金宮さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.5

アメリカ映画で育児ノイローゼ的な描写をするのも珍しいな、という印象から入りました。でも主人公姉の子どもへの姿勢は割とドライ。「子育てめっちゃ大変でクソガキすぎて意味わからん時もあるけど、まあ可愛いから>>続きを読む

最初の晩餐(2019年製作の映画)

3.5

父親の死をきっかけに家族が再集結し、思い出の料理とともにあった出来事を回想する。

まず何よりもとんでもなく華がある家族ですね。

終盤、母親から打ち明けられるある秘密に関しては、言わなくてよかったん
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とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

3.5

あれこれ考えずぼーっと楽しみました。

終盤、屋敷くんとマッシュアップするところはおぉ!となったし、ハイライトのHeaven Is A Place On Earthも納得。やっぱりみんな知ってる曲が1
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

曲解かもしれないんですが、目指すものすら何もないモラトリアム時期をとてつもなくダサく描くことによる「そんないいもんでもないぞ」の注意喚起に感じました。

「コンビニのレジ前で仲間と大はしゃぎ」「真昼間
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響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.5

響のぶっとんだキャラ設定に霞んでしまいそうですが、実は各登場人物をとっても丁寧に描写しており、一瞬でそれぞれの性格を理解させる凄腕の演出と脚本だと思います。

観る側の読書遍歴に寄るでしょうが、それぞ
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

2.0

冒頭のライフ誌に突撃するところから台詞が全部説明的で、ん?という第一印象。集会所で市民が議論する場面「感情的になるな!」って感情的に叫びながら別の市民が入室する様なんてコントのよう。ダメだ、実にあやし>>続きを読む

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.5

ゲイの安藤くん(神尾さん)に恋する、BL好き三浦さん(山田さん)がとにかく可愛らしくて真っ直ぐです。

でも真っ直ぐすぎて観覧車での告白は、けっこう好きの暴力性が高いなと思いました。断りづらいですよね
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ナイルの娘(1987年製作の映画)

3.5

芸術性を求める運動としての台湾ニューシネマのさなか、レコード会社の出資によるアイドル主演映画という異色感のある作品。

商業映画にあってもホウシャオシェン監督の自己主張はふんだんに盛り込まれ、象徴的な
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来る(2018年製作の映画)

3.0

もうちょっと破天荒寄りな霊媒師アクションかと思ってたので消化不良。期待しすぎたのかも。この豪華キャストをもうちょっと暴れさせて欲しかったなあ。

みんなで飲みながら見るのがいいかもしれない。

どうし
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

4.0

親子関係を呪縛にしちゃうと、とにかく大変なことになっちゃうぞ!

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我が子の狂信者たる父と継母の崩壊を描く、とにかく底意地が悪い作品。

田中圭さんサイドはわかりやすく血縁にとらわ
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.5

100分で誰もがグスタヴと彼の世界の虜。

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全ての人に大手をふっておすすめできる映画って体感100本に1本くらいなんですが、今作はまさにそれ。

おしゃれな彼女とのデートにもぴっ
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前科者(2022年製作の映画)

3.0

保護司という馴染みのない役割を啓蒙しながら「加害者が過去に悲劇的境遇にあった場合、罪に正当性はあるのか?」という意欲的なテーマにまで踏み込み、観る側を悩ませる骨太な作品。

しかし、今作の勘所であろう
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さがす(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自殺幇助を通して、生きる活力・自分にできることを考える。

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序盤の捜索サスペンスから一変し、テーマは安楽死や自殺幇助となる。今作は幇助する山内を薄っぺらく描いているように思う。そ
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.5

マブリー沼につかっている私としてはあと3倍くらいアクションがあってもよいくらいですが、いったん満足しといてあげます。あと、マブリーにはやはり白兵戦なんだなということも学べました。

・世紀末描写ではマ
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

登場人物の行動が生む、偶然ではない繋がりがハッピーを連鎖させる幸せ群像劇。

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ごく自然に連想ゲーム的に場面が接続する感じがとても心地よいというか、委ねて観られる安心感があります。
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青春神話(1992年製作の映画)

3.5

戒厳令解除まもない台湾。行き場のない若者たちの衝動を立体的に写実する。

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片方の主人公はアザー。行き場のない情熱を夜遊びにぶつけ、男2女1黄金比率のトリオで行動してる。彼らを待つ
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.5

アメコミ映画に求めるのはこういうことなんです。メッセージや陰鬱さは他で接種するので最小限で結構です、というわけで今作は最高です!!

