金宮さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ウンタマギルー(1989年製作の映画)

3.5

返還直前の沖縄を、18世紀からの伝承義賊民話とクロスオーバーさせる。

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元ネタの義賊は沖縄封建豪族がターゲットだったが、今作の相手は米軍とそれに取り入る内地人のようだ。

という
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

クルド人難民問題について当事者意識を醸成する。

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パパ活ハグ野郎は難民問題に直絡みしておらず、別の社会病理なのでいったん置いておこう。

そうした場合、藤井隆さん池脇千鶴さんをは
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愛情萬歳(1994年製作の映画)

3.5

空き家の高級マンション一室。家主ではないのに鍵を所持する3人の男女(納骨棚セールスマンのシャオカン、露天商のアーロン、不動産営業のメイ)がそこを拠点に交わったりニアミスしたりする。人間関係がほぼ構築さ>>続きを読む

セトウツミ(2016年製作の映画)

4.0

だらだら続く会話劇とだけの認識で観はじめたので、あーこれが1時間以上はきついなと思っていたところ、エピソード0:内海のモノローグでぐっと引き込まれました。

"この川で暇潰すだけの青春があってもええん
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あん(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ああ、これは大傑作です。ハンセン病という社会問題を背景にしつつ、「察して優しくなること」の大切さを再認識できます。最高レベルの演技力とリアルな脚本・演出の結果、まるで自分ごとのような追体験となり誰かに>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.0

内容的には日本の連ドラとかでもよく観る、肩の力を抜いて観れるハッスルお仕事系でした。特徴は私でもわかるくらい衣装が絢爛豪華なところですかね。

パリ出張でのエミリーとのごたごたは確かに難しいですよね。
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麻雀放浪記(1984年製作の映画)

3.5

麻雀や将棋など局面は映さず俳優側の表情だけで、状況を伝えるシーン演出にしびれます。今作はそれに加えて積込の緊張感も加わってるから最高ですね。

ドサ健が渋いという噂は評判以上でしたが、それ以上のクズっ
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.5

スウェーデン富豪一族に起きた失踪事件をダニエルクレイグ雑誌記者が解き明かす!想像よりエンタメミステリー寄りの作品だった、が相関図とか巻き戻し機能ないと流石にキツくないですか?ムズい。。

007やナイ
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.5

村上龍さん台詞のセンスと庵野さん映像のセンスがぶつかり合ってはいるものの、タイムリミット要素を入れることでエンタメ性も確保しており観てて飽きない。

時代性の映像記録がコンセプトにあると思うので会話の
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チワワちゃん(2018年製作の映画)

3.5

どいつもこいつもとにかく乱痴気に騒ぎまくる。ちょっとだけ楽しそうだ。(参加させてもらえなそうだし、あの中で楽しめる自信もないけど)でも、やっぱりやめとこうという防衛本能が出てくる。なんでだろう?

"
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.5

白色テロをホラー的にデフォルメし負の歴史を風化させない気概のある作品。ただ、おそらく誇張化されてることはないのであろうし、そこが怖いところ。

元ネタのゲームからしてテーマは同じようで、素晴らしいアプ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.5

とっても濃厚なのに100分以内におさまってることにびっくり。そしてクリントイーストウッド御大は当時80代というだからさらに驚きです。

旅客機の操縦シーンって派手さがなさそうなのに、ぴりぴりとした緊張
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.5

朝井リョウさん原作なので覚悟してましたが、基本的にみんないい人たちでよかった。

私自身、どちらかというと中川友望さんや藤原季節さん演じるキャラ(卒業式のハイテンション地獄だよね)側なので、「馴染めな
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.0

いやー。これは、おもしろかった!!

ザッカーバーグの学生時代、こんなに陰キャクズだったんだね。ブログの内容とか女性の評価サイトはかなりどうかと思うけど、あの鬱屈とした嫉妬エネルギーに共感したのはここ
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his(2020年製作の映画)

3.5

藤原季節さん演じる迅の見え方がどんどん変わっていきます。流石に序盤は随分勝手だなあとは思ってしまいますね。

ところがパイプオルガンの仕事を紹介してもらうところの"これまでは長続きしなかったんですが、
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映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

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そこまで炎上しなかったのは火消しがうまかったのか?アニメを見ましょう。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

第二次大戦中ドイツを少しだけファンタジックに描く。

衣装や家具なんなら教官にあたる大尉のキャラなど、設定に反してとても可愛らしい印象に溢れています。が、当然悲しい出来事を避けて描くことはできません。
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帝一の國(2017年製作の映画)

