ゆうさくさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

狂った一頁(1926年製作の映画)

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人工的に狙って作った悪夢って感じでいけすかないがカッチョいいカット沢山あって楽しいのは確か。廊下の照明めちゃ良いし、急に野外にシーンが移ったときの開放感凄い。

夜中に部屋暗くしてボーッと眺めるのに丁
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タルテュッフ(1925年製作の映画)

4.0

家政婦のオバハンもタルチュフも造形が完璧すぎるし嫌悪感マシマシな演技もサイコー。なんて憎たらしい顔なんだ笑
「映画は人を救う」を大真面目にやってて感動。そのための大胆な構成が素晴らしい
。「映画」が終
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絞死刑(1968年製作の映画)

4.5

べしゃりの連べ打ちと長回しの連続で舞台感アリアリだけど役者とカメラが良く動いてくれて画面が死なない。楽しい。そのおかげでまさかのスラップスティックコメディ感すら。長台詞もお堅い面白さが段々クセになる。>>続きを読む

その夜の妻(1930年製作の映画)

4.0

うおお、ホントにフィルムノワールだ。

66分間厳格なショットの連べ打ちで繰り広げられる犯罪活劇および人情噺。

前半の犯行シーンからの追走、逃走劇は銃口のクローズアップや手の寄り、横移動で捉えられる
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トマホーク ガンマンvs食人族(2015年製作の映画)

4.5

面白すぎ。
長い、とにかく長いジリジリとした道中と突発的に襲ってくる食人族、そしてやり過ぎな人体破壊描写。
引きの画がべらぼうに良くて死ぬ程カッコ良い。ロケーションを活かし切った、西部劇として堂々とし
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ガルヴェストン(2018年製作の映画)

4.5

めっちゃ良かった。
中盤にかけてのロードムービー及び観光映画感の瑞々しさが心地良いし、からの対立、和解の流れもベタベタながらエルファニングの魅力でキッチリ締めている。
終盤一歩手前のほろ酔いダンスは泣
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幻の女(1944年製作の映画)

4.5

おろしろー!

恐ろしく浮かび上がる犯人の手へのライティング!!!
そのほか夜の追跡シーンなど照明がカッコ良すぎる!駅のホームでの電車の窓からの光!!ロングショットの異様な静寂!
顔へのドリーの寄り方
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こちら放送室よりトム少佐へ(2020年製作の映画)

4.0

自主制作や学生映画の傑作か否かを判断する基準って観ていて恥ずかしくならないかどうかだと思う。
のだが、今作は観ていて少し小っ恥ずかしくなる感じを上手くラストで昇華させて素晴らしい作品にしてると思う。

妄想少女オタク系(2007年製作の映画)

4.0

この題材、このタイトルでここまで居心地の悪い胃の痛くなる作品を撮れるなんて!
終始どんなテンションで観たら良いかわからない空気感に圧倒される。

あの4人のどこか不穏があるのを裏に隠しながらも楽しく居
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田園に死す(1974年製作の映画)

4.5

再見。

あれ?こんなに面白かったっけ?ってぐらい良かった。ちゃんと話もあるし。入れ子構造も上手い。改変される過去!ショットもガッチリ決まってる。
映っているものそのものが面白ければ映画は面白くなる。
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

4.0

再見。

これ見て喜んで良いのは中学生までだぜ!ってなもんだけどやっぱり楽しめてしまったので恥ずかしい。

でもこの映画を見て得られる快楽って演劇を超えているだろうか?自分の体験で言うと、JAシーザー
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

5.0

映画は人間を描くためのものとは思わないけど、完璧に人間を描くとそれは映画になるのかもしれない。

それにしてもこの映画の「本物っぽさ」ってどこからくるのだろう?
演技?カメラワーク?編集?
ただ、この
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西鶴一代女(1952年製作の映画)

4.0

カメラは決して主観に回り込むことなく一歩も二歩も三歩も引いた視点で人物たちを捉え続ける。どんなに悲観的な展開になったとしてもこの突き離した演出が貫かれているから感傷的な押し付けを感じることなく作品を鑑>>続きを読む

殺人狂時代(1967年製作の映画)

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破茶滅茶にトボけた脚本でここまでカッコよさを出せるのは喜八印のシャープな編集とキマリまくった画面構成が相乗効果を生み出しているからこそ。そこに仲代達矢の七変化な演技が加わればもう最高の娯楽映画ですよ。>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

4.5

この映画怖すぎだろ。

インサートの"空洞です"感。
階段階段階段の反復と落下物。缶と紙風船、そして…
夫と妻、歩き姿の対比。
階段を登る妻、上で待つだけの夫。
風俗嬢説教おじさんと化す夫。
そして切
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悪魔のいけにえ2(1986年製作の映画)