ピーターパーカーは基本的に明るくていい奴。

ザ嫌な奴フラッシュも
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.5

現実的におこりうる、なかなか複雑な親子関係を追体験し、大人の未熟さを反面教師とする。

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子持ちどうしで再婚した浅野忠信さん(家庭優先めっちゃいいパパ)田中麗奈さん(天真爛漫ママ)
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.5

凄まじくハイクオリティに韓国民主化の史実を多角的に描く。この濃密さは2時間とは思えない大傑作。

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史実だとわかっているので不謹慎とは思いながら、映画がすすむにつれて高揚していく気
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ウンタマギルー(1989年製作の映画)

3.5

返還直前の沖縄を、18世紀からの伝承義賊民話とクロスオーバーさせる。

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元ネタの義賊は沖縄封建豪族がターゲットだったが、今作の相手は米軍とそれに取り入る内地人のようだ。

という
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

クルド人難民問題について当事者意識を醸成する。

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パパ活ハグ野郎は難民問題に直絡みしておらず、別の社会病理なのでいったん置いておこう。

そうした場合、藤井隆さん池脇千鶴さんをは
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愛情萬歳(1994年製作の映画)

3.5

空き家の高級マンション一室。家主ではないのに鍵を所持する3人の男女(納骨棚セールスマンのシャオカン、露天商のアーロン、不動産営業のメイ)がそこを拠点に交わったりニアミスしたりする。人間関係がほぼ構築さ>>続きを読む

セトウツミ(2016年製作の映画)

4.0

だらだら続く会話劇とだけの認識で観はじめたので、あーこれが1時間以上はきついなと思っていたところ、エピソード0:内海のモノローグでぐっと引き込まれました。

"この川で暇潰すだけの青春があってもええん
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あん(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ああ、これは大傑作です。ハンセン病という社会問題を背景にしつつ、「察して優しくなること」の大切さを再認識できます。最高レベルの演技力とリアルな脚本・演出の結果、まるで自分ごとのような追体験となり誰かに>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.0

内容的には日本の連ドラとかでもよく観る、肩の力を抜いて観れるハッスルお仕事系でした。特徴は私でもわかるくらい衣装が絢爛豪華なところですかね。

パリ出張でのエミリーとのごたごたは確かに難しいですよね。
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麻雀放浪記(1984年製作の映画)

3.5

麻雀や将棋など局面は映さず俳優側の表情だけで、状況を伝えるシーン演出にしびれます。今作はそれに加えて積込の緊張感も加わってるから最高ですね。

ドサ健が渋いという噂は評判以上でしたが、それ以上のクズっ
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.5

スウェーデン富豪一族に起きた失踪事件をダニエルクレイグ雑誌記者が解き明かす!想像よりエンタメミステリー寄りの作品だった、が相関図とか巻き戻し機能ないと流石にキツくないですか?ムズい。。

007やナイ
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.5

村上龍さん台詞のセンスと庵野さん映像のセンスがぶつかり合ってはいるものの、タイムリミット要素を入れることでエンタメ性も確保しており観てて飽きない。

時代性の映像記録がコンセプトにあると思うので会話の
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チワワちゃん(2018年製作の映画)

3.5

どいつもこいつもとにかく乱痴気に騒ぎまくる。ちょっとだけ楽しそうだ。(参加させてもらえなそうだし、あの中で楽しめる自信もないけど)でも、やっぱりやめとこうという防衛本能が出てくる。なんでだろう?

"
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.5

白色テロをホラー的にデフォルメし負の歴史を風化させない気概のある作品。ただ、おそらく誇張化されてることはないのであろうし、そこが怖いところ。

元ネタのゲームからしてテーマは同じようで、素晴らしいアプ
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.5

とっても濃厚なのに100分以内におさまってることにびっくり。そしてクリントイーストウッド御大は当時80代というだからさらに驚きです。

旅客機の操縦シーンって派手さがなさそうなのに、ぴりぴりとした緊張
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.5

朝井リョウさん原作なので覚悟してましたが、基本的にみんないい人たちでよかった。

私自身、どちらかというと中川友望さんや藤原季節さん演じるキャラ(卒業式のハイテンション地獄だよね)側なので、「馴染めな
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.0

いやー。これは、おもしろかった!!

ザッカーバーグの学生時代、こんなに陰キャクズだったんだね。ブログの内容とか女性の評価サイトはかなりどうかと思うけど、あの鬱屈とした嫉妬エネルギーに共感したのはここ
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his(2020年製作の映画)

3.5

藤原季節さん演じる迅の見え方がどんどん変わっていきます。流石に序盤は随分勝手だなあとは思ってしまいますね。

ところがパイプオルガンの仕事を紹介してもらうところの"これまでは長続きしなかったんですが、
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