4.5

とっても楽しく観ていたら思わず共感する思想が出てきてハッとした作品でした。

エンタメとしてつまらない時間はほとんどなく、ラストもしっかり騙されてしまいました。

一方で、特に深読みしなくても伝わるメ
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憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

3.5

おそらくうだつのあがらんチンピラと舎弟とその彼女が、儲け話のためにだらだら移動したり逮捕されたりする。

ストーリーはあってないような感じだし、映像も昔のものでかなり粗いのだがなんか見れた。カラーフィ
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.5

絶対楽しいことになるよね!っていう着想をほんとに超ハイクオリティで実現させちゃうのがやっぱりスピルバーグのすごいところ。

ネタ元がわからない固有名詞が連発されだして何のこっちゃよくわからんくなってき
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

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過去鑑賞済のマーク

・ジゴロで一旗あげる主人公像が珍しい
・堕ちていくさまがリアル
・ダスティンホフマン怪演シリーズ
・ニューシネマのなかでは悲しみに寄ったラスト

ゆらゆら帝国 2009.04.26 LIVE @日比谷野外大音楽堂(2009年製作の映画)

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過去鑑賞済のマーク

「やりたいことをやりきる」直前、全盛期ゆら帝の野音ドキュメント。この時期はZAZEN、ROVO、ゆら帝が脂乗り切って世界でもトップクラスのライブを頻繁にやってた印象。

大脱走(1963年製作の映画)

5.0

過去鑑賞済のマーク

時間を感じさせない大名作ですね。
背伸びして洋画に手をつけようとしていた、中学生の私にまずはこれ!と父が教えてくれました。

スティーブマックイーンのバイクシーンは最高ですね。

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

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とてつもない映像体験であることは間違いない。

フィクションでしか知り得ない地獄の体験を、思わず眉をしかめてしまう表現も交えノンフィクション本人から耳にすることになる。

それらを鑑賞者が耳にするのは
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

戦争をフィクションとして見ることでつい薄らいでしまう「兵士1人がひとつの命である」という当たり前の事実が、長回しカメラワークによって無意識のうちに突き刺さります。まさに、手段としての演出とメッセージの>>続きを読む

つぐみ(1990年製作の映画)

3.5

冒頭、"海は見ていると、こちらがことさらに感情移入しなくてもきちんとなにかを教えてくれる"と銀座から故郷の海を郷愁するモノローグ。

市川監督の作品そのものを表現しているような、いい言葉だなと思った。
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007 スペクター(2015年製作の映画)

3.5

冒頭のヘリコプターや列車のシーンなどあえて密室でのアクションが多く、楽しめました。また目潰しマッチョのような明らかな強キャラが敵にいるのもいいですね。

欲を言うとクリストフヴァルツファンとしては見せ
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.5

マッドデイモンとベンアフレックは20代でこの脚本を書いたってこと?凄すぎる。ちょっと不勉強でした。

ウィルも結局、膨大な知識の引用となっていただけで会話に血肉が通ってない。序盤、バーの大学生にネチネ
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

4.0

2017年の台湾には「エモ」という流行的概念はなかったでしょうから、無添加のエモエモ映画ですね。

映像美にはこだわりながら、演出として画をつくりすぎるのではなく、日常風景に意味をもたせる系。台詞を邪
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.5

昭和、少年時代、夏休みとノスタルジーの寄せ鍋みたいな映画。
ひさちゃんたけちゃんは私より少し年上なんですが、自分もおおらかな田舎の夏休みはギリ味わってるのであぁっていう気持ちになりました。

尾野真千
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

体感型の疑心暗鬼サスペンスって感じ。
やりたいことはわかるし、もちろん楽しめたんですが。

人間嫌いのジュリアロバーツはすぐに家主を信用するし。家主娘は途中まで夫を誘惑しといてジュリアロバーツ家族をボ
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決戦は日曜日(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

地方議員をはじめとした県連の傀儡としての国政出馬がほとほと嫌になった世襲だめだめ娘・宮沢さんが敏腕秘書・窪田くんと協力し自分サゲして選挙に落ちようとしたら当選しちゃうシニカルコメディ。

進次郎構文、
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.5

シリーズごとに右肩あがっていって作り手は大変。地下鉄追っかけっこからはまさに息づく間も無くといった感じでアクションを十二分に堪能できます。

・元MI6が敵キャラ。闇堕ち先輩との対決は鉄板ですし、ダニ
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退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)

5.0

「福島」出身の「キリスト教徒」「今泉」次郎は東京で「ミニシアター系の映画監督」として「山下」名義で活動。
このように、監督作品の中では際立って内省的です。(山下名義については曲解かもしれません)

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