4.0

ラジオ局で頭金属男と対峙してしまう場面が怖すぎてチビった。絶対に話の通じない存在と向かい合わなければならない恐怖!!が今作はより強調されていて恐ろしい。

地獄すぎる遊園地空間を活かしたピタゴラスイッ
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名もなく貧しく美しく(1961年製作の映画)

5.0

人は1人では生きていけないし、1人で生きようとしてはいけない

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

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超絶構図、超絶照明、超絶音響、超絶演技、超絶編集が揃っていながら超絶睡魔に襲われた。
ぼくはシネフィルになれないようだ、、、

デッドゾーン(1983年製作の映画)

4.0

なんて悲しい目をした男なんだ…

この題材にしてあえてバリバリの超能力サスペンスにすることなく、超能力者の心の変遷や選択に伴う責任、失われた時間(未来と過去どちらも含む)に対する向き合い方などを丁寧に
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淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

4.0

こんなカラっと乾いた陽気な夫婦モノ撮れる人小津以外居ないっすよね。
構図とカッティングがバツバツキマっていくの気持ち良すぎ。
2人並んで歩くカット多いんだけどホント爽やかというか楽しげというか…
多く
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(1989年製作の映画)

4.0

顔の寄りをあんなカッコよく撮れる人他にいるのだろうか。所々現れる横移動もバツグン。引き画キマリ過ぎ。
手の撮り方はかなりブレッソン的。色気がある。
まんま雨月物語やってて笑った。やはりシネフィルは溝口
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

5.0

もう何でもいいから誰かこの映画を観てくれ!!!!!!
ダントツオールタイムベスト"疾走"映画。
この作品を言い表すには、疾走、その一言しかない。
走るという運動で人生の全てを語り切ってしまう感動。
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魔法少女を忘れない(2011年製作の映画)

4.5

自転車自転車自転車、スケボー広場でのキスシーンにおける風と雲の流れ、委員長の口調の変化を長回しで捉えることで行われるこの映画の虚構性への言及、体操着ドロを追い詰める際の教室での生徒の大迫力な動線設計、>>続きを読む

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

4.5

言わずと知れたやつ。
劇場にて初鑑賞。というか劇場じゃなかったら最後まで耐えられなかったかも。
それぐらい退屈、特に第一部はキツかった。
会話、会話、とにかく会話の連続で画面の動きも乏しいし、演劇シー
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空に住む(2020年製作の映画)

4.0

難解な映画や…
俺にはどの登場人物の心境も理解不能で恐ろしくなるほど。でも分からないって面白いからな〜。女性陣のやることなす事スリルに満ちていて見ていて飽きなかった。特に岸井ゆきのが激ヤバ。

あんな
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浅田家!(2020年製作の映画)

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時々お、という演出があったかと思えばそれをぶち壊すダサすぎる瞬間にがっかりさせられる。その繰り返し。
総じて再現ビデオの域を出ていない。
結局役者の顔芸頼りの作品。それを引き出すことこそが監督の演出力
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映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(2020年製作の映画)

5.0

神。
ロボとーちゃん以降のクレしん映画における最重要作品。

従来のクレしん映画のフォーマットを踏襲しつつ新たな次元まで連れて行ってくれる構成、大勢のキャラクターの捌き方、キマリまくったレイアウトの中
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(1954年製作の映画)

4.0

映画館にて再見。

初めて見たのは高校生の頃。当時はつまんないな〜と思いつつもラストで泣いた。
んで、今回は全体的に面白いなーと思いつつもラストで泣けなくなってた。

どっちの俺の方がこの映画をより深
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

ジョジョの奇妙な冒険第6部ストーンオーシャン


…を読んだ時と同じ脳味噌の部分が刺激された。
初見で掴みきれそうでやっぱり掴みきれない感じとか、今目の前で起きていることの裏で蠢いている途轍もなく壮大
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

4.5

この手の映画苦手なはずなんだけど、なんか最後まで飽きずに見れちゃった。
なんならラストシークエンスとかめちゃめちゃ鳥肌立った。(けどラストカットは凡百な気がする)
てか主演の人かっこ良すぎ。

手持ち
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スパイの妻(2020年製作の映画)

5.0

お見事!!!!!な傑作。

脚本が微妙ってところ以外は大半の黒沢映画は毎度満足させてくれる。そこに死ぬほど面白い脚本が加わったのが今作。もう文句の付けようがない。

今まで以上に演出がノリにノッている
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異端の鳥(2019年製作の映画)

5.0

面白いとかつまらないとかそういう次元じゃなくて、監督の脳内を叩きつけられてただただ平伏した。そんな映画体験…

視線の提示の仕方が素晴らし過ぎる。
引き画の美しさは地獄めぐりのロードムービーをより一層
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