いめーじ

One Room サードシーズンのいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

One Room サードシーズン(2020年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

新ヒロインが2人(各4話)、1・2期のヒロインが2人(各1話)、常連だった花坂結衣の完結編(2話)と、忙しくも嬉しい構成。それぞれの主題歌も良い。

琴川昌には初っ端から驚かされた。
一見不良かと疑う明るくて長い髪、何がそんなに良いのか分からんが目立つ首元のホクロ、かわいい方言、良い顔、そして何よりも…転校を繰り返している境遇が最高だ。
誰とも深く関わらない生活を続けてきたお前に、離れていても育まれる確かなものを証明してやる。
作っていた野菜がトマト、ナス、ピーマン、キュウリと、俺の苦手なもんしかなかったけど俺がセンパイだ。誰が何と言おうとお前のセンパイなんだ…。
このまま遠距離恋愛のピュアな距離感を保ち続けたい…いつの間にか疎遠になりたい…別の男とイイ感じになってたらどうしよう…とか、自分の中に邪な感情が湧いてくる感覚が気持ちいいのはナイショ。

ファーストシーズンで猛威を振るった最高の妹である桃原奈月(15歳)の再登場には圧倒的な萌えを堪能できたし、シリーズ全体で最萌の天月真白が愛飲していた「ぶどうちゃんジュース」のラベルデザインを担当していたことも判明する。
もっとデザインを学ぶためとかで東京の学校へ入学するついでに、お兄ちゃん(俺)と同居したいなどと言い出すもんだから、やれやれと頭を抱えるしかない。
またエロ本を燃やされかねないし、都市への人口集中を憂う気持ちもあるが…これからの成長と生活がとても楽しみになるというのが本音だ。食費も浮きそう。決していやらしい気持ちは無い。彼女を作って家に連れ込んで妹にショックを与えたい。

セカンドシーズンで変わることのない愛と銭湯の継続を共に誓った七橋御乃梨との再会は、俺の心を誰よりも温めてくれた。何も言うことは無い。俺達は大丈夫だ。

新ヒロインの織崎紗耶も予想外の良さだった。お姉さん属性とかわいらしさの完璧な同居。特筆すべきはコートの上からでも分かる豊満なバスト。失業中の24歳だろうと、俺はあなたに救われたんだ。俺も支えたい。末長くよろしくお願い致します。

そして訪れる花坂結衣との終わりの時。
花坂結衣編はセカンドシーズンの時点で他人の人生を観ている感覚に陥ってしまったが、とうとう最終話では完全に置いて行かれましたね。
でもこれでいいんだ。本当に嬉しい。好きだったから、俺なんか置き去りにしたほうがいいんだって…。俺は喜んで、君が出ていった誰もいない部屋の地縛霊になろうじゃないか。
好きな作品やキャラクターに置いて行かれる喪失感には何度も苦しめられてきたが、ここまでの遠さを感じたのは初めてかもしれない。
告白された時と同じ桜並木、走り回って手を振る愛しい娘、隣で優しく微笑む君。気付けば実家暮らしの俺が1人、モニターの前で真っ白な天井を見上げていた。