナーレの空撮! 自分が存在する証拠を孤独に揺さぶられつつ探している人たち。だんだんと見えてくる彩り鮮やかな世界に心を持っていかれる。
ビリーに関する事を調べると本作の彼は相当リアル(似ている!)。過剰なエンタメ的脚色があるに関わらずキッド映画の決定版と言われるのも納得。近代が押し寄せる無法時代最後の空気を銃弾の嵐と共に。
ぺどぅなぺどぅな!コテコテの青春エロ映画と思いきや、甘酸っぱいを通り越してかなり辛辣。愛と性の袋小路。あまりにも美しく爽やかな田園風景がトラウマを彩るのが悲壮ですらある。
よくあるシチュエーションものと思って軽い気持ちで見ると、きっと嫌〜な気持ちになるのではないか。人数の国で生きている私たちに突きつけられる練られた脚本。一番最後のセリフはサービスが過ぎるが(くどいよね?>>続きを読む
見えない何かとの戦いは、まさにコロナ時代を予見していた。正体が見えない分からない事が、この作品の肝だ。混沌として先行き不明の時代、行き止まりの世界。この世は鳥籠。明日死んでもいいように夢を見ようとは至>>続きを読む
尺137分でも足りないと思うのは私だけ?太宰がモデルなのだろうが大正時代を背景にした事で退廃ときな臭い空気が効果的。死へと誘う情愛のロマンチシズムに酔い溺れる男と流されざるを得ない過酷な運命の女性たち>>続きを読む
彼女が一体どんな風に素晴らしい高級娼婦なのかさっぱり分からない演出(脚本の不備ではないと思う)が致命的では?無難に作ろうとして破綻か。ユペールさんなので最後まで頑張って見たよ!
特撮映画の古典中の古典。ハリーハウゼンの人形使いに注目しがちだが、お姫様のキュートさも破壊力抜群。冒険活劇でありながら胡散臭い展開を引っ張るのは彼女の天真爛漫さ。定期的に見てしまう。