金宮さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.5

キービジュアルのイメージから重厚なマフィア映画なのかと勘違いして、鑑賞に二の足を踏んでいたが誤解だった。いい意味で軽妙なクライムエンターテイメント。大好きなウルフオブウォールストリートはここからはじま>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.0

過剰に次ぐ過剰。新井英樹さんの漫画はなんどもチャレンジしては挫折しており、真利子監督なら池松壮亮さんならいけるかと鑑賞しました。

思いの強さを、ハイすぎるテンションと時には痛みをもって響かせる。それ
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平成真須美 ラスト・ナイト・フィーバー(2019年製作の映画)

3.5

クリエイター(笑)の産みの苦しみを揶揄しているということなのかしら。二宮健監督はフィルモグラフィーが独特すぎて混乱中。

伊藤沙莉さんは怪訝な顔がほんとに似合う。お兄さん譲りの表情ツッコミが冴え渡って
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

民族、宗教紛争の激しい北アイルランドに残るか移るか。出稼ぎでロンドンによく出向く父は子供のことも考え移住を提案するが、母は郷土愛から反対のよう。

第三者から見ると合理的判断としては移住一択にも見える
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

岡田将生さんって国宝級のルックスだし、SNSとかを拝見していてもとってもいい人なのが伝わってくる。なのになぜ??癖のあるなんなら嫌なヤツをやってるイメージが多い。告白とか何者とか。ドライブマイカー観て>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.0

人間関係の成立のために「偽る」「装う」部分があったとしても、そんな要素も含めてその人。ありのままを受け止めたり、思いのままに反応してみることで解脱できることもある。宇多田ヒカルさんのSimple an>>続きを読む

ペタル ダンス(2012年製作の映画)

3.0

自殺未遂をした友人に会いに行く。そもそも会いに行くべきだったのか?で議論するシーンがありましたが、自分は会いにいくことを選ぶかな。今回の感想はこの程度にとどまりなんだか寂しい気持ちになる。

映画でい
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

中盤で判明する主人公の過去に絶望を感じる。気持ちが全く癒えることはないのも仕方がなく、心は閉じたまま。一方、父親を亡くした甥の態度は軽薄に見え、主人公の気持ちとの対比のよう。ただそれは誤解で、悲しみに>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

FUJIWARA SATORUは誰なのか?最後の方まで不明なつくりとなっており、実は稲垣さんですら性的嗜好について自己紹介はされていない。

「他者のフェティシズムがわからない(把握できない&理解でき
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鼓動(2019年製作の映画)

3.5

父に対して後悔の念が残る藤原季節さんが、路上で泣き崩れる父と同年代の初老男性を見かけ、ある行動に出る。

おそらく急な思い立ちだろうが、その心の機微はとてもよくわかる。きっとこの話には続きがあり、それ
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もうひとつのことば(2021年製作の映画)

3.5

一期一会のワンコイン英会話。はじめましての相手と4人で英語トークするカフェみたいな場所ですね。そこで嘘の設定でふるまう遊びに意気投合した男女が、「お互いに深入りしない」「日本語のときだけは本当のことを>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

抗うことができない過酷な境遇に、罪がどんどんエスカレートしていく。

招かれたお家でお菓子をポケットに入れる程度なら可愛いものの、友達へのプレゼントとしてたまごっちを店から盗む。たぶん、癖になってます
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

3.5

荻上直子監督。「かもめ食堂」「めがね」などのイメージで停滞していたので小林聡美さん・もたいまさこさんでシュールなスローライフを描く人、という酷い誤解をしていました。ごめんなさい。

今作の田舎暮らしは
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逆光(2021年製作の映画)

3.0

ワンダーウォールで岡山天音さん若葉竜也さんという達人に紛れながらもしっかり存在感をはなっていた須藤蓮さんと中崎敏さん。そのお2人が主演しかも須藤さんにいたっては監督まで!というところで気になり拝見しま>>続きを読む

ある日本の絵描き少年(2018年製作の映画)

5.0

映画にもまだまだこんな新しい表現方法があった。

主人公が漫画家を目指し挫折し再生するまでの30と数年間を、その年代に描いていたであろう絵のタッチで映像化。さらさらっとトレンドをおさらいできる効果とと
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Every Day(2016年製作の映画)

2.5

離婚式をおしゃれ風に撮影したシーンは歴代でもトップクラスのおぞましさ。まさかあれで会費とってんのか?社会勉強としてそこだけでも見る価値はあった。

ヒロインの父親ぽい人がとにかくネチネチしている。相手
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.5

マブリー無双の要素は意外にも薄めな代わりと言ってはなんですが、コテコテのB級映画成分をどうぞ、といった感じ。B級グルメはわかりやすく濃い味の方がいいですよね。

以下がお気に入りのシーン。

・「あー
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

4.0

市井の人々がはまりかねない絶望的状況としては、リアリティが非常に高く身に詰まる。全てのキャストがとんでもない演技をしていて、ヒリヒリする追体験を下支えする。
 
キーワードはさらっと登場するシロクマ効
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正しいバスの見分けかた(2015年製作の映画)

4.0

日常系?いやいや割と事件起きてますやん!
と他作品に言わんばかりに、本当にまったくなにも起きないがなぜか概ね見てられる会話が続く。

競馬四季報持ってる中条あやみさんとソニックユース聴いている萩原みの
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.0

言葉を失った女性と半魚人のような生物の交流を描くことによる、多様な愛への賛歌。

その対比として、ごりごりの人種差別とちょこっとだけのセクシャルマイノリティ偏見が描写されるが、割と明確に嫌な感じ。
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マスマティックな夕暮れ(2017年製作の映画)

4.0

「劇団の笑い」は自分的に悪口だったのですが、ヨーロッパ企画様が払拭してくれています。

とにかくつっこみレスでボケまくる。ハイテンションなのもヤンキー設定なので無理なく不快がない。お気に入りは勉強でき
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.0

やはりウェスアンダーソンのつくる世界はとっても好み。なんというか質感がウェットにならないのがよいです。感動シーンであっても少し照れ隠しが入るというか、今作だとチーフにビスケットをあげるシーンとかね。>>続きを読む

中村屋酒店の兄弟(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

田舎に残り稼業の酒屋を継いだ兄と東京から急に戻ってきた弟。兄は、認知症で息子のことすら忘れた母の面倒も1人でみているという苦境。弟はどうやら東京で充実した生活をしていたようである。

どうしても西川美
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ある男(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人間関係で先入観から逃れることは不可能。だいたいの人が「いやいや自分はそんなことない」と言いたくなるが、今作では苗字・生まれ・稼業・血縁などなど様々なアプローチで実例を示す。やってないとは言わせない。>>続きを読む

疑惑とダンス(2018年製作の映画)

3.0

出演陣には設定だけ伝達し、密室ワンシチュエーションを脚本すらなしのアドリブで撮りきったという実験異色作。

流れ自体が出演陣のアドリブ任せ展開大喜利になる。おそらく「コメディ方向にしてくれ」とだけは指
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

4.5

丁寧な暮らしの飯テロ映画にとどまらず、名台詞のオンパレードで人生観について考える

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前作の夏/秋に引き続きの飯テロっぷりなんですが、比較的一般家庭でも再現できそうなものが増えてい
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still dark(2019年製作の映画)

3.5

盲目の青年が料理人を目指す青春を淡々と描く、素晴らしい作品でした。

料理長とケンタのすごさが、ノータイムでユウキがいちばん望んでいる言葉を選択できる会話で端的に表現されています。一方で過剰な気遣いを
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老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

3.5

ドタバタコメディの様相を呈し、さらには随所によしもと芸人やバラエティでの人気者を配置することで軽薄な印象があるが、実は相当なお金持ち以外にとっては身に迫る内容。

姑はかなりの毒親だし、打ち解けるきっ
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リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

3.5

どれもこれもとっても美味しそうだけど、その丁寧な手順にびっくり。(特に栗の渋皮煮!)食べることって単なる生命維持ではなく娯楽なんだなとあらためて。もちろん、いのちをいただいているということを再認識する>>続きを読む

はりぼて(2020年製作の映画)

4.5

血税の不正利用なのでタイムリーな話題。

コント調に演出することに一貫してますね。そしてそのセンスが抜群に良い。途中まではサービス精神なのかな?と思ってましたが、違いました。闇雲に怒らず茶化せているの
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

音楽とカーチェイスのコラボをとにかくクールにかっちょよく、のアイデアでひたすら一点突破。

エドガーライト監督、ショーンオブザデッド(ゾンビ&コメディ)でも感じたんですが、割と誰でも思いつきそう感すら
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.5

白石監督にしては希望の残る終わり方。
完全にクズな郁男になぜか周囲の人間は懐くし、手を差し伸べる。そのなぜか?の説得力として香取慎吾さんの溢れ出る人間的魅力を活用する。その手があったかという感じ。